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山中さわおのギターはサイクロン|20年の遍歴と音作り【2026年版】

山中さわおのギターはサイクロン|20年の遍歴と音作り【2026年版】

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サウンドマニア編集部/楽器の購入ガイドや基礎知識を発信するサウンドマニア編集部です。ピアノ・ギターをはじめとした楽器選…

山中さわお(the pillows)のメインギターは、Fenderのサイクロン(Cyclone)系です。2001年にメキシコ製を導入し、2008年にUSA製へ、2011年末からはSquierのシグネチャーモデル「SAWAO CYCLONE B/W」へ。2001年から2024年まで、20年以上にわたってサイクロンという1モデルで通したところに、この人の機材選びの性格が出ています。本記事では、ギターの型番・年式・仕様を出典付きで整理したうえで、公開されているアンプとエフェクターのセッティング値、本人と共同開発されたオーバードライブ、そして2026年9月時点で実際に何が買えるのかまでをまとめました。

山中さわおとは──the pillowsのボーカル・ギターでリーダー

山中さわお(やまなか さわお)は1968年12月7日生まれ、北海道出身のボーカリスト・ギタリストです。1989年にthe pillowsを結成し、1991年にシングル「雨にうたえば」でメジャーデビューしました(ORICON NEWS「山中さわおのプロフィール」)。

the pillowsは2025年1月31日のKT Zepp Yokohama公演をもって3人での活動を終了し、解散しました。発表は翌2月1日で、公式サイトには「いつか再始動があるかと期待させるような言葉を使うのはためらわれ」たため「解散」という表現を選んだ旨が記されています(the pillows monument 公式アナウンス、2025年2月1日)。ドラムの佐藤シンイチロウは2026年3月に逝去しています(the pillows monument、2026年3月)。山中は解散後もソロおよびバンド名義で活動を続けています。

つまり本記事で扱う機材は、1989年から2025年までのthe pillows期を中心とした構成です。

使用ギター一覧──軸はFender/Squierのサイクロン

山中さわおの機材を時系列で追うと、2001年を境に性格が変わります。それ以前はESPのオーダー品、それ以降はサイクロン。以下は、出典を明示して機材遍歴を検証しているファン調査(ヒラヤン「山中さわおギター遍歴」note、2024年10月)と、メーカー・販売店の公式情報を照合して整理した一覧です。

モデル名(正式表記)

メーカー

使用時期

ポジション

ESP テレキャスターシンラインタイプ(オーダー品)

ESP

1993〜2001年

当時のライブ用メイン

ESP ULTRA TONE(オーダー品)

ESP

1996年頃

一時メイン

Fender Cyclone(メキシコ製)

Fender

2001〜2008年(以降サブ)

メイン→サブ

Fender Cyclone(USA製・白黒リフィニッシュ)

Fender

2008〜2011年

メイン

Squier SAWAO CYCLONE B/W

Squier by Fender

2011年末〜2024年

メイン

Taylor T5

Taylor

2007年〜

一部楽曲・弾き語り

Gibson Les Paul Standard(外観からの推定)

Gibson

2008年頃〜

レコーディング中心

Fender American Standard Telecaster

Fender

2011年〜2020年頃

弾き語り・一部楽曲

Fender Powercaster(メキシコ製)

Fender

2021〜2022年頃

ソロ・一部ライブ

Fender American Professional II Stratocaster

Fender

2022年〜

レコーディング用

Fender Made in Japan Limited Cyclone

Fender

2024年〜

弾き語り用として購入報告

※使用時期は、ライブ映像・雑誌記事・ファンクラブブログ等をもとに前掲のファン調査が整理したものです。本人が機材変更の時期を公式に発表しているわけではないため、一部は推定を含みます。

2001年以降、ステージのメインはサイクロン。レスポールやストラトキャスター、テレキャスターはレコーディングや弾き語りといった場面ごとの使い分けに回っている、という構図です。

Fender Cyclone(メキシコ製)──2001年、機材を総入れ替えしたときの1本

Fender Cycloneは、ムスタングと似た小ぶりなオフセットボディに24.75インチ(629mm)のミディアムスケールを採用し、ブリッジにハムバッカー、ネックにシングルコイルを載せたモデルです。ストラトキャスターと同型のヴィンテージタイプ・トレモロを搭載する点も特徴とされています(Fender公式「Made in Japan Limited Cyclone」製品ページ、2026年9月15日確認)。前掲のファン調査によれば、ムスタングの改良版として1997年に登場し、当初はメキシコ製のみだったものが後にUSA製やSquierにも広がったとされます。ムスタングより厚いボディを持つ点も、同調査が挙げる違いです。

