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田淵智也

田淵智也の使用ベース|Sagoシグネチャー初代からMk-Ⅲまでの変遷【2026年版】

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UNISON SQUARE GARDENのベーシスト・田淵智也のステージを支えてきたのは、兵庫県尼崎市の工房Sago New Material Guitars(以下Sago)が製作したシグネチャーベースです。2014年の初代モデルから、2020年の「Tabuchi Mk-Ⅱ」、2026年の「Tabuchi Mk-Ⅲ」まで、3世代にわたって作られてきました。

本記事では、Sago公式のアーティストページ・製品ニュースと、ベース・マガジンに掲載された本人インタビューをもとに、各モデルのスペックと変遷、Sago以前に使っていたベース、THE KEBABSでの使用機材までを整理します。

田淵智也の使用ベース一覧:軸はSagoのシグネチャーモデル

メーカー公式情報・専門誌・ニュース記事で使用が確認できるベースは次のとおりです。

モデル

発表

主な使用場面

根拠

Nothing But The Guitar製 JBタイプ

―

2010年頃からメイン(Sago以前)

ベース・マガジン 2020年5月の記事(編註)

Sago Classic Style J4 -Tabuchi Custom-(初代)

2014年

UNISON SQUARE GARDENのステージ

島村楽器の製品紹介記事、Sago公式

Sago Tabuchi Mk-Ⅱ

2020年

ツアー、『Patrick Vegee』のレコーディング

ベース・マガジン 2020年5月・10月の記事

Sago Tabuchi Mk-Ⅲ

2026年

ステージ(発表時の告知から推定)

Sago公式ニュース 2026年2月

Fender Road Worn 50's Precision Bass

―

THE KEBABSのライブ(2022年12月16日)

オリコンニュースの公演機材紹介記事

このほか、Sagoの普及ブランドSeedから、田淵智也モデルのスチューデントモデル「Seed Tabuchi Mk-Ⅱ」が2021年に発売されています(後述)。

Sago以前:故・佐久間正英監修のJBタイプ

ベース・マガジンが2020年5月に掲載したインタビューで、田淵はSagoとの出会いを次のように語っています。

2012年ぐらいだったと思うんですけど、当時のUNISON SQUARE GARDEN(以下UNISON)の楽器スタッフにサゴと付き合いのある方がいて。(中略)それまでの僕はJBタイプ・ベース(編註略)を弾いていて、そのときに“ウチでJBタイプを一本作ってみない?”と言ってもらって、そこからの付き合いです。

── ベース・マガジン「3ピース・バンドにおける実践度をさらに高めた、UNISON SQUARE GARDEN 田淵智也の新シグネイチャー・モデルが登場!」(2020年5月19日)

同記事の編註によれば、このJBタイプはプロデューサーの故・佐久間正英が田淵のために監修して製作したNothing But The Guitar製で、2010年頃からメイン器として使われていたものです。本人は同じインタビューで「昔使っていたJBタイプはドンシャリ気味のサウンドだったので、1本目に作ったプロトタイプはミドル・レンジが出るものを目指した」と振り返っています。

初代:Sago Classic Style J4 -Tabuchi Custom-(2014年)

最初のシグネチャーモデルは、SagoのJBタイプ「Classic Style J4」をベースに作られました。島村楽器の製品紹介記事(2014年12月20日公開)に掲載されたスペックは以下のとおりです。なお、Sago公式のアーティストページでは「Classic Style J4 Custom -Tabuchi Model-」の名称で掲載されています。

ボディ

サーモアルダー2P

ネック/指板

ハードメイプル1P/エボニー

ピックアップ

Bare Knuckle 60 PE J Bass ×2

ブリッジ

JB Spiral

コントロール

2Vol+1Tone

ペグ/ナット

Gotoh GB528/ブラス

ピックガード

ビンテージホワイト

フィニッシュ

ウレタングロス

同記事では、ステンレスフレットを採用していること、ボディ厚をヴィンテージのフェンダーと同じ45mmにしていることも紹介されています。カラーは島村楽器の記事では「カスタムカラー(シースルーBK)」、ベース・マガジンの2020年の記事では「シースルー・ブラウン」と表記が分かれています。

