
尾崎世界観の使用機材|テレキャスターはレコーディングの要、アンプはSHINOS【2026年版】
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クリープハイプの尾崎世界観について、フェンダーのオウンドメディアFenderNewsのインタビューと、ギター・マガジンWEBの機材取材で確認できるギターとアンプを整理します。アルバムのレコーディングで使われた1965年製とみられるFender Telecaster、初めて買ったエレキギターのジャズマスター、2022年の取材で本人が選んだAmerican Vintage II 1957 Stratocaster、そしてアンプのSHINOS Luck6Vです。
ただし「テレキャスターがメインギター」とは書けません。2022年12月公開のインタビューで、本人はテレキャスターをレコーディングで使ってきた楽器と説明し、当時のメインは他社のギターだと語っているからです。機材の名前に加えて、本人が語ったピックアップ・セレクターの使い方も紹介します。
尾崎世界観の使用機材一覧
本記事で参照したメーカー公式メディアと専門誌のWeb記事で、機種名まで確認できる機材を出典と時点つきで並べます。
機材 | 種類 | 位置づけ | 出典と時点 |
|---|---|---|---|
Fender Telecaster(1965年製とみられる個体) | エレクトリック・ギター | アルバム『こんなところに居たのかやっと見つけたよ』のレコーディングで使用 | ギター・マガジンWEB/2025年1月 |
Jazzmaster(フェンダーの日本製) | エレクトリック・ギター | 初めて買ったエレキギター | FenderNews/2022年12月 |
American Vintage II 1957 Stratocaster | エレクトリック・ギター | 2022年の取材で本人が選んだモデル | FenderNews/2022年12月・2023年1月 |
SHINOS Luck6V | ギター・アンプ(コンボ) | レコーディング機材として紹介。同誌は「ライブでも活躍する」と記載 | ギター・マガジンWEB/2025年1月 |
※使用時期はそれぞれの記事の時点のものです。このほか、2025年1月発売の『ギター・マガジン』2025年2月号の誌面で、尾崎世界観がおもにライブで使用している機材が紹介されています。
テレキャスターはレコーディングで使ってきた楽器──本人の説明
FenderNewsのインタビューで、聞き手は、尾崎世界観というとフェンダーではテレキャスターのイメージが強い、と切り出しています。これに対して本人は、テレキャスターの位置づけをはっきり説明しています。
2022年12月30日公開の前編によれば、テレキャスターはデビュー以来ずっとレコーディングで使ってきた楽器で、クリープハイプのバッキングサウンドの半分以上をテレキャスターが占めているとのことです。一方で、レコーディングのイメージが強すぎて、ライブで使う感覚にはあまりならなかったとも語っています。当時のメインについては「他社のギターをメインで使っている」と述べるにとどめ、機種名は挙げていません。
2022年12月時点の本人の説明を整理すると、テレキャスターはレコーディングの中心、メインで使っているのはフェンダー以外のメーカーのギター、という構図です。その後のライブ機材は、前述の『ギター・マガジン』2025年2月号の誌面で紹介されています。
1965年製とみられるFender Telecaster
尾崎世界観が所有するテレキャスターは、ギター・マガジンWEBが2025年1月17日に公開した機材記事で写真つきで紹介されています。2024年12月4日発売のアルバム『こんなところに居たのかやっと見つけたよ』のレコーディングで使われた機材を取り上げた記事です。
ギター・マガジンWEBが伝えた個体の特徴
同誌は年式の手がかりとして、次のような点を挙げています。
シリアル・ナンバーが“L88884”であること
ヘッドにスパゲッティ・ロゴが入っていること
ヘッドにパテント・ナンバーの表記があること
これらから、同誌は本文で「1965年製と思われる1本」と推定の形で記しています。
状態については、ネックやボディに塗装のはがれや打痕が見られ、長年の使い込みによる風合いがあること、パーツ類はほぼオリジナルのままのように見られることが伝えられています。
この個体は、ギタリストの小川幸慈もレコーディングで使っているとのことです。同誌によれば、アルバム収録曲「星にでも願ってろ」は、この個体とグレッチのホワイト・ファルコンの組み合わせで録音されたようです。
「バッキングサウンドの半分以上」とクリープハイプのギターの分担