山中がこのギターを手にしたのは2001年。前掲のファン調査によれば、もともとギターへのこだわりが薄かったところへヨ・ラ・テンゴのライブで音作りの意識を刺激され、ギター・アンプ・エフェクターを一度に入れ替えたタイミングだったとされます。選択の理由は「ハムバッカーが欲しい」というシンプルなもので、アルバム『smile』発表時のインタビューが出典として挙げられています。

改造点はピックアップセレクターをトグルスイッチからスライドスイッチに変更した点で、それ以外はノーマルとみられます。ボディ下部のステッカーは2004年頃までが「I THINK I CAN」、以降は芥子の花の図案へ変わったとされます。同仕様のサイクロンをこの個体以外にも複数所有していたことが、雑誌掲載写真から確認されています。

サイクロン期の起点は2001年の機材総入れ替えで、動機は「ハムバッカーの音が欲しい」という具体的な要求でした。

Fender Cyclone(USA製)──白黒カラーが生まれた1本

2008年のアルバム『PIED PIPER』から2011年の『HORN AGAIN』頃まで使われたのが、USA製のサイクロンです。ボディ表面だけでなく裏面もネックも白黒に塗り分けられ、サイドポジションには稲妻の柄が入っています。この白黒カラーリングは以降、山中さわおのトレードマークとして引き継がれていきます。

カラーリングはマイケル・シェンカーへのオマージュで、リフィニッシュには本人の言葉として「本体の3倍近くの金額が掛かった」という費用がかかったと紹介されています(前掲のファン調査)。ピックアップはサブのメキシコ製個体から移植されたもので、USA製と判断できる根拠は2点支持のブリッジとサドル駒の形状だとされます。20周年の日本武道館公演でも使用され、その後は不調となり自宅で保管されているとのことです。

白黒という視覚的な記号がここで確立し、次のシグネチャーモデルへそのまま受け渡されました。

Squier SAWAO CYCLONE B/W──国内限定300本のシグネチャーモデル

山中さわおのシグネチャーモデルは、Fenderブランドではなく、Squierブランドから発売された「SAWAO CYCLONE B/W」です。2013年11月に島村楽器で受注が始まり、翌春の入荷が案内されました。国内限定300本という規模で、白黒のカラーリングは前述のUSA製個体を踏襲しています(島村楽器 Update!「SAWAO CYCLONE B/W 受注スタート」)。

項目

Squier SAWAO CYCLONE B/W

型名

SAWAO CYCLONE

ボディ材

バスウッド

ネック材/指板

メイプル/ローズウッド(9.5インチラジアス)

フレット

22F ミディアムジャンボ

ピックアップ

ネック:シングルコイル1基/ブリッジ:ハムバッカー1基

コントロール

3ポジション・スライドスイッチ、ボリューム1、トーン1

ブリッジ

ヴィンテージスタイル・シンクロナイズド

スケール

24 3/4インチ(629mm)

ナット幅

1.650インチ(42mm)

付属品

イナズマステッカー(ポジションマークとして使用可)

生産数

国内限定300本

メーカー希望小売価格

66,000円(税込)

※スペック・価格は島村楽器 Update! の製品ニュース(2013年11月公開/2026年8月更新)の掲載内容です。

同ページには本人のコメントも掲載されており、このモデルを「キッズ達もリアルに手に取れるチャーミングなギター」と表現しています。高価なモデルではなくSquierブランドで出たこと自体が、その意図と地続きになっています。

⚠ 市販されたシグネチャーモデルと、本人がステージで弾いている個体は完全に同一ではありません。前掲のファン調査では、両者の違いは塗装とピックガードで、それ以外のスペックは同じと説明されています。また本人の個体は2019年頃にリアピックアップが交換されており、交換後の機種については「メキシコ製やUSA製と同じFenderのアトミックハムバッカーではないか」という本人の推測が紹介されている段階です。断定された情報ではない点にご注意ください。

2011年末のツアーから解散直前まで、ステージのメインはこのSquier製のシグネチャーモデルでした。

サイクロン以外のギター──役割で分かれている

サイクロン以外の個体は、ライブのメインではなく用途別に使われています。Taylor T5はアコースティック構造にハムバッキングピックアップとボディセンサーを組み合わせたハイブリッドで、2007年のツアーや弾き語りイベントで登場しました。Gibsonのレスポールは2008年の『PIED PIPER』でレコーディングに多用されたとバンドスコア内で語られており、重いためライブでは使わないと本人が述べています。