本人はこのモデルに次のコメントを寄せています。

ステージで沢山の楽器を使うのは好きではないので1本で成立できるものを、と思って相談させてもらいました。(中略)中域の抜けの良さが抜群。何か相談した通りの音になっていて、自分以上にスタッフからの評判もいいときた。あっという間にステージメインの1本に昇格。

── Sago New Material Guitars「田淵智也 / UNISON SQUARE GARDEN」

2本目:Sago Tabuchi Mk-Ⅱ(2020年)

Sagoは2020年4月3日、2本目のシグネチャー「Tabuchi Mk-Ⅱ」を発表しました。ベース・マガジンのインタビュー(2020年5月)で本人は「Mk-Ⅱは去年の秋ぐらいからのツアーで弾いています」と語っており、発表前からステージに投入されていたことがわかります。同誌の2020年10月の記事では、アルバム『Patrick Vegee』のレコーディングでメインベースとして「ほとんどの楽曲」に使われたと紹介されています。

発売時のスペック

ベース・マガジンの製品紹介とSagoの発表ニュースによる、発売時の主な仕様です。

  • ボディはアルダー、ネックはメイプルで、ネック内部にカーボン製のサポート・ロッドを埋め込み

  • 指板は初代のエボニーから人工素材のリッチライトに変更、フレットはステンレス

  • ピックアップはフロント/リアともにNordstrand Big Single4

  • コントロールは1Volume+1Tone(専用の3穴プレートをSagoが製作)

  • ペグはGotoh GB528、ナットは38mm幅のブラス製(初代から継続)

  • カラーはTransparent Akane、ヘッドはBlack & Naturalの塗り分け

ベース・マガジンの記事によると、出荷時には.050-.115の弦が張られています。

「真ん中に集まった締まりのある音」を狙った設計

Mk-Ⅱの狙いについて、本人は3ピース編成のなかでベースラインの動きが聴こえることを重視していると説明しています。

今目指しているサウンドはもっと“こんもり”しているというか、ミッドに寄っていてヌケのある感じで、それはアンプ・ヘッドをアギュラーに替えてサウンドがクリアになったときに気づきました。Mk-Ⅱは、ある程度はロー感が犠牲になっても“真ん中に集まった締まりのある音”を目指したんですよね。

── ベース・マガジン(2020年5月19日)

シングルコイルを2基載せながら1ボリューム・1トーンにした理由も、同じインタビューで語られています。「1種類のサウンドしか出さないつもりでやっているので」「片方のヴォリュームを絞ったまま次の曲が始まって“なんかちょっとスカっとしてんな”っていうことが軽減されるんじゃないかな」と本人は話しています。ベース・マガジンの製品紹介でも、この1ヴォリューム・1トーンは田淵の激しいステージングを考慮した仕様だと説明されています。

発売後の仕様変更

Sago公式のアーティストページには、Mk-Ⅱについて「ピックガードとパーツ・PUを変更しました!」との記載があり、同ページのスペック表ではピックアップが「L(x)Tabuchi Custom」、ピックガードが「Black3P」となっています。Sago公式ショップReodellの現行の商品ページでも、ピックアップは「L(x)BSS Tabuchi Custom」、ピックガードは蓄光のSマーク入りのブラック3Pで、Mk-Ⅲの商品ページには「Mk-Ⅱにも途中で採用されたブラック3Pのピックガード」と書かれています。L(x)はSagoのオリジナル・ピックアップブランドです。発売時のNordstrand Big Single4搭載仕様とは異なるため、個体を見るときは搭載ピックアップの確認が欠かせません。同ページの価格表記は¥544,500(税込)です。

3本目:Sago Tabuchi Mk-Ⅲ(2026年)

Sagoは2026年2月1日、3本目のシグネチャー「Tabuchi Mk-Ⅲ」を発表しました。価格は¥495,000(税込)です。発表ニュースには「すでにステージでご覧いただいた方も多いのではないでしょうか」と書かれており、発表時点でステージでの使用が始まっていたとみられます。

Sago公式アーティストページとSago公式ショップReodellに掲載された主な仕様は次のとおりです。

  • ボディはアルダー2P、ネックはハードメイプル、指板はローズウッド(公式ショップの表記はIndian rose)

