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ステンレスフレット交換の料金相場|6店舗横断比較と条件別費用

ステンレスフレット交換の料金相場!6店舗横断比較と条件別費用

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サウンドマニア編集部/楽器の購入ガイドや基礎知識を発信するサウンドマニア編集部です。ピアノ・ギターをはじめとした楽器選…

ギター1本のステンレスフレット交換で44,000円〜88,000円、ニッケルシルバーなら27,500円〜66,000円──これが6店舗の公開料金から見えた相場レンジです。検索上位の記事の多くはリペアショップ自身の料金表のみで、複数店舗を横断した比較情報はほとんど見当たりません。本記事では大手楽器店から個人工房まで6店舗の公式サイト掲載価格を並列整理しました。

以下の料金はすべて2026年7月閲覧時点の各ショップ公式サイト掲載価格(税込)であり、楽器の状態・仕様によって実際の見積もり額は変動します。最新料金は各ショップに直接お問い合わせください。

【6店舗横断】フレット交換の料金相場──ギター・ベース・追加料金

ギターのフレット交換料金比較(ニッケルシルバー vs ステンレス)

以下は、ギターのフレット全交換(21フレット前後の標準仕様・ローズウッド系指板)における基本工賃の比較です。

ギターのフレット全交換 料金比較(6店舗)

リペアショップ

ニッケルシルバー(税込)

ステンレス(税込)

倍率

備考

ギターワークス

27,500円〜

44,000円〜

約1.6倍

別途フレットワイヤー代が必要

皆川ギター工房

33,000円〜

55,000円〜

約1.7倍

─

Naked Guitar Works

35,000円〜

50,000円〜

約1.4倍

─

Rio Guitar Repair

38,500円〜

55,000円〜

約1.4倍

納期目安2〜4週間

島村楽器

38,500円〜

60,500円〜

約1.6倍

ページ掲載日2020年8月、2026年7月閲覧時点で公開継続を確認

PLEK Japan

66,000円〜

88,000円〜

約1.3倍

PLEKスキャン・すり合わせ込み

※すべて2026年7月閲覧時点の各ショップ公式サイト掲載価格(税込)。「〜」は基本工賃であり、楽器の状態・仕様により変動します。

6店舗の基本工賃を並べると、ステンレスフレット交換は44,000円〜88,000円の範囲。PLEK Japanはコンピュータ制御のPLEK仕上げ込みのため高めですが、他の5店舗は44,000円〜60,500円のレンジに集中しています。ニッケルシルバーとの倍率は1.3〜1.7倍、中央値は約1.5倍です。

ベースのフレット交換料金比較(ニッケルシルバー vs ステンレス)

ベースはネック幅が広くフレット溝も長いため、ギターより工賃が高くなります。ベース料金を明示している店舗のデータを整理しました。

ベースのフレット全交換 料金比較

リペアショップ

ニッケルシルバー(税込)

ステンレス(税込)

ギターとの差額目安

島村楽器

44,000円〜

66,000円〜

+5,500円

PLEK Japan

─(要問い合わせ)

─(要問い合わせ)

─

※2026年7月閲覧時点の公式サイト掲載価格(税込)。ベース料金を公式に明示していない店舗は見積もり時に確認が必要です。

ベース料金を明示しているショップは限られるものの、ギター比で+5,000〜10,000円程度が相場の傾向です。ベースのフレット交換を検討するなら、見積もり段階でベース料金が別設定か否かを確認しておくと安心でしょう。

条件別の追加料金一覧(メイプル指板・バインディング・24フレット仕様など)

「見積もりが基本工賃より大幅に高くなった」という声は珍しくありません。原因の多くは、楽器の仕様に応じた追加工程です。

仕様別の追加料金の目安

追加条件

追加料金の目安

追加される理由

メイプル指板(塗装処理)

+10,000〜20,000円

フレットを抜く前に塗装を剥がし、打ち替え後に再塗装する工程が発生

バインディング付きネック

+5,000〜10,000円

フレットタング(溝に埋まる部分)の端を加工し、バインディングに合わせて処理する追加作業

24フレット仕様

+3,000〜5,000円

フレット本数の増加分とボディ側へのアクセス制約

PLEK仕上げ(別途依頼の場合)

+11,000〜22,000円

コンピュータ制御でフレット高さを精密に研磨するドイツ製専用機械による仕上げ

指板修正(すり合わせ・R修正)