FenderNewsのインタビューで、尾崎世界観はクリープハイプのギターの組み立て方を説明しています。まず自分が好きなところでバッキングを弾き、余ったところを小川幸慈が埋める、というスタイルがずっと変わらないそうです。自身については、取材時点でもローコードしか弾かないと語っています。
テレキャスターがそのバッキングサウンドの半分以上を占めてきた、というのが本人の説明です。
テレキャスターは「絶対にセンター」──ピックアップの選び方
機材の名前以上に実践的なのが、ピックアップ・セレクターの使い方です。2023年1月6日公開のFenderNews後編で、本人はこう語っています。
当時のメインギターは、ライブでは必ずセレクターをセンターに固定している
テレキャスターも「絶対にセンターで弾いている」
ストラトキャスターをライブで使う場合も、センターか、フロントとセンターのハーフトーンになると思う
なお、この発言がどのテレキャスターを指しているかまでは語られていません。
テレキャスターの「センター」は年代で中身が変わる
テレキャスターは2基のピックアップと3ウェイのセレクターを備えています。ただ、センターで何が鳴るかは年代によって違います。米ギター誌Premier Guitarの連載コラム「Mod Garage」の記事「Factory Telecaster Wirings」(全2回)をもとに整理します。
セレクターの位置 | 1967年後期以降(2013年の同誌記事で標準とされる配線) | おおむね1952年半ば〜1967年後期(通称ダークサーキット) |
|---|---|---|
ブリッジ寄り | ブリッジ側ピックアップ単独、トーン有効 | ブリッジ側ピックアップ単独、トーン有効 |
センター | 2基を並列で同時に鳴らす | ネック側ピックアップ単独、トーン有効 |
ネック寄り | ネック側ピックアップ単独、トーン有効 | ネック側ピックアップ単独に低音寄りのプリセットがかかり、トーンは効かない |
同誌によれば、1950年から1952年ごろまでの初期の回路には2基のピックアップを混ぜる機能がありましたが、1952年5月の変更でなくなり、1967年後期の設計変更で2基を同時に鳴らすポジションが改めて設けられました。この変更の背景として、同誌は、低音寄りのプリセットをなくしてほしいという要望、レオ・フェンダーがCBSのコンサルタントの立場を離れたこと、CBSのコスト削減方針の3点を挙げています。
1965年製とみられる尾崎世界観の個体は、年代としてはダークサーキットの時期にあたります。ギター・マガジンWEBはパーツ類がほぼオリジナルのままのように見られると記していますが、配線がどちらなのかは記事に書かれていません。当時の配線のままならセンターはネック側単独、1967年後期以降の配線に変更されていれば2基の同時使用です。どちらの場合も、ブリッジ側単独の位置ではありません。
中古のテレキャスターを試奏するときに
尾崎世界観の設定に倣うなら、セレクターをセンターに入れ、ローコードでストロークしてみてください。あわせて、3つのポジションを順に切り替えて同じコードを鳴らし、音量やバランスに極端な差がないかを確かめておくと安心です。1960年代の個体を試す場合は、スイッチがどちらの配線になっているかを販売店に確認しておくと、センターで鳴る音の見当がつきます。
ネックについての発言
FenderNews後編では、ネックの重要性にも触れています。ライブではネックがすごく重要で、自分の感覚を全部ぶつけても耐えてくれるようなネックが理想だ、という趣旨です。
この取材で本人は、American Vintage IIシリーズの中からストラトキャスターを選んでいます。前編では、最初はテレキャスターがいいと思ったものの、ラインナップにストラトキャスターがあるのを見て選んだと語っています。後編では、テレキャスターも良かったが自分には少し太い感覚があり、その太さが安心感にもつながるものの、ストラトキャスターのほうが良かった、と比べています。ここで比べているのがどのテレキャスターなのかは語られていません。
同じテレキャスターでも、モデルや年代によってネックの形状は異なります。中古で探す場合も、カタログ上の名前だけで決めず、実機を握って確かめる意味があります。
アコギからストラトキャスターまで──尾崎世界観のギター遍歴
FenderNewsのインタビュー後編で、本人は自分の歩みを、1万円のアコースティックギターから始まり、ジャズマスターで苦労し、ヴィンテージのテレキャスターを買ったりしながら、ついにストラトキャスターにたどり着いた、と振り返っています。
最初の1本は中古のアコースティックギター
