SOUNDMANIA
okuda-tamio-guitar-eyecatch.webp

奥田民生の使用ギター|1945年製J-45とTamio Okudaモデル【2026年版】

投稿日: 更新日:

サウンドマニア編集部/楽器の購入ガイドや基礎知識を発信するサウンドマニア編集部です。ピアノ・ギターをはじめとした楽器選…

奥田民生のアコースティック・ギターは、2022年のGibson Japanのインタビュー時点では、年代の違うギブソンのJ-45が中心でした。このインタビューで本人は、レコーディングでは1945年製と1958年製のJ-45、1958年頃のCF-100Eの3本をよく使い、ライブでは赤いJ-45と1958年製を「使うことが多いですかね」と話しています。1945年製のJ-45をもとにしたシグネチャーモデル「Tamio Okuda J-45」は、2021年にギブソンから120本限定で発売され、2025年にはエピフォン版の発売も発表されました。

エレキギターでは、2021年2月の「MTRY TOUR 2021」府中公演で1959年製レスポール・スタンダードやテレキャスター、フライングVが使われています。本記事では、本人が語るJ-45との関係、所有するアコースティック・ギター、ギブソンとエピフォンのシグネチャーモデル、ライブで確認できるエレキギターとエフェクター・アンプ、購入時の確認ポイントを、Gibson Japanの発表とインタビュー、アコースティック・ギター・マガジンWEBとウェブマガジン『STAGE』の機材レポート、島村楽器の入荷告知、ソニーミュージックの告知などをもとに整理します。

奥田民生とJ-45:ネックの細い1本から1945年製へ

公式サイトのプロフィールによると、奥田民生は1965年広島生まれで、1987年にユニコーンでメジャーデビューし、1994年にシングル「愛のために」でソロ活動を本格的に始めました。ソニーミュージックのプロフィールでは、岸田繁(くるり)、伊藤大地と結成したスリーピースバンド「サンフジンズ」としての活動も紹介されています。

2022年11月に公開されたGibson Japanの特集「VOICE OF J-45」のインタビューで、奥田民生はJ-45との出会いを振り返っています。ユニコーンでデビューしたあと、オーソドックスなギターを持っておきたいと思って買いに行ったのが、ネックの細いチェリーサンバーストのJ-45でした。当時は音色のイメージもないまま、見た目に惹かれて手に取ったと話しています。

長年使っている1945年製のJ-45を手に入れた時期について、本人は「1994年かな」と答えています。ソロになったばかりの頃、レコーディングで一緒だったベーシストの美久月千晴が極太ネックのヴィンテージのJ-45を持ってきて、それまで使っていたものと音が違うことに気づき、自分でも探したそうです。見つけたのは、本人の記憶では高円寺の楽器店だったとのこと。手に入れた時にはトップ材が少しひび割れていましたが、修理に出したら音がすごく良くなって戻ってきたと語っています。

所有するアコースティック・ギター:録音とライブで使い分け

2022年のインタビューと、2021年・2025年の機材レポートで確認できる本人所有の主なアコースティック・ギターは次のとおりです。

ギター

入手の時期・経緯

ピックアップ

使われ方

Gibson J-45(1945年製)

本人によると1994年ごろ

付けていない(マイクで収音)

レコーディング、弾き語り(マイクで収音)

Gibson J-45(1958年製)

インタビューと機材レポートで記述が異なる(本文参照)

L.R.バッグスのピエゾ、K&Kのコンタクト・ピックアップ

レコーディング、ライブの弾き語り

赤いJ-45(プロトタイプ)

2005〜2006年頃に1本だけ製作

─

ライブ

Gibson CF-100E(1958年頃のもの)

─

─

レコーディング

Gibson B-25

─

─

自宅での曲作り

※Gibson Japan「VOICE OF J-45 PART 1:奥田民生インタビュー」(2022年11月11日公開)、アコースティック・ギター・マガジンWEBのTOKYO GUITAR JAMBOREE 2025使用機材レポート、ウェブマガジン『STAGE』のMTRY TOUR 2021府中公演機材レポートをもとに編集部が整理。「使われ方」は2022年のインタビュー時点の本人の説明です。「─」は出典に記載がない項目です。