+5,000〜15,000円

指板面の反り・ねじれが大きい場合に必要

※各ショップの公開情報から整理した目安額(2026年7月時点)。実際の追加料金は個体の状態により異なります。

ステンレスフレットの基本工賃は44,000〜88,000円ですが、メイプル指板+バインディング付きの楽器なら合計70,000〜120,000円程度に達するケースも。見積もり前に自分の楽器の仕様──指板材・バインディングの有無・フレット数──を把握しておくことが、費用管理の第一歩です。

6店舗の横断調査から見えた相場は、ギターのステンレスフレット交換で44,000〜88,000円(PLEK仕上げ込みを除くと44,000〜60,500円)、ベースはギター比+5,000〜10,000円が目安です。

なぜステンレスフレットは工賃が高いのか──素材の硬度と加工難度

ニッケルシルバーの1.4〜1.7倍という工賃差の原因は、ステンレスの「硬さ」に尽きます。フレット用ステンレススチール(SUS304系など)の加工後ビッカース硬度(素材の硬さを示す指標で、数値が大きいほど硬い)はHV 300前後。ニッケルシルバーのHV 150〜200に対して約1.5〜2倍の硬さがあり、この硬度差が工具コスト・作業時間・技術的ハードルのすべてを押し上げ、工賃に反映されています。

フレット素材の硬度比較(ニッケルシルバー・ステンレス・EVO Gold)

フレット素材別のビッカース硬度

素材

ビッカース硬度(HV)

相対評価

ニッケルシルバー(洋白)

HV 150〜200

標準(もっとも柔らかい)

EVO Gold

HV 200前後

ニッケルシルバーよりやや硬い

ステンレススチール

HV 300前後(加工硬化後)

ニッケルシルバーの約1.5〜2倍

※Jescar社公称値および業界で一般的に参照される値(JIS等の公的規格値ではなく、フレットワイヤーメーカーの製品仕様に基づく参考値)

ニッケルシルバーは銅・亜鉛・ニッケルの合金で、名前に「シルバー」と付いていますが銀は含まれていません。従来のフレットで最も広く使われている標準素材です。EVO Gold(Jescar社が開発した銅・錫・鉄・チタンの合金。金色の外観が特徴)はその中間に位置しており、「ニッケルシルバー・ステンレス・EVO Gold──3素材の料金・性能・音質比較」のセクションで詳しく取り上げます。

ステンレス加工に必要な工具・技術と工賃への影響

通常のフレットファイル(ヤスリ)はニッケルシルバーの加工を前提に設計されているため、HV 300前後のステンレスには歯が立ちません。ステンレスフレットの成形・すり合わせには超硬フレットファイルやダイヤモンドヤスリといった特殊工具が必須で、価格は通常工具の数倍。硬い素材を精密に成形する作業時間もニッケルシルバーの1.5〜2倍程度に膨らみ、工具の消耗コストと作業時間の増加が工賃差の主因です。

ステンレスフレット交換の工賃がニッケルシルバーの1.4〜1.7倍になるのは、素材の硬度差に起因する工具コスト増と作業時間増が重なった結果であり、加工難度に見合った料金設定といえます。

フレット交換が必要なタイミングの見極め方

フレットすり合わせ(フレット頂点の高さを均一に研磨するメンテナンス作業)の料金は11,000円〜(島村楽器公式サイト掲載価格、2026年7月閲覧時点)。全交換の約4分の1以下です。摩耗の程度によってはすり合わせで十分対応できるケースもあるため、まず自分の楽器の状態を見極めることが、不要な出費を防ぐ最初のステップになります。

フレット摩耗のセルフチェック方法

以下の4ステップで、フレットの摩耗段階をセルフチェックできます。

  1. 目視チェック:フレット頂点に溝・平坦部が見えるか

  2. 爪引っかけチェック:弦の下のフレットに爪を横に滑らせて引っかかりを感じるか

  3. 演奏チェック:チョーキング時の音詰まり・ビビりが特定フレットで出るか

  4. 判定:①②が軽微で③がなければすり合わせの可能性あり。①②が顕著で③が複数フレットで出ればフレット交換を検討

このフローに沿って確認した結果をリペアショップへの相談時に伝えると、見積もりがスムーズに進みます。フレットロッカー(フレットの高さを測る専用工具)をお持ちなら、フレット間の高さのばらつきもチェックできるでしょう。

