SOUNDMANIA
恒岡章のドラム機材|dw「Gold Glass」とスネア6台の全構成【2026年版】

恒岡章のドラム機材|dw「Gold Glass」とスネア6台の全構成【2026年版】

投稿日: 更新日:

サウンドマニア編集部/楽器の購入ガイドや基礎知識を発信するサウンドマニア編集部です。ピアノ・ギターをはじめとした楽器選…

恒岡章とは——Hi-STANDARDのビートを支え続けたドラマー

恒岡章(つねおか・あきら)は、1971年生まれ・東京都出身のドラマー。1991年のHi-STANDARD結成から、2023年2月14日に51歳で亡くなるまで、バンドのドラムを担当し続けました。訃報は翌15日、所属レーベルPIZZA OF DEATHのSNSで発表されています(出典:ドラマガWeb「【R.I.P.】唯一無二のビートを“発明”したHi-STANDARDのドラマー、恒岡 章急逝」、2023年2月15日)。

ギターから始まり、中学3年生でドラムに出会う

もともとはギターを弾いていた恒岡章がドラムを初めて叩いたのは、中学3年生のとき。そこから一気にのめり込んでいったといいます。高校卒業後に難波章浩に誘われ、横山健らとスタジオに入ったことがHi-STANDARDの出発点になりました(出典:ドラマガWeb、2023年2月15日)。

結成当初はボーカルを含む4人編成で、その脱退を経てトリオ編成になりました。リズム&ドラム・マガジン2018年1月号のインタビューで、恒岡章は3人になった当時について、3人でできること・3人がやりたいことを考えるなかでバンドがシェイプアップされていった、と振り返っています。

Hi-STANDARDの歩みと恒岡章

恒岡章とHi-STANDARDの主な歩み

年

出来事

1991年

Hi-STANDARD結成。当初はボーカルを含む4人編成

1994年

1stミニアルバム『LAST OF SUNNY DAY』をリリース

1995年

1stフルアルバム『GROWING UP』をリリース。海外でもリリースされる

1997年

2ndフルアルバム『ANGRY FIST』がオリコン・チャート4位。主催フェス「AIR JAM」を初開催(動員1万5千人)

1998年

AIR JAMを開催(動員3万人)

1999年

自主レーベルPIZZA OF DEATHから『MAKING THE ROAD』をリリース。国内外あわせて100万枚を超えるセールスを記録

2000年

千葉マリンスタジアムでの「AIR JAM 2000」(動員3万5千人)を最後に活動休止

2002年

CUBISMO GRAFICO FIVE 始動

2011年

9月、横浜スタジアムで「AIR JAM 2011」を開催。11年ぶりにステージへ

2016年

16年ぶりのシングル『Another Starting Line』をリリース

2017年

18年ぶりのオリジナルアルバム『THE GIFT』をリリース。ドラム/ベース/ギターの3誌同時表紙企画で、恒岡章は初の表紙に

2021年

50歳を迎え、ソロ・ライブ「AKIRA 50%」を開催

2023年

2月14日に逝去。享年51

年表の出典は、ドラマガWeb(2023年2月15日)とBillboard JAPAN「Hi-STANDARD主宰【AIR JAM】 初の西日本・福岡で4年ぶりの開催決定!」(2016年5月10日)、および恒岡章オフィシャルサイト profileです。

恒岡章の使用機材——オフィシャルサイトが公開していた構成

恒岡章のオフィシャルサイトには equipment ページがあり、使用していたドラムキットとスネアドラムが型番・サイズ付きで掲載されています(出典:恒岡章オフィシャルサイト equipment)。まずは全体像を整理します。

恒岡章の使用機材(オフィシャルサイトおよびリズム&ドラム・マガジン掲載分)

カテゴリ

ブランド

モデル

出典

ドラムキット

dw

Collector's Series “Gold Glass”(ALL-MAPLE)

オフィシャルサイト

ドラムキット

dw

Classics Series “Emerald Onyx”

オフィシャルサイト

スネアドラム

dw

ALUMINUM 14"×5.5"/SUPER SOLID 14"×5.5"/ALL-MAPLE 14"×5"

オフィシャルサイト

スネアドラム

Ludwig

70's ACROLITE/70's SUPRAPHONIC/90's BLACK BEAUTY(いずれも14"×5")

オフィシャルサイト

シンバル

Paiste

2002シリーズ(ハイハット・クラッシュ・ライド・チャイナ)

リズム&ドラム・マガジン

スティック

LERNI

シグネチャーモデル S-140AT(14mm×404mm)

