
大村孝佳の使用ギター|ESP・EDWARDS・GrassRootsの選び方【2026年版】
サウンドマニア編集部/楽器の購入ガイドや基礎知識を発信するサウンドマニア編集部です。ピアノ・ギターをはじめとした楽器選…
大村孝佳のシグネチャーギターは、ESP・EDWARDS・GrassRootsの3ブランドから出ており、いずれもESPのSNAPPERがベースです。6弦のSNAPPER Ohmura CustomはSeymour Duncanのスタック型シングルコイル3基(ミドルはダミー)にGOTOH製トレモロ、7弦のSNAPPER-7 Ohmura CustomはEMG 2基にESP FLICKER-III-7という構成。ESP本家には2020年と2025年に限定モデルもありました。この記事では、ESP公式に載る現行スペックと発売時の紹介記事との違い、旧型番と現行型番の対応、本人の実機と市販品の差、Kemperを中心にしたサウンドメイク、そして2026年9月24日にデジマートで実測した新品・中古の掲載価格までをまとめました。
※サウンドマニアは特定の楽器メーカー・販売店との資本関係・広告契約はありません。この記事は特定の商品の購入を推奨するものではなく、読者の楽器選びに役立つ情報を中立的な立場で整理したものです。
大村孝佳のシグネチャーギターは「SNAPPER」がベース
ESP GUITARSの大村孝佳アーティストページに現在掲載されている製品一覧を見ると、ESPのSNAPPER Ohmura Custom/SNAPPER-7 Ohmura Custom、EDWARDSのE-SNAPPER TO/E-SNAPPER-7 TO、GrassRootsのG-SNAPPER-TO/G-SNAPPER7-TO/G-SNAPPER-TO/ACと、ギターはすべて型番に「SNAPPER」を含んでいます。ESPには他にもHORIZONなどの代表的なシェイプがありますが、大村孝佳の名前が付いたギターを探すなら、まずSNAPPER系から見ていくことになります。
ただしEDWARDSとGrassRootsのモデルには、「E-SN-185TO」「G-SN-62TO」のような旧型番があります。販売店の商品説明で旧型番のまま紹介されている例もあるため、旧型番と現行型番の対応を後半の表にまとめました。
プロフィールと活動歴──2004年の1stアルバムから現在まで
大村孝佳(おおむら たかよし)は1983年12月26日生まれ、大阪府出身。公式プロフィールによれば、3歳からピアノを習い、11歳で父親の影響からアコースティックギターを弾き始め、14歳でエレクトリックギターへ。17歳で洋楽のハードロック/ヘヴィメタルに出会って傾倒し、2002年にMIジャパン大阪校のGIT-DX1期生として入学しています。
1stアルバム『Nowhere To Go』のリリースは2004年8月25日。以降の主な流れは次のとおりです(いずれも公式プロフィールより)。
2005年:バンドCROSS HARDを結成。同年11月25日にセルフプロデュース作『POWER OF REALITY』をリリース
2007年8月22日:『Emotions In Motion』をリリース
2008年:Marty Friedmanのソロライブにサポートギタリストとして参加(以後も継続)
2009年:張惠妹(A-mei)のアジアツアーにサポートギタリストとして参加
2010年:AKANE LIV率いるLIV MOONに参加
2011年:DCPRGに参加。同年12月25日、C4への正式加入を発表
2012年12月24日:4枚目のソロアルバム『Devils In The Dark』を発売
2015年7月:黒瀬圭亮が結成したUROBOROSに参加
2017年1月:5人のヴォーカリストをゲストに迎えたカバーミニアルバム『CERBERUS』を発売
2020年9月30日:5thフルアルバム『Angels In The Dark』を発売
2023年:張惠妹のワールドツアー「ASMR」、続く「ASMR MAX」にサポートギタリストとして参加
公式プロフィールでは、現在はソロ活動と並行してC4やサポートなど多方面で活動中とされています。
SNAPPERとの関係は2005年から
大村孝佳本人が2016年12月に公開した使用機材の解説記事では、SNAPPER Ohmura Custom "Eclipse Gold" について「2005年から使用している大村孝佳ソロでのメイン機」と記されています。同じ記事では "Royal Silver" を「C4でのメイン機」としており、同型のSNAPPERを用途で使い分けていたことが分かります。
SNAPPER Ohmura Customが市販モデルとして発表されたのは2014年8月です(島村楽器 Update! 2014年8月20日の記事)。本人が2005年から使っていると記したSNAPPERが、約9年後に市販モデルになったことになります。