  • ピックアップはフロント/リアともにL(x) BJ4 Custom(発表ニュースと公式ショップの表記)

  • コントロールは前作と同じ1Volume+1Tone

  • フレットはJescar FW47095のステンレス、ナットはオイルド・ボーン(Oiled Bone)

  • カラーはTransparent Kohaku、ヘッドはBlack & Naturalの塗り分けを継承

公式ショップによれば受注生産で、納期は注文から15〜17か月とされています。

Mk-Ⅲに寄せた本人コメントでは、自分の好みだけでなく周囲への配慮が語られています。

ステージのメンバーや音響スタッフがストレスに感じないものをというところも長くバンドを続けると結構大事になってくると思う。sagoシグネイチャー3本目となる今回は、どんな会場もでしっかり鳴る様なシンプルにしてハイクオリティな1本を目指して作ってもらった。

── Sago New Material Guitars「田淵智也 / UNISON SQUARE GARDEN」

Sagoシグネチャー3世代のスペック比較

項目

初代(2014年)

Mk-Ⅱ(2020年・発売時)

Mk-Ⅲ(2026年)

ボディ

サーモアルダー2P

アルダー

アルダー2P

指板

エボニー

リッチライト

ローズウッド

ピックアップ

Bare Knuckle 60 PE J Bass

Nordstrand Big Single4

L(x) BJ4 Custom

コントロール

2Vol+1Tone

1Vol+1Tone

1Vol+1Tone

ナット

ブラス

ブラス

オイルド・ボーン

カラー

表記が出典で異なる

Transparent Akane

Transparent Kohaku

スケール

864mm(21F)

864mm(21F)

864mm(21F)

スケールはSago公式アーティストページのスペック表の値です。3本とも同ページでは「Classic Style J4 Custom」の名で掲載されており、ピックアップ2基と864mm(21F)のスケールは共通しています。Mk-Ⅱ以降は1ボリューム・1トーンとBlack & Naturalのヘッドが引き継がれ、ピックアップと指板材は世代ごとに入れ替わっています。

THE KEBABSではFender Road Worn 50's Precision Bass

田淵が参加する4人組バンドTHE KEBABSでは、別のベースが使われた記録があります。オリコンニュースは、2022年12月16日に東京・豊洲PITで行われたツアー『THE KEBABS 必死』最終公演の機材を紹介し、田淵が「この日、Fender製『Road Worn 50's Precision Bass』のみを起用した」と伝えています。同記事では、アルダーボディーとメイプルネックの組み合わせ、レリック加工、アノダイズドピックガードが特徴として挙げられています。

アンプと足元:公開された記録から

UNISON SQUARE GARDEN:アンペグからアギュラーへ

2020年5月のベース・マガジンのインタビューで、田淵は初代モデルを前提にアンプやペダルを組み立ててきたと話し、「途中でアンプ・ヘッドをアンペグからアギュラーのDB-751に変えたり、足下の接続順を考え直してみたり」と、音作りを継続的に見直してきたことを明かしています。

THE KEBABS(2022年12月16日・豊洲PIT)

前述のオリコンニュースの記事に掲載された機材は以下のとおりです。記事は接続順を記していないため、ここでは種類ごとに並べています。

種類

機材

アンプヘッド

Aguilar AG700

キャビネット

Ampeg SVT810AV(ホワイトカラー)

D.I.

Rupert Neve Designs RNDI

プリアンプ

EDEN WTDI/Hartke Bass Attack

コンプレッサー

EBS MULTI COMP

チューナー

KORG Pitchblack

足元のプリアンプ

MXR M80 Bass D.I.+/JHS Pedals The Clover

同記事によると、SHIGEMORI製のトーンプロセッサー「PRETONE」もサブとして用意されていましたが、接続はされていませんでした。

田淵モデルを探す・手放すときに確認したいこと

新品は受注生産

Sago公式ショップReodellでは、Tabuchi Mk-Ⅱ(¥544,500・税込)とTabuchi Mk-Ⅲ(¥495,000・税込)がいずれも受注生産で掲載されています。Sagoの発表ニュースには「仕様変更や、CustomOrderも受け付けております」ともあり、本人と同じ名前のモデルでも注文者の希望で仕様が変わっている可能性があります。

