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ギターペグ交換費用は総額いくら? 5パターン別に比較

ギターペグ交換の費用は総額いくら?5パターン別に積算比較

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サウンドマニア編集部/楽器の購入ガイドや基礎知識を発信するサウンドマニア編集部です。ピアノ・ギターをはじめとした楽器選…

ペグ交換にかかる費用は、交換パターンによって総額が大きく変わります。同じタイプのペグに交換する「同型交換(ポン付け)」であれば、パーツ代5,000円〜10,000円+工賃3,000円〜5,000円で総額8,000円〜15,000円程度。穴加工を伴う異種交換では、パーツ代+工賃+加工費を合計して総額15,000円〜38,000円程度まで上がるケースもあります(いずれも2026年8月時点、複数ショップの公開料金表に基づく目安)。

費用を左右する変数は3つ──「①ペグの種類(メーカー・タイプ)」「②交換パターン(同型か異種か)」「③依頼方法(DIYかショップか)」です。この記事では、ギターのペグ交換費用をパーツ代・工賃・追加加工費・送料(宅配リペア時)の4項目に分解し、交換パターン別の総額を比較表で整理しています。

費用の総額は「①ペグの種類(パーツ代を決定)」→「②交換パターン(追加加工費の有無を決定)」→「③依頼方法(工賃+送料の有無を決定)」の順に積み上がる構造。①×②×③の組み合わせで最終的な総額が確定します。

ペグ交換が必要になる3つのサインと交換前の原因切り分け

チューニングが合わなくなったとき、すぐにペグ交換を決断するのは早計です。ペグの劣化が原因なのか、別の箇所に問題があるのか──この見極めだけで、無駄な出費を防げます。

交換を検討すべき3つのサイン──ギア摩耗・チューニング不安定・外観劣化

ペグ交換を検討すべき代表的なサインは次の3つです。

1. ギアの摩耗(バックラッシュの増大) ペグのノブを回したときに「遊び」が大きくなっていれば、内部ギアの摩耗が進んでいます。バックラッシュ(ペグを回した際のギアの噛み合わせの隙間)が大きいと、微妙なチューニング調整が困難になります。

2. チューニングが安定しにくい 弦を張った直後だけでなく、演奏中にもチューニングがずれやすい。この場合はペグの保持力低下が疑われます。ただし、この症状はペグ以外の原因でも起きるため、次の項目で切り分けが必要です。

3. 外観の劣化(錆・メッキ剥がれ) ペグポストやノブに錆が広がると、弦がポストに引っかかって切れやすくなったり、回転がスムーズでなくなったりします。見た目だけの問題なら交換の緊急度は低い一方、機能に支障が出ていれば交換のタイミングです。

このほか、チューニング安定性やロック式への変更を目的としたアップグレード目的の交換も多い選択肢です。

交換前にペグ以外の原因を切り分ける──ナット溝・トレモロ・弦の巻き方

チューニングが不安定な原因はペグだけとは限りません。以下の3点を先に確認してください。

  • ナット溝の摩耗・溝幅の不適合:弦がナット溝に引っかかっていると、チューニング時に「パキッ」と音がしたり、アーミング後に戻りが悪くなったりします。溝に鉛筆の芯(グラファイト)を塗って改善するか試すのが簡易的な切り分け方法です。

  • トレモロユニットの不良(エレキギターの場合):フローティング設定のトレモロはスプリングバランスが崩れるとチューニングが不安定に。

  • 弦の巻き方:ペグポストへの巻き数が多すぎたり、弦が重なって巻かれていたりすると、弦の滑りでチューニングが狂います。

これらに問題がないことを確認してからペグ交換を判断すれば、「交換したのに改善しなかった」という事態を避けられます。

ペグ交換はチューニング不安定の万能策ではありません。ナット・トレモロ・弦の巻き方を先にチェックし、原因がペグにあると特定してから交換を判断するのが合理的です。

ペグの種類と穴径の互換性──費用レンジを決める最大の変数

GOTOHの公式仕様によると、SD91系(クルーソンタイプ)の取付穴径は約8.8mm、SG381系(ロトマチックタイプ)は約10mm(出典:GOTOH公式サイト 製品情報、2026年8月時点)。わずか1.2mmの穴径差が、交換時の追加加工費を左右します。ペグのタイプごとの穴径を正確に把握すること──これが費用を見積もる第一歩です。