ESPシグネチャーのスペックと違い
ESP本家の大村孝佳シグネチャーは、レギュラーモデルが6弦のSNAPPER Ohmura Custom(3カラー)と7弦のSNAPPER-7 Ohmura Customの2機種。これに加えて、2020年の7弦限定モデル"Pink Monster"と、2025年の6弦限定モデル"Pink Beast"があります。同じ「SNAPPER」でも、ピックアップ・ブリッジ・フレット数がモデルごとに異なります。
SNAPPER Ohmura Custom──スタック型シングル3基・22フレットの6弦モデル
6弦のレギュラーモデルは、発売時の紹介記事によるとカタログモデルのSNAPPER-ALをベースにカスタマイズしたものです。ESP公式ページに掲載されている現行スペックは、ボディがアルダー、ネックがハードメイプル(CT System)、フレットはJESCAR FW58118-NSの22フレット、指板Rは240〜305Rのコンパウンド、スケールは648mm、ナットはボーン42mm、ジョイントはボルトオン(スターカット)、ペグはGOTOH SG360-07 H.A.P.M.です。
ピックアップはSeymour DuncanのSTK-S1n(ネック)/STK-S1n(ミドル・ダミー)/STK-S1b(ブリッジ)。STK-S1はClassic Stackと呼ばれるスタック構造のシングルコイルで、発売時の紹介記事では「ノイズも少なく、なおかつレンジの広いシングルコイルサウンド」と説明されています。ミドルについては「本人同様ミドルポジションは結線されておらずダミー」とされています。ブリッジはGOTOH GE101TSで、スプリングにはESP Custom Lab Tremolo Tone Spring TYPE-2を採用しています。
カラーは3種類で、Eclipse Goldはメイプル指板、Royal Silverと、型番末尾に「/R」が付くTwinkle Pinkはローズウッド指板です。いずれもハーフスキャロップド加工が施されています。ESP公式の価格表示は、Eclipse Gold/Royal Silverが693,000円(税込)、/R Twinkle Pinkが715,000円(税込)です。
注意したいのは、発売時の紹介記事と現在の公式スペックに違いがある点です。
項目 | 発売時の紹介記事(2014年8月公開) | 現在のESP公式ページ |
|---|---|---|
ナット | ボーン 43mm | ボーン 42mm |
ミドルピックアップ(ダミー) | STK-S1m | STK-S1n |
ネック | ハードメイプル | ハードメイプル(CT System) |
ジョイント | ボルトオン | ボルトオン(スターカット) |
指板R | 記載なし | コンパウンド(240〜305R) |
※左列は島村楽器 Update!の記事(2014年8月20日公開)、右列はESP GUITARS公式アーティストページ(2026年9月24日確認)の記載です。
この違いが製造時期による仕様変更なのかどうかは、ESPの公式情報では説明されていません。中古で探す場合、ナット幅などが気になるなら販売店に個体の実測値を確認するのが確実です。
SNAPPER-7 Ohmura Custom──EMG搭載の7弦モデル
7弦モデルは2017年4月に発表されました(デジマート・マガジン 2017年4月20日)。ボディはアルダー、ネックはハードメイプル(CT System)、指板はローズウッドで、9〜22フレットにハーフスキャロップド加工が施された22フレット仕様。フレットはJESCAR FW58118-NS、インレイはホロフレークドット(サイドはLuminlay SGM-23)、スケールは648mm、ナットはボーン46mm、ジョイントはボルトオン(スターカット)、ペグはGOTOH SG360-07 H.A.P.M.です。
ピックアップはEMG 85-7H(ネック)とEMG 81-7H(ブリッジ)。ブリッジは7弦仕様のESP FLICKER-III-7で、ESPカスタムラボ製のトレモロ・トーン・スプリング TYPE-2を5本張りで採用しています。発表時の価格は620,000円(税別)、現在のESP公式ページでは781,000円(税込)です。
このモデルの設計意図について、大村孝佳は次のようにコメントしています。
普段使っている6弦とボディの大きさやスケールが同じ、そしてナット幅も細めなので、6弦ギターから交換した時に違和感が皆無で、7弦ギター特有のネックのストレスや手の疲れも極端に少ないです。
── 大村孝佳(デジマート・マガジン 2017年4月20日)