すり合わせで済むか、交換が必要か──判断の分かれ目

分かれ目のひとつは「フレットの残り高さ」。多くのリペアショップでは、フレット頂点の残りが0.5mm以下になると全交換を推奨する傾向にあります。すり合わせはフレットを削る作業なので、残りが少ない状態でさらに削ると演奏性を維持できなくなるためです。特定のフレットだけが極端に減っている場合は、「部分リフレットという選択肢──全交換との料金差と使い分け」のセクションも検討に値します。

すり合わせ(11,000円〜)で対応できる段階か、全交換(44,000円〜)が必要かを先に見極めること──これが費用を最適化するための判断の起点です。

ニッケルシルバー・ステンレス・EVO Gold──3素材の料金・性能・音質比較

多くの記事ではニッケルシルバーとステンレスの2択で語られがちですが、近年はEVO Gold(イーヴォゴールド)という第3の選択肢も存在します。Jescar社が開発した銅・錫・鉄・チタンの合金で、金色の外観が特徴。ニッケルを含まないため、ニッケルアレルギーの方にも対応できる素材として注目を集めています。料金・耐久性・音質を含む5軸で3素材を比較し、選択の判断材料を整理しました。

3素材の特徴比較表(硬度・寿命・音質傾向・加工性・料金帯)

フレット素材3種の横断比較

比較軸

ニッケルシルバー

ステンレス

EVO Gold

ビッカース硬度

HV 150〜200

HV 300前後

HV 200前後

推定寿命(アマチュア使用頻度)

5〜10年で要すり合わせ or 交換

20年以上(リペア現場の経験値)

10〜15年(推定。ニッケルシルバーより長いがステンレスほどではない)

音質傾向

温かみのある中域寄りのトーン

アタックがシャープで高域の倍音が豊か。ブライトに感じる方が多い

ニッケルシルバーに近い温かみのあるトーン(メーカー公称)

加工性

高い(標準工具で加工可能)

低い(超硬工具が必要、作業時間1.5〜2倍)

比較的高い(ニッケルシルバーに近い加工性)

交換料金帯(ギター基本工賃)

27,500〜66,000円

44,000〜88,000円

ステンレスと同等〜やや安い傾向(対応ショップが限定的)

フレットワイヤー単体価格(1本分目安)

500〜1,500円

1,200〜3,000円

2,000〜4,000円

※硬度:Jescar社公称値および業界で一般的に参照される値。寿命:複数リペアショップの公式ブログ等に基づく経験値(統計的な耐久試験データではありません)。料金帯:2026年7月閲覧時点の各ショップ公式サイト掲載価格。フレットワイヤー価格:ギターワークス等の通販価格帯(2026年7月時点)。

注目すべきは、EVO Goldのフレットワイヤー単体価格がステンレスより高い点。工賃はステンレスと同等かやや安い傾向にあるものの、パーツ代を含めた総額ではステンレスと大きな差がないケースも珍しくありません。

どの素材を選ぶべきか──演奏スタイル別の判断ガイド

  • 演奏頻度が高く、1本を長く弾き続ける → ステンレスが候補(長期コストを抑制)

  • チョーキングや速弾きを多用し、滑らかな指触りを求める → ステンレスが候補

  • ヴィンテージ感のある温かいトーンを重視する → ニッケルシルバーが候補

  • ニッケルアレルギーがあり、ニッケルシルバーでかぶれる → EVO Goldが候補

  • 音質変化を最小限に抑えつつ耐久性も欲しい → EVO Goldが候補(ただし対応ショップは限定的)

  • 予算を最優先にしたい → ニッケルシルバーが最も安価

どの素材にも明確なメリット・デメリットがあり、万人にとっての「正解」は存在しません。自分の演奏頻度・音の好み・予算・ニッケルアレルギーの有無という4つの軸で優先順位を整理すると、素材選びの判断が明確になるでしょう。

3素材の選択は「演奏頻度×音の好み×予算×アレルギー有無」の4軸で整理でき、ステンレスだけが唯一の正解ではありません。

ステンレスフレットのコスパ分析──何年弾けば元が取れるか

ステンレスフレット交換の費用が高い分、長期的にはニッケルシルバーを繰り返し交換するより安く済む可能性がある──よく語られる話ですが、実際に数値で比較した情報はほとんど見当たりません。リペア現場の経験値をベースに、10年・20年・30年スパンでの概算シミュレーションを出してみます。

