
桜井和寿(Mr.Children)の使用ギター|D-28からTaylor、ブルーフラワーまで【2026年版】
サウンドマニア編集部/楽器の購入ガイドや基礎知識を発信するサウンドマニア編集部です。ピアノ・ギターをはじめとした楽器選…
桜井和寿(Mr.Children)のアコースティックギターで使用記録の厚いモデルが、本人がマーティン社にオーダーしたMartin D-28です。機材データベース「TOOLBOX」には同スペックの2本がまとめて登録されており、使用楽曲は「名もなき詩」「HANABI」「彩り」「しるし」など64曲、記録は2000年から2022年の30周年ツアーまで続いています。一方、2023年に始まったツアー以降はアコギの基本機がTaylorに移り、エレキではGuitars・R・US のブルーフラワー・テレキャスターが2000年から2024年まで記録に残っています。本記事では、TOOLBOXとライブ現地の観測記録をもとに桜井の使用ギターを整理し、あわせてサウンドマニア編集部がデジマートの掲載在庫から集計した中古相場を掲載します。
桜井和寿の使用ギター──全体像
桜井和寿はMr.Childrenでボーカルとギターを担当し、アコースティックとエレクトリックを曲ごとに持ち替えます。バンドにはもう1人のギタリストとして田原健一が在籍しており、ライブでは2人がそれぞれ別のギターを構える編成です。
桜井本人や公式による使用機材の一覧は見当たりません。本記事の機材情報は、Mr.Childrenの使用楽器を曲単位で記録している非公式の機材データベース「TOOLBOX」(桜井の登録機材は93点)と、同サイトの掲示板に寄せられた公演現地での観測報告をもとに整理したものです。個体の特定や使用時期には幅があり、断定できない部分は断定していません。
大づかみに整理すると、次の3系統になります。
2000〜2022年の記録が厚いアコースティック:Martin D-28(オーダー品・同スペック2本)
2023年以降のツアーの基本機(アコースティック):Taylor K24ce / Taylor Custom #36 GA / Taylor Custom GP
エレキの代名詞:Guitars・R・US TELY Type #S1(Blue Flower)
この3系統に、Gibson J-45の複数個体、YAMAHAのオーダー品、フィンランドのVersoul、オーストラリアのCole Clarkなどが場面ごとに加わります。
Martin D-28──マーティン社へのオーダー品を2本
TOOLBOXはD-28 #S2について、「桜井氏がマーティン社にオーダーした物で、同スペックで2本所有」と記録しています。同じライブにチューニング違いで2本が登場することがあり、ストラップは違うものの個体の判別はほぼ不可能なため、便宜上1本として扱っている、とも書かれています。
オーダーの経緯については、ライブ映像をもとにした個人の機材調査ブログ「飴玉の街」が、「深海」のレコーディングで訪れたニューヨークで57年製のD-28を購入し、それを気に入って2000年に似せたものをカスタムオーダーした、と紹介しています。同ブログは2018年の記事で、現在使っているのはこの2000年製のカスタムだとしています。
外観上の特徴は、ブルーグラス奏者レスター・フラットのスタイルに由来する「レスターフラット型」と呼ばれる大型ピックガードです。個人の機材調査note「きょっけのオタク部屋」はこのD-28を「桜井和寿を象徴するギター」と紹介し、ピックアップはL.R. BaggsのAnthem、ストラップはMOODYだと記しています。
TOOLBOXのD-28 #S2には、次のような楽曲が使用楽曲として登録されています(全64曲のうち一部)。
名もなき詩/CENTER OF UNIVERSE/ヒカリノアトリエ/HANABI/彩り
Tomorrow never knows/my life/タガタメ/ひびき/しるし
光の射す方へ/口笛/くるみ/靴ひも/Sign/ロードムービー
深海/独り言/I'll be/君がいた夏/天頂バス/LOVE
fantasy/進化論/斜陽/I Can Make It/and I love you/Your Song
記録の範囲は2000年の「FATHER & MOTHER SPECIAL LIVE『Q』」から、2022年の「30th Anniversary Tour 半世紀へのエントランス」まで。ap bank fesのBank Bandでの演奏(「Miss You」「希望の轍」「ハナミズキ」ほか)にも登場しています。
「HANABI=D-28」とは限りません。HANABIはD-28の使用楽曲リストにも、後述するTaylor K24ceの使用楽曲リストにも登場します。ツアーや年代によって持ち替えられているため、「この曲はこのギター」と1対1で覚えると外れます。
Martinではこのほか、TOOLBOXに別個体のD-28 #S1(「深海」のレコーディング、「口笛」のTV出演時など)、D-45(「口笛」)、D-28 Marquis、D12-28、000C-1Eが登録されています。
2023年以降のツアーはTaylorが基本機──K24ceとCustom #36 GA