6弦モデルと同じスケール・同じボディサイズで弦が1本増える設計で、6弦からの持ち替えを前提にした作りといえます。
限定モデル──2020年の"Pink Monster"と2025年の"Pink Beast"
ESP本家からは、周年記念の限定モデルとして次の2本が発表されています。1本目はデビュー15周年を記念したSNAPPER-7 Ohmura Custom "Pink Monster" -15th Anniversary Limited Edition-。基本スペックはレギュラーの7弦と同じくアルダーボディ、ハードメイプルネック、EMG 81-7H&85-7H、ESP FLICKER-III-7ですが、ネックまでTwinkle Pinkで塗装するために指板材をハードメイプルに変更し、ハーフスキャロップは「塗装との兼ね合いで今回は施されていません」とされています。ハードパーツはゴールドで統一され、ナットはブラス製、フレットはゴールドカラーのJESCAR製EVOタイプ。受注は2020年8月31日までの期間限定でした。
2本目はデビュー20周年を記念したSNAPPER-FR Ohmura Custom "Pink Beast" -20th Anniversary Limited Edition-です。仕様はこれまでのシグネチャーと大きく異なります(仕様表の細目はESP GUITAR WORKSHOPのブログより)。
ボディ:ローステッド加工済みのアルダー
ネック:ハードメイプル/指板:ココボロ(ハーフスキャロップド加工)
フレット:JESCAR FW57110-EVO、24フレット/指板R:305R
ナット:ロックナット(R2/42mm)
ブリッジ:Floyd Rose(プッシュイン式アーム)
ピックアップ:EMG 89R(ネック)、EMG 81(ブリッジ)
コントロール:マスターボリューム、コイルスプリットスイッチ、キルスイッチ、3ウェイレバーPUセレクター
ESPの告知ではネックジョイントについて「スターカット加工を施したセットプレート方式」と説明されています。専用ミニスイッチにより、レバースイッチの位置に関わらずEMG 89Rをシングルモードに切り替えられる仕様です。本人はこのモデルを次のように説明しています。
大村孝佳の6弦モデル初となる24フレットにフロイドローズ、2ハム且つコイルスプリット・スイッチでの強制ネック・シングルピックアップ、さらにキルスイッチ搭載と至れり尽くせりでも一切の無駄がない仕様で、すでに実機は国内外の様々な現場で活躍してくれています。
── 大村孝佳(ESP GUITARS 製品情報 2025年8月8日)
本人の言葉どおり、6弦で24フレット・フロイドローズを備えたのはこのモデルが初めてです。大村孝佳のシグネチャーでロック式トレモロの6弦を探すなら、候補はこの限定モデルになります。
ESPの告知では、希望小売価格は1,386,000円(税込)、受注は2025年9月30日までの期間限定完全受注生産とされており、現在ESP公式の製品情報ページには「DISCONTINUED」と表示されています。新規の注文はできないため、販売店の流通在庫か中古を探すことになります。
ESPシグネチャーのスペック比較
項目 | SNAPPER Ohmura Custom | SNAPPER-7 Ohmura Custom | SNAPPER-FR Ohmura Custom "Pink Beast" |
|---|---|---|---|
弦数 | 6弦 | 7弦 | 6弦 |
ボディ | アルダー | アルダー | ローステッド・アルダー |
ネック | ハードメイプル(CT System) | ハードメイプル(CT System) | ハードメイプル |
指板 | メイプル(Eclipse Gold)/ローズウッド(Royal Silver・/R Twinkle Pink) | ローズウッド | ココボロ |
フレット数 | 22フレット | 22フレット | 24フレット |
ハーフスキャロップド | あり | あり(9〜22フレット) | あり |
スケール | 648mm | 648mm | 648mm |
ナット | ボーン 42mm | ボーン 46mm | ロックナット 42mm |
ピックアップ | Seymour Duncan STK-S1n/STK-S1n(ダミー)/STK-S1b | EMG 85-7H(ネック)/EMG 81-7H(ブリッジ) | EMG 89R(ネック)/EMG 81(ブリッジ) |
ブリッジ | GOTOH GE101TS | ESP FLICKER-III-7 | Floyd Rose |
キルスイッチ | 記載なし | 記載なし | あり |
