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直井由文のベースはSonic製7本|BUMP OF CHICKENの機材とピックアップ【2026年版】

直井由文のベースはSonic製7本|BUMP OF CHICKENの機材とピックアップ【2026年版】

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サウンドマニア編集部/楽器の購入ガイドや基礎知識を発信するサウンドマニア編集部です。ピアノ・ギターをはじめとした楽器選…

BUMP OF CHICKENのベーシスト、直井由文(チャマ)。機材メディア『STAGE』は2019年のツアー取材で、彼のメインベースを「Fenderのカスタムショップジャズベース」と紹介しました。その一方で、埼玉県川口市の工房ブランド「Sonic」を手がけるラムトリックカンパニーは、直井所有のベースについて製造年、材、ピックアップを自社のブログや製品ページで公開しています。本記事では、機材メディア、メーカー、楽器店、システム構築を担当したFree The Toneの公開情報をもとに、直井由文のベースとステージの信号系を整理します。同じピックアップと回路を手に入れる方法も、メーカー公式の価格つきで紹介します。

直井由文のプロフィールと、機材情報の出どころ

直井由文は1979年10月9日生まれで、BUMP OF CHICKENではベースを担当しています(BUMP OF CHICKEN公式サイトのプロフィールより)。『STAGE』の記事では「ベーシストのチャマこと直井由文」と紹介されています。

この記事で使った情報源は次のとおりです。いずれも公開元と時点がはっきりしている資料です。

公開元

時点

分かること

STAGE(黒澤楽器系の機材メディア)

2019年8月20日の公演を取材(2019年9月20日公開)

メインベース、サブ、アンプ、足元

ラムトリックカンパニー公式ブログ

2012年4月1日投稿

Sonic製の所有個体3本の製造年・材・ピックアップ

ラムトリックカンパニー公式サイト/公式ショップ

2026年9月確認

号機ごとの搭載ピックアップ、5号機と同仕様のモデル

島村楽器 プレ葉ウォーク浜北店

2018年4月9日公開

「チャマさんをモデルに」オーダーした1本のスペック

Free The Tone

2019年・2022年の公演

ラック、アンプ、足元の実機写真

2019年ツアーのメインはFender Custom Shopのジャズベース

『STAGE』は、2019年8月20日の新木場STUDIO COAST公演(BUMP OF CHICKEN TOUR 2019 aurora ark)の機材紹介で、直井のベースを次のように書いています。

ベーシストのチャマこと直井由文のメインはFenderのカスタムショップジャズベース、ジョイントプレートにはバンドロゴがあしらわれている特別仕様だ。サドウスキーの5弦のアクティブベース(『月虹』で使用)にそれぞれのサブがスタンバイされていた。

── STAGE「【BUMP OF CHICKEN 機材紹介】2019.8.20@新木場STUDIO COAST “BUMP OF CHICKEN TOUR 2019 aurora ark”」

同記事では、このジャズベースの名称が「Fender Custom Shop Jazz Bass Custom Built by J.Smith」と記されています。つまり2019年のツアー時点では、次の構成でした。

  • メイン:Fender Custom Shop製ジャズベース(J.Smithのビルド、ジョイントプレートにバンドロゴ)

  • 5弦:Sadowsky製のアクティブベース(『月虹』で使用)

  • 上記それぞれのサブ

『STAGE』の記述は2019年8月20日公演時点のものです。本記事でも、この「メイン」は2019年時点の情報として扱います。

Sonic(ラムトリックカンパニー)が公開している直井由文のベース

Sonicとラムトリックカンパニー

ラムトリックカンパニーの公式サイトによれば、Sonicは1983年、同社の発足と同時に埼玉県川口に生まれたブランドです。会社概要には創業日が1983年10月21日と記されており、代表は竹田豊です。竹田は『エレクトリック・ギター・メカニズム』『エレクトリック・ベース・メカニズム』(いずれもリットーミュージック刊)の著者で、同社は「Sonicのギターとベースは1本ずつ丁寧に」製作しているとしています。

公式ブログに掲載された3本(2012年投稿)

ラムトリックカンパニーの公式ブログは、2012年4月1日に「直井由文 さま」と題した記事を3本投稿しています。各記事に書かれている仕様をそのまま並べると次のとおりです。

ブログの表記

カラー

製造

ボディ

Neck(ブログの表記)

ピックアップ

JB

Chama Blue

03年9月製

Alder

Jacaranda/Maple

Xotic XP-JB1

SRB

Mat Black

06年9月製

Alder 2P

Maple/Maple

Seymour Duncan SMB-4A

JB

Chama Pink

'10年5月製

Alder 2P

Madagascar Rosewood/Maple

Jupiter LPB-01(Titanium Saddle)

ソニックギター|ラムトリックカンパニー公式アメブロの「直井由文 さま」各記事より。仕様は2012年の投稿時点の記載です。

Chama BlueのNeck欄にある「Jacaranda」(ハカランダ)は、後述する島村楽器のオーダー記事にある指板材の但し書きとも符合します。

なおChama Pinkの記事は、記事内の表記が「JB」でありながら、搭載ピックアップはJUPITERのプレシジョンベース用「LPB-01」です。JUPITERの製品ページは、LPB-01を搭載している直井の個体を「Sonic PB(6号機)」としています。

号機番号で公開されている3本

ラムトリックカンパニーは、自社ピックアップ「JUPITER Series」の製品ページで、搭載している直井の個体を号機番号で挙げています。

個体

搭載ピックアップ

メーカーの記載

Sonic JB 2号機

JUPITER LJB-01

「Bump of Chicken直井氏のSonic JB2号機と5号機には現在このモデルが搭載されています。」

Sonic JB 5号機

JUPITER LJB-01

同上

Sonic PB(6号機)

JUPITER LPB-01

「Bump of Chicken直井氏のSonic PB(6号機)には現在このモデルが搭載されています。」

出典:ラムトリックカンパニー「JUPITER Series ジュピター・シリーズ」

このうち5号機については、同社の公式ショップに「直井由文氏が持つ5号機と同仕様」と説明されたSJB-602CYが掲載されており、そのボディは「Alder Chama Yellow Full Lacquer Finish」です。

5号機と同仕様のSonic SJB-602CY

ラムトリックカンパニーの公式ショップには、「BUMP OF CHICKEN 直井由文氏が持つ5号機と同仕様」と説明されたモデル「Sonic SJB-602CY」が掲載されています。メーカー自身が「同仕様」と明言したモデルのスペック表が公開されているため、直井の個体の仕様を知るうえで具体的な資料です。

項目

仕様(メーカー表記)

Neck

Maple / Madagascar Rosewood Fingerboard 20F / Oil Finish(Natural color)Matching Head

Body

Alder Chama Yellow Full Lacquer Finish

Tuning Key

GOTOH GBR640L N

Nut

Sonic Oiled Bone Nut

Neck Joint

Bolt-On(Joint Plate)

Bridge

Sonic’s Chrome Ebony / KTS Titanium Saddles PR-03

Circuit

Sonic Turbo J.Bass 2

Pickups

Jupiter LJB-01 set

Control Pots

Sonic FV-23 / FT-05

Output Jack

Pure Tone Jack PTT1

Strap Button

SCHALLER S-Locks C

Tuning

Half step down

価格

597,300円(税込)

出典:ラムトリックカンパニー公式ショップ「Sonic SJB-602CY」(2026年9月24日確認)

商品説明には、見た目は標準的なジャズベースでも「チタンサドル、ジェラルミンペグ、オイルドボーンナットなどの厳選したパーツを盛り込んでいます」とあります。ブリッジはセパレート機構を持つSonicオリジナルで、サドル下部のプレートにはエボニーが使われています。トーンポットを引くとSonic Turbo J.Bass 2が働き、2つのシングルコイルが直列接続されてハムバッカーとして機能する、と説明されています。

指板については「オリジナルをリスペクトしたマダガスカルローズ指板、金縁Sonicロゴ採用のモデル」と書かれています。この一文からは、本人の5号機の指板やロゴがこのモデルと同じかどうかまでは読み取れません。また商品のセッティングは半音下げチューニングで、レギュラーチューニング用に変更して渡すこともできるとされています。これはあくまで販売品のセッティングの説明なので、本人のチューニングとして読むことはできません。通常納期は「1年〜」と記載されています。

島村楽器が「チャマさんをモデルに」オーダーしたJB-365C

2018年4月9日、島村楽器プレ葉ウォーク浜北店は、Sonicに「BUMP OF CHICKENのチャマさんをモデルにお願いします!!」という内容でオーダーした1本の入荷を告知しました。記事に掲載されたスペックは次のとおりです。

項目

内容(記事の表記)

品番

JB-365C

ボディタイプ

ジャズベース

ボディ

アルダー

ボディ塗装

フルラッカー

ボディカラー

C.BLUE

指板材

マダガスカルローズウッド

ネック塗装

オイルフィニッシュ

ピックガード

ミントグリーン3P

ピックアップ

JUPITER PICJUPS LJ-01n/b

サーキット

SONIC ターボ・J・ベース(2V1T・JB用)

定価/販売価格

¥394,200/¥354,780(2018年4月の告知時点)

出典:島村楽器 プレ葉ウォーク浜北店「ファン必見!!SONICのベースが浜北に入荷しました!!」。ピックアップは記事の表記のまま掲載しています(メーカーの製品名はJUPITER LJB-01)。

記事には「※指板材のみご本人の仕様とは異なります。ハカランダ→マダガスカルローズウッド」という但し書きがあります。本人仕様の指板がハカランダだという点は、公式ブログのChama Blue(2003年製)のNeck欄「Jacaranda/Maple」とも一致します。ただし、モデルにした個体がどれかは記事に明記されていません。

島村楽器は指板材以外を本人仕様に合わせたとしていますが、これは2018年のオーダー時点の説明です。この表は「2018年に本人の仕様をモデルにしてオーダーされた1本」の仕様として読むのが正確です。

搭載パーツ:JUPITERピックアップとターボ・J・ベース

JUPITER LJB-01/LJB-02/LPB-01

JUPITERはSonicのオリジナルピックアップです。製品ページによると、以前SonicはJohn Suhrがワインディングを担当していたXotic Pickupsを採用していましたが、生産中止となったため、代わりに開発されたのがJUPITERです。スペックはKARIYA PICKUPSの刈谷氏の協力を得て決め、現在は社内でハンド・ワインディングによって製作されているとされています。2012年のブログでChama BlueのピックアップがXoticだったことも、この経緯と整合します。

品番

コイルのターン数

メーカーの説明

価格

LJB-01(JB用)

ネック9,200/ブリッジ9,800(相互にRWRP)

バンド内で埋もれないよう、適度なパワーとメリハリのあるハイミッドを狙った設定。直井のSonic JB2号機・5号機に搭載

Each ¥19,000+税/Set ¥38,000+税

LJB-02(JB用)

ネック8,800/ブリッジ9,400

ベース用のエフェクトなどを使用する人向けに、若干パワーを抑えたモデル。他のスペックはLJB-01と同じ

Each ¥19,000+税/Set ¥38,000+税

LPB-01(PB用)

各10,000

ブーミーになりがちなPBの線の太さを活かしつつ、前へ出るサウンドに仕上げたモデル。直井のSonic PB(6号機)に搭載

¥30,000+税

出典:ラムトリックカンパニー「JUPITER Series ジュピター・シリーズ」(価格は2026年9月24日確認)

ターボ・J・ベース(Turbo J.Bass)

5号機と同仕様のSJB-602CYにも、島村楽器のオーダー品にも組み込まれているのが、Sonicのオリジナル回路「ターボ・J・ベース」です。メーカーの説明によれば、ノーマルなジャズベースの外見を変えず、オリジナルのサウンドも損なわないまま、必要なときに図太いパワーを得られるようにする回路で、プリアンプではないため電池は要りません。

  • トーンノブがプッシュプル式のスイッチになる。押した状態がノーマル、引くとターボがオン

  • ターボがオフのときは「全くのノーマル(普通のジャズ・ベースと同じ)」

  • ターボをオンにすると2つのピックアップがシリーズ(直列)接続され、1つのハムバッキングピックアップとして機能する。パラレルでミックスした場合(通常のフル・ボリューム)と違い、サウンドは太くパワフルに変化する

  • ジャズベースのピックアップは普通それぞれ逆磁極なので、ノイズキャンセル効果も得られる

  • ターボオン時の音量は手前側(ピックアップに近い方)のボリュームで操作する。2番目のボリュームはこのとき機能しない

  • ターボ・J・ベース・2は、ボリュームとトーンにフルアップ・ポット(フルテン時に回路をバイパスする)を採用

品番

仕様

価格

TJ-101(TURBO J-BASS)

取付穴3/8インチ

¥9,500+税

TJ-102(TURBO J-BASS)

取付穴8ミリ

¥9,500+税

TJ-201(TURBO J-BASS 2)

取付穴3/8インチ、フルアップポット搭載

¥10,500+税

TJ-202(TURBO J-BASS 2)

取付穴8ミリ、フルアップポット搭載

¥10,500+税

出典:ラムトリックカンパニー「TURBO J-BASS/TURBO J-BASS 2」(価格は2026年9月24日確認)。USA系のジャズベースにはインチサイズのUSAバージョン、ジャパン系には国産バージョン(メートルサイズ)を選ぶよう案内されています。

ステージの信号系:2019年と2022年の実機写真から

システム構築を手がけるFree The Toneは、2019年のTOUR 2019 aurora arkと、2022年7月2〜3日のLIVE 2022 Silver Jubilee at Makuhari Messeについて、直井の機材の写真を公開しています。写真で機種名が読み取れるものと、『STAGE』の記述を合わせると次のようになります。

項目

2019年 aurora ark

2022年 Silver Jubilee

アンプ

Orange AD200B MKIII×2台+Orangeキャビネット×2台(『STAGE』は「AD200B+OBC810がメイン・サブと2台」と記載)

Orange AD200B MKIII+Orangeキャビネット、Fender製ヘッド+Fender製キャビネット

EQ

FREE THE TONE PA-1QB

FREE THE TONE PA-1QB

DI/プリアンプ

AVALON U5(1台)

AVALON U5(3台)

ラインセレクター

—

CUSTOM AUDIO JAPAN MLS-2

音源モジュール

YAMAHA MOTIF-RACK ES

YAMAHA MOTIF-RACK ES

ワイヤレス受信機

SHURE製デュアル受信機×2台、Maxon製1台

SHURE AD4D×3台

足元

BUMP OF CHICKENのロゴ入りスイッチボックス(『STAGE』は「スイッチボックスとチューナーのみ」と記載)

ロゴ入りスイッチボックス、手書きで「Chorus」と書かれた白いスイッチ、「AG」と書かれたチューナーなど

Free The Toneの公開写真で機種名が読み取れる範囲と、『STAGE』の記述をまとめたもの。「—」は当該年の写真では確認できないことを示します。2022年のFender製アンプは、写真からモデル名までは読み取れません。

両年に共通しているのは、Orangeのアンプ、PA-1QBによるEQ、AVALON U5によるDI、そしてMOTIF-RACK ESの音源モジュールです。2022年の写真にはFender製のアンプとMLS-2のラインセレクターも写っており、U5とワイヤレス受信機の台数も2019年の写真より多くなっています。

Orange AD200B MKIII

Orangeの製品ページによると、AD200B MKIIIは「最良のトーンはギターからスピーカーまでの最短の信号経路から生まれることが多い」という前提で設計された、シングルチャンネルのオールバルブ(真空管)ベースアンプです。出力は200W、パワー管はKT88または6550を4本、プリ管はECC83/12AX7を2本とECC81/12AT7を1本使用します。コントロールはGain、Bass、Middle、Treble、Volumeのみで、アクティブ・パッシブ両方の楽器に対応した入力を備えています。

『STAGE』は2019年の取材で、このアンプを「ここ最近のツアーで使用されるようになった」と紹介し、「フルチューブのオレンジのベースアンプは非常に図太く低音に厚みがあり、ドライブ感が身体に響く」と評しています。

FREE THE TONE PA-1QB

2019年、2022年のどちらの写真にも写っているのが、ベース用のプログラマブル・アナログ10バンドEQ「PA-1QB」です。メーカーによれば、楽器の信号が通るイコライザー回路は入出力部も含めてすべてアナログで、パラメーターの制御部だけがデジタル回路という設計です。アナログのエフェクターでありながら、プリセットの呼び出しとMIDIによるリアルタイム制御ができます。構想から10年以上かけて完成した製品だとされています。

項目

PA-1QBの仕様

周波数ポイント

40Hz、80、125、250、500、800、1200、2400、4500、8K(各±12dB)

プリセット数

99

周波数特性

10Hz〜40kHz(±0.5dB、EQフラット時)

サイズ/重量

120(W)×102.3(D)×58.5(H)mm/約350g

電源/消費電流

DC9V ACアダプター(別売)/200mA

価格

52,800円(税込)

出典:Free The Tone「PA-1Q SERIES」(2026年9月24日確認)

ギター用のPA-1QGの周波数ポイントは50Hzから10Kまでなので、同じ10バンドでもベース用は低い帯域に寄せて配分されています。

メーカーはこの製品を、EQとしてだけでなく、音量をプリセットごとに管理する「プリセットボリューム」としても使えるとしています。用途の例として挙げられているのが「複数のギターやベースを持ち替えた際の出力レベルの個体差を揃えたい場合」です。写真ではプリセット番号とレベルの表示は読み取れますが、各バンドをどう設定しているかは分かりません。

AVALON U5

AVALON U5は、Avalon Designによれば1995年から世界中で使われているDI/プリアンプです。100%ディスクリートのピュアクラスA設計で、入力インピーダンスは3,000,000Ω、最大+30dBの可変ゲインのプリアンプと、6種類のパッシブトーンEQカーブを備えます。出力はマイクレベルとラインレベルのXLR2系統です。2019年の写真ではU5の上にPA-1QBが置かれ、2022年の写真ではラックにU5が3台並んでいます。

CUSTOM AUDIO JAPAN MLS-2

2022年の写真でPA-1QBの隣にあるのが、CUSTOM AUDIO JAPANのMLS-2です。輸入代理店オカダインターナショナルの製品情報によれば、ABセレクター、LOOPセレクター、2in 1outセレクター、A/A+Bセレクター、ラッチスイッチなどの機能を1台に備えたパッシブタイプのマルチ・ラインセレクターです。「MLS-2の電源はインディケータの点灯用です。電源がなくても音声信号にはまったく影響がありません」とも記されています。同社のサイトでは取扱終了製品として掲載されています。

同じ方向の音に近づくための3つのルート

5号機と同仕様のモデルに載っているピックアップと回路は、どちらもラムトリックカンパニーが単体で販売している製品です。ターボ・J・ベースはメーカーがノーマルなジャズベース向けの回路として販売しており、JUPITER LJB-01は「For JB model」として販売されています。オーダーメイドの本体をすぐに手に入れるのは難しくても、部品から近づけることはできます。

ルート1:LJB-01とターボ・J・ベースを組み合わせる

5号機と同仕様のSJB-602CYに載っているのは、JUPITER LJB-01のセットとSonic Turbo J.Bass 2です。同じ組み合わせにするなら、LJB-01セット(¥38,000+税)と、フルアップポット搭載のTJ-201またはTJ-202(¥10,500+税)で、税別の合計は48,500円です。TJ-201はインチサイズ(USA系)、TJ-202はメートルサイズ(ジャパン系)なので、手持ちのベースのポット穴に合わせて選びます。

取り付けについてメーカーは「ある程度のハンダ付けの技術があれば比較的簡単ですが、自信のない方は販売店にご相談下さい」としています。JUPITERの製品ページはLJB-01を「For JB model」として掲載しており、Sonic以外のジャズベースへの取り付けについては記載がありません。手持ちのベースに取り付けられるかは、購入前にラムトリックカンパニーに確認してください。ピックアップの交換とあわせるなら、リペアショップに依頼するのが無難です。なお、ベース用のエフェクトを使う場合は、LJB-01より少しパワーを抑えたLJB-02(価格は同じ)という選択肢もメーカーが用意しています。

ルート2:Sonicにオーダーする、または同仕様モデルを選ぶ

ラムトリックカンパニーが公開しているベースモデルの基本価格は次のとおりです。仕様によって価格は変わります。

モデル

基本価格

メーカーの説明(要旨)

SJB model

¥430,000

2つのピックアップによるサウンドバリエーション。Sonicオリジナルのターボサーキットとの相性も良い。ネックは細め

SPB model

¥430,000

ベースらしい太いサウンド。ブリッジ寄りにJBのピックアップを足したPJスタイルも愛用者が多い

STB model

¥420,000

世界で最初に作られたエレクトリックベースのスタイル。アッシュボディ、メイプルネックが基本

ULTRA-SONIC BASS(4弦)

¥500,000

ナット幅はJBとPBの中間

HYPER-SONIC BASS(5弦)

¥550,000

4弦ベースと同じ弦間隔。パッシヴサーキットでもしっかり鳴る5弦として開発

出典:ラムトリックカンパニー「ベース」モデル一覧(2026年9月24日確認)

現行モデルでは、ジャズベースタイプはSJB model、プレシジョンベースタイプはSPB modelです。5号機と同仕様として販売されているSJB-602CYも型名はSJBで、価格は597,300円(税込)、通常納期は「1年〜」とされています。参考までに、2018年に島村楽器がオーダーしたJB-365Cの定価は¥394,200でした。

ルート3:信号系から近づける

楽器を替えずに試すなら、EQとDIから手をつける方法もあります。PA-1QBは52,800円(税込)で、ベース帯域に合わせた10バンドをプリセットで呼び出せます。DIにAVALON U5を使えば、2019年・2022年の両方の写真に写っている組み合わせになります。

ただし、本記事で取り上げた資料には、直井のEQ設定値は載っていません。この構成から分かるのは「どう設定したか」ではなく「何で音を管理しているか」です。複数の楽器を持ち替えるなら、メーカーが挙げている「出力レベルの個体差を揃える」使い方から試すことができます。

中古で探すときのチェックポイント

本記事では、実測にもとづく中古相場のレンジは掲載していません。個体の状態、付属品、改造の有無で価格は大きく変わるため、次の点を確認して比べてください。

  • Sonicの中古個体:ラムトリックカンパニーは創業以来、ギターとベースに4桁の製造番号(アルファベット1字を含む場合もある)を打刻しています。打刻位置はネックプレートがある楽器ならプレート上部、ない楽器ならブリッジ、ジャックプレート、バックプレートなどです。製品番号のページで製造時期を照合できますが、メーカーは「納品後にプレートの交換などが行われている可能性もあり、製作時の番号と異なってしまっている楽器もある」とも注記しています

  • ターボ・J・ベース搭載の中古:トーンノブを引いてターボがオンになるか、ターボオン時に手前側(ピックアップに近い方)のボリュームで音量が変わるかを試奏で確認します

  • ピックアップ:Sonicの年式によってはJUPITER以前のXotic製が載っている場合があります。2012年のブログではChama BlueのピックアップがXotic XP-JB1と記されていました。どのピックアップが載っているかを確認してください

  • Orange AD200B MKIII:オールバルブのアンプなので、真空管の消耗具合と直近のメンテナンス履歴を確認しておきたいところです

  • CUSTOM AUDIO JAPAN MLS-2:オカダインターナショナルでは取扱終了製品です。パッシブ構成で、電源はインジケーターの点灯用です

よくある質問

直井由文のメインベースは何ですか?

『STAGE』の2019年ツアー取材では、メインは「Fenderのカスタムショップジャズベース」(Fender Custom Shop Jazz Bass Custom Built by J.Smith、ジョイントプレートにバンドロゴ入り)と紹介されています。これは2019年8月20日の公演時点の情報です。Sonic製のベースについては、製作元のラムトリックカンパニーがJB2号機・5号機・PB(6号機)の搭載ピックアップを公開しています。

直井由文と同じ仕様のSonicは買えますか?

ラムトリックカンパニーの公式ショップに、「直井由文氏が持つ5号機と同仕様」と説明されたSonic SJB-602CY(597,300円・税込)が掲載されています(2026年9月24日確認)。そのほか、Sonicへのオーダーメイドや、ピックアップ(JUPITER Series)と回路(ターボ・J・ベース)の単体購入もできます。

ターボ・J・ベースを付けると、音は常に変わってしまいますか?

いいえ。メーカーの説明では、ターボがオフのときは「全くのノーマル(普通のジャズ・ベースと同じ)」です。トーンノブを引いたときだけ2つのピックアップが直列接続され、ハムバッキングとして働きます。プリアンプではないので電池も不要です。

アンプは何を使っていますか?

2019年のツアーでは、Orange AD200B MKIIIとOrangeのキャビネットがメイン・サブの2台用意されていました(『STAGE』とFree The Toneの写真)。2022年の幕張メッセ公演の写真では、Orange AD200B MKIIIのスタックとFender製のヘッド+キャビネットが並んでいます。

弦の銘柄やEQの設定は公開されていますか?

本記事で取り上げた『STAGE』、Free The Tone、ラムトリックカンパニーの資料には、弦の銘柄やゲージ、PA-1QBの各バンドの設定値は載っていません。そのため本記事でも記載していません。

曲ごとにどのベースを使っているか分かりますか?

『STAGE』の2019年ツアー記事には「サドウスキーの5弦のアクティブベース(『月虹』で使用)」と記載があります。音色から機種を推定する対応表は誤りが生じやすいため、本記事では作成していません。

まとめ

2019年のツアーでは、直井由文のメインベースはFender Custom Shop製のジャズベースでした(『STAGE』)。一方でSonic製のベースについては、製作元のラムトリックカンパニーが、公式ブログで3本(Chama Blue、SRB Mat Black、Chama Pink)の仕様を、JUPITERの製品ページで2号機・5号機・PB(6号機)の搭載ピックアップを公開しています。5号機と同仕様のSJB-602CYは、スペック表が公開されています。

その5号機と同じ仕様に載っているJUPITER LJB-01とSonic Turbo J.Bass 2は、どちらも単体で買えます。LJB-01セットとTJ-201(またはTJ-202)の組み合わせは税別合計48,500円です。LJB-01がSonic以外のジャズベースに取り付けられるかは、購入前にメーカーへ確認してください。ステージ側では、Orange AD200B MKIII、PA-1QBのEQ、AVALON U5のDIという組み合わせが、2019年と2022年の両方の写真に共通して写っています。

まずは手持ちのジャズベースのポット穴のサイズを確かめて、TJ-201とTJ-202のどちらが合うかを調べるところから始めてみてください。

製品の価格・仕様は変更される場合があるため、最新の情報は各メーカーの公式サイトでご確認ください。

本記事は個人の使用経験に基づく情報です。楽器・機材の使用に際しては、取扱説明書や専門家の指示に従い、安全にご注意ください。

サウンドマニア編集部

楽器の購入ガイドや基礎知識を発信するサウンドマニア編集部です。ピアノ・ギターをはじめとした楽器選びや、メンテナンス・演奏に関する実用的な情報をわかりやすくお届けします。

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