
野呂一生の使用ギター|ヤマハIN-DXとSG-Mellow【2026年版】
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CASIOPEA-P4のギタリスト野呂一生が2022年時点でメインにしているのは、ヤマハのIN-DXです。ギター・マガジンWEBの2022年10月の機材記事は、還暦を記念して2017年に作られたこのIN-DXに、ホロウ・ボディのSG-Mellowと、そのフレットレス版のSG-Mellow Fretlessを加えた3本を、2022年にメインで使っているギターとして紹介しています。いずれもヤマハ製です。同じ2022年の本人インタビューでは、エフェクターにLine 6のHelix Floorのプリセットを使っていると話しています。
結成45周年の2022年、CASIOPEAはドラマーの新加入を機にバンド名をCASIOPEA-P4と改め、アルバム『NEW TOPICS』を発表しました。本記事では、ヤマハのギターを使うようになった経緯、2022年時点の使用ギター3本、『NEW TOPICS』での曲ごとのピックアップとエフェクトの使い方、Helix Floorを中心にしたサウンドシステム、中古を探すときの確認点を、ギター・マガジンWEBの機材記事と本人インタビュー、Line 6 Japanとヤマハの公式情報をもとに整理します。
野呂一生とヤマハ:イーストウエストの賞品で受け取ったSG-2000がきっかけ
野呂一生がヤマハのギターを使うようになった経緯は、Musicmanのインタビューで本人が語っています。野呂はヤマハの「イーストウエスト」に1976年と1977年の2回エントリーし、2回ともベストギタリスト賞を受けました。1回目のときに賞品として受け取ったのが、当時発売される予定だったSG-2000です。
そのころの野呂は、アルバイトで貯めたお金で買ったギブソンのレスポール・カスタムを使っていました。同じインタビューによると、武蔵小金井で一人暮らしを始めるにあたって電話加入権を買う必要があり、レスポール・カスタムを手放したといいます。野呂は「ヤマハもあるし、俺はこれでいく」と決め、「それからヤマハのギターが自分のトレードマークになったという感じですね」と話しています。
ヤマハも、公式サイトの開発者インタビュー「第4回『SG』への想い」で、SGを愛用してきたギタリストとしてサンタナ、高中正義、山本恭二とともに野呂一生の名前を挙げています。
2022年時点の使用ギター:ヤマハ製の3本
ギター・マガジンWEBは2022年10月19日の記事「野呂一生といえばヤマハ製ギター!CASIOPEA-P4『NEW TOPICS』でも活躍した主力3本」で、野呂が2022年にメインで使っている3本を紹介しています。
モデル | タイプ | 時期(記事の記述) | 記事での紹介 | 『NEW TOPICS』での使用例 |
|---|---|---|---|---|
ヤマハ IN-DX | SGに近い左右対称シェイプ、キルト・メイプルの杢目 | 2017年に製作 | 特注でカスタムされたメイン器 | 多数の楽曲 |
ヤマハ SG-Mellow | ホロウ・ボディ(Fホール付きのセミアコ・タイプ) | 2007年頃から | 野呂が名づけた特注モデル | 「UNTHINKABLE」 |
ヤマハ SG-Mellow Fretless | SG-Mellowのフレットレス版 | 2008年の『INNER TIMES』のレコーディングから | ホロウ・ボディ×フレットレス | 「PURE HEART」 |
※ギター・マガジンWEB「野呂一生といえばヤマハ製ギター!CASIOPEA-P4『NEW TOPICS』でも活躍した主力3本」(2022年10月19日)と、同誌の本人全曲解説インタビュー(2022年10月12日)をもとに編集部が整理。使用例は本人の全曲解説でギターの名前が挙がった曲と、機材記事の記述にもとづきます。
ヤマハ IN-DX:還暦を記念して2017年に作られた、2022年時点のメイン・ギター
ギター・マガジンWEBによると、IN-DXは「Issei Noro Deluxe」の略で、野呂の還暦を記念して2017年に作られました。カラーは「プラネット・ブルー・サンバースト」と呼ばれ、キルト・メイプルの杢目が特徴です。同記事は、以前のメイン・ギターだったシグネチャー・モデルのIN-1と比べて、マスター・ボリューム・ノブが追加され、ボディ・シェイプがヤマハのSGに近い左右対称の形に変わったと説明しています。記事の小見出しは「特注でカスタムされた野呂のメイン器」です。
本人も、同誌の『NEW TOPICS』全曲解説で「ギターはセミアコ・タイプやフレットレスを使う時以外は、ヤマハのIN-DX野呂一生モデルです」と話しています。ヤマハのアーティスト担当者のブログ「Yamaha ART "BACKSTAGE"」でも、2018年4月と2019年11月のギター・クリニックの紹介で、使用ギターはIN-DXと書かれています。
ヤマハ SG-Mellow:2007年頃から使うホロウ・ボディの特注モデル
SG-Mellowは、2007年頃から使われている特注モデルで、名前は野呂がつけたものです。ギター・マガジンWEBは、小柄なシェイプとホロウ・ボディの組み合わせで、アコースティック感のある響きと軽さを実現したと紹介しています。ボディ・トップの材は「一般的な生産ラインでは実現できない薄さ」まで削られているそうです。
『NEW TOPICS』では「UNTHINKABLE」で使われました。本人は全曲解説で「ギターはFホールのあるセミアコ・タイプのSG-Mellowを使っています」と話し、フロント・ピックアップを使ってギター本体のトーン・コントロールを絞り、コンプレッサーも通していないと説明しています。
ヤマハ SG-Mellow Fretless:2008年の『INNER TIMES』から導入したフレットレス
SG-Mellow Fretlessは、SG-Mellowのフレットレス版です。ギター・マガジンWEBによると、野呂のソロ・プロジェクトISSEI NORO INSPIRITSのアルバム『INNER TIMES』(2008年)のレコーディングから導入され、おもにピックを使わず、親指の腹で弦をはじくスタイルで弾いているそうです。野呂はこのギターについて「音感が試される楽器だが、このふわっとした絶妙なピッチ感がバラードなどでとても効果的」と話しています。
『NEW TOPICS』の「PURE HEART」は、最初からSG-Mellow Fretlessで弾くことを前提に書いた曲だと本人が説明しています。本人の公式サイトのプロフィールでは、2001年の『UNDER THE SKY』と2002年の『LIGHT UP』が、フレットレス・ギターをフィーチャーしたソロ・アルバムとして紹介されています。
ヤマハ IN-1:IN-DX以前のメイン・ギターだったシグネチャー・モデル
ギター・マガジンWEBの2022年の記事は、IN-1を野呂の以前のメイン・ギターだったシグネチャー・モデルとして紹介しています。IN-DXとの違いとして挙げられているのは、IN-DXにはマスター・ボリューム・ノブが加わり、ボディがSGに近い左右対称の形になった点です。
『NEW TOPICS』の曲ごとのピックアップ
ギター・マガジンWEBの全曲解説インタビュー(2022年10月12日)では、野呂が『NEW TOPICS』の各曲で選んだピックアップを具体的に話しています。本人の説明をまとめると次のとおりです。
曲 | ピックアップ(本人の説明) |
|---|---|
TODAY FOR TOMORROW | フロントのハムとセンターのシングルのミックス |
DREAMER'S DREAM | リアのハムバッカーとセンターのシングルのミックス |
NoOne…EveryOne… | フロント・ハムとセンター・シングルのミックス |
Vivaciously | フロント・ハムとセンター・シングルのミックス |
DAILY BREAD | フロント・ハムだけ |
A BEAM OF HOPE | フロント・ハムとセンター・シングルのミックス |
PURE HEART | ハムバッキングのリア・ピックアップだけ(SG-Mellow Fretless) |
FLY ME TO THE FUTURE | フロント・ハムとセンター・シングルのミックス |
THANKS A LOT | フロント・ハムとセンター・シングルのミックス |
※ギター・マガジンWEB「Interview|野呂一生(CASIOPEA-P4)超贅沢な『NEW TOPICS』本人全曲解説」(2022年10月12日)の本人の発言をもとに編集部が整理。ピックアップの呼び方は本人の発言のままです。SG-Mellowを使った「UNTHINKABLE」は、上のSG-Mellowの項で紹介しているため表から除いています。