2021年に中古で購入したFender Powercasterは、フロントにMP-90、リアにアトミックハムバッカーを載せたミディアムスケールのモデルで、ソロ活動と一部のライブで使われました。2024年には2024年限定生産のFender Made in Japan Limited Cycloneを購入した報告がファンクラブブログに出ています。

ステージ=サイクロン、レコーディングと弾き語り=それ以外、という住み分けが機材選択の実態です。

機材変遷タイムライン──2001年で一度すべてが入れ替わる

機材変遷の骨格 1993〜2001年:ESPオーダー品 → 2001年:ギター・アンプ・エフェクターを総入れ替え(メキシコ製サイクロン+Fender '65 Twin Reverb+LINE 6 DM4)→ 2008年:USA製サイクロン+ORANGE → 2011年末:Squier SAWAO CYCLONE+Fender Blues Deluxe Reissue → 2021年以降:MY FOOTとCarr Impalaへ

時期

メインギター

メインアンプ

主な歪み

1993〜2001年

ESP テレキャスターシンラインタイプ

(2001年以前の情報は限定的)

(同左)

2001〜2002年頃

Fender Cyclone(メキシコ製)

Fender '65 Twin Reverb

LINE 6 DM4

2003〜2007年

Fender Cyclone(メキシコ製)

Ampeg R-212R Reverberocket

LINE 6 DM4/BOSS MD-2

2008〜2011年

Fender Cyclone(USA製)

ORANGE Rockerverb 50 Combo

LINE 6 DM4(boost comp)

2011年末〜2021年

Squier SAWAO CYCLONE B/W

Fender Blues Deluxe Reissue

LINE 6 DM4/BOSS BD-2

2022〜2024年

Squier SAWAO CYCLONE B/W

Carr Impala

MY FOOT×2/EarthQuaker Devices Zoar

※アンプ・エフェクターの時期はヒラヤン「山中さわお・真鍋吉明の使用アンプについて」noteおよび同「山中さわおの使用エフェクターについて」noteの整理に基づきます。いずれも確認可能な最古の情報が2001年のため、それ以前は対象外とされています。

ギター単体ではなく、ギター・アンプ・足元がセットで切り替わっているのがこの人の機材史の特徴です。

音作りの設計──歪みはアンプではなく足元で作る

山中さわおのサウンドを機材から再現しようとするとき、ギター選びより効いてくるのがこの部分です。前掲のアンプ編・エフェクター編の調査では、2001年以降についてアンプはほぼクリーンに設定し、歪みはエフェクターで作るという方針で共通していると整理されています。

信号の流れと、それぞれの役割

接続順 ①オーバードライブ(1〜2台)→ ②ディストーション → ③ブースター(1〜2台)→ ④モジュレーション・空間系(1〜2台)→ ⑤イコライザー

サイクロンを弾く前提での役割分担は、次のように説明されています。①はフロントのシングルコイル用のクランチ、②はリアのハムバッカー用のディストーション、③はサビやソロで音量と歪みを持ち上げるとき、④はトレモロ・フェイザー・ディレイなど一部の楽曲だけで使う飛び道具、⑤は最終的な音色調整として終始オン。

注目したいのは⑤のイコライザーです。BOSS GE-7は2004年頃から2007年までブースターとして使われたあといったん姿を消し、2011年末にSquierのサイクロンを使い始めて以降、信号の最後段に置かれて常時オンのままアンプの上に置かれるようになったとされます。正確な切り替え時期は不明とされており、最終段での使用が確認できるのはギター・マガジン2013年4月号の時点からです。同誌のインタビューでは、高価なギターに手が届かなくてもイコライザーなら手が出る、うまく調整すれば歪ませても暴れない音になる、という趣旨の発言が紹介されています。

役割

モデル名(正式表記)

使用時期

オーバードライブ/ディストーション

LINE 6 DM4 Distortion Modeler

2001〜2021年

オーバードライブ(メイン)

MY FOOT

2021年〜(2023年から製品版)