オフィシャルサイト/LERNI公式

オフィシャルサイトのequipmentページでエンドーサーと明記されているのはLERNIで、シンバルについてはPaisteへの謝辞が記されています。ドラムはdwとLudwigの2ブランドに絞られ、スネアドラムだけで6台が並ぶ構成です。

メイン・キットはdw Collector's Series “Gold Glass”

Hi-STANDARDのメイン・キットとして恒岡章が信頼を寄せていたのが、“Gold Glass”フィニッシュのdw Collector's Seriesです。11年ぶりの復活となった2011年の横浜スタジアム「AIR JAM 2011」でも、2017年のアルバム『THE GIFT』のレコーディングでも、このキットが使われました(出典:ドラマガWeb「Hi-STANDARD 恒岡章の”セット図”Tシャツが新カラーで発売」、2025年9月1日)。

dw Collector's Series “Gold Glass”(ALL-MAPLE)の構成

パーツ

シェル

サイズ

タムタム

VLT shell

12"×9"/13"×9"

フロアタム

X shell

14"×12"/16"×14"/18"×16"

バスドラム

VLX+

22"×16"

出典:恒岡章オフィシャルサイト equipment

ライブでの構成は1バス・1タム・2フロアタム

オフィシャルサイトに挙がっているのは所有していたパーツの一覧で、実際に組まれたセットはそこから選ばれた構成でした。リズム&ドラム・マガジンのセットアップ企画に掲載された実機のスペックは以下のとおりです(出典:ドラマガWeb「【Set Up】恒岡 章」、2021年1月8日)。

  • ドラムキット:dw Collector's Maple/22"×16" バスドラム、13"×9" タムタム、16"×14" フロアタム、18"×16" フロアタム

  • スネアドラム:dw Collector's Metal 14"×5.5"(アルミ)

1バス・1タム・2フロアタムという、飾りのないロック・セッティングです。同誌は、フロアタムの高さとタムの角度が細かく決められている点、そしてバスドラムをかわすようにスネアドラムが奥側にセットされている点に注目しています。スローンの三脚のうち1本を前方に向けているのは、浅めに座るための安定性を考慮したものとみられます。

このセット図は、2025年に発売されたメモリアル・ブックの限定版付属Tシャツのモチーフにもなり、のちに通常商品としても発売されました。

もう1セットのdw Classics Series “Emerald Onyx”

オフィシャルサイトには、dw Classics Seriesの“Emerald Onyx”も掲載されています。フロアタムは14"×14"・16"×16"・18"×16"、バスドラムは22"×14"と24"×14"。Collector's Seriesの22"×16"より浅いバスドラムが2台挙がっており、Gold Glassとは性格の異なる選択肢を持っていたことがうかがえます。

equipmentページの末尾には、ほかにもドラムセットとスネアドラムがある旨が添えられています。2025年6月16日に発売されたメモリアル・ブック『恒岡章 AkiratsuneokA』(リットーミュージック)では、ドラムセット10台以上・スネアドラム30台以上におよぶ愛用機材が紹介されており、ウェブで確認できる範囲はその一部にあたります(出典:リットーミュージック『恒岡章 AkiratsuneokA』商品ページ)。

スネアドラムはdw3台とLudwig3台

オフィシャルサイトのスネアドラム欄は、dwとLudwigがちょうど3台ずつ。口径はすべて14インチで、深さは5インチと5.5インチに収まっています。

恒岡章のスネアドラム6台

ブランド

モデル

サイズ

dw

ALUMINUM

14"×5.5"

dw

SUPER SOLID

14"×5.5"

dw

ALL-MAPLE

14"×5"

Ludwig

70's ACROLITE

14"×5"

Ludwig

70's SUPRAPHONIC

14"×5"

Ludwig

90's BLACK BEAUTY

14"×5"

出典:恒岡章オフィシャルサイト equipment

dwは3台とも仕様の異なるモデルで、Ludwigは70年代と90年代の3機種。新旧を横断した6台という構成です。そしてリズム&ドラム・マガジンのセット図で確認できるのは、dwのアルミ14"×5.5"でした。

シンバルはPaiste 2002、スティックはLERNIのシグネチャーモデル

Paiste 2002で組まれた5枚構成

リズム&ドラム・マガジンのセットアップ企画に掲載された恒岡章のシンバルは、左から右の並びで次の5枚。すべてPaiste 2002シリーズです(出典:ドラマガWeb「【Set Up】恒岡 章」、2021年1月8日)。