「tour 2023/24 miss you」以降、ライブで桜井が構えるアコギはTaylorに移りました。TOOLBOXの公演記録では、2024年の「miss you arena tour」で桜井のアコギ枠はK24ceとCustom #36 GAの2本です。2026年の「Saturday in the park」ツアーでも、TOOLBOXのLIVE BOARDに寄せられた複数の現地報告で、桜井のアコギは基本的にTaylorだったとされています。
Taylor K24ce──ハワイアンコアのグランドオーディトリアム
K24ceは、トップからバック&サイドまでハワイアンコアで組んだグランドオーディトリアム・ボディのエレアコです。TOOLBOXが記録している桜井個体のスペックは、ブレイシングがV-Class with Relief Rout、ネックがトロピカル・マホガニー、指板とブリッジがウエストアフリカン・エボニー、スケール25-1/2インチ、ナット幅1-3/4インチ、電装はExpression System 2。主要なスペックはTaylor公式のK24ce(V-Classブレイシングのモデル)と一致します。
Taylorはコアについて、中音域の押し出しが強くトレブルが明瞭で低域にも存在感があり、弾き込むほど甘さと深みが出てくる材だと説明しています。使用楽曲として記録されているのは「I MISS YOU」「Party is over」「we have no time」「記憶の旅人」「The song of praise」「Hallelujah」「優しい歌」「Birthday」、そしてap bank fes '25 での「HANABI」「彩り」「街の風景」などです。
Taylor Custom #36 GA──Summer NAMM 2022の限定オーダー
青い「Koi Blue」のフィニッシュが目を引く1本。TOOLBOXによればSummer NAMM 2022の限定オーダーモデルで、トップがシトカ・スプルース、バック&サイドがビッグリーフ・メイプル、バインディングとアームレストにフレイム・メイプルを使い、指板インレイはメイプルとハワイアンコアのアールデコ柄という仕様です。ブレイシングはV Class、電装はExpression System 2、スケールは25-1/2インチ。
使用楽曲には「end of the day」「未完」「in the pocket」「靴ひも」「青いリンゴ」「名もなき詩」が挙がっています。現地報告では「青リンゴ(カラー)」と呼ばれることもあります。このほか、「tour 2023/24 miss you」からはノンカッタウェイのTaylor Custom GPも加わりました。
Gibson J-45は複数個体──誕生日プレゼント、Cherry Red、そしてMurphy Lab
Gibson J-45は、TOOLBOXに#S1から#S4まで別個体として登録されています。
個体 | フィニッシュ | TOOLBOXの記録 |
|---|---|---|
J-45 #S1 | Vintage Sunburst | 小林さん&メンバーからの誕生日プレゼント |
J-45 #S2 | Sunburst | ap bank fes '05・'06で使用 |
J-45 #S3 | Cherry Red | カスタムオーダー仕様(Cherry Red・ダブルピックガード)。30th Anniversary Tour(2022)で使用 |
J-45 #S4 | Vintage Sunburst | Gibson Custom Murphy Lab 1955 J-45 Light Aged。「Saturday」のMVで使用 |
TOOLBOXにもっとも新しく登録された#S4は、Gibson CustomのMurphy Labが手がけた1955年仕様のリイシューをライトエイジド加工したモデルです。トップはサーマリー・エイジド・シトカスプルース、バック&サイドはマホガニー、ブレイシングはトラディショナル・スキャロップドXブレイシング、スケールは24.75インチ(628.65mm)、ナット幅は1.73インチ(43.82mm)。TOOLBOXは、アジャスタブルブリッジではないことから#S1とは別個体と判断した、と説明しています。
J-45は1本を長年使い続けてきた機種ではなく、時期の異なる複数の個体が入れ替わりで登場している機種です。
Gibsonではこのほか、TOOLBOXが「CROSS ROAD」「innocent world」「花」のPVでの使用を記録しているJ-180、TOUR 2015 REFLECTIONの「Melody」で使われたTrans BlueのSJ-200、HOME TOURで登場したL-00の記録があります。
YAMAHA・Versoul・Cole Clark
YAMAHA
YAMAHAはオーダー品を含めて複数個体が記録されています。LJ66 CUSTOM #S1はA.R.T.ピックアップを搭載したオーダー品で、HOME TOURで使用。#S2(Sunburst)はDOME TOUR 2009、#S3(Blue)は2011〜2013年頃に登場しています。さらにLJ26、LL26、LL36、そしてap bank fes '06のBank BandではエレアコのAEX1500が使われました。