ディストーション

BOSS MD-2 Mega Distortion

2005年〜

ディストーション

EarthQuaker Devices Zoar

2023年〜

ブースター

BOSS BD-2 Blues Driver

2004年頃〜

ブースター

MXR M133 Micro Amp

2008〜2011年

フィードバッカー/ブースター

BOSS FB-2 Feedbacker/Booster

2013〜2014年頃

トレモロ

BOSS TR-2 Tremolo

2006年〜

ディレイ

MAXON AD9pro Analog Delay

2008〜2010年

ディレイ

BOSS DD-3T Digital Delay

2024年に使用確認

フェイザー

MXR M101 Phase 90

2016年〜

ファズ

LUNASTONE RED FUZZ 1

2024年〜

マルチエフェクター

LINE 6 M5

2012年のみ

プリアンプ的に使用とみられる

KLON KTR

2023年頃〜

イコライザー

BOSS GE-7 Equalizer

2004年頃〜2007年(ブースターとして)/2013年頃〜(最終段で常時オン)

チューナー

BOSS TU-2 → KORG PB-01 Pitchblack → tc electronic PolyTune 3

2001年〜

パワーサプライ

Custom Audio Japan AC/DC Station Ver.2/Ver.6

2013年頃〜

歪みの台数が多いのは、1台で音量と歪みを稼ぐのではなく、役割を分けて積み上げる設計だからです。

公開されているセッティング値

具体的な数値が公開されている例は多くありませんが、次の3つは出典が明示されています。

対象

設定値

出典として挙げられているもの

Fender '65 Twin Reverb

チャンネル1/ブライトスイッチ オフ/ボリューム3/トレブル4/ミドル3/ベース2.5

2001年のDVD『Busters on the planet』収録コーナー

LINE 6 DM4「tube driver」

drive 3.5/bass 5/middle 5.5/treble 7/level 8

本人のポッドキャスト『fool on the planet』

LINE 6 DM4「Classic distortion」

drive 3.2/bass 5/middle 5.5/treble 4.5/level 5

同上

DM4の「tube driver」はChandler Tube Driverの、「Classic distortion」はProCo RATのモデリングにあたります。数値を見るとどちらもdriveは3〜3.5と低めで、歪みの量そのものより、トレブルとレベルの設定で音の抜けを作っていることが読み取れます。なお2008〜2011年のUSA製サイクロン期は、この2つとも「boost comp」に切り替えられていたとされます。

公開値から見えるのは、深く歪ませるのではなく、歪みを抑えたまま帯域で前に出すという発想です。

MY FOOT──本人と共同開発されたオーバードライブ

2021年以降のメインのオーバードライブが、山中さわおと共同開発されたペダル「MY FOOT」です。公式サイトには、ドライブやトーンといったサウンド面から筐体の色やノブの種類まで本人と打ち合わせて作られたオーダーメイド品であり、すでにメインのオーバードライブとしてレコーディングとライブで使われていると記載されています(MY FOOT official site)。

項目

内容

コントロール

DRIVE/TONE/VOLUME

電源

センターマイナス極性の9Vアダプターのみ

サイズ

縦111mm/幅66mm/高さ44mm

重量

229g

価格

税込22,000円

販売状況

部材の価格高騰と調達状況により、当面の間 販売休止(2026年9月15日確認)

本人は同じMY FOOTを2台並べ、片方を弱め、もう片方を強めのオーバードライブに設定して曲ごとに使い分けているとされます。前述の「①オーバードライブ1〜2台」という構成が、そのままこのペダル2台に置き換わった形です。

2026年9月15日時点では販売が休止されているため、同じペダルを新品で入手することはできません。

使用アンプの変遷

アンプはFender系を軸にしつつ、2008年から2011年だけORANGEに寄っています。この時期の導入理由として、ギターの真鍋吉明がORANGEを使っていたので2人ともORANGEだと面白いと思った、という趣旨の発言が雑誌インタビューから紹介されています。2022年以降はアメリカのブティックメーカーCarrのImpalaを使用しており、これは1960年代のFender Bassmanをベースにしたモデルとされます。

⚠ the pillowsのギターサウンドを調べていると、ORANGE OR120やMarshall JCM800といった機種名が出てくることがありますが、これらはギターの真鍋吉明の機材です。2人の機材を混同すると、山中さわおの音作りの方針(アンプはクリーン寄り、歪みは足元)とは逆の構成になってしまいます。

アンプは歪みの主役ではなく、クリーン〜クランチの土台を作る役割に徹しています。

弦・ピック・ケーブル──足元以外の小物

小物類は公開情報が少なく、調査側も推定と明記している項目が含まれます(ヒラヤン「山中さわお・真鍋吉明の使用ギター小物について」note、2025年4月)。

項目

モデル名(正式表記)

確度についての注記

弦

Ernie Ball Regular Slinky(10-46)

2009年のギター・マガジンでは「アーニーボール」とのみ記載。ゲージは画像・映像からの推定

ピック

Fender 351 Shape Shell Heavy(特注品)

裏面にバスター君がプリントされた非売品

ストラップ

Ernie Ball Polypro Guitar Strap(ブラック)

2002年頃から。それ以前はSURE-LOCK SL-POLY

シールド

EX-PRO FLシリーズ

2013年時点で使用確認

パッチケーブル

Montreux Premium Cable Arena Jr.

プラグ形状からの推定と明記されている

ワイヤレス

EX-PRO PRO-10X+TR-10X

少なくとも2006年時点で使用確認

ダダリオのEXL120+は真鍋吉明が2023年から愛用している弦であり、山中の使用弦ではありません。2人の機材を並べて紹介している資料を読むときは、どちらの項目かを確認してください。

小物は推定を含む領域なので、「これでなければ出ない」と考えるより、ミディアムスケールに10-46という組み合わせの感触をつかむ材料として見るのが実際的です。

同じ方向のサウンドに近づくための機材選び

サイクロン系ギターの入手状況(2026年9月時点)

2026年9月15日にデジマートでcyclone・サイクロンを検索した範囲では、エレキギターとして掲載されていたサイクロン系は次のような内訳でした。

対象

2026年9月15日時点の掲載状況

Fender Made in Japan Limited Cyclone

新品掲載あり。2024年限定生産のモデルで、Fender公式ストアの表示価格は140,800円(税込)、同ストアでは全カラーが売り切れ表示

Fender Chilli Beans. Lily Cyclone

2025年10月11日発売のシグネチャーモデルとして新品・アウトレットが複数流通。ただしピックアップはハムバッカー2基(コイルタップ付き)で、山中さわおが使ってきたシングル+ハムバッカーの構成とは異なります

Squier Cyclone(Vintage Modified/FSR等)

中古の掲載は3件

Squier SAWAO CYCLONE B/W

この検索範囲では掲載を確認できず

Fender Cyclone(メキシコ製/USA製)

この検索範囲では中古の掲載を確認できず

※上記はデジマートの当該検索条件・当該時点での掲載状況であり、市場全体の在庫を示すものではありません。他の検索条件や他の販売チャネルには掲載がある可能性があります。Chilli Beans. Lily Cycloneの仕様はFender公式製品ページ(2026年9月15日確認)によります。

本記事では、実測にもとづく中古相場レンジを掲載していません。サイクロン系の中古掲載が上記の範囲で3件にとどまり、統計として提示できる母数に達していないためです。推測でレンジを示す代わりに、次項で判断材料を整理します。

中古のサイクロンを検討するときの確認ポイント

サイクロンは断続的に生産されてきたモデルです。前掲のファン調査では2000年代後半にいったん生産終了し、その後スポット生産で短期間の復刻が繰り返されたとされ、直近のFender Made in Japan Limited CycloneもFender公式が2024年限定生産と明記しています。本記事のデジマート検索でも中古の掲載は3件でした。参照できる出物が少ないぶん、価格の妥当性は「相場表」よりも個体の条件で判断することになります。

確認項目

見るべき理由

製造国・シリーズ

メキシコ製・USA製・Squier・日本製で仕様が異なります。ボディ材(ポプラ/アルダー/バスウッド)やピックアップが変わるため、同じ「サイクロン」でも比較対象になりません

ピックアップの交換歴

ハムバッカー+シングルという構成がこのモデルの個性です。交換済みの場合、元のキャラクターとは別物になります

ブリッジまわり

ヴィンテージタイプのシンクロナイズド・トレモロが載ります。アームの欠品や可動の渋さは確認対象です

ネックの反り・フレット残量

ミディアムスケールは弦のテンションが緩めで、セッティングの許容幅が狭くなりがちです。トラスロッドに調整の余裕があるかを確認してください

電装系の動作

スライドスイッチ仕様の個体(シグネチャーモデル等)は、接点の状態が音切れに直結します

塗装の変更歴

塗装の変更は評価額に影響します。出品情報にリフィニッシュの記載があるか、ネックポケットやキャビティ内の塗料の状態が確認できるかを見てください

試奏できる店頭での購入なら、上記のうちネック・フレット・電装系はその場で確認できます。個人売買では確認手段が限られるぶん、出品情報の記載量そのものが判断材料になります。