ニッケルシルバーの交換サイクルとステンレスの長期コスト比較

以下の概算は、6店舗の中央値付近の料金を使い、一般的なアマチュアプレイヤー(週3〜5日、1日1〜2時間程度の演奏頻度)を前提としたものです。

10年・20年・30年スパンの累計コスト概算

期間

ニッケルシルバー(累計コスト)

ステンレス(累計コスト)

差額

10年

約37,000円(交換1回)

約55,000円(交換1回)

ステンレスが約18,000円高い

20年

約74,000円(交換2回)

約55,000円(交換1回で継続使用)

ステンレスが約19,000円安い

30年

約111,000円(交換3回)

約55,000円(交換1回で継続使用)

ステンレスが約56,000円安い

※ニッケルシルバー交換費用:6店舗中央値付近の約37,000円(税込)で概算。交換サイクル:約7.5年(5〜10年の中央値)。ステンレス交換費用:6店舗中央値付近の約55,000円(税込)で概算。寿命20年以上(リペア現場の経験値であり、統計的な耐久試験データではありません)。

この概算では、15年以上弾き続ける場合にステンレスの累計コストがニッケルシルバーを下回り始めます。20年スパンで約19,000円、30年スパンで約56,000円の差が開く計算です。

コスパ判断の前提条件と注意点

上記はあくまで概算であり、以下の条件で結果は大きく変動します。

このシミュレーションはリペア現場の経験値に基づく概算です。演奏頻度・奏法・弦の素材によって摩耗速度は大きく異なるため、あくまで目安としてご活用ください。

  • 演奏頻度:毎日数時間弾くプロ・セミプロは摩耗が早く、ニッケルシルバーの交換サイクルが3〜5年に短縮されるケースも。この場合、ステンレスのコスパ優位はさらに拡大します

  • 弦の素材:ステンレス弦はニッケル弦よりフレット摩耗を加速させる傾向があり、ニッケルシルバーフレットの寿命を短くする要因になり得ます

  • 奏法:チョーキング(ベンド)を頻繁に行うプレイヤーはフレット摩耗が早いため、ステンレスの耐久性メリットが大きくなる傾向です

  • 週末に軽く弾く程度の場合、ニッケルシルバーでも10年以上持つことがあり、ステンレスの初期費用を回収しきれない可能性も残ります

演奏頻度が「週3日以上・1日1時間以上」で、1本の楽器を15年以上使い続ける見通しがあれば、ステンレスフレットの初期コストは長期的に回収できる計算です。

部分リフレットという選択肢──全交換との料金差と使い分け

部分リフレット(リフレットとは、フレットを抜き取って新しいフレットワイヤーに打ち替える作業のこと)は、摩耗が激しいフレットだけを個別に交換する方法です。

部分リフレットと全交換の比較

項目

部分リフレット

全フレット交換

料金目安

1フレットあたり3,300円〜(島村楽器掲載価格、2026年7月閲覧時点)

44,000〜88,000円(ステンレス、6店舗レンジ)

対応範囲

1〜5フレット程度の局所摩耗

全フレットを一括交換

メリット

費用を大幅に抑えられる

すべてのフレットが均一な高さ・状態になる

デメリット

交換したフレットと残りのフレットの高さ・硬度に差が出やすい

費用が高い・納期が長い

ステンレスでの注意

既存のニッケルシルバーフレットとの硬度差が大きく、摩耗速度に偏りが出るリスクあり

全フレットが同一素材で統一されるため均一性が高い

1〜3フレットだけが極端に減っているケースなら、部分リフレットで費用を抑える選択肢もあります。ただしステンレスでの部分交換は既存フレットとの硬度差・高さ調整の難度が上がるため、リペアショップと相談の上で全交換との費用対効果を比較して判断するのが現実的でしょう。

部分リフレットは局所的な摩耗への応急策として有効ですが、ステンレスでの部分交換は既存フレットとの硬度差が課題になるため、全交換との比較検討が欠かせません。

依頼先の選び方──工房・楽器店・宅配リペアの比較と確認ポイント

ステンレスフレット交換の料金相場を把握したら、次は「どこに頼むか」の判断です。依頼先は大きく3タイプに分かれ、それぞれ料金・納期・得意分野が異なります。特定のショップは推奨しませんが、タイプ別の傾向を整理して判断材料を提供します。