位置づけ | レギュラーモデル | レギュラーモデル | 2025年の期間限定受注生産(受注終了) |
※レギュラーモデルはESP GUITARS公式アーティストページ(2026年9月24日確認)、Pink BeastはESP製品情報およびESP GUITAR WORKSHOPブログの記載です。仕様は改定されることがあるため、購入前にメーカー公式サイトおよび販売店で最新の情報をご確認ください。
大村孝佳モデルに共通する設計思想
モデルごとに仕様は違いますが、本人が「ほぼ共通している」と明言している要素があります。2016年の使用機材紹介では、次の3点が挙げられています。
僕のモデルでほぼ共通しているのは、・GOTOH製のマグナムロック・ペグ(弦交換が楽なように)・ハーフスキャロップド指板(偶然の産物だけどカッコ良いので採用)・セイモアダンカン製のスタックタイプやEMG製のピックアップ
── 大村孝佳(オフィシャルサイト 2016年12月)
ハーフスキャロップド指板──7弦は9フレット以降
スキャロップドとは、フレット間の指板を削り込んで凹ませる加工のこと。弦を押さえた指が指板に触れにくくなり、軽い力でチョーキングやビブラートをかけやすくなる反面、押さえ込みすぎるとピッチが上ずりやすくなります。大村孝佳モデルのハーフスキャロップについて、発売時の紹介記事は「一般的なスキャロップより浅く」なっていると説明しています。ESP公式ページのギャラリーでも、本人の使用機SE Ohmura Customの指板について「通常のスキャロップの約半分の深さしか彫られていない」と紹介されています。
7弦モデルでこの加工が9フレット以降に限定されている理由を、本人は次のように説明しています。
僕のシグネチュアモデルでは定番のハーフスキャロップド加工は9フレットから施されていて、リズムギターで使うローフレットや低音弦側(特に7弦)のピッチ安定やテンション感を守り、リードでよく使う9フレット以降はベンドやヴィブラートを深く掛けやすくなっていて
── 大村孝佳(デジマート・マガジン 2017年4月20日)
低音側の音程の安定とリードでの表現力を、フレット位置で分けて両立させる設計です。
ダミーのミドルピックアップとキルスイッチ
6弦モデルには3基のピックアップが載っていますが、ミドルは結線されていないダミーです。発売時の紹介記事では、これが本人機と同じ仕様であることが明記されています。またESP公式ページでは、Royal Silver・/R Twinkle Pink・SNAPPER-7のコントロール欄に「Dummy」という項目が含まれています。
キルスイッチについては、本人は2016年の使用機材紹介で、7弦の"Twinkle Pink"にキルスイッチを搭載していると記しています。一方、市販モデルでキルスイッチの標準装備が明記されているのは、確認できる範囲では2025年のPink Beastだけです(ESPの告知に「プッシュ式キルスイッチも標準装備」とあります)。レギュラーモデルのESP公式仕様表には、キルスイッチの記載はありません。
本人の実機と市販品はどこが違うか
シグネチャーモデルを買うときに見落とされがちなのが、「本人が実際に使っている個体」と「市販されている個体」の差です。大村孝佳の場合、2016年の使用機材紹介から、その差の一部を確認できます。
項目 | 本人機(2016年12月時点) | 市販品(ESP公式の現行仕様) |
|---|---|---|
SNAPPER-7 のピックアップ | EMG 66-7H / EMG 57-7H | EMG 85-7H(ネック)/EMG 81-7H(ブリッジ) |
SNAPPER-7 のスイッチ | キルスイッチ搭載 | キルスイッチの記載なし(コントロール欄に「Dummy」の記載あり) |
SNAPPER-7 の電源 | FISHMAN製USB充電式バッテリー搭載(9V電池と切り替え可能) | 記載なし |
SNAPPER(6弦)のピックアップ | "Eclipse Gold" はスタックシングルや純粋なシングルコイルを時期ごとに交換。"Royal Silver" は2016年時点でEMG 81と85 | Seymour Duncan STK-S1n/STK-S1n(ダミー)/STK-S1b |
※本人機の仕様は2016年12月時点で公開された内容です。その後変更されている可能性があります。
特に7弦のピックアップは、本人機のEMG 66-7H/57-7Hと市販品の85-7H/81-7Hで型番が異なります。市販品をそのまま買っても2016年時点の本人機と同じピックアップにはならない、という点は知っておいたほうがよいでしょう。本人のサウンドに寄せたい場合、ピックアップ交換という選択肢が最初から視野に入ります。