Seed Tabuchi Mk-Ⅱとの違い

2021年8月に発売されたSeed Tabuchi Mk-Ⅱは、Mk-Ⅱのルックスを受け継いだスチューデントモデルです。Sagoの発表ニュースによれば、Transparent AKANEのカラーとBlack & Naturalのヘッドは共通ですが、仕様は本人モデルと次の点で異なります。

  • コントロールは2Vol+1Tone(音色バリエーションを重視し、本人と相談のうえ採用)

  • ピックアップはL(x)Lite Tabuchi Custom

  • 指板はローズウッド、ペグはオープンギア、フレットはニッケルシルバー

  • ピックガードはVintage White 3P(Sロゴ彫り込み)

本人仕様のMk-Ⅱ・Mk-Ⅲはコントロールが1ボリューム・1トーン、Seedは2ボリューム・1トーンです。ただしSagoは公式サイトで、Seed Tabuchi Mk-Ⅱのピックアップとコントロールを本人仕様に交換できる互換パーツ(2021年11月掲載)を案内しているため、コントロールの数だけで判断せず、スペックや購入時の書類もあわせて確認してください。

中古の価格について

本記事では実測にもとづく相場レンジを掲載していません。楽器検索サイトのデジマートでブランド「Sago」・キーワード「Tabuchi」のエレクトリック・ベースを検索したところ、2026年9月24日時点の掲載はTabuchi Mk-Ⅲの新品の予約受付2件で、中古品の掲載は見当たりませんでした。個体の価値を判断するときは、次の点を確認してください。

  • モデルの世代(初代・Mk-Ⅱ・Mk-Ⅲ)と、Mk-Ⅱの場合は搭載ピックアップ(Nordstrand Big Single4かL(x)か)

  • カスタムオーダーによる仕様変更の有無

  • 付属品の有無。Mk-Ⅲの新品にはSagoのギグバッグ、保証書(5年間保証)、工具類が付属すると公式ショップに記載があります

よくある質問

田淵智也のメインベースは何ですか?

UNISON SQUARE GARDENでは、Sagoのシグネチャーモデルです。初代について本人は「あっという間にステージメインの1本に昇格」とコメントし、Mk-Ⅱはツアーと『Patrick Vegee』のレコーディングで使われました。2026年に発表されたMk-Ⅲは、Sagoの発表時点でステージでの使用が始まっていたとみられます。

シグネチャーモデルのコントロールが1ボリューム・1トーンなのはなぜ?

本人がベース・マガジンのインタビューで、1種類のサウンドしか出さないつもりで弾いていること、ステージ中に片方のボリュームを絞ったままになるのを避けたいことを理由に挙げています。初代は2Vol+1Toneで、1ボリューム・1トーンになったのはMk-Ⅱからです。

もっと手頃に田淵モデルを試せますか?

Sagoの普及ブランドSeedから、スチューデントモデルのSeed Tabuchi Mk-Ⅱが発売されています。Sago公式アーティストページでは「Seedブランドにてお求めやすい価格で販売」と紹介されています。ルックスはMk-Ⅱを受け継いでいますが、コントロールやピックアップなどの仕様は本人モデルと異なります。

まとめ

田淵智也のベースは、2010年頃からメインだった故・佐久間正英監修のJBタイプを経て、Sagoのシグネチャーモデルへ移りました。初代・Mk-Ⅱ・Mk-Ⅲと世代を重ねるなかで、ピックアップや指板材は入れ替わっています。一方で「1本で成立できるもの」(初代)、「どんな会場もでしっかり鳴る様な」(Mk-Ⅲ)という本人のコメントからは、ステージで使う1本としての実用性が一貫して重視されてきたことがうかがえます。THE KEBABSではFenderのRoad Worn 50's Precision Bassを弾いた記録もあります。

なお、ソニー・ミュージックアーティスツは2026年4月27日、2026年7月15日の幕張メッセ公演をもってドラムの鈴木貴雄が脱退し、UNISON SQUARE GARDENが活動を休止すると発表しています。

サウンドマニア編集部

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