1945年製J-45:ピックアップを付けず、マイクで鳴らす

2022年のインタビューで奥田民生は、1945年製のJ-45について「とにかく音が大きい」と話し、自分が大きな声で歌いすぎた時でもギターの音がしっかり歌に付いてきてくれると説明しています。このギターにはピックアップを付けたくないので、弾き語りの時はマイクを立てて使うようにしているそうです。

一方で、ライブは「とにかく音量命」のようなところがあり、ピックアップが付いていない1945年製はちょっと使いにくいとも語っています。同じインタビューの聞き手は、このギターが1998年の「ひとり股旅ツアー」でも活躍していたと紹介しています。

1958年製J-45:ピエゾとマイクの2系統で弾き語りに使用

1958年製のJ-45は、手に入れた時からピエゾ・ピックアップが付いていて、アンプで鳴らしてみた時に使えると思ったと本人は話しています。ライブではマイクとピエゾ・ピックアップの2系統で音を拾って演奏しており、2022年のインタビューでは、最近の弾き語りでは1958年製か、同じような仕様の赤いJ-45を「使うことが多いかな」と答えています。本人は、1958年製のほうが自分のイメージするJ-45の音に近いとも語っています。

アコースティック・ギター・マガジンWEBによると、2025年3月のTOKYO GUITAR JAMBOREE 2025では、ステージに3本のギターが用意されたものの、全曲がこの1958年製で演奏されました。同誌は、入手した時点でL.R.バッグスのピエゾ・ピックアップが取り付けられており、その後K&Kのコンタクト・ピックアップを増設した(いずれもパッシブ・タイプ)と紹介しています。ペグは片側3連の1ライン・クルーソン・デラックスで、ネック・ヒール部にストラップ・ピンが付いています。2021年2月の「MTRY TOUR 2021」府中公演でも、弾き語りの「ひとり股旅」コーナーで1958年製のJ-45が使われたと、ウェブマガジン『STAGE』が伝えています。

入手時期の記述は出典によって異なります。2022年のインタビューで本人は1945年製を手にしてから数年たったあとに買ったと話していますが、2025年のアコースティック・ギター・マガジンWEBのレポートでは2007年頃に手に入れたギターとされています。

赤いJ-45:本人のリクエストで作られたプロトタイプ

2022年のインタビューでライブで使うことが多いと話していた赤いJ-45について、本人は2005〜2006年頃に1本だけ作ってもらったプロトタイプだと説明しています。「1945年製のJ-45みたいなやつを作って下さい」「ピックガードは大きく、ブリッジは細いほうがいい」といったリクエストを出し、各年代の要素が混ざった「有り得ない1本」になったそうです。Gibson Japanの記事の写真には「Tamio Okuda J-45 Red Prototype」のキャプションが付いています。

CF-100EとB-25:録音用と曲作り用

2022年のインタビューでは、レコーディングでよく使うアコースティック・ギターとして、1945年製と1958年製のJ-45に加えて1958年頃のCF-100Eが挙がっています。島村楽器の2014年の入荷告知によると、オリジナルのCF-100Eは1950年代初頭に登場したモデルで、フラットトップとして初めてシャープなカッタウェイを採用したギターです。

曲作りについては、ツアー中はギターを家に持ち帰らないため、自宅にある、20年以上弦を張り替えていないギブソンのB-25でだいたいの曲を作っていると話しています。曲を作る時は、このB-25のほか、レスポールをアンプにつながずに生音で弾くこともあるそうです。