依頼先タイプ別の特徴と料金傾向

依頼先3タイプの比較

比較軸

個人工房

大手楽器店リペア

宅配リペア

料金傾向

幅広い(職人・地域により差が大きい)

料金表が公開されていることが多く比較しやすい

工賃は工房依存。別途往復送料が発生

納期

2〜4週間が目安。繁忙期は要確認

2〜6週間。受付から外部工房への委託が入る場合は長め

送料+輸送期間を含めるとやや長くなる傾向

ステンレス対応

対応可否は工房次第。施工実績の確認が必須

大手は概ね対応。技術者は店舗により異なる

事前に対応可否・実績を確認

メリット

職人と直接相談でき、細かい要望に対応しやすい

全国に窓口があり持ち込みやすい。保証制度がある場合も

近くにリペアショップがない地域でも依頼可能

デメリット

事前情報が少なく、口コミ等での評判確認が必要

担当技術者を指名できないことが多い

梱包の手間・配送中の破損リスクがある

工賃が安いショップが最善とは限りません。工賃の差は使用工具・仕上げの精度・PLEK導入の有無・附帯サービス(ナット調整込みかどうかなど)によっても生まれるため、料金の内訳と仕上がり品質を総合的に判断してください。

見積もり時に確認すべき5つのポイント

  1. ステンレスフレット交換の施工実績:ステンレスの加工には専用工具と経験が不可欠です。すべてのショップが対応しているわけではないため、実績の有無を最初に確認してください

  2. PLEK仕上げの可否:PLEK(コンピュータ制御でフレットの高さを精密に測定・研磨するドイツ製の専用機械)込みか、別途オプションかで最終的な仕上がりと料金が変わります

  3. 見積もり内訳の明示:工賃・フレットワイヤー代(パーツ代)・追加料金(指板材・バインディング対応等)が分けて提示されるか──ここを確認しましょう

  4. 納期の目安:ステンレスはニッケルシルバーより作業時間が長く、納期が1〜2週間延びるショップもあります。ライブや録音の予定がある場合は特に確認が必要です

  5. 保証の有無と範囲:施工後にフレット浮きやビビりが発生した場合の再調整対応があるか、事前に確認しておくと安心でしょう

依頼先のタイプに正解はなく、アクセスのしやすさ・ステンレスの施工実績・見積もり内訳の透明性を比較した上で、自分に合ったショップを選ぶのが最善です。

交換後に知っておきたいメンテナンスと注意点

ステンレスフレットに交換すれば「メンテナンスフリー」──そう思われがちですが、フレット交換後にはセットアップの見直しが必要であり、日常の手入れにも押さえておくべきポイントがあります。

ナット溝の調整とセットアップの見直し

フレット交換ではフレットの高さが変わるため、ナット溝の深さやサドル高との整合性が取れなくなることがあります。ナットとはヘッド側で弦を支える溝付きのパーツで、溝が浅すぎると弦高が上がり、深すぎるとビビりの原因に。フレット交換時にナット溝の再調整やオクターブ調整もセットで依頼しておくのが合理的です。

多くのリペアショップではフレット交換にセットアップ調整を含めていますが、含まれない場合は別途料金が発生します。見積もり時に「セットアップ調整込みかどうか」を確認してください。

ステンレスフレットの日常メンテナンス

ステンレスは耐腐食性に優れ、ニッケルシルバーのように酸化して黒ずむことがほとんどありません。研磨剤を使った磨き作業は基本的に不要で、演奏後に乾いたクロスでフレットを拭く程度で十分。指板のケアについては、ローズウッド・エボニー指板であれば従来どおり指板オイルで保湿し、メイプル指板は塗装面を乾拭きするだけで問題ありません。

ステンレスフレットは日常の手入れが楽な素材ですが、交換直後のセットアップ調整(ナット溝・弦高・オクターブ)は仕上がりに直結するため、フレット交換と合わせてリペアショップに依頼してください。