  1. 14" Heavy Hi-Hat

  2. 16" Crash

  3. 20" Power Bell Ride

  4. 18" Crash

  5. 20" Novo China

Paiste 2002は、1970年代以来Paisteを代表するシリーズとして歴史を築いてきたラインで、そのサウンドは最新モデルにも受け継がれているとされます。国内代理店のモリダイラ楽器によれば、20"のNovo Chinaは明るく爆発的なクラッシュサウンドと明瞭なベルサウンドを特徴とするチャイナシンバルです(出典:モリダイラ楽器 Paiste 2002 Novo China)。

ハイハット1枚、クラッシュ2枚、ライド1枚、チャイナ1枚。枚数を足さずに組まれた5枚構成です。

LERNI S-140AT——標準モデルより2mm短いシグネチャースティック

スティックは、オフィシャルサイトでエンドーサーであることが明記されているLERNI。シグネチャーシリーズに恒岡章モデルがラインナップされています(出典:LERNI SIGNATURE SERIES)。

LERNI S-140AT(恒岡章シグネチャーモデル)

項目

内容

サイズ

14mm×404mm

素材

U.S.A ヒッコリー

チップ

ウッドチップ

仕上げ

テクスチャーフィニッシュ

設計

標準モデル140Aより長さを2mm短くし、テーパー部分も短くしたモデル

2mmという差はカタログ上ほんのわずかですが、LERNIのシグネチャーシリーズは、アーティストのリクエストに合わせて設計・製作されるシリーズです。同社は加工から仕上げまでの全工程を日本国内の工場で製作しています(出典:LERNI公式サイト)。なお販売店ではS-140ATWの型番で扱われている場合があります。

Hi-STANDARD以外の仕事——セッション・ドラマーとしての恒岡章

Hi-STANDARDの活動休止後、恒岡章はCUBISMO GRAFICO FIVEやLOW IQ & THE BEAT BREAKERSに参加し、並行してセッション・ドラマーとしての活動を始めます。村田シゲとのユニット summertime では、2019年に1st e.p.『TEXAS』をリリースしています。オフィシャルサイトのworksページには、参加作品が年別に掲載されています(出典:恒岡章オフィシャルサイト works)。

オフィシャルサイトに掲載された参加作品(抜粋)

アーティスト

作品

年

あいみょん

『青春のエキサイトメント』、シングル『君はロックを聴かない』ほか

2017〜2020年

ポルノグラフィティ

シングル『THE DAY』、シングル『キング&クイーン/Montage』

2016〜2017年

CHATMONCHY

『共鳴』ほか

2014〜2016年

いきものがかり

『FUN! FUN! FANFARE!』ほか

2015〜2016年

木村カエラ

『PUNKY』

2016年

崎山蒼志

「find fuse in youth」ほか

2021年

Splatoon

『Splatoon Original Sound Track』

2015年

summertime

1st e.p.『TEXAS』、2nd e.p.『Cairo』

2019〜2020年

パンクバンドのドラマーという肩書きだけでは収まらない仕事の幅です。CM音楽ではSOYJOY、MINTIA、Laundrin、Coca-Colaの各篇に参加しています。『THE GIFT』リリース時に実現した3誌連動企画のロング・インタビューで、この先ドラマーとして目指すことを問われた恒岡章は、「純粋に、無理をしないで自然な演奏」をしたいと語っていました(出典:ドラマガWeb、2023年2月15日)。

同じ系統の機材を中古で探すときに見るポイント

dw Collector's Series、Ludwigの定番スネア、Paiste 2002。いずれも中古市場で流通のあるモデルです。ただし本記事では、実測にもとづく相場レンジを掲載していません。価格の代わりに、判断の手順と見るべき箇所を示します。

価格を比べる前に、条件を揃える

  1. 掲載価格と成約価格を混同しない:中古楽器サイトに並ぶ価格は売り手の希望額です。オークションの落札額とは意味が異なります。

  2. 買取価格と販売価格を並べない:買取価格は事業者が仕入れる側の金額で、店頭の販売価格とは別の指標です。

  3. セット内容を確認する:ドラムキットは、タムの本数、ハードウェアやシェルマウントの有無で総額が大きく変わります。同じシリーズ名でも比較対象になっていないことがあります。