なおESP公式ページのギャラリーでは、本人の使用機SNAPPER Ohmura Custom -Brass Red- について、ピックアップがSTK-S1→STK-S4→STK-10と「サウンドの変化に合わせて交換されています」と紹介されています。また本人は2016年時点でE-II ARROW-7も使用しており、24フレット仕様でブリッジを固定しロックナットを外し、キルスイッチを搭載した個体だと記しています。これは大村孝佳のシグネチャーモデルではありません。
サウンドメイク──Kemperとシグネチャー機材
アンプ──Kemperと、その中身
2016年の使用機材紹介では、KEMPER Profiler Power Rack(パワーアンプ搭載モデル)とKEMPER Profiler Remote(専用フットコントローラー)が挙げられています。そこに何を入れているかについて、本人は「僕が愛用しているFRIEDMANやMarshall等のアンプ全てを入れています」と記しています。
Kemperで音の性格を決めるのは本体ではなく、読み込むプロファイルです。「Kemperを使っている」だけでは音作りの手がかりになりませんが、プロファイル元がFRIEDMANやMarshallだと分かれば、同系統のアンプやモデリングで方向性を寄せていくことができます。
その後も本人のX投稿からKemperの使用が確認できます。2022年10月の「#GuitarMonstersJapan」と題した使用機材の投稿では「Kemper Profiling Power Rack×2」、2024年2月の張惠妹(aMEI)のツアー機材を整理した投稿では「KemperStage」と、夏頃から使っているBOSSのスーツケース型エフェクターボード「BCB-1000」に触れています。現場によって形態は異なりますが、2016年以降、Kemperを中心に据えた構成が続いていることがうかがえます。
2016年の記事では、C4のライブで技アンプ(WAZA AMP)シリーズのキャビネット「CABINET212」を使ったことにも触れており、その理由を「アンプから出る音を腰や背中から上で背負うのが苦手なタイプ」「低域をタイトに聞きたいのでクローズドにしています」と説明しています。
Vivie IRENE66──常設アンプ向けのシグネチャー・ディストーション
エフェクターでは、Vivie製のシグネチャー・ディストーションIRENE66があります。先に前提をお伝えすると、Vivieブランドを運営していた株式会社Cygnus Entertainmentは、2023年9月25日に公式Xで「既に業務を終了し、現在さいたま地方裁判所に対し破産手続き開始申立の準備中」と告知しました(告知文はロスジェネ青春マガジンの記事に引用されています)。新たな生産は見込めないため、入手は販売店の在庫か中古が中心になり、メーカーによる修理・保証も期待できません。
このペダルのコンセプトは、リハーサルスタジオに常設されているRoland JC-120やMarshall JCM900/JCM2000のサウンドを大村孝佳のトーンに寄せること。コントロールはLevel、Tone、Gainの3つを基本に、ブーストの音量を調整するViolence Lv、ブーストのゲイン量を調整するNew Worldを備えます。フットスイッチは2つで、エフェクトのオン/オフと、エフェクトオン時のみ効くブースター「Rioters」。さらにJC-120向けとMarshall向けを切り替えるJC/MSスイッチ、中域にフォーカスした音色に切り替えるMeow/Growlスイッチを搭載しています。初回生産400台は、ピンク&レッドのメタリック・グラデーションの限定カラーに直筆サイン入り認定証が同梱された仕様でした(出典:Supernice!エフェクター「Vivie IRENE66」)。
CONISIS BLACK MESSIAH II──シグネチャーのバッファー
もうひとつのシグネチャー機材が、CONISIS BA004 BLACK MESSIAH IIです。ギター・マガジンWEBによると、同社のバッファーELEGANT BEAST MKI BA001の能力を受け継ぎ、アンプ機能も搭載したモデルで、ボリューム・ノブを左に回しきるとバッファー、右に回すとアンプ機能が有効になり2〜10倍の増幅が可能です。入力インピーダンスは1MΩ、出力インピーダンスは33Ω、電源は006P電池またはDC9Vアダプター(センターマイナス)、価格は48,400円(税込)とされています。
本人は同記事で「『BLACK MESSIAH』は繋ぐだけでオリジナルの質を高め、日々のトーン・ケアを意識させてくれます」とコメントしています。2022年10月の本人の使用機材投稿にも「CONISIS BlackMessiah」が挙げられています。
旧型番と現行型番の対応表
