
草野マサムネの使用ギター|Sago Classic Style S・Charm Customの仕様【2026年版】
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スピッツの草野マサムネが使っているギターのうち、仕様まで公式に確認できるのは、兵庫県尼崎市の工房Sago New Material Guitars(以下Sago)が製作したストラトタイプ「Classic Style S Custom」4本と、ホロウボディの「Charm Custom」1本です。いずれもSagoのアーティストページに仕様表が掲載されています。
本記事では、Sagoの公式情報、Free The Toneが公開した2023〜24年ツアーの機材写真、本人がラジオ番組で語ったギターの話(番組を伝えるWeb記事とリスナーの記録)を出典として、草野マサムネの使用ギターとライブシステムを整理します。出典のない機材名や、楽曲の音から逆算した機材の推定は載せていません。
草野マサムネの使用ギター一覧と出典
まず、出典で確認できるギターを一覧にします。「何で確認できるか」の列が、その記述の根拠です。
ギター | 種類 | 何で確認できるか |
|---|---|---|
Sago Classic Style S Custom(4本) | ストラトタイプ | Sago公式アーティストページの仕様表 |
Sago Charm Custom | ホロウボディ | Sago公式アーティストページの仕様表、Sago公式ブログの特集記事(2019年) |
Bill Lawrence BM-1M CR | 草野マサムネ モデル | 当時のスピッツ公式サイトの説明文とスペックを引用した購入者のブログ(2009年) |
SG | ソリッド | ラジオ番組での本人発言(2022年11月13日放送)を伝えるWeb記事 |
グレッチ | エレキギター(型番不明) | ラジオ番組での本人発言(2022年2月27日放送)のリスナー記録 |
リッケンバッカーの12弦ギター | 12弦エレキギター | ラジオ番組での本人発言(2024年6月放送)のリスナー記録 |
マーチンの12弦ギター | 12弦アコースティックギター | 同上 |
トーカイのストラトキャスター | 初めて買った楽器 | スピッツ公式サイトのプロフィール |
このうち型番・仕様まで確認できるのはSagoの5本とBill Lawrence BM-1M CRです。SG、グレッチ、12弦ギターは本人の発言で存在が確認できるものの、型番は公表情報からは特定できません。
Sago Classic Style S Custom:公式に掲載された4本のストラトタイプ
Sagoの公式ブログは、Charm Customを製作する以前の状況について次のように書いています。
草野さんには、これまでSagoのストラトタイプモデルであるClassic Style Sを中心にお使い頂いておりました。
── Sago New Material Guitars「草野マサムネ Charm Custom編【アーティストモデル特集】」(2019年11月27日公開)
Sagoのアーティストページには、Classic Style S Customが4本、仕様表付きで掲載されています。掲載順に整理すると次のとおりです。
項目 | Thermo Neck | Plain Neck | 3本目 | 4本目 |
|---|---|---|---|---|
ボディ | Thermo Alder 2P | Thermo Alder 2P | Alder 2P | Thermo Alder 2P |
ネック | Dark Thermo Maple | Hard Maple | Dark Thermo Maple | Dark Thermo Maple |
指板 | Hard Maple | Hard Maple | Rosewood | Madagascar Rosewood |
ピックアップ(ネック/ミドル/ブリッジ) | BKP The Mule/Mother's Milk/The Mule | BKP The Mule/Mothers Milk/The Mule | Sago SPS-7/Sago SPS-7/Sago SPH-7 | BKP The Mule/Mothers Milk/The Mule |
ブリッジ | Gotoh GTC101 | Gotoh GTC101 | Gotoh 510TS-SF2 | Gotoh GTC101 |
コントロール | Vol+Tone+5Way SW | Vol+Tone+5Way SW | M/Vol+M/Tone+5Way SW | M/Vol+M/Tone+5Way SW |
ピックガード | Vintage White 3P | Vintage White 3P | Mint Green 3P | Mint Green 3P |
カラー | Black | Black | Custom Color | Custom Color |
フィニッシュ | Top Lacquer | Top Lacquer | Urethane | Top Lacquer |
4本とも、スケールは648mm(22フレット)、指板ラジアスは240mm、ペグはGotoh SGS510 S5、ナットはTUSQと記載されています。ピックアップ欄の「BKP」はBare Knuckle Pickupsの略で、Mother's Milkの表記(アポストロフィの有無)はSagoのページ内でも揺れているため、表では掲載どおりにしています。
Thermo Neckの1本については、同ページに「リフィニッシュを行いました!」という追記と写真があります。リフィニッシュ後の色は本文では明記されていません。
同じアーティストページの「comment」欄には、次の一文が載っています。ギターを依頼した本人の立場で書かれた文面ですが、どのギターについてのコメントかは、ページ上では特定されていません。
ハードな曲ではガツンとくるパワーコード、メロディアスな曲ではサクッと切れ味良いハーフトーン等、様々な場面に対応できる「これ1本でOK」というギターをお願いしたんですが、期待した以上のものを作っていただきました!