シグネチャーモデル:ギブソンのCF-100EとJ-45、エピフォンのJ-45

本記事の出典で確認できる奥田民生のアコースティック・ギターのシグネチャーモデルは、ギブソンの2014年のTamio Okuda CF-100Eと2021年のTamio Okuda J-45、エピフォンの2025年のTamio Okuda J-45です。1945年製のJ-45をもとにしているのはJ-45の2機種で、CF-100Eは本人所有のCF-100Eをもとにしています。

Gibson Tamio Okuda CF-100E:2014年に発売、P90を載せたCF-100Eベースのモデル

2014年11月の島村楽器の入荷告知では、Tamio Okuda CF-100Eは、ヴィンテージのCF-100Eのデザインと奥田民生のフェイヴァリットカラーを組み合わせたギターです。同じ告知は、ギブソン・アコースティックの数あるアーティストモデルのなかで、CF-100Eをもとに生産・発売された例は過去にないとしています。

項目

仕様

ボディ

シトカ・スプルース・トップ/マホガニー・サイド&バック

ネック

マホガニー(本人所有の50年代製CF-100Eのネックデータをプロファイルして再現)

フィニッシュ

Faded Cherry(ニトロセルロースの極薄塗装「Thin Natural Cure Nitrocellulose Finish」)

ピックアップ

P90

弦

Bronze 80/20 Light Gauge(.012-.053)

付属品

専用ハードケース、アーティスト認定書

※島村楽器 静岡パルコ店「奥田民生モデル『Tamio Okuda CF-100E』が遂に入荷!」(2014年11月3日公開)の「主な仕様」をもとに編集部が整理。告知によると、アコースティック・ギターとしての使用を想定しているため、P90を搭載しながら弦はブロンズ弦です。

アコースティック・ギター・マガジンWEBによると、2025年3月のTOKYO GUITAR JAMBOREE 2025では、このTamio Okuda CF-100Eが半音下げチューニングの曲用に用意されていました。サウンドホールにはダダリオのチューナーが付けられ、トップと重なる部分はオレンジ色に着色されています。同誌はこのモデルを、愛用の1951年製CF-100Eをもとに設計されたモデルと紹介しています。もとになった本人所有のCF-100Eの年式は、2014年の島村楽器の告知では「50年代製」、2025年のアコースティック・ギター・マガジンWEBでは「1951年製」と書かれています。2022年のインタビューで録音用に挙がった「1958年頃のCF-100E」と同じ個体かどうかは、出典からは分かりません。

Gibson Tamio Okuda J-45:2021年に120本限定、1945年製を再現

Gibson Japanの2021年4月26日のニュースによると、Tamio Okuda J-45は奥田民生が愛用する1945年製のJ-45をベースにしたモデルで、2014年のTamio Okuda CF-100Eに続く、ギブソン・アコースティックからの2本目のシグネチャーモデルです。同ニュースは、ベースモデルとなったJ-45を、奥田民生の数々のライブやレコーディングでメイン機として使われてきたギターと紹介しています。

モンタナ州ボーズマンのクラフツマンが1本ずつ手作業で製作し、奥田民生の監修のもと、1945年製J-45のルックス、サウンド、プレイアビリティを検証して作られました。2021年4月27日から120本の限定生産で、全数にハードケースと直筆サイン入りの認定書が付属します。

項目

仕様

ヘッドロゴ

戦時期モデルの「スクリプト&バナー」ロゴ

サウンドホール装飾

7層のパーフリング(45年製J-45の仕様)

トップ

サーマリーエイジド・アディロンダック・レッドスプルース

サイド&バック

マホガニー(ジョイント部分のボディ厚を45年製と同様にし、よりフラットなボディバック)

ネック・プロファイル

1942年登場のJ-45の特徴を再現した極太プロファイル

ナット幅

43.8mm(ギブソン・アコースティックの標準)

バインディング

トップ・バックともシングル

ナット・サドル

エイジド・ボーン

フィニッシュ

Super Thin Lacquer

カラー

Washed Vintage Sunburst

※Gibson Japan「ギブソンから、奥田民生が愛用する1945年製J-45をベースにした最新シグネチャー・モデル『Tamio Okuda J-45』がリリース」(2021年4月26日)の「主な特徴」をもとに編集部が整理。

ネック・プロファイルについてGibson Japanは、ベースボールバットと形容される1942年登場当時のJ-45の極太ネックが奥田民生の1945年製にも備わっており、シグネチャーでもそれを再現したと説明しています。ナット幅だけは現代の演奏スタイルを考えて標準の43.8mmにしています。2022年のインタビューでネックの太さへのこだわりを聞かれた本人は、1945年製のようにしっかりした低音域が出てほしかったので、自分のモデルを作るならそれを重視したいと思ったと話し、「あの丸太のようなネックじゃないと、出せない音がありますからね」と語っています。Super Thin Lacquerフィニッシュは通常の半分程度の塗装厚のため、演奏時に傷やスクラッチが付きやすくなるとGibson Japanは注記しています。

2025年3月のTOKYO GUITAR JAMBOREE 2025でも、このシグネチャーモデルがステージに用意されていました。アコースティック・ギター・マガジンWEBは、筆記体ロゴやバナー・ロゴ、19フレット仕様、ロング・サドルを備えたレクタングラー・ブリッジなどを特徴として挙げています。

Epiphone Inspired By Gibson Custom Tamio Okuda J-45:2025年に登場したエピフォン版

アコースティック・ギター・マガジンWEBによると、Epiphone Inspired By Gibson Custom Tamio Okuda J-45は2025年5月28日から国内のギブソン正規販売店で発売されると発表されました。2021年のギブソン版のエピフォン版で、ギブソン・カスタムショップとのコラボレーションによるエピフォンのシリーズ「Inspired By Gibson Custom」のモデルとして、奥田民生の監修のもと作られています。

ヘッドはギブソンと同じ「オープンブック・ヘッドストック」の形状で、スクリプト・タイプのエピフォン・ロゴと、「INSPIRED BY GIBSON CUSTOM」の文字を添えたバナー・ロゴがプリントされています。ネックは1ピース・マホガニーで、ネック・プロファイルは奥田所有の1945年製をベースにした「Tamio Okuda 1945 J-45」です。アンダーサドルのL.R.Baggs VTCピックアップとアクティブ・プリアンプを搭載しており、同誌はライブやスタジオでの演奏環境にも対応すると紹介しています。

ギブソン版とエピフォン版の主な違い

項目

Gibson Tamio Okuda J-45(2021年)

Epiphone Tamio Okuda J-45(2025年)

トップ

サーマリーエイジド・アディロンダック・レッドスプルース

サーマリーエイジド・シトカ・スプルース

サイド&バック

マホガニー

マホガニー(バックはセンターストライプ入り)

ネック・プロファイル

1942年登場のJ-45の特徴を再現した極太プロファイル

Tamio Okuda 1945 J-45

ナット幅

43.8mm

44.0mm

フィニッシュ

Super Thin Lacquer

Vintage Gloss

ピックアップ

─

L.R. Baggs VTC(アンダーサドル)

生産数

120本

─

価格

参考価格591,800円(税込)

189,200円(税込)

※ギブソン版はGibson Japanのニュース(2021年4月26日)、エピフォン版はアコースティック・ギター・マガジンWEBの発表記事(2025年5月20日)のスペックをもとに編集部が整理。「─」は出典に記載がない項目です。

エレキギター:2021年「MTRY TOUR 2021」府中公演の使用ギター

ウェブマガジン『STAGE』は、2021年2月26日に東京・府中の森芸術劇場 どりーむホールで行われた「MTRY TOUR 2021」のツアーファイナルで、奥田民生が使った機材を取材しています。同公演で使われたエレキギターと、レポートに書かれた使用楽曲は次のとおりです。

ギター

レポートでの説明

レポートに書かれた使用楽曲

Gibson Les Paul Standard 1959 #9 1165

ライブ後半で使用。ユニコーン時代から愛用するヴィンテージ

「俺のギター」「手紙」

Gibson Les Paul Standard w/Bigsby

多数の改造が施されたレスポール・スタンダード

「最強のこれから」(1曲目)