同じインタビューで野呂は、セミアコ・タイプやフレットレスを使う時以外はIN-DXだと話しています。表の9曲のうち6曲が、フロントのハムとセンターのシングルを混ぜた音です。エフェクトについては、「TODAY FOR TOMORROW」でHelix Floorのプリセットにあるコンプレッサーとディストーションをオーバードライブに近い設定で使い、「A BEAM OF HOPE」ではディストーションではなく、チューブ・アンプのボリュームを少し上げたようなクランチな歪みを使ったと説明しています。「PURE HEART」は深いリバーブ、ディレイ、ステレオ・コーラスという音作りで、卓で少し低域を増やしてもらったそうです。
レコーディングでのエフェクトのかけ方についても、同じインタビューで説明しています。ライブではディレイもLine 6のプリセットを使う一方、レコーディングでは卓でかけているとのことです。理由として野呂は、マルチ・エフェクターの設定はシンプルなほうがフィンガリングのニュアンスが出やすく、設定が多すぎるとエフェクター内の演算処理でわずかな遅れが生じること、あとで加工しやすいようになるべくドライに近い音で録っておき、空間系はPro Toolsで処理することを挙げています。
サウンドシステム:Line 6 Helix FloorとRelay G70
2017年から2023年までの記事を見るかぎり、野呂の音作りの中心はLine 6のギター・プロセッサーHelix Floorです。2017年12月のデジマート・マガジンのインタビューで、機材について聞かれた野呂は「LINE 6 HELIXですね。今はこれ1台だけでやっているんです」と答えています。Line 6 Japanのアーティストページには、使用製品としてHelixとワイヤレス・システムのRelay G70が掲載されています。
機材 | 役割 | 使われ方 |
|---|---|---|
Line 6 Helix Floor | ギター・プロセッサー | プリセットのコンプレッサー、ディストーション、ディレイなどを使用。2018年のクリニック・レポートでは、1本のライブで使うプリセットは3つ程度(うち1つはフレットレス・ギター用)で、スナップショット機能で各プリセットに8種類ずつの音色を割り当てているとのこと |
Line 6 Relay G70 | ギター・ワイヤレス・システム | 2018年のクリニック・レポートでは、ケーブル・トーン機能を6mに設定 |
ステレオのパワード・スピーカー | 出音 | 2018年のクリニック・レポートでは、HelixとRelay G70、ステレオのパワード・スピーカーだけでシステムをまとめている |
※Line 6 Japan「野呂一生」アーティストページ、ギター・マガジンWEBの本人全曲解説(2022年10月12日)、イシバシ楽器 GuitarQuest「「野呂一生 ギター&サウンドメイククリニック featuring Line6 HELIX」レポート!」(2018年4月14日開催・4月19日公開)をもとに編集部が整理。パワード・スピーカーの機種名はレポートに記載がありません。
Line 6 Japanのアーティストページで野呂は、Helixについて「スナップショット機能により複数の内蔵エフェクターをスムーズに切り換える事が出来るので、ライブでもとても使い易いです」とコメントしています。ヤマハのアーティスト担当者のブログでも、2018年4月のクリニックの紹介で使用器材はHelix Floorの「この一台」とされ、2019年11月のクリニックでは「Line 6 Helix-Floor & G70と実にシンプルな足元」と紹介されています。
2023年4月のギター・マガジンWEBの記事(日本娯楽の提供記事)は、野呂の近年のスタイルを、Helix Floorで音作りを完結させてPAシステムへ直接サウンドを送るものと紹介しています。
Helix以前のシステム
イシバシ楽器の2018年のクリニック・レポートは、野呂がこれまでに使ってきたシステムとして、ヤマハのコンパクト・エフェクターに専用パッチベイを組み合わせたペダルボード、15Uの大型ラック・システム、デジタル・プリアンプDG-1000を中心にした1990年代後期のシステムなどを挙げています。同じレポートによると、野呂がHelixを使う一番の理由は「時代に合っているから」だそうです。
野呂一生のギターの価格と入手方法
新品:IN-DXとSG-Mellowは特注モデルとして紹介
ギター・マガジンWEBは、IN-DXを「特注でカスタムされた」メイン器、SG-Mellowを野呂が名づけた「特注モデル」と紹介しています。同じ名前の製品を探すときは、ヤマハの製品情報や販売店の商品ページで、型番と仕様(ボディ構造、マスター・ボリュームの有無、フレットの有無)を確かめるようにしましょう。
中古:2026年9月30日のデジマートに野呂一生モデルの掲載はなく、相場レンジは出せない状況
2026年9月30日にデジマートで「野呂一生モデル」「IN-1 野呂」などを検索したところ、野呂一生モデルのギターの掲載はありませんでした。件数が足りないため、本記事では実測にもとづく相場レンジを掲載していません。IN-1などの中古を検討するときは、次の点を確認しながら個体ごとに判断してください。
ヘッドのブランドと型番。IN-1とIN-DXは別のモデルで、ギター・マガジンWEBによるとIN-DXにはマスター・ボリューム・ノブがあり、ボディはSGに近い左右対称の形です
ピックアップの構成と、切り替え・ミックスの動作。ガリやノイズがないか
ネックの反りとフレットの残り
改造・交換されたパーツの有無
ケースなど付属品の有無
よくある質問
野呂一生のメインギターは何ですか?
2022年時点のメインは、ヤマハのIN-DXです。ギター・マガジンWEBの2022年10月の機材記事がメイン・ギターとして紹介しており、本人も同誌の全曲解説で、セミアコ・タイプやフレットレスを使う時以外はIN-DXだと話しています。
野呂一生がヤマハのギターを使うようになったきっかけは?
ヤマハのコンテスト「イーストウエスト」で、1回目のベストギタリスト賞の賞品としてSG-2000を受け取ったことです。Musicmanのインタビューで本人が、それまで使っていたギブソンのレスポール・カスタムを手放し、「それからヤマハのギターが自分のトレードマークになった」と話しています。
フレットレス・ギターは何を使っていますか?
2022年時点では、ヤマハのSG-Mellow Fretlessです。ギター・マガジンWEBによると、ホロウ・ボディのSG-Mellowのフレットレス版で、2008年の『INNER TIMES』のレコーディングから導入されました。『NEW TOPICS』では「PURE HEART」で使われています。
アンプやエフェクターは何を使っていますか?
2017年以降の記事では、Line 6のHelix Floorが中心です。2017年のデジマート・マガジンのインタビューで本人が「今はこれ1台だけでやっている」と話しており、2022年の『NEW TOPICS』全曲解説でも、Helix Floorのプリセットのコンプレッサーとディストーションを使ったと説明しています。ワイヤレスは、2018年・2019年のクリニックの紹介ではLine 6のRelay G70でした。
まとめ:2022年時点のメインはヤマハIN-DX、音作りはHelix Floor
野呂一生のギターは、1970年代にイーストウエストの賞品で受け取ったSG-2000をきっかけにヤマハが中心になり、本人も「ヤマハのギターが自分のトレードマークになった」と話しています。2022年時点では、還暦を記念して2017年に作られたIN-DXをメインに、ホロウ・ボディのSG-Mellowと、フレットレス版のSG-Mellow Fretlessを使い分けています。
2017年以降の記事では、音作りはLine 6のHelix Floorが中心で、2018年・2019年のクリニックの紹介ではRelay G70のワイヤレスと組み合わせたシンプルなシステムでした。『NEW TOPICS』の全曲解説では、フロントのハムとセンターのシングルを混ぜる使い方が全10曲中6曲に出てきます。CASIOPEAの初代ベーシストの機材は櫻井哲夫の使用機材の記事で紹介しています。
※本記事は特定のメーカー・販売店・買取業者との広告提携に基づくものではありません。
サウンドマニア編集部
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