中古楽器のリセールバリューへの影響──売却を見据えたフレット素材の選び方

将来的にその楽器を手放す可能性がある場合、フレット素材の変更が中古査定にどう影響するかは見落としがちな視点です。サウンドマニアは中古楽器流通を専門的に扱うメディアとして、「弾き続ける場合」と「売却する場合」の2つの立場から考え方を整理しました。結論として、楽器の種類──ヴィンテージか現行モデルか──によって評価は大きく異なります。

ヴィンテージ楽器の場合──オリジナリティと査定への影響

コレクター市場では「オリジナルの状態がどれだけ保たれているか」が査定額を大きく左右します。1960〜70年代のフェンダーやギブソンなどのヴィンテージ楽器の場合、フレットをステンレスに打ち替えるとオリジナルパーツからの変更とみなされ、査定でマイナス要因になることがあります。

ヴィンテージ楽器のフレットが摩耗した場合は、元の素材(ニッケルシルバー)と同等のフレットワイヤーで打ち替えるか、すり合わせで対応するのが査定面では無難でしょう。ただし、「コレクションではなく実際に弾くためのヴィンテージ」という場合は、演奏性を優先してステンレスを選ぶ判断も当然あり得ます。

現行モデル・日常使用の楽器の場合──摩耗フレットより打ち替え済みが有利

現行モデルや量産ギター・ベースの中古市場では、オリジナリティよりも「すぐに弾ける状態かどうか」が重視される傾向です。フレットが摩耗してすり合わせや交換が必要な個体より、フレット打ち替え済みでフレット残量が十分ある個体のほうがプラス評価を受けやすいのが実情。ステンレスフレットへの打ち替えであれば、購入後も長期間にわたってフレット交換が不要になるため、次のオーナーにとっての付加価値にもなり得ます。

将来の売却を見据える場合、ヴィンテージ楽器はオリジナル素材の維持が査定に有利で、現行モデルはステンレスフレットへの打ち替えがむしろプラスに働く傾向があります。

DIYでのステンレスフレット交換は可能か──リスクと現実的な判断

費用を抑えるためにDIYでフレット交換を検討する方もいるかもしれません。ニッケルシルバーのフレット交換であれば、経験豊富な上級者が適切な工具を揃えて行うケースもゼロではないでしょう。しかしステンレスフレットの場合、以下の理由からDIYは推奨できません。

⚠ ステンレスフレットのDIY交換は、工具代・失敗リスク・修正コストを考慮するとプロへの依頼が現実的です。 以下のリスクを必ず理解した上で判断してください。

  • 超硬工具が必須:通常のフレットファイルではステンレスの成形ができず、超硬フレットファイル・ダイヤモンドヤスリなど専用工具が必要です。一式揃えると2〜5万円程度の出費になります

  • 指板損傷のリスク:硬い素材を力を入れて加工するため、指板面を傷つけたり、フレット溝を広げてしまうリスクが格段に高まります

  • フレット浮きのリスク:ステンレスフレットは硬い分、指板のR(曲面)に沿って正確に圧入する難度が上がります。浮きが残ると音詰まりやビビりの原因に

  • 修正コスト:失敗した場合、結局プロに修正を依頼することになり、最初から依頼するより総額が高くなるケースがあります

工具代だけで数万円かかり、失敗時のリスクを考慮すると、ステンレスフレットの交換は経験の有無にかかわらずプロへの依頼が現実的な選択です。

よくある質問(FAQ)

ステンレスフレットに交換すると音は変わりますか?

フレット素材の変更により、アタック感や倍音の出方に変化が生じます。ステンレスフレットは高域の倍音が豊かになり、ブライトでクリアな印象になる傾向です。ただし感じ方には個人差が大きく、アンプやエフェクターのセッティングでも印象は変わるでしょう。音質変化が不安な場合は、ニッケルシルバーに近い音色特性を持つEVO Goldも検討してみてください。

交換にかかる期間(納期)はどのくらいですか?

2〜4週間が目安です。ステンレスフレットの場合はニッケルシルバーより作業時間が長く、1〜2週間延びるショップもあります。年末や年度末などの繁忙期は1〜2ヶ月かかることもあるため、ライブや録音の予定がある場合は余裕を持って依頼してください。

フレットのサイズ(太さ・高さ)は自由に選べますか?