EDWARDSとGrassRootsの大村孝佳モデルは、途中で型番の表記が変わっています。販売店の商品説明や過去の販売ページでは旧型番で書かれていることがあるため、検索するときは両方の型番で探すと確実です。
ブランド | 現行型番 | 旧型番 | 根拠 |
|---|---|---|---|
EDWARDS | E-SNAPPER TO(6弦) | E-SN-185TO | ESP製品情報(2023年11月20日)に「E-SNAPPER TO(旧型番E-SN-185TO)」と記載 |
EDWARDS | E-SNAPPER-7 TO(7弦) | E-SN7-210TO | ESP「EDWARDS E-SN7-210TO 発売」(2018年5月18日)の製品ページへのリンク先が現行のE-SNAPPER-7 TOで、本人コメントも同文 |
GrassRoots | G-SNAPPER-TO(6弦ミニ) | G-SN-62TO | ESP公式アーティストページの製品解説に「G-SN-62TO」と記載 |
GrassRoots | G-SNAPPER7-TO(7弦ミニ) | G-SN7-68TO | 同上の製品解説に「G-SN7-68TO」と記載 |
GrassRoots | G-SNAPPER-TO/AC(エレアコ) | G-SN-55TO/AC | 同上の製品解説に「G-SN-55TO/AC」と記載 |
予算別の入手ガイド──3ブランドの実測価格
大村孝佳モデルは、ESP・EDWARDS・GrassRootsの3ブランドで展開されています。ESP公式の価格表示では、レギュラーモデルでGrassRootsの60,500円からESPの781,000円まで幅があり、限定のPink Beastは1,386,000円でした。
新品の掲載価格(2026年9月24日 実測)
以下は、デジマートに掲載されている大村孝佳関連モデルを2026年9月24日にサウンドマニアが検索・取得し、モデル別に集計したものです。掲載価格であり、成約価格ではありません。
ブランド | モデル | 掲載価格(税込) | 掲載件数 |
|---|---|---|---|
ESP | SNAPPER Ohmura Custom(Eclipse Gold/Royal Silver) | 693,000円 | 10 |
ESP | SNAPPER Ohmura Custom /R(Twinkle Pink・ローズウッド指板) | 715,000円 | 6 |
ESP | SNAPPER-7 Ohmura Custom(Twinkle Pink) | 781,000円 | 3 |
ESP | SNAPPER-FR Ohmura Custom "Pink Beast" | 1,386,000円 | 1 |
EDWARDS | E-SNAPPER TO(6弦) | 258,500円(一部 242,000円) | 22 |
EDWARDS | E-SNAPPER-7 TO(7弦) | 291,500円(一部 275,000円) | 6 |
GrassRoots | G-SNAPPER-TO(6弦ミニ) | 68,200円 | 5 |
GrassRoots | G-SNAPPER7-TO(7弦ミニ) | 74,800円 | 6 |
GrassRoots | G-SNAPPER-TO/AC(エレアコ) | 60,500円(一部 54,450円) | 6 |
Vivie | IRENE66(ディストーション) | 37,180円 | 1 |
CONISIS | BA004 BLACK MESSIAH II(バッファー) | 48,400円(一部 44,000円) | 8 |
観測方法:デジマートの商品検索を「Ohmura」「大村孝佳」と旧型番(E-SN-185TO、E-SN7-210TO、G-SN-62TO、G-SN7-68TO、G-SN-55TO)、「IRENE66」「BLACK MESSIAH」で取得し、商品IDで重複を除去。売却済みは除外。観測日:2026年9月24日。価格・在庫は変動します。
ESPのシグネチャーは販売店の商品ページで「受注生産品」と表示されているものがあり、注文後に製作される場合は納期を販売店に確認する必要があります。一方、EDWARDSのE-SNAPPER TOは新品の掲載が22件あり、この観測では最も件数の多いモデルでした。
EDWARDSとGrassRootsの位置づけ
EDWARDSのE-SNAPPER TOについて、大村孝佳はESPのアーティストページで「見た目や弾き心地が、普段使っているESP SNAPPER Ohmura Customとほぼ同じ」としたうえで、重要な違いを明言しています。
よりオールラウンドなプレイスタイル向けに、あえて指板はハーフ・スキャロップドではありません(後からでも加工できるよ!)