中学生の頃、友達のギターを借りて練習するうちに自分のギターが欲しくなり、1万円くらいで買えると聞いて御茶ノ水まで行って、中古のアコースティックギターを買ったそうです。ボディバックがプラスティックの、少し変わった形のギターだったと振り返っています。
このとき店員に左利きだと伝えたところ、ギターの種類が選べなくなるから右利き用で練習したほうがいいと言われ、そのまま右利き用で練習したと語っています。
初めてのエレキギターはフェンダーの日本製ジャズマスター
初めて買ったエレキギターは、フェンダーの日本製ジャズマスターでした。カート・コバーンが好きで、最初はジャガーがいいと思ったものの、ジャズマスターのほうが安かったこと、「豆腐みたいな」ピックアップがなんとなく良かったことが決め手だったそうです。当時はジャズマスターの人気があまり高くなかった、とも振り返っています。
一方で、ブリッジが常に下がってくるのが初心者にはすごくストレスだったとも語っており、初心者に優しいギターではなかった、というのが本人の評価です。
2020年のFenderNewsのインタビューで、ギタリストの小川幸慈は、クリープハイプのサポートを始めた頃に尾崎世界観から「ちょっとJazzmasterを使ってみてほしい」と言われたのが、自身がジャズマスターを弾き始めたきっかけだと話しています。弾いてみると音色がバンドに合い、できればジャズマスターを弾いてほしいと頼まれたそうです。
American Vintage II 1957 Stratocasterを選んだ理由
2022年のFenderNewsの企画で、尾崎世界観はAmerican Vintage II 1957 Stratocasterを選びました。後編では、ストラトキャスターはこれまで弾いたことすらなかったと明かしています。ベタなギターというイメージがあり、一番選んではいけないと思っていたそうです。
選んだ理由として語られているのは、歌に対するストロークについて来てくれる感覚があること、音の立ち上がりが早いこと、音の重心が低いことです。当時のメインギターでは、ライブ中に歌とストロークのどちらかが置き去りになる瞬間があり、このストラトキャスターならそのストレスがなくなるのではないか、という見立てでした。
ネックについては、三角形のネック(Vネック)は初めてだが存在感が良かったと評価しています。ピックアップ・ポジションは、フロントとセンターのハーフトーンが良かったとのことです。
ライブでの使用については、2023年2月からのライブハウスツアーを前に、使ってみたいので東京スカパラダイスオーケストラの加藤隆志に使い方を聞いてみる、と話していました。いずれも取材時点の発言です。
アンプはSHINOS Luck6V
ギター・マガジンWEBの同じ記事では、尾崎世界観のアンプとしてSHINOSのLuck6Vが紹介されています。掲載されているのはコンボ・タイプで、見出しには「ライブでも活躍する国産アンプ」とあります。
SHINOSは、2006年に篠原勝氏が立ち上げたアンプ・メーカーです。同誌は、山下達郎や星野源などが愛用していることでも知られると紹介しています。Luck6Vは、SHINOS公式ショップでも創設とともに発売されたモデルと説明されています。
取材写真の状態として、各コントロールに目印のシールが貼られていること、TONE SELECTとBOOSTのスイッチは下側が選択されていることが記されています。
SHINOS公式ショップの説明によれば、Luck6Vの標準仕様は出力40W、パワー管に6V6を4本使い、12インチ・スピーカーを1発載せた構成です。TONE SELECTはシングルコイルとハムバッカーのギターを持ち替えたときに低域の反応を合わせるためのスイッチ、BOOSTは真空管の増幅回路を通してオーバードライブさせるためのスイッチと説明されています。
なお、同じ記事にはフェンダー・カスタムショップのストラトキャスターやグレッチのファルコン、ギブソンのレス・ポール・カスタム、Bogner、Marshallなども登場しますが、これらは小川幸慈のパートで紹介されている機材です。尾崎世界観の機材として紹介されているのは、テレキャスターとSHINOS Luck6Vの2点です。
同じ方向性の機材を中古で探す
同じ機材を揃えても、同じ音になるとは限りません。ピッキング、アンプの音量、部屋の響き、個体差で音は変わります。そのうえで、この記事で確認できたギターとアンプを中古で探すときの見方を整理します。
探す対象 | 尾崎世界観との関係 | 中古で見るポイント |
|---|---|---|
1960年代製 Fender Telecaster | 1965年製とみられる所有個体と同じ年代 | 年式の根拠、パーツの交換歴、スイッチの配線 |