はい、多くのリペアショップではフレットのクラウン幅(フレットの頭頂部の幅)と高さ(指板面からの高さ)を指定できます。Jescar・三晃製作所などのメーカーから多数のサイズが販売されており、演奏感の好みに合わせた選択が可能です。ただし現状のフレット溝とサイズが大きく異なるフレットを選ぶとナット溝の再加工が必要になることがあるため、リペアショップと相談して決めてください。

ステンレスフレットにして後悔するケースはありますか?

主な後悔の声として挙がるのは「音の硬質感が好みに合わなかった」「ヴィンテージ楽器のオリジナリティを損なってしまった」「期待ほど体感の差を感じなかった」の3パターン。音の好みは個人差が大きいため、可能であれば事前にステンレスフレット搭載の楽器を試奏して音色の傾向を確認するのがリスクを減らす方法でしょう。ヴィンテージ楽器への施工を検討する場合は「中古楽器のリセールバリューへの影響──売却を見据えたフレット素材の選び方」のセクションも参考にしてください。

ベースでもステンレスフレット交換は可能ですか?

可能です。ベースは弦のテンション(張力)がギターより高く、フレットへの負荷が大きいため、ステンレスフレットの耐摩耗性メリットはギター以上に発揮されやすいとされています。ただしベースはネック幅が広くフレット溝も長いため、工賃がギターより+5,000〜10,000円程度高くなる傾向がある点は覚えておきましょう。

よくある質問に共通するポイントは、ステンレスフレットに「万能な素材」というイメージを持ちすぎないこと。音質変化・納期・コストの現実を踏まえた上で、自分の楽器・演奏スタイルに合った判断をしてください。

まとめ──ステンレスフレット交換の料金と判断のポイント

ステンレスフレット交換の料金相場は、ギターで44,000〜88,000円、ベースで50,000〜90,000円程度(2026年7月時点、6店舗の公開料金調査)。ニッケルシルバーの約1.4〜1.7倍が目安ですが、メイプル指板やバインディング付きの場合はさらに10,000〜20,000円以上の追加費用が発生します。

素材選びは「演奏頻度×予算×音の好み×リセールバリュー」の4軸で整理し、15年以上弾き続ける見通しがあればステンレスの長期コスト優位が明確になります。一方で、ヴィンテージ楽器のオリジナリティ維持や音の温かみを重視する場合はニッケルシルバー、ニッケルアレルギーの方にはEVO Goldと、それぞれに合った選択肢があります。

次のステップとしては、複数のリペアショップで見積もりを取り、施工実績・納期・見積もり内訳の透明性を比較した上で、自分の楽器と演奏スタイルに最も合った依頼先を決めてください。

参考文献

  • Jescar Music Products 公式サイト(製品ページ、常時更新)/https://jescar.com/ ──フレットワイヤーの素材特性(ニッケルシルバー・ステンレス・EVO Gold)、ビッカース硬度の参考値

  • 島村楽器 リペア・メンテナンス料金表(ページ掲載日2020年8月、2026年7月閲覧時点で公開継続を確認)/https://www.shimamura.co.jp/shop/repair/price/ ──ギター・ベースのフレット交換料金、フレットすり合わせ料金、部分リフレット料金

  • PLEK Japan 公式サイト リペアメニュー(2026年7月閲覧時点)/https://plekjapan.com/ ──PLEKスキャン込みのフレット交換料金

  • ギターワークス(GUITARWORKS)公式サイト(2026年7月閲覧時点)/https://www.guitarworks.jp/ ──フレット交換工賃、フレットワイヤー単体の素材別販売価格

  • 皆川ギター工房 公式サイト(2026年7月閲覧時点)──フレット交換料金

  • Naked Guitar Works 公式サイト(2026年7月閲覧時点)──フレット交換料金、バインディング処理・メイプル指板塗装処理の追加料金

  • Rio Guitar Repair 公式サイト(2026年7月閲覧時点)/https://rio-guitar-repair.com/ ──フレット交換料金、標準納期の目安

※上記はすべて2026年7月閲覧時点の情報です。料金・サービス内容は変更される場合があります。最新情報は各公式サイトをご確認ください。

本記事は個人の使用経験に基づく情報です。楽器・機材の使用に際しては、取扱説明書や専門家の指示に従い、安全にご注意ください。

サウンドマニア編集部

楽器の購入ガイドや基礎知識を発信するサウンドマニア編集部です。ピアノ・ギターをはじめとした楽器選びや、メンテナンス・演奏に関する実用的な情報をわかりやすくお届けします。

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