── 大村孝佳(ESP GUITARS アーティストページ)
ハーフスキャロップドは大村孝佳モデルの特徴とされる部分なので、EDWARDSを選ぶ場合はこの加工がないことを承知したうえで判断する必要があります。スキャロップド指板を使ったことがない人にとっては、通常の指板のまま大村モデルの形とパーツ構成を試せる選択肢ともいえます。ESP公式ページによると、E-SNAPPER TOはアルダーボディ、ハードメイプルネック、ナットはボーン42mm、ペグはGOTOH SG360-07 MG-T、ブリッジはGOTOH GE101T、ピックアップはSeymour Duncan SSL-1が3基(ミドルはダミー)。指板はTwinkle PinkとRoyal Silverがローズウッド、Eclipse Goldがハードメイプルです。ボディのピックアップキャビティは2ハムバッカーにも対応しており、付属のピックガードを使えばボディを加工せずに2ハム仕様へ変更できるとされています(ピックアップ等のパーツは別売り)。
7弦のE-SNAPPER-7 TOは、ナット幅がESP版と同じボーン46mm、ピックアップもESP版と同じEMG 85-7H/81-7Hで、ブリッジはWSC TSM7、ペグはGOTOH SG360-07 MG-Tです。本人も「ESPの7弦ピンクちゃんに近い仕様」と述べています。ただし旧型番E-SN7-210TOの発売告知では「特徴的なハーフスキャロップド加工はされていません」とされており、現行の公式仕様表の指板欄にもハーフスキャロップドの記載はありません。6弦と同じく、ESP版との大きな違いはこの点です。
※E-SNAPPER-7 TO(旧E-SN7-210TO)の指板材は、ESP公式ではローズウッドですが、販売店の商品ページにはパーフェロー表記のものがあります。購入前に個体ごとの仕様をご確認ください。
GrassRootsは、ESP公式ページの説明によると、G-SNAPPER-TOとG-SNAPPER7-TOがレギュラーサイズから89%に縮小したミニギターで、スケールは577mm(648mmスケールの2フレット目からカットした長さに相当)。ナット幅はG-SNAPPER-TOが42mm、G-SNAPPER7-TOが46mmです。一方、G-SNAPPER-TO/ACはエレキギターのミニ版ではなく、スプルース3プライトップ・バスウッドバックのホロウボディにピエゾピックアップと2バンドEQプリアンプを内蔵したエレアコで、94%サイズ・610mmスケールです。
中古市場の実測──ギター本体の中古掲載はごく少数
同じ2026年9月24日の実測で、中古の掲載状況は次のとおりでした。
モデル | 中古掲載件数 | 掲載価格(税込) |
|---|---|---|
ESP SNAPPER Ohmura Custom | 2 | 528,000円(Eclipse Gold)/558,000円(Twinkle Pink) |
ESP SNAPPER-7 Ohmura Custom | 1 | 568,000円 |
EDWARDS E-SNAPPER TO(旧E-SN-185TOを含む) | 1 | 169,400円(Twinkle Pink) |
EDWARDS E-SNAPPER-7 TO(旧E-SN7-210TOを含む) | 0 | — |
GrassRoots G-SNAPPER-TO(旧G-SN-62TOを含む) | 1 | 53,800円 |
Vivie IRENE66 | 12 | 18,980円〜30,800円 |
観測方法・観測日は新品の表と同じ。いずれも母数が15件に満たないため、中央値や四分位数は算出していません。ヤフオク等の落札相場は取得していないため、成約価格は扱っていません。
この観測範囲では、ギター本体の中古掲載はESPの6弦が2件、7弦が1件、EDWARDSとGrassRootsが各1件にとどまりました。一方、Vivie IRENE66は中古が12件あり、価格は18,980円から30,800円でした。中古を待つなら、複数の販売チャネルで旧型番も含めて入荷通知を設定しておくのが現実的です。
中古で見るべきポイント
ハーフスキャロップド指板の状態:削り込みのある指板は、フレット交換時の作業が通常の指板と変わります。フレットの残量を確認し、リフレットが必要そうな個体は、対応の可否と費用をリペアショップに事前に相談してください
ダミー部分の仕様:6弦はミドルピックアップがダミーで、仕様によってはコントロールの一部もダミーです。不具合ではなく仕様ですが、前オーナーが結線を変更している個体もありえます。改造の記載がないか確認しましょう
アクティブピックアップまわり:7弦モデルとPink BeastはEMG搭載のため電池が必要です。電池ボックスやコネクタの状態、電池を入れた状態での音出し確認が欠かせません
キルスイッチなどの追加加工:ザグリを伴う改造は元に戻せません。出品情報に改造の記載がないか確認してください
ブリッジの種類:6弦レギュラーはGOTOH GE101TS、7弦はESP FLICKER-III-7、Pink BeastはFloyd Rose、EDWARDSの6弦はGOTOH GE101T、7弦はWSC TSM7です。出品写真でブリッジを見れば、どのモデルかの判別材料になります
ESPの6弦のナット幅:発売時の紹介記事(43mm)と現行の公式スペック(42mm)で記載が異なります。気になる場合は個体の実測値を問い合わせましょう
付属品:ESPのシグネチャーには認定証やポスター、非売品ピックが付属する仕様があります。揃っているかどうかは価格に影響します
大村孝佳のギターに関するよくある質問
HORIZONやM-IIの大村孝佳シグネチャーはありますか?
ESP公式アーティストページの現在の製品一覧に載っているギターは、すべてSNAPPERをベースにしたモデルです。HORIZONやM-IIのシグネチャーは掲載されていません。なお公式ページのギャラリーには、本人の使用機としてM-SEVEN(7弦)やSE Ohmura Customも紹介されていますが、市販のシグネチャーモデルとしては掲載されていません。
ESP版とEDWARDS版の違いは何ですか?