エレキでは、2026年のツアーでYAMAHAのPacifica SC Professional PACP11Sが新たに登場しています(LIVE BOARD 2026年4月12日横浜アリーナ公演の報告)。
Versoul(ヴァーソウル)
フィンランド・ヘルシンキの工房で製作されているブランドで、桜井はBuxom 6 Jumbo "Gold Label" Blue CustomとBuxom 6 Minor Cutaway "Gold Label"の2本を所有しています。前出のnoteによれば、青いジャンボは2009年に登場し、2014年までステージで使われたとされます。エレキのHenry 6(Black)も記録されています。
Cole Clark(コール・クラーク)
オーストラリア・メルボルンのブランドで、TOOLBOXにはCCFL3EC-RDBL-AEとFL2ACの記録があります。2026年のツアーでは「平熱」で、アコースティックのピックアップと独立したマグネティック・ピックアップを1本に積んだTrue HybridのHSS仕様(ハムバッカー1基+シングルコイル2基)とみられるモデルを使用。1番・2番は指弾きでアコースティックの音、ギターソロではピックに持ち替えてエレキの音を出していたと、複数の公演の観客が報告しています。
そのほか、Larrivee L-10 Mucha Lady、Fender Kingman "C" USA(Fiesta Red。TOOLBOXは本人がマニキュアでペイントしたと記録)、StaffordのSADシリーズ、K.Yairi、Alvarez Yairi、Guild、Takamine、Ovationなども記録に残っています。
エレキの代名詞──Guitars・R・US「ブルーフラワー」テレキャスター
前出のブログが「代名詞といえるギター」と紹介しているのが、青い花柄の「ブルーフラワー」テレキャスターです。TOOLBOXではGuitars・R・US TELY Type #S1として登録されており、記録されているスペックは次のとおりです。
項目 | 仕様 |
|---|---|
ボディ | アッシュ |
ネック | メイプル |
指板 | ブラジリアン・ローズウッド/21フレット |
ピックアップ(ネック) | Seymour Duncan SH-1 -59 model- |
ピックアップ(ブリッジ) | Lindy Fralin Stock Tele(Hybrid Stagger) |
コントロール | 1 Volume, 1 Tone(CTS 500K)/Orange Drop 0.022μF |
フィニッシュ | Polyurethane Blue Flower(塗装は velvet guitars が担当) |
このスペックについては、TOOLBOX自身が「精度は高いはずですが100%とは言い切れません」と注記しています。ネック側にハムバッカー(SH-1)を積んでいる点が、一般的なテレキャスターとの大きな違いです。
使用楽曲リストには「終わりなき旅」「足音 〜Be Strong」「未完」「NOT FOUND」「靴ひも」「Starting Over」「スロースターター」などが並びます。TOOLBOXの記録の最古は2000年の「FATHER & MOTHER SPECIAL LIVE『Q』」、直近は2024年のmiss you arena tourの「終わりなき旅」です。
「ブルーフラワー」はもともとFenderの1968年フィニッシュ
Premier Guitarによれば、ブルーフラワーはFenderが1968年にテレキャスターへ用意したフィニッシュで、ペイズリー・レッドと対になるものです。柄の入った壁紙をボディに貼り、その上からクリアのポリエステルを吹く製法でした。当時のヒッピー文化に向けた企画でしたが、狙ったサイケデリック・ロックの層には浸透しなかったと同誌は記しています。
桜井はこの柄のテレキャスターを複数使ってきました。TOOLBOXにはFender JapanのTL69-85(改)も登録されており、「光の射す方へ」のTV出演時、TOUR '99 "DISCOVERY"、Concert Tour Q 2000〜2001などで使われました。
2016年11月から2017年2月にかけては、一般財団法人mudefのチャリティー・マーケットに、桜井のサイン入りギターが本人の出品で出され、売約済みとなっています。出品ページは「"DISCOVERY" TOUR '99」や「Concert Tour Q 2000~2001」などで使用したギターと説明しており、TL69-85(改)の使用公演と一致します。前出のブログやnoteは、これをFender Japan製のブルーフラワーを熊本の震災支援のチャリティーに出品したものと紹介しています。落札額は公表されていません。
ブルーフラワー柄は、TOOLBOXの登録機材ではほかにもGibson ES-330 #S1(ピックガードをブルーフラワー柄にカスタム)と、Fender American Acoustasonic Telecaster Blue Flowerに見られます。
そのほかのエレクトリックギター
Crews Maniac Sound OSA-60 BG
キャデラック・グリーンのフィニッシュの1本。TOOLBOXが記録している仕様は、ローズウッド指板、マホガニーネック、メイプル合板ボディ、SAYTONEのハンドワインド・ピックアップ SLEDGE-62、2ボリューム/2トーン/3ポジションスイッチ、そしてBigsby B-7です。使用楽曲は2015年のツアーでの「Starting Over」「CHILDREN'S WORLD」、2024年のmiss you arena tourでの「アンダーシャツ」などです。
K&T Teagur
TOOLBOXの記録では2010年から使われ、2024年のmiss you arena tourでも「Everything (It's you)」「Fifty's map 〜おとなの地図」で登場しています。
Gibson ES-335 Diamond / ES-330 #S1
ES-335 DiamondはPelham Blueの個体で、TOOLBOXによればHOME TOURの豊田スタジアム公演から登場しました。ES-330 #S1はBeale Street Blueの個体で、前述のとおりピックガードがブルーフラワー柄に変更されています。
ほかにも、G&L Asat Special(「Everything(It's you)」のPVなど)、Seymour Duncan製テレキャスター(TOUR '99 "DISCOVERY")、Fender Telecaster #S3(The Pretendersのクリッシー・ハインド・モデル)、momose MT-軽井沢彫、FREEDOM CUSTOM GUITAR RESEARCH RED PEPPER、James Tyler Classic Special Edition、Gretsch White Falcon 6136、Stratocaster #S1〜#S5など、多数の個体が記録されています。
アクセサリーとカポの使い方
カポタストはKyser(カイザー)を使っていると前出のブログが紹介しており、2026年のツアーではLIVE BOARDに「カポはカイザーの白」と報告されています。
カポは曲中で動かされることがあります。TOOLBOXの2024年miss you arena tour(横浜アリーナ)の記録では、桜井は「Party is over」でK24ceのカポを0→1フレット、「in the pocket」でCustom #36 GAのカポを0→1フレットに動かしています。2026年のツアーでも「in the pocket」でのK24ceのカポ0→1フレットが複数公演で報告されています。
弦のゲージやブランド、ピックの厚さといったセッティングの数値については、本人や公式が公開した情報が見当たらないため、本記事では扱っていません。
主要3機種のスペック比較
桜井が使っている3系統のアコギについて、モデルラインごとのスペックを並べます。Martin D-28とGibson J-45 Standardは各メーカー公式サイトの現行仕様、Taylor K24ceはTOOLBOXが桜井の個体として記録しているV-Classブレイシングの仕様です(Taylorの現行ラインにはNext Generation K24ceも併存します)。桜井の所有個体そのものではなく、同じモデルラインを探すときの基準として見てください。
項目 | Martin D-28 | Gibson J-45 Standard | Taylor K24ce(V-Class) |
|---|---|---|---|
ボディ形状 | D-14 Fret(ドレッドノート) | ラウンドショルダー・ドレッドノート | グランドオーディトリアム |
トップ材 | スプルース | シトカ・スプルース | ハワイアンコア |
サイド/バック材 | イースト・インディアン・ローズウッド | マホガニー | ハワイアンコア |
ブレイシング | フォワードシフテッドXブレイス/ゴールデンエラ・スキャロップド | トラディショナル・ハンドスキャロップドXブレイシング | V-Class with Relief Rout |
スケール | 25.4インチ | 24.75インチ(628.65mm) | 25-1/2インチ |
ナット幅 | 1 3/4インチ | 1.73インチ(43.82mm) | 1-3/4インチ |
指板材 | エボニー | ローズウッド | ウエストアフリカン・エボニー |
ネック | GE Modified Low Oval+ハイパフォーマンス・テーパー | マホガニー/SlimTaper | トロピカル・マホガニー |
電装 | なし | Baggs HiFi DNA | Expression System 2 |
サイド/バック材は3機種でそれぞれ違います。各メーカーの説明では、MartinはD-28を力強い低音と明瞭な高音、豊かな倍音を持つドレッドノート、GibsonはJ-45 Standardを温かい中音域と締まった低音、Taylorはコアを中音域の強い材としています。スケールもD-28とK24ceが25インチ台、J-45が24.75インチと差があり、同じゲージの弦を張ったときのテンション感が変わります。実際の鳴りは個体差・弦・セッティングでも変わるため、傾向として参考にしてください。
なお、Martinは2025年にStandard Seriesをリフレッシュしており、ネックプロファイル・指板厚・ブリッジ・ヒールを更新した旨を公式サイトに記載しています。年式の古い中古は、現行品と握り心地が異なる可能性があります。
中古相場──デジマート掲載在庫の実測データ
桜井和寿と同じモデルを中古で探すときの目安として、サウンドマニア編集部で楽器検索サイト「デジマート」に掲載されている在庫を横断的に取得し、状態区分ごとに集計しました。
取得日:2026年9月26日
対象:デジマートに掲載中の商品(重複ID除外。カテゴリ「アコースティックギター」「エレクトリック・アコースティックギター」の両方)
数値の性質:掲載価格(売り手の提示価格)です。成約価格ではなく、買取価格とも異なります
集計値:外れ値の影響を避けるため、平均値ではなく中央値と四分位を用いています
対象 | 状態 | N | 第1四分位 | 中央値 | 第3四分位 |
|---|---|---|---|---|---|
Martin D-28 | 中古(標準ライン) | 87 | 317,000円 | 363,000円 | 428,000円 |
Martin D-28 | 新品・新品特価(標準ライン) | 149 | 522,500円 | 550,000円 | 550,000円 |
Martin D-28 | ビンテージ(派生モデル含む) | 33 | 1,028,000円 | 1,417,800円 | 1,870,000円 |
Gibson J-45 | 中古 | 88 | 278,000円 | 328,000円 | 379,750円 |
Gibson J-45 | 新品・新品特価 | 487 | 346,500円 | 381,700円 | 423,000円 |
Gibson J-45 | ビンテージ | 53 | 949,300円 | 1,237,500円 | 1,823,000円 |
D-28の「標準ライン」は、Authentic・Marquis・Golden Era・Modern Deluxe・記念モデルなどの派生を除いた集計です。中古の最安はD-28が21万8,000円、J-45が17万8,000円でした。同じモデル名でも仕様や年式で価格が大きく散らばるため、中央値だけでなく四分位の幅も併せて見てください。D-28のビンテージ区分には、品名にハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)と記した個体が6件含まれ、最高値は798万円でした。
Taylor K24ceは中古の母数が少ない
同じ調査で、Taylor K24ceの掲載はBuilder's EditionやNext Generationなどを含めて全状態あわせて15件、うち中古は3件でした。中古の母数が15件に満たないため、本記事では中央値や価格レンジを提示しません。近年のツアーで基本機として報告されているモデルを中古で狙う場合、出物を待つ前提で考えておくのが現実的です。
Guitars・R・USのブルーフラワーについては、TOOLBOXが、桜井の個体とほぼ同じ仕様を塗装元のvelvet guitarsにオーダーした場合、2017年時点の情報として50万円を超える、と記しています。
中古アコースティックギターを買うときに見る順番
サウンドマニアでは中古楽器の買取・査定を行っています。査定で実際に見ている順番に沿って、購入時のチェックポイントを整理します。金額の大きいアコギほど、ここを外すと後から修理費がかさみます。
トップ板の膨らみ:まずボディを横から見ます。ブリッジ周辺が持ち上がり、サウンドホール側が落ち込んでいないか。ここが進行していると弦高が下がらず、演奏性の根本が損なわれます。
ネックの状態:1フレットと最終フレットを押さえ、中間付近の弦と各フレットの隙間を見ます。順反り・逆反りに加えて、ハイポジションだけが起き上がる「ハイ起き」がないかも確認します。
トラスロッドの残り:ネックが反っていても、ロッドに調整の余地があれば戻せます。逆に締め切られている個体は、将来の調整余地がありません。可能なら回して確認させてもらいます。
ブリッジの接着:ブリッジとトップ板の境目に隙間がないか。名刺の角などが入るようなら要注意です。
フレットの摩耗:頂点が平らに削れていないか、指板側から目線を低くして見ます。摩耗が進んでいるとビビリや音程の狂いが出ます。
ナット・サドルの残り:サドルが極端に低い個体は、すでに弦高調整の余地を使い切っている可能性があります。
ペグと内部:ペグの動作にガタつきがないか。サウンドホールから覗いて、ブレイシングの剥がれや過去の修理跡がないかも見ます。
1と2は、写真だけでは判断が難しい項目です。実物を確認できない取引で高額なアコギを買う場合は、出品者に横からの写真と弦高の実測値を依頼するのが確実です。
ビンテージのGibson・Martinのように高額な取引では、シリアルナンバーの照合と、返品条件の事前確認を行ってください。
桜井和寿のギターに関するよくある質問
結局、メインギターはどれですか?
桜井本人や公式が「メイン」と規定した機材はありません。記録から言えるのは次のところまでです。アコースティックでは、Martin D-28(オーダー品)にTOOLBOXで64曲の使用楽曲が登録され、記録は2000年から2022年に及びます。エレクトリックではGuitars・R・USのブルーフラワー・テレキャスターの記録が2000年から2024年まで続いています。ただし2023年に始まったツアー以降はTaylorがアコギの基本機になっており、時期によって答えが変わります。
桜井和寿モデルのギターはありますか?
TOOLBOXは、StaffordのSAD1999とSAD2000を「桜井モデル」として記録しています。SAD2000については「桜井カスタム1号機。SAD2000原型となる」と記録しており、TOUR "REGRESS OR PROGRESS" '96〜'97で使われました。
YAMAHAのギターは使っていますか?
使っています。アコースティックではLJ66 CUSTOMが#S1〜#S3の3個体(#S1はオーダー品)、ほかにLJ26、LL26、LL36、AEX1500などの記録があります。エレキでは2026年のツアーからPacifica SC Professional PACP11Sが登場しました。
同じギターを買えば同じ音が出ますか?
同じ音にはなりません。桜井のD-28はマーティン社へのオーダー品で、市販の標準モデルと同一の仕様とは限りません。アコースティックギターは同じモデルでも個体差があり、ステージの音はピックアップとPAの設定にも左右されます。同じモデルラインを選ぶことは「音の方向性」に近づく手段にはなりますが、それ以上のものではありません。
初心者がD-28やJ-45を買っても大丈夫ですか?
機種として扱いにくいということはありません。J-45はスケールが24.75インチとD-28の25.4インチより短く、同じ弦ならテンションは穏やかになります。ナット幅は現行のD-28が1 3/4インチ、J-45 Standardが1.73インチとほぼ同等です。判断のポイントは弾きやすさより予算で、中古の中央値でもJ-45が約33万円、D-28が約36万円(2026年9月26日時点・掲載価格)という水準です。
「ブルーフラワー」はどこで手に入りますか?
桜井が使っているGuitars・R・USの個体と同等の仕様を工房にオーダーすると、TOOLBOXによれば2017年時点で50万円を超えます。ブルーフラワー柄そのものはFenderが1968年に採用したフィニッシュです。前出のブログは2018年の時点で、Fender Japanから復刻モデルが発売されていると紹介しています。また、TOOLBOXには桜井の所有機としてFender American Acoustasonic Telecaster Blue Flowerも登録されています。柄に近づけたいのであれば、こうしたFender系のモデルが候補になります。
まとめ
桜井和寿の使用ギターは、時期ごとに主役が入れ替わる構成です。アコースティックでは、マーティン社へオーダーした同スペック2本のMartin D-28に2000年から2022年までの記録が厚く残り、2023年に始まったツアー以降はTaylor K24ceとCustom #36 GAが基本機になりました。Gibson J-45は#S1〜#S4の複数個体が時期を分けて登場しており、TOOLBOXにもっとも新しく登録された#S4はMurphy Labの1955年仕様で、「Saturday」のMVで使われました。エレキではGuitars・R・USのブルーフラワー・テレキャスターが2000年から2024年まで記録に残っています。
同じモデルラインを中古で狙う場合、2026年9月26日時点のデジマート掲載価格では、Martin D-28の中古が中央値36万3,000円(N=87)、Gibson J-45の中古が中央値32万8,000円(N=88)。Taylor K24ceは中古の掲載が3件と少なく、出物を待つ前提になります。購入時はトップ板の膨らみとネックの状態を最優先で確認してください。この2点は写真では判断しにくく、後から費用がかかりやすい箇所です。
サウンドマニア編集部
楽器の購入ガイドや基礎知識を発信するサウンドマニア編集部です。ピアノ・ギターをはじめとした楽器選びや、メンテナンス・演奏に関する実用的な情報をわかりやすくお届けします。