ギター本体より先に効くところ

本記事で整理してきた内容から言えるのは、このサウンドの比重がギター本体だけに寄っていないということです。本人は市販のSquierをメインに据え、ピックアップの選定では「一番こもった音にして」とリクエストし、信号の最後段にBOSS GE-7を常時オンで置いていました。前掲のギター・マガジン2013年4月号のインタビューでも、ギターよりイコライザーに手を入れるという考え方が語られています。

そのため、同じ方向を目指すなら次の順序が記事内で確認できた事実と整合します。

  1. ハムバッカー+シングルコイルを積んだミディアムスケールのギターを用意する(サイクロン系に限らず、この構成であることが役割分担の前提になります)

  2. アンプはクリーン〜クランチに留め、歪みを足元に移す

  3. オーバードライブとディストーションを別々に持ち、フロント用・リア用として役割を分ける

  4. 信号の最後段にイコライザーを置き、常時オンで最終的な帯域を整える

ヴィンテージの希少個体を追う必要がない機材構成である点は、このアーティストの機材を調べるうえでの実務的な利点です。

よくある質問(FAQ)

山中さわおのメインギターは何ですか?

2001年以降はFender/Squierのサイクロンです。メキシコ製(2001〜2008年)、USA製(2008〜2011年)、Squier SAWAO CYCLONE B/W(2011年末〜2024年)と移り変わりましたが、モデルとしてはいずれもサイクロンでした。それ以前の1993年から2001年までは、ESPにオーダーされたテレキャスターシンラインタイプが使われていたとされます。

シグネチャーモデルは今でも買えますか?

Squier SAWAO CYCLONE B/Wは国内限定300本の受注生産モデルで、2013年11月に受注が始まったものです。新品としての販売は終了しており、入手するなら中古市場を探すことになります。2026年9月15日時点のデジマート検索では掲載を確認できませんでした。オークションやフリマアプリを含め、出物を待つ形になります。

サイクロンとムスタングは何が違いますか?

ボディシェイプは似ていますが、ピックアップの構成が異なります。サイクロンは24.75インチ(629mm)のミディアムスケールで、ブリッジにハムバッカー、ネックにシングルコイルという組み合わせです。Fender公式の製品説明でも、ムスタングと同じく小ぶりなオフセットボディでありながらストラトキャスターと同型のヴィンテージタイプ・トレモロを載せた点が特徴として挙げられています。ハムバッカーが載ることが、山中さわおがこのモデルを選んだ理由としても紹介されています。

MY FOOTはどこで買えますか?

公式サイトによれば、部材の価格高騰と調達状況の影響により、当面の間 販売を休止しています(2026年9月15日確認)。再開時は公式サイトで告知されるとされています。

the pillowsは今も活動していますか?

2025年1月31日のKT Zepp Yokohama公演をもって3人での活動を終了し、解散しました。公式サイトでは、再始動を期待させる表現を避けるためにあえて「解散」という言葉を選んだことが説明されています。山中さわおは解散後もソロおよびバンド名義で活動を継続しています。

まとめ──サイクロンと、足元で作る歪み

山中さわおの機材は、2001年にギター・アンプ・エフェクターを総入れ替えしたところから性格が定まりました。ギターはFender Cycloneのメキシコ製に始まり、USA製を経て、2011年末からはSquier SAWAO CYCLONE B/Wへ。国内限定300本のシグネチャーモデルがSquierブランドで作られたこと自体が、この人の機材観を表しています。

アンプはクリーン〜クランチに置き、歪みはオーバードライブとディストーションで役割を分けて作り、最後段のBOSS GE-7で帯域を整える。2021年以降は本人と共同開発されたMY FOOTがその中心に入りました。ヴィンテージの高額個体に依存しない構成なので、同じ方向を目指すこと自体は現実的です。

気になるモデルがあれば、まず中古楽器検索サイトで現在の掲載状況を確認し、製造国とシリーズを見分けたうえで、可能なら実機を試奏してみてください。サイクロンは本記事の検索範囲でも中古の掲載が3件にとどまったモデルなので、条件の合う個体に出会えたときの判断が重要になります。

本記事は個人の使用経験に基づく情報です。楽器・機材の使用に際しては、取扱説明書や専門家の指示に従い、安全にご注意ください。

サウンドマニア編集部

楽器の購入ガイドや基礎知識を発信するサウンドマニア編集部です。ピアノ・ギターをはじめとした楽器選びや、メンテナンス・演奏に関する実用的な情報をわかりやすくお届けします。

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