最も大きな違いはハーフスキャロップド指板の有無です。ESP版には加工がありますが、EDWARDS版は6弦・7弦とも加工されていません。6弦はピックアップも異なり、ESP版はSeymour Duncan STK-S1系、EDWARDS版はSeymour Duncan SSL-1です。7弦はEDWARDS版もEMG 85-7H/81-7Hとナット幅46mmが共通で、仕様はより近くなります。価格はESP公式の表示でESP版が693,000円から、EDWARDS版が258,500円からです。
7弦ギターが初めてでも扱えますか?
大村孝佳モデルの7弦は、ボディサイズとスケールを6弦と揃え、ナット幅を46mmに設定して、持ち替え時の違和感を減らす設計になっています。本人も「6弦ギターから交換した時に違和感が皆無で、7弦ギター特有のネックのストレスや手の疲れも極端に少ない」とコメントしています。EDWARDSのE-SNAPPER-7 TOについては「7弦ギターを初めてチャレンジする人にとっても即戦力」、GrassRootsの7弦ミニギターG-SNAPPER7-TOについては「多弦ギターに一歩踏み出したいというあなたに自信を持ってオススメします」と述べています。ただし577mmスケールのミニギターは、フルスケールとは弦のテンション感が異なる点に留意してください。
Pink Beastは今から注文できますか?
ESPの告知によれば、SNAPPER-FR Ohmura Custom "Pink Beast" は2025年9月30日までの期間限定完全受注生産で、ESP公式の製品情報ページには「DISCONTINUED」と表示されています。新規の注文はできないため、販売店の流通在庫か中古を探すことになります。2026年9月24日時点でデジマートには新品の掲載が1件ありましたが、在庫の有無や納期は販売店に確認が必要です。
ギターを売るときに古物商許可や確定申告は必要ですか?
古物営業法は、許可が必要な「古物営業」から、古物を売却することのみを行う場合を除いています(第2条第2項第1号)。自分で使っていた楽器を手放すだけであれば、古物商許可の対象にはなりません。一方、古物を買い受けて売る営業を行う場合は、都道府県公安委員会の許可が必要です(同法第3条。申請手続は警視庁 古物商許可申請などを参照)。
税金については、生活に通常必要な動産の譲渡による所得は非課税とされる一方、貴金属や宝石、書画、骨とうなどで1個または1組の価額が30万円を超えるものは除くとされています(参考:国税庁 No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法)。また給与を1か所から受けている給与所得者で、給与所得・退職所得以外の所得金額の合計が20万円を超える場合は確定申告が必要です(参考:国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人)。判断に迷う場合は税務署または税理士にご相談ください。
まとめ
大村孝佳のギターを検討するうえで、押さえておきたいのは次の3点です。
シグネチャーはSNAPPERがベース。6弦はSTK-S1スタック型シングル3基(ミドルはダミー)・22フレット・GOTOH GE101TS、7弦はEMG 2基・22フレット・ESP FLICKER-III-7。6弦で24フレット・フロイドローズを備えたのは2025年の限定モデル"Pink Beast"が初めてでした
予算で3ブランドを選び分ける。ESP公式の価格表示で、ESPは693,000円から、EDWARDSは258,500円から、GrassRootsは60,500円(エレアコのG-SNAPPER-TO/AC)から。ミニギターは6弦68,200円、7弦74,800円です
ハーフスキャロップドの有無で弾き心地が変わる。ESP版にはあり、EDWARDS版には6弦・7弦ともありません。試奏できる機会があれば、まず確かめておきたい部分です
ギター本体の中古は観測範囲でごくわずかしか出ていないため、中古を探すときは旧型番(E-SN-185TO、E-SN7-210TO、G-SN-62TOなど)も含めて検索すると取りこぼしを減らせます。サウンド面のシグネチャー機材としてはVivie IRENE66とCONISIS BA004 BLACK MESSIAH IIがありますが、前者はブランドの運営会社が業務を終了している点に注意してください。
価格・仕様・使用機材は時期により変動しますので、購入前にメーカー公式サイトおよび販売店で最新情報をご確認ください。
本記事は個人の使用経験に基づく情報です。楽器・機材の使用に際しては、取扱説明書や専門家の指示に従い、安全にご注意ください。
サウンドマニア編集部
楽器の購入ガイドや基礎知識を発信するサウンドマニア編集部です。ピアノ・ギターをはじめとした楽器選びや、メンテナンス・演奏に関する実用的な情報をわかりやすくお届けします。