Gibson Custom Shop Flying V 2012

テレキャスターと並んで使用頻度が高かった

「マシマロ」「サテスハクション」

Fender Custom Shop '67 Relic Telecaster 2011

ライブ前半を中心に使用頻度が高かった

「イナビカリ」

Gibson SG Melody Maker 1967

Vibrolaトレモロ搭載、ミッドブースター内蔵の改造

「The STANDARD」

Hofner Model 191

ダブルネック

「BEEF」(アンコール)

※ウェブマガジン『STAGE』「【奥田民生 機材紹介】2021.2.26@府中の森芸術劇場 どりーむホール 奥田民生 MTRY TOUR 2021」(2021年3月31日公開)をもとに編集部が整理。レポート冒頭の写真で奥田民生が手にしているギブソンのファイヤーバードは撮影されておらず、仕様の記載がないため表から除いています。当日用意されていながら使われなかったFender Jazzmaster 1962、Gibson Custom Shop Les Paul Special Single Cut w/Bigsby 2003、Gibson Custom Shop Explorer 2019も表から除いています。弾き語りコーナーで使われた1958年製のJ-45は、アコースティック・ギターの節で紹介しています。

1959年製レスポール・スタンダード(#9 1165)とCollector's Choice #29

『STAGE』は、府中公演の後半で使われた1959年製のレスポール・スタンダードを、ユニコーン時代から愛用されてきたヴィンテージと紹介しています。この1本をもとに、ギブソン・カスタムからレプリカモデル「Gibson Custom Collector's Choice #29 Tamio Okuda 1959 Les Paul」が発売されました。ソニーミュージックの奥田民生のアーティストページは2015年1月30日に、奥田民生所有の1959年製レスポール9-1165を再現したモデルとしてリリースを告知しています。

型番

仕様

希望小売価格(税別)

LP59CC29ASBNH1

Custom Aged

1,027,000円

LP59CC29VOSBNH1

Vintage Original Spec(V.O.S.)

842,000円

※ソニーミュージック 奥田民生アーティストページのINFO(2015年1月30日)をもとに編集部が整理。価格は告知時点の希望小売価格です。

ビグスビー付きのレスポール・スタンダード:元はゴールドトップだったとされる改造機

『STAGE』によると、ビグスビー付きのレスポール・スタンダードは、元はおそらく1956〜1957年製のP-90搭載のゴールドトップだったらしいギターに、多くの改造を施したものです。奥田民生が入手する前の時点でピックアップはハムバッカーに替えられ、トップはサンバーストだったそうですが、後にブラックにリフィニッシュされました。ペグはGOTOH製のグローバー、ブリッジはGretschのローラーブリッジ「GT415」に交換され、ビグスビーのトレモロも取り付けられています。

テレキャスター、フライングV、メロディーメーカー、ヘフナー

『STAGE』は、府中公演ではテレキャスターとフライングVの使用頻度が高かったと伝えています。Fender Custom Shop '67 Relic Telecaster 2011はカスタムショップ製のレリック仕様で、『STAGE』はピックアップをアビゲイル・イバラの手によるものと紹介しています。Gibson Custom Shop Flying V 2012は、2012年のカスタムショップ製です。

Gibson SG Melody Maker 1967はVibrolaトレモロを搭載したモデルで、ミッドブースターを内蔵する改造が施されています。アンコールの「BEEF」で使われたHofner Model 191はダブルネックで、レポートによると、MTR&Yのベーシスト小原礼も同じモデルを使っているとされますが、この公演で奥田民生が弾いたのは本人所有の1本です。

エフェクターとアンプ(2021年府中公演)

『STAGE』の同じレポートは、足元のペダルボードとアンプも紹介しています。ギターからの信号は、まずスイッチャーに入り、ここでコンプレッサーとオーバードライブを切り替えます。その後、信号はFree The Tone製のカスタムペダルボードに入り、ボード奥のペダルとアンプの切り替えをすべてここでコントロールする構成です。

機材

役割

レポートでの使われ方

Providence VLC-1 Velvet Comp

コンプレッサー

最初のスイッチャーで切り替え

Ibanez NTS Nu Tube Screamer

オーバードライブ

最初のスイッチャーで切り替え。1ノブのブースター(ノブはボリューム)に改造されているとのこと

Free The Tone製カスタムペダルボード

スイッチングシステム

ボード奥のペダルとアンプの切り替えを担当。ボード自体に2種のブースターを内蔵し、個別に使える

Free The Tone OT DRIVE

オーバードライブ

ボード奥に設置

Guyatone PS-014 Dual Time Delay

アナログディレイ

ボード奥に設置

BOSS DM-2

アナログディレイ

ボード奥に設置

BOSS TU-3S

チューナー

ボード奥に設置

Providence PHF-1 Phase Force

フェイザー

ボード奥に設置

BOSS BF-2

フランジャー

ボード奥に設置

Electro-Harmonix / Sovtek Big Muff π

ファズ

ボード奥に設置

※ウェブマガジン『STAGE』の同公演機材レポートをもとに編集部が整理。レポートには各ペダルを使った楽曲の記載はありません。歌詞を表示するタブレットのページ送り用のAirTurnペダルなど、音に関わらない機材は表から除いています。

アコースティック・ギター用には、2種類のピエゾ・ピックアップからの2系統の信号を受ける変換器、Radial PZ-DI、Avenson Audio IsoDI、tc electronic Polytune3 mini(チューナー)、マイクプリアンプのGrace Design m201 mk2が用意されていました。

アンプ・キャビネット

レポートでの説明

Marshall JMP 2061X LEAD&BASS 20

向かって左のキャビネットの上段

Marshall JMP Model 1917 PA 20

同下段。1967〜1973年にPA用アンプとして製造されたモデル

Marshall 1988(キャビネット)

元は18インチ1発のベース用だったとのこと。12インチ2発に改造し、2台のヘッドの音をそれぞれ出力

Marshall JMP Plexi Tremolo 50W

向かって右のキャビネットの上段。ギターの音を出力

Marshall 1959 MkII SUPER LEAD 100W

同下段。ベースアンプとして使用(パワー管を2本外して使用)

Marshall 1960B(キャビネット)

4発のスピーカーを2×12インチの2系統に分け、ギターとベースの音を出力しているとのこと

※ウェブマガジン『STAGE』の同公演機材レポートをもとに編集部が整理。1959 MkII SUPER LEAD 100Wは、レポートではベースアンプとして使用されたと紹介されています。

奥田民生モデルの価格と入手方法

新品:エピフォン版は発表時189,200円(税込)

アコースティック・ギター・マガジンWEBの発表記事(2025年5月20日)によると、Epiphone Inspired By Gibson Custom Tamio Okuda J-45の価格は189,200円(税込)です。ギブソン版のTamio Okuda J-45は、Gibson Japanのニュース(2021年4月26日)で参考価格591,800円(税込)、生産数120本とされた限定モデルです。2022年のインタビューの聞き手は、120本がすぐに完売したそうだと述べています。

中古:相場レンジは掲載していません

本記事では、ギブソン版のTamio Okuda J-45、Tamio Okuda CF-100E、Collector's Choice #29について、実測にもとづく中古相場レンジを掲載していません。中古を検討するときは、次の点を確認しながら個体ごとに判断してください。

  • ヘッドのロゴ。ギブソン版は「スクリプト&バナー」ロゴ、エピフォン版はスクリプト・タイプのエピフォン・ロゴと「INSPIRED BY GIBSON CUSTOM」の文字を添えたバナー・ロゴです