クルーソン・ロトマチック・ロック式──3タイプの特徴と穴径

ギター用ペグは大きく3タイプに分かれます。

タイプ

穴径(標準値)

ギア比

代表モデル

特徴

クルーソンタイプ

約8.8mm

1:15前後

GOTOH SD91系

ヴィンテージFenderに多い軽量・コンパクトなペグ。ギアが露出している

ロトマチックタイプ

約10mm

1:16〜1:18

GOTOH SG381系、Grover 102

ギアがカバーで覆われた頑丈なペグ。Gibsonの現行モデルなどに標準搭載

ロック式

モデルにより約8.8mmまたは約10mm

1:15〜1:18

GOTOH マグナムロック、Sperzel Trim-Lok、Hipshot Grip-Lock

弦をペグポスト内部で固定する仕組み。弦交換が速く、チューニングが安定しやすい

※穴径はメーカー公式仕様に基づく標準値です(出典:GOTOH公式サイト、Grover公式サイト、2026年8月時点)。ヴィンテージギターや一部の廉価モデルでは規格外のケースがあります。

ロック式ペグはベースとなるモデルによって穴径が異なる点に注意してください。たとえばGOTOHマグナムロック(ペグポスト内のピンで弦を固定するGOTOH独自のロック式ペグ)には、クルーソン互換のSD91-MG-T(穴径約8.8mm)とロトマチック互換のSG381-MG-T(穴径約10mm)の両方があります。自分のギターの現行ペグ穴径に合ったモデルを選べば穴加工を回避できます。

交換パターン別の互換性と追加加工──穴径の差が費用差に直結する

交換パターンは大きく3つ。それぞれ追加加工の有無と費用が異なります。

  1. 同型交換(例:クルーソン→クルーソン)→穴径同一→ネジ穴が合えばポン付け可能(追加加工なし)

  2. 異型・穴拡大(例:クルーソン8.8mm→ロトマチック10mm)→リーマー加工で穴径を拡大→工賃アップ└ コンバージョンブッシング(小さいペグ穴に大きいペグを取り付けるための変換用リング、約800円〜1,500円/セット。2026年8月時点、ギターワークスでの販売価格に基づく)で穴加工を回避できるケースもあり

  3. 異型・穴縮小(例:ロトマチック10mm→クルーソン8.8mm)→穴埋め+再穴あけ+塗装補修→最も高コスト

コンバージョンブッシングの活用は費用を抑える有効な手段です。ただし、ブッシング外径と既存穴径のフィットが甘いとガタつきの原因になります。購入前に現在の穴径を実測し、ブッシングの仕様と照合するのが確実です。

ネジ穴の互換性も見落としやすいポイント。同メーカー・同シリーズ内(例:GOTOH SD91→SD91-MG-T)であればネジ穴位置が同一でポン付け(穴加工やネジ穴変更なしでそのまま取り付けられること)が可能ですが、異メーカー間ではネジ穴ピッチが異なることが多く、新規ネジ穴あけが必要になる場合があります。

穴径の差がわずか1.2mmでも、交換パターンによって追加加工費は0円〜20,000円まで変動します。自分のギターのペグ穴径を正確に把握することが、費用見積もりの出発点です。

ペグ本体の価格帯──メーカー×タイプ別比較表(2026年8月時点)

GOTOH SD91系のクルーソンタイプは6個セットで約4,500円〜6,500円、Hipshot Grip-Lockのロック式は約15,000円〜22,000円。メーカーとタイプの組み合わせで、パーツ代に3倍以上の差が出ます。