  4. 年式と仕様を確認する:同じシリーズ名でも、年式や仕様が異なる個体が混在します。シリーズ名だけで同条件とみなさないことが大切です。

中古ドラムキットの状態チェック

  1. ベアリングエッジ:シェル上端のヘッドと接する面です。凹みや欠けがあるとチューニングが安定しません。指で一周なぞって滑らかさを確かめます。

  2. シェルの割れ・変形:シェル内側からライトを当て、外側へ光が漏れる箇所がないかを見ます。ラグの取り付け穴の周辺は負荷がかかりやすい部分です。

  3. ラグとテンションボルト:ボルトを手で回し、全箇所がスムーズに回るかを確認します。空転する場合は修理が必要になります。

  4. ハードウェアの錆と固着:スタンドやペダルの可動部を実際に動かします。フープは平面に置くと歪みが分かります。

  5. ヘッドは交換前提で考える:ドラムヘッドは消耗品です。中古品に付いているヘッドは使用済みと考え、交換費用を予算に含めておくと見積もりがぶれません。

シンバルとスネアで見る箇所

シンバルでまず見たいのは、エッジのクラックとカップ周辺の変形です。髪の毛ほどの亀裂でも進行するため、写真だけで判断せず、エッジ全周の画像を依頼するのが確実です。スネアドラムは、ストレイナー(スナッピーの着脱機構)の動作、スナッピーの張力、そしてメタルシェルであればシェル表面の打痕と腐食を見ます。

大型楽器ならではの配送リスク

ドラムキットは大型かつ重量物です。22インチのバスドラム(直径およそ56センチ)が入る梱包材が必要で、緩衝材が足りないとフープの歪みやシェルの打痕が起きます。個人間の売買で購入する場合は、梱包方法を事前に確認し、可能であればハードケースでの発送を依頼してください。送料は購入前に必ず確定させておきたい項目です。

同じ機材を揃えても同じ音になるわけではありません。ドラムの出音は、ヘッドの選択とチューニング、打点や力加減、そして録音時のマイキングとミキシングで大きく変わります。機材は土台であり、その上に積み重ねる工程のほうが音への影響は大きい、と考えておくのが現実的です。

恒岡章の機材に関するよくある質問

Q:メインのドラムセットは何ですか?

A:dw Collector's Seriesの“Gold Glass”フィニッシュのキットです。1バス・1タム・2フロアタムで組まれ、2011年の「AIR JAM 2011」や2017年の『THE GIFT』レコーディングで使われました。

Q:シンバルは何を使っていましたか?

A:リズム&ドラム・マガジンに掲載されたセットでは、Paiste 2002シリーズの5枚構成でした。14" Heavy Hi-Hat、16" Crash、20" Power Bell Ride、18" Crash、20" Novo Chinaという内訳です。

Q:恒岡章モデルのスティックは購入できますか?

A:LERNIのシグネチャーシリーズにS-140ATとしてラインナップされています。14mm×404mm、USAヒッコリー、ウッドチップ、テクスチャー仕上げです。販売店によってはS-140ATWの型番で扱われています。

Q:使用機材をもっと詳しく知る方法はありますか?

A:リットーミュージックのメモリアル・ブック『恒岡章 AkiratsuneokA』(2025年6月16日発売、A4変形判128ページ)に「GEAR 恒岡章が愛した楽器たち」の章があり、ドラムセット10台以上・スネアドラム30台以上が紹介されています。ウェブでは、ドラマガWebのセットアップ企画とオフィシャルサイトのequipmentページが確認できます。

まとめ

恒岡章の機材は、dwとLudwigのドラム、Paiste 2002のシンバル、LERNIのシグネチャースティックという構成でした。メイン・キットはdw Collector's Seriesの“Gold Glass”で、22"×16"のバスドラムに13"のタム、16"と18"のフロアタムという1バス・1タム・2フロアタム。スネアドラムはdwとLudwigを3台ずつ、いずれも14インチで深さ5インチから5.5インチに揃えていました。

シグネチャースティックのS-140ATは、標準モデルの140Aから長さを2mm詰め、テーパーを短くした仕様。数字にすればわずかな差ですが、こうした細部まで決めきる姿勢は、フロアタムの高さやタムの角度を細かく詰めていたというセッティングの記録とも重なります。

Hi-STANDARDのドラマーとしての姿がよく知られていますが、オフィシャルサイトのworksページをたどると、あいみょん、ポルノグラフィティ、CHATMONCHY、Splatoonのサウンドトラックまで、その仕事はずっと広い範囲に及んでいます。機材から入って、そこから音源へ戻ってみるのも一つの楽しみ方です。楽器や中古市場に関する他の記事はサウンドマニアでご覧いただけます。

サウンドマニア編集部

楽器の購入ガイドや基礎知識を発信するサウンドマニア編集部です。ピアノ・ギターをはじめとした楽器選びや、メンテナンス・演奏に関する実用的な情報をわかりやすくお届けします。

アーティストの記事

新着記事