  • ギブソン版のTamio Okuda J-45なら、付属するハードケースと直筆サイン入りの認定書の有無

  • Tamio Okuda CF-100Eなら、専用ハードケースとアーティスト認定書の有無

  • ギブソン版のTamio Okuda J-45のSuper Thin Lacquerフィニッシュは傷が付きやすい仕様のため、塗装の傷と状態

  • Collector's Choice #29なら、型番でCustom Aged(LP59CC29ASBNH1)かV.O.S.(LP59CC29VOSBNH1)か

  • エピフォン版なら、L.R. Baggs VTCピックアップとプリアンプの動作(ノイズや出力の途切れがないか)

  • ネックの反り、フレットの残り、トップの割れや修理跡

よくある質問

奥田民生のメインギターは何ですか?

1本に絞ることはできません。2022年のGibson Japanのインタビューで本人は、レコーディングでは1945年製と1958年製のJ-45、1958年頃のCF-100Eの3本をよく使い、ライブでは赤いJ-45と1958年製を「使うことが多いですかね」と話しています。エレキギターでは、2021年2月の府中公演で1959年製レスポール・スタンダードがライブ後半に使われ、テレキャスターとフライングVの使用頻度が高かったと『STAGE』が伝えています。

Tamio Okuda J-45のギブソン版とエピフォン版の違いは?

どちらも奥田民生の1945年製J-45をもとにしたモデルですが、仕様が異なります。Gibson Japanのニュースによると、ギブソン版はトップにサーマリーエイジド・アディロンダック・レッドスプルースを使い、Super Thin Lacquerフィニッシュの120本限定です。アコースティック・ギター・マガジンWEBによると、エピフォン版はサーマリーエイジド・シトカ・スプルースのトップにL.R. Baggs VTCピックアップを搭載し、価格は2025年の発表時点で189,200円(税込)です。

1945年製のJ-45にピックアップは付いていますか?

2022年のインタビュー時点では付いていません。本人は、このギターにはピックアップを付けたくないので、弾き語りの時はマイクを立てて使うと話しています。同じインタビューによると、ピックアップ付きの1958年製は、ライブでマイクとピエゾ・ピックアップの2系統で音を拾っています。

Tamio Okuda CF-100Eも1945年製J-45がもとですか?

いいえ。島村楽器の2014年の入荷告知によると、Tamio Okuda CF-100Eのネックは本人所有の50年代製CF-100Eのネックデータをプロファイルして再現したものです。1945年製J-45をもとにしているのは、ギブソン版とエピフォン版のTamio Okuda J-45です。

まとめ:奥田民生のアコギは年代の違うJ-45を使い分け(2022年時点)

奥田民生のアコースティック・ギターは、2022年のインタビュー時点で、ピックアップを付けずマイクで鳴らす1945年製J-45、ピエゾ付きで弾き語りに使う1958年製J-45、本人のリクエストで作られた赤いプロトタイプのJ-45、レコーディング用のCF-100E、曲作り用のB-25という使い分けでした。シグネチャーモデルは、ギブソンからTamio Okuda CF-100E(2014年)とTamio Okuda J-45(2021年、120本限定)、エピフォンからTamio Okuda J-45(2025年)が出ています。

エレキギターは、2021年2月の府中公演で1959年製レスポール・スタンダード、テレキャスター、フライングVなどが使われ、1959年製レスポールは、2015年にCollector's Choice #29として再現モデルの発売が告知されています。エピフォン版のTamio Okuda J-45は2025年発表の価格が189,200円(税込)で、ギブソン版や旧モデルを中古で検討する場合は、付属品や仕様を個体ごとに確認しましょう。サンフジンズを結成した岸田繁の機材は、岸田繁の使用機材の記事で紹介しています。

関連記事

※本記事は特定のメーカー・販売店・買取業者との広告提携に基づくものではありません。

サウンドマニア編集部

楽器の購入ガイドや基礎知識を発信するサウンドマニア編集部です。ピアノ・ギターをはじめとした楽器選びや、メンテナンス・演奏に関する実用的な情報をわかりやすくお届けします。

アーティストの記事

新着記事