エレキギター用ペグの価格比較──GOTOH・Grover・Sperzel・Hipshot・Schaller

メーカー

モデル名

タイプ

セット個数

価格帯(税込)

備考

GOTOH

SD91-05M

クルーソン

6個

約4,500円〜6,500円

ヴィンテージFender互換の定番

GOTOH

SG381-07

ロトマチック

6個

約6,000円〜9,000円

精度と価格のバランスに優れる

GOTOH

SD91-MG-T

ロック式(クルーソン互換)

6個

約9,000円〜11,000円

穴径約8.8mm。クルーソンからポン付け可能

GOTOH

SG381-MG-T

ロック式(ロトマチック互換)

6個

約9,000円〜13,000円

穴径約10mm。ロトマチックからポン付け可能

Grover

102C

ロトマチック

6個

約7,000円〜10,000円

Gibson純正交換用の定番

Sperzel

Trim-Lok

ロック式

6個

約12,000円〜18,000円

米国製。軽量でスタッガードポスト選択可

Hipshot

Grip-Lock

ロック式

6個

約15,000円〜22,000円

米国製。高精度だが高価格帯

Schaller

M6

ロトマチック

6個

約10,000円〜15,000円

ドイツ製。ロック機構付きモデルもあり

※価格はサウンドハウスでの実勢販売価格およびメーカー公式価格に基づきます(2026年8月時点、出典:サウンドハウス公式ECサイト、GOTOH公式サイト)。仕上げ(クローム/ゴールド/ニッケル等)により価格が変動します。

アコギ・クラシックギター・ベース用ペグの価格帯

カテゴリ

メーカー

モデル名

セット個数

価格帯(税込)

備考

アコギ用(ソリッドヘッド)

GOTOH

SG301-20

6個

約5,000円〜7,000円

オープンバックタイプ

アコギ用(ソリッドヘッド)

Grover

309

6個

約8,000円〜12,000円

Super Rotomatic

クラシックギター用(スロテッドヘッド)

GOTOH

35G420

6個

約8,000円〜12,000円

スロテッドヘッド(ヘッド側面にスリット状の溝があり、そこにペグ軸を通す構造)専用

ベース用

GOTOH

GB707

4個

約7,000円〜10,000円

コンパクトタイプ

ベース用

Hipshot

Ultralite

4個

約18,000円〜28,000円

超軽量。ヘッド落ち(ネックヘビー)の改善に効果的

ベース用

Schaller

BM Light

4個

約13,000円〜18,000円

ドイツ製軽量モデル

※価格は2026年8月時点、サウンドハウス実勢価格に基づきます(出典:サウンドハウス公式ECサイト)。クラシックギター用のスロテッドヘッド対応ペグはエレキ用と完全に非互換です。アコギのソリッドヘッド用はエレキ用ロトマチックと穴径が共通する場合があります。ベース用は4個セットでもギター用6個セットと同等〜それ以上の価格帯で、1個あたりの単価が高い傾向にあります。5弦・6弦ベースではペグの個数が増える分、パーツ代が1.25〜1.5倍になる点にも注意してください。

パーツ代はGOTOHのクルーソン系なら約4,500円から、米国製ロック式の上位モデルでは約22,000円まで。メーカーとタイプの選択がそのまま総額に直結します。

ショップにペグ交換を依頼した場合の工賃相場(2026年8月時点)

島村楽器の公開料金表では、同型ペグ交換の工賃は約3,300円〜4,400円(税込、パーツ代別途)です(出典:島村楽器リペアサービス、2026年8月時点)。

交換パターン別の工賃目安──同型交換3,000円〜、穴加工ありで最大20,000円

交換パターン

工賃目安(税込)

作業内容

所要期間目安(店頭持込)

同型交換(ポン付け)

3,000円〜5,000円

旧ペグ取外し→新ペグ取付→弦張り・調整

即日〜数日

異型交換(穴拡大・リーマー加工)

5,000円〜10,000円

穴径の拡大加工+ペグ交換。新規ネジ穴あけを含む場合もあり

1〜2週間

異型交換(穴埋め+再穴あけ+タッチアップ塗装)

10,000円〜20,000円

穴をダボで埋めて再穴あけ+塗装補修。タッチアップ塗装(傷や加工跡を部分的に塗り直す補修塗装)費用を含む

2〜4週間

※複数のリペアショップの公開料金表を集計した相場帯です(2026年8月時点、3社以上の公開料金表に基づく)。エレキとアコギ(ソリッドヘッド)の工賃は同型交換で3,000円〜5,500円と同水準ですが、クラシックギターのスロテッドヘッドは構造が特殊なため5,000円〜15,000円程度と割高になります。

宅配リペア利用時の送料と所要期間

近隣にリペアショップがない場合、宅配リペアが選択肢になります。ギター1本の宅配送料は片道約2,000円〜3,500円(サイズ・地域による)。往復で約4,000円〜7,000円が追加費用として発生します(2026年8月時点、サウンドマニア編集部の調査に基づく)。

所要期間は配送日数を含めて2〜4週間が目安。繁忙期やショップの混雑状況によっては1か月を超える場合もあるため、事前に納期を確認してから依頼してください。

ペグ交換と同時に依頼すると効率的なメニュー

ペグ交換では弦を外す工程が発生するため、以下のメニューを同時に依頼すると工賃を節約できるケースがあります(ショップによりセット割引あり)。

  • 弦交換:500円〜1,500円(弦代別途)

  • ナット交換:3,000円〜8,000円(牛骨/TUSQ/ブラス等の素材による)

  • 全体セットアップ(弦高・オクターブ・ネック調整):3,000円〜6,000円

※いずれも2026年8月時点の工賃目安です。

ショップ工賃は同型ポン付けなら3,000円〜5,000円と手頃ですが、穴加工を伴う異種交換では工賃だけで10,000円〜20,000円に達し、宅配リペア利用時は往復送料4,000円〜7,000円がさらに上乗せされます。

費用総額シミュレーション──5パターンの積み上げ一覧表

ペグ交換の総額は「パーツ代+工賃+追加加工費+送料」の積み上げで決まります。上位の解説記事の多くは「工賃は○○円〜」「パーツは○○円〜」と断片的に示すだけで、トータルの費用を一覧で計算した情報はほとんど見当たりません。

5ケースの費用積み上げ比較表

ケース

パーツ代

工賃

追加加工費等

送料(宅配時)

総額

①同型ポン付け×ショップ持込

5,000〜10,000円

3,000〜5,000円

—

—

約8,000〜15,000円

②異型・穴拡大×ショップ持込

6,000〜13,000円

5,000〜10,000円

コンバージョンブッシング等 800〜1,500円

—

約12,000〜25,000円

③異型・穴埋め再穴あけ×ショップ持込

6,000〜18,000円

10,000〜20,000円

—(工賃に含む)

—

約16,000〜38,000円

④同型ポン付け×DIY

5,000〜10,000円

0円

工具代 0〜500円

—

約5,000〜10,500円

⑤同型ポン付け×宅配リペア

5,000〜10,000円

3,000〜5,000円

—

4,000〜7,000円

約12,000〜22,000円

※すべて2026年8月時点の目安です。パーツ代はGOTOHのクルーソン〜ロトマチック系を想定しています。米国製ロック式ペグ(Sperzel Trim-Lok:約12,000円〜18,000円、Hipshot Grip-Lock:約15,000円〜22,000円)を選ぶと上限はさらに上がります。

費用対効果の判断基準──ギター本体の価格帯と用途から考える

ペグ交換にかける費用は、ギター本体の価格帯と用途に照らして判断するのが現実的です。

たとえば購入価格3万円台のエレキギターに穴加工ありの異種交換(総額2万円〜)を施すと、改造費がギター本体価格の半分以上に。この場合は、同型交換で十分な改善が得られるかを検討するか、上位モデルへの買い替えと比較検討する余地があるでしょう。

愛着のある1本や10万円以上のギターであれば、1万円前後のペグ交換費用は楽器の寿命と演奏性を延ばす合理的な投資です。ロック式ペグへの交換は弦交換の手間を減らす実用的なメリットも大きく、ライブやスタジオで頻繁に弦を替えるプレイヤーにとっては費用対効果の高い選択肢になります。

ただし、廉価ギターにハイエンドペグ(1.5万円〜)+穴加工工賃(1万円〜)をかけると本体価格に迫る投資になることも。費用と楽器の価値のバランスは、冷静に見極めてください。

穴加工不要な同型交換なら総額5,000〜15,000円に収まり、DIYでさらに抑えられます。穴埋め+再穴あけの異種交換は最大38,000円程度かかるため、交換パターンの選択が費用を最も大きく左右します。

DIYでペグ交換する手順と失敗しやすいポイント

同型交換(ポン付け)であれば、プラスドライバー1本で作業できます。DIYでも十分に対応可能。ただし穴加工が必要なケースではヘッド割れ・塗装剥がれのリスクがあり、ショップ依頼のほうが安全です。

同型交換(ポン付け)の基本手順と必要工具

  1. 弦を外すすべての弦を緩めて取り外します。弦交換もあわせて行う場合は新しい弦を用意してください(約500円〜2,000円)。

  2. 旧ペグを取り外すヘッド裏側のネジをプラスドライバーで外し、ヘッド表面のナット(六角ナット)をソケットレンチ(10mmまたは3/8インチ)で緩めます。クルーソンタイプの場合はブッシング(ペグ穴に圧入する金属のリングで、ペグポストを支えてヘッド表面を保護する部品)も外してください。

  3. 新しいペグを取り付ける新しいペグをヘッド表面から差し込み、ナットを締め、裏面のネジを止めます。ネジは手回しドライバーで丁寧に。電動ドライバーはトルク過多でネジ穴を傷める原因になるため避けるのが無難です。

  4. 弦を張って調整する弦を張り、チューニングを合わせたら、ペグの回転がスムーズか、ガタつきがないかを確認。問題がなければ完了です。

必要工具と費用:

工具

用途

費用目安

プラスドライバー(#1または#2)

ネジの着脱

手持ちなら0円。購入なら約300円〜

ソケットレンチ(10mm)

ナットの着脱

約500円〜1,500円

テーパーリーマー(穴加工時のみ)

穴径の拡大

約1,500円〜3,000円

マスキングテープ(穴加工時のみ)

塗装面の保護

約200円〜

※2026年8月時点、ギターワークス・ホームセンターでの販売価格に基づく目安です。同型交換のみであればドライバーとレンチで足り、追加工具費は0〜500円程度。所要時間は30分〜1時間が目安です。

DIYでよくある失敗5パターンと対処法──穴加工はショップ依頼が安全

失敗パターン

原因

対処法

予防策

①ネジ穴のナメ・割れ

元のネジ穴が劣化した状態で無理にねじ込む、または電動ドライバーのトルク過多

爪楊枝+木工用ボンドで穴を埋め、乾燥後に再度ネジ止め

手回しドライバーを使用し、適切なサイズのビスを選ぶ

②穴径拡大時の塗装剥がれ

リーマー(テーパー状の工具で穴径を拡大する際に使う)やドリルでの加工時にマスキング不足

タッチアップ塗装で補修(追加費用3,000円〜10,000円程度)

穴周囲にマスキングテープを十分に貼る。ラッカー塗装のギターでは特に慎重に

③ペグポストの高さ不一致

異メーカーへの交換でポスト高さが変わり、弦テンション・ナット角度に影響

スタッガードポスト(弦ごとにポスト高さが段階的に異なる設計)の選択、またはストリングガイドの追加・調整

交換前にポスト高さの仕様を確認

④ブッシング打ち込み時のヘッド傷

クルーソンのプレスフィットブッシングをハンマーで直接叩く

傷が浅ければ研磨、深ければタッチアップ塗装

当て木を介して均等に圧入する

⑤ネジ穴位置のずれ

異メーカーへの交換でネジ穴ピッチが合わない

元穴を木ダボ+ボンドで完全に埋めてから再穴あけ

交換前に新旧ペグのネジ穴位置を実測して照合

②の塗装剥がれと⑤のネジ穴位置ずれは不可逆的なダメージにつながりやすい失敗です。穴加工が必要な場合はDIYではなくショップ依頼が安全──これはリペアの現場でも共通する見解です。

同型ポン付けはDIYで十分に対応できますが、穴径拡大やネジ穴位置変更を伴う交換はショップに依頼したほうがリスクとコストのバランスが取れます。

中古ギターとペグ交換──購入時のチェックと査定への影響

中古ギターのペグ劣化は、購入後に気づくトラブルのなかでも頻度の高い項目です。サウンドマニア編集部が中古楽器市場のデータを整理する過程でも、個人売買(フリマ・オークション)で購入した場合に「ペグの状態を事前に十分確認できなかった」というケースが目立ちます(2026年8月時点、サウンドマニア編集部の調査に基づく)。

中古ギター購入時のペグ状態チェックリスト5項目

チェック項目

確認方法

要注意のサイン

①チューニング安定性

弦を張った状態で1〜2音上げ下げし、元のピッチにスムーズに戻るか確認

戻りが悪い、引っかかりがある

②ギアのバックラッシュ

ペグのノブを軽く左右に揺すり、「遊び」の大きさを確認

遊びが明らかに大きい(ギア摩耗の兆候)

③ペグポストの曲がり・錆

目視でポストの直進性と表面状態を確認

錆の広がり、ポストの傾き

④ネジの緩み

ヘッド裏側のネジを指で触れて確認

手で回せるほど緩んでいる

⑤ブッシングの浮き・ガタつき

ヘッド表面のブッシングを指で押して動くか確認

浮いている、回転するほど緩い

④のネジ緩みと⑤のブッシング浮きは自分で締め直せる場合もあるため、ペグ交換が必須とは限りません。まず現状を確認し、簡易補修を試みてから交換を検討するのが経済的です。

個人売買(フリマアプリ・オークション)で購入する場合は、出品写真だけではペグの機能的な状態を判断しにくいため、可能であれば「チューニングの安定性」「ペグの遊び」について出品者に事前に質問することをおすすめします。

ペグ交換が査定・リセールバリューに与える影響

ペグ交換の査定への影響は、交換パターンによって大きく異なります。

交換内容

査定への影響

リスク軽減策

同ブランド・同タイプの純正互換交換

影響なし〜微プラス

交換後のペグが純正互換であることを明示できると良い

高品質ペグへのアップグレード(穴加工なし)

「改造品」扱いで査定がやや下がる場合がある

元のペグを保管し、「オリジナルパーツ付き」にする

穴加工を伴う交換(穴拡大・穴埋め)

不可逆改造としてマイナス査定になりやすい

元のペグを保管+加工内容の記録を残す。ヴィンテージギターでは特に慎重に判断

将来の売却を視野に入れるなら、純正互換品を選んで穴加工を避けるのが最もリスクの低い選択です。やむを得ず穴加工を行う場合でも、元のペグを保管しておけば「オリジナルパーツ付き」として査定のマイナス幅を軽減できます。

ヴィンテージギター(1960〜1970年代のFenderやGibsonなど)では、オリジナルのペグが残っているかどうかが査定額に大きく影響します。交換の判断は特に慎重に行ってください。

中古ギターのペグ状態は購入前に5項目をチェックし、交換する場合は将来の査定影響を考慮して「穴加工の有無」と「オリジナルパーツの保管」を判断基準にするのが賢明です。

ペグ交換の費用に関するよくある質問

ペグ交換だけでチューニングは安定しますか?

ペグ以外の原因(ナット溝の摩耗、トレモロユニットの不良、弦の巻き方)があれば、ペグを交換しても改善しません。「交換前にペグ以外の原因を切り分ける──ナット溝・トレモロ・弦の巻き方」で解説した方法で原因を切り分けてから交換を判断してください。

クラシックギターのペグ交換費用はいくらですか?

スロテッドヘッド用ペグのパーツ代は6個セットで約8,000円〜12,000円(GOTOH 35G420系、2026年8月時点)。工賃はスロテッドヘッドの構造上、5,000円〜15,000円程度(ショップ・加工内容による)と、ソリッドヘッドのアコギ(同型交換で3,000円〜5,500円程度)に比べて割高です。「アコギ・クラシックギター・ベース用ペグの価格帯」の比較表もあわせてご確認ください。

ペグ交換で音は変わりますか?

ペグの重量が変わるとヘッドの質量バランスが変化し、共振特性に影響する可能性はあります。ただし、体感できるかどうかは個体差や演奏者の好みによる部分が大きく、一概には断定できません。ペグ交換の主な効果はチューニング安定性の改善と弦交換の効率化(ロック式の場合)。「音が良くなる」を主目的にペグ交換を行うと、期待と結果にギャップが生じやすい点に留意してください。

自分でペグ交換するのに特別な工具は必要ですか?

同型交換(ポン付け)なら、プラスドライバーとソケットレンチ(10mm)の2つで作業できます。穴径を広げる場合はテーパーリーマーが別途必要です(約1,500円〜3,000円、2026年8月時点)。手順の詳細は「同型交換(ポン付け)の基本手順と必要工具」で解説しています。

ショップにペグ交換を依頼するとどれくらい時間がかかりますか?

店頭持ち込みの場合、同型交換で即日〜数日、穴加工ありで1〜2週間が目安。宅配リペアの場合は往復の配送期間を含めて2〜4週間程度を見込んでください。繁忙期はさらに延びる場合があるため、事前の納期確認をおすすめします。

ペグ交換の費用や手順に関する疑問は、交換パターン(同型か異種か)と依頼方法(DIYかショップか)を先に決めることで大半が解消されます。

まとめ──ペグ交換費用の判断フローと次のステップ

ペグ交換の判断は、①自分のギターのペグタイプと穴径を確認 → ②交換パターンを特定(同型か異種か)→ ③依頼方法を決定(DIYかショップか)→ ④総額を概算、という流れで進めてください。

ペグ交換の費用は「①ペグの種類(メーカー・タイプ)」「②交換パターン(同型か異種か)」「③依頼方法(DIYかショップか)」の3要素で決まります。同型ポン付け×DIYなら約5,000円〜10,500円。穴加工を伴う異種交換×ショップ依頼では約12,000円〜38,000円と幅があります。

穴加工が不要な同型交換はDIYでも十分に対応可能で、費用を最小限に抑えたいならまず現在のペグと同じタイプ・同じ穴径の製品を選ぶのが合理的です。穴加工を伴う異種交換はショップ依頼が安全で、コンバージョンブッシングで穴加工を回避できるケースもあるため事前に確認してください。費用対効果はギター本体の価格帯と用途に照らして判断し、中古ギターの場合は将来の売却を視野に入れて交換パターンを選ぶのが賢明です。

まずは自分のギターのペグタイプと穴径を確認し、この記事のメーカー別価格比較表で候補を絞り込み、費用総額シミュレーション表で予算感を把握する──この3ステップで、最適な交換方法と予算が見えてきます。

サウンドマニア編集部

楽器の購入ガイドや基礎知識を発信するサウンドマニア編集部です。ピアノ・ギターをはじめとした楽器選びや、メンテナンス・演奏に関する実用的な情報をわかりやすくお届けします。

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