フェンダーの日本製 Jazzmaster | 初めて買ったエレキギターと同じ系統 | 製造年、ブリッジまわりの状態 |
American Vintage II 1957 Stratocaster | 2022年の取材で選んだモデル | Vネックが手に合うか |
SHINOS Luck6V | 取材で紹介されたアンプ | 真空管の状態、使用環境 |
本記事では実測にもとづく相場レンジを掲載していません。中古価格は年式・状態・付属品で大きく変わるため、実機と販売店の説明で判断してください。参考までに、SHINOS公式ショップでのLuck6Vの表示価格は584,100円です(2026年9月24日確認)。センターでローコードを鳴らすという使い方自体は、年式を問わずどのテレキャスターでも試せます。
ヴィンテージ・テレキャスターを中古で買うときの確認ポイント
確認項目 | 見方 | 注意したいサイン |
|---|---|---|
ネックの状態 | 1フレットと最終フレットを同時に押さえ、中間付近の弦とフレットの隙間を見る | 隙間が大きすぎる、または弦がフレットに触れている |
トラスロッドの余裕 | 調整の余地が残っているかを販売者に確認する | どちらにも回り切っている |
フレットの残り | 頂点が平らに削れていないか、弦の当たる位置に凹みがないかを見る | 頂点が広く平坦。打ち替え前提の価格かを確認する |
パーツの交換歴 | ペグ・ピックアップ・ポット・ブリッジが当時のものか | 交換歴が説明や価格に反映されていない |
塗装の履歴 | 塗り直し(リフィニッシュ)の有無 | 説明に記載がない。必ず質問する |
スイッチの配線 | センターでどのピックアップが鳴るか | 説明と実際の出音が違う |
ネックポケット周辺 | ボディとネックの接合部を目視する | クラックがある |
ヴィンテージの個体は、状態の説明が価格の根拠になります。写真だけで判断せず、シリアル・ナンバーやネックポケット、コントロール内部の写真を追加で依頼してみてください。依頼への対応は、販売者を見極める材料にもなります。
よくある質問
尾崎世界観のメインギターは何ですか?
2022年12月公開のFenderNewsのインタビューでは、当時のメインは他社製のギターと述べるにとどまり、機種名は明かされていません。テレキャスターはレコーディングで使ってきた楽器と説明しています。2025年1月発売の『ギター・マガジン』2025年2月号の誌面では、尾崎世界観がおもにライブで使用している機材が紹介されています。
テレキャスターはどのポジションで弾いていますか?
センターです。FenderNews後編で、テレキャスターは絶対にセンターで弾いていると語っています。1967年後期以降の配線ではセンターで2基のピックアップが同時に鳴り、おおむね1952年半ばから1967年後期までの配線ではネック側単独になります。
最初に買ったエレキギターは何ですか?
フェンダーの日本製ジャズマスターです。カート・コバーンが好きだったことがきっかけで、ジャガーより安かったことも理由に挙げています。具体的な型番は語られていません。
使用アンプは何ですか?
ギター・マガジンWEBの2025年1月の機材記事では、SHINOSのLuck6V(コンボ・タイプ)が尾崎世界観のアンプとして紹介されています。SHINOSは2006年に篠原勝氏が立ち上げた国産アンプ・メーカーです。
まとめ
本記事で参照したメーカー公式メディアと専門誌のWeb記事で、機種名まで確認できる尾崎世界観の機材は、1965年製とみられるFender Telecaster、初めてのエレキギターだったフェンダーの日本製ジャズマスター、2022年の取材で選んだAmerican Vintage II 1957 Stratocaster、そしてアンプのSHINOS Luck6Vです。テレキャスターは、本人の説明ではレコーディングの楽器で、クリープハイプのバッキングサウンドの半分以上を担ってきました。
機材そのものに加えて手がかりになるのが、セッティングの考え方です。テレキャスターは絶対にセンターで弾き、取材当時のメインギターもライブではセンターに固定していると語っていました。手元にテレキャスタータイプのギターがあれば、セレクターをセンターに入れてローコードを鳴らしてみてください。機材を買い替える前に試せる方法です。
本記事は上記出典を2026年9月24日に確認して作成しました。各機材の使用状況は、それぞれの出典の記述時点(2020年6月・2022年12月・2023年1月・2025年1月)のものです。
サウンドマニア編集部
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