Sago Charm Custom:木材でサンバーストを表現したホロウボディ
製作の経緯
Charm CustomはSagoのコンセプトモデル「Charm」をベースにした1本です。Sagoの特集記事によると、打ち合わせの中でギブソンタイプのギターも弾くという話になり、Sagoがそうしたテイストのギターを1本作れないかという依頼を受けて、草野マサムネの仕様で製作したとされています。
ライブ会場へ足を運び、打合せを進める中で、ギブソンタイプのギターも弾かれるとのことで、Sagoからもそのようなテイストのものを1本作れないかとお話を頂き、草野さんの仕様でCharmを制作させて頂きました。
── Sago New Material Guitars「草野マサムネ Charm Custom編【アーティストモデル特集】」
木材だけで表現したサンバースト
Sagoの特集記事がまず特徴として挙げているのはボディトップです。ウェンジ、ボコーテ、パドゥーク、フレイムメイプルの4種類の木材を組み合わせ、塗装ではなく木材だけでサンバーストを表現しています。Sagoによれば、カタログモデルのCharm Custom Laminated Modelをもとに、木材のみでサンバーストを表現できないかと草野マサムネから提案があり、本人のラフ画をもとに2Dデザインを作成して、トップ材を切り抜いて組み合わせたとのことです。
ホロウボディとピックアップ
通常のCharmはソリッドボディですが、草野マサムネのCharm Customはホロウボディで製作されています。Sagoは、中空構造によってアコースティックな響きになるほか、軽量化にもつながると説明しています。
ピックアップは、フロントにBare Knuckle P.U. SuperMassive、リアにL(x) Custom Humbuckerを搭載して完成しました。その後、フロントをBare Knuckle Pickups SuperMassive Humbucker sized P-90(ハムバッカーサイズのP-90)に交換しています。アーティストページには、フロントピックアップの交換とあわせて、ウレタングロスにリフィニッシュしたことも注記されています。
項目 | Sago Charm Custom(アーティストページ掲載の仕様) |
|---|---|
ボディ | Honduras Mahogany 2P(ホロウ) |
トップ | laminated Top[Wenge, Bocote, Padauk, Flame Maple] |
ネック | Honduras Mahogany |
指板 | Honduras Rosewood |
スケール | 628mm(22F) |
指板ラジアス | 305mm |
ペグ/ナット | Gotoh SGS510 A01/Oiled Bone |
ピックアップ | ネック:Bare Knuckle P.U. SuperMassive/ブリッジ:L(x) HB(完成・撮影後、フロントのみBare Knuckle Pickups SuperMassive Humbucker sized P-90に交換) |
ブリッジ | Gotoh Ti104B/GE101A |
コントロール | Volume+Tone+Toggle SW |
カラー/フィニッシュ | Natural[Custom Color]/Oil finish(完成・撮影後、ウレタングロスにリフィニッシュ) |
Sagoの特集記事は、ボディを薄く小ぶりにしてカッタウェイを広くとり、ハイポジションを弾きやすくしたことをCharmの特徴に挙げています。そのうえで、2019年当時のライブでは「涙がキラリ☆」の歌の合間のギターをCharm Customで聴くことができると紹介しています。
Bill Lawrence BM-1M CR:草野マサムネ モデル
Bill LawrenceからはBM-1M CRという「草野マサムネ モデル」が出ていました。このギターを購入した人のブログ(2009年)に、当時のスピッツ公式サイトの説明文とスペックが引用として掲載されています。同じブログで購入者は、スピッツ結成20周年に際して本人が実際に使用しているものと同じ仕様で作られたギターで、予約による期間限定の受注生産だったと書いています。
項目 | BM-1M CR(当時の公式スペックの引用による) |
|---|---|
ボディ | アルダー(ムスタングタイプのシェイプ) |
ネック | ローズウッド指板/メイプルネック |
フレット・スケール | 22F/648mm |
ピックアップ | フロント:John Suhr製シングルコイル/リア:Tom Holmes 450 |
コントロール | 1-VOLUME/PICK-UP SELECTOR:3WAY+COAXIAL TAP SYSTEM |
カラー | Traditional Cream |
付属品 | WITH HARD CASE |
発売時価格 | 262,500円(税込、税抜250,000円) |
引用された説明文には、ヘッドストックはモリダイラ側から提案されたものを本人が自ら図面を引いたデザインだという記述もあります。
本人がラジオで語ったギター:SG・グレッチ・12弦
草野マサムネは、パーソナリティを務めるラジオ番組『SPITZ 草野マサムネのロック大陸漫遊記』(TOKYO FMほか)で、ギターの機種をテーマにした回を放送しています。そこで語られた自身のギターの話を紹介します。
SG:「新しい相棒の1人」
2022年11月13日放送の「ギブソンSG使いで漫遊記」回で、本人はSGとの関わりを次のように振り返っています。上京後、ベースの田村明浩の部屋にあった白いSG(グレコのコピーモデルだったと思う、と本人)が最初に触ったSGだったかな、ということ。「1993年頃かな?」という時期に緑色のSGを衝動買いし、『空の飛び方』のツアーなどで弾いていたと思うこと。そのSGは後に友人に譲ったこと。
10年ぐらい前に螺鈿職人の友達がいまして、彼になんか細工してもらおうと思って、ギターに。SGのボディって面が広いので色々細工しやすいかなって思って買ったんですよね、そのときに。で、なんとなく弾いてたら、凄い弾き易いし音も良いから、それきっかけにここ最近、『醒めない』のアルバムの頃からかな? また使うようになってきて、今はもう本当に新しい相棒の1人という感じなんですけども
── COCONUTS「スピッツ草野マサムネ、メンバーの家で運命の出会い!?」(2022年11月14日)
現在使っているSGのメーカーや型番は、この発言からは特定できません。
グレッチ:「みなと」で初めて録音に使ったギター
2022年2月27日放送の「グレッチ使いのギタリストで漫遊記」回を聴いたリスナーの記録によれば、本人は「みなと」を紹介する際に「この曲はスピッツの曲で最初にグレッチを使って録音した曲です!ライブでもずっとグレッチで演奏しています。」と話したとされます。グレッチを弾いてみたいと思ったきっかけはBLANKEY JET CITYの浅井健一のプレイで、その後ポール・マッカートニーのライブでブライアン・レイが弾いていたギターの見た目に惹かれた、という話も記録されています。モデルについては「ミントグリーンのアニバーサリーというモデル」と記録されていますが、正式な型番までは確認できません。
リッケンバッカーとマーチンの12弦ギター
2024年6月放送の「12弦ギターで漫遊記」回のリスナー記録によれば、本人は「ロビンソン」がヒットしたときに何か楽器を買おうと考え、12弦ギターを持っていなかったことから、リッケンバッカーの12弦ギターを最初に買ったと語ったとされます。それまではレコーディングで使うときにレンタル屋さんで借りていたそうです。また、放送中に弾いていたマーチンの12弦アコースティックギターは、買ってから25年くらいになると話したと記録されています。
同じ回では、スピッツにも12弦ギターを使った曲が結構あるとして「旅の途中」「スカーレット」の名前が挙がったと記録されています。「空も飛べるはず」については、12弦ギターの曲として名前が浮かぶものの、6弦ギターを重ねるなど試行錯誤して録ったため、純粋な12弦ギターの音ではないかもしれない、という趣旨の話があったとされます(記録によって細部の表現は異なります)。
最初に買った楽器はトーカイのストラトキャスター
スピッツ公式サイトのプロフィールには、草野マサムネの「初めて買った楽器」として「トーカイのストラトキャスター」と記載されています。影響を受けたミュージシャンとして挙げられているのはチープ・トリックです。
2023〜24年ツアーのライブシステム(Free The Tone公開写真より)
ギター周辺のシステムについては、Free The Toneが2024年4月18日に「SPITZ JAMBOREE TOUR '23-'24 “HIMITSU STUDIO”」で使用された草野マサムネの機材を写真で公開しています。テキストによる機材リストはなく、以下は公開写真に写っている機器を、本体の表記が読み取れる範囲で整理したものです。
ラック
SHURE AD4D(ワイヤレスレシーバー)×2台
Free The Tone製の4チャンネル・インプットセレクター(銘板に「S/N FC-410 INPUT SELECT…」「MASAMUNE KUSANO」「MAY. 2023」、チャンネルには「SB」「45」「EG」「EG」のラベル)
KEMPER Profiling Amplifier(ディスプレイに「2023 CRUNCH GR WL」の表示)と、その下段にKEMPERのラック型ユニット
足元
Free The Tone製のスイッチングシステム(プリセットのラベルは「CLEAN」「CRUNCH」「DRIVE」「SOLO」「8823 FB」「さらさら」、ほかに「MUTE」)
DigiTech FreqOut
Sonic Research Turbo Tuner ST-200
Peterson StroboStomp
Free The Tone CUSTOM SHOP製の2チャンネル・フットスイッチ(「CH1 SB」「CH2 45」のラベル)
公開写真に写っているのは上記のとおりで、写真の範囲にギターアンプのキャビネットやコンパクトの歪みペダルは写っていません。スイッチャーのプリセット名には、「8823」「さらさら」というスピッツの曲名と同じ語を含むものもあります。なお、各機器の接続順は公開されていないため、本記事では信号経路の図は載せていません。
楽曲と使用ギターの対応(出典があるものだけ)
楽曲 | ギター | 出典 |
|---|---|---|
涙がキラリ☆(ライブ) | Sago Charm Custom | Sago公式ブログ(2019年) |
みなと | グレッチ(スピッツで最初にグレッチで録音した曲) | ラジオ(2022年2月27日放送)のリスナー記録 |
空も飛べるはず(レコーディング) | 6弦ギターの重ね、12弦ギター(純粋な12弦の音ではないかもしれないとの話) | ラジオ(2024年6月放送)のリスナー記録 |
旅の途中、スカーレット | 12弦ギターを使った曲として言及 | 同上 |
ここに載せていない曲について、どのギターを使ったかを示す出典は確認できていません。ライブやMVで弾いているギターが、レコーディングで使われたギターと同じとは限らない点にも注意してください。
同じモデルを探すときの手がかり
SagoのCharm Customは、Sagoの特集記事によれば「草野さんの仕様で」製作された1本です。Sagoは、ベースになったCharmを同社のConcept Modelの一つ、Classic Style Sを同社のストラトタイプモデルとして紹介しています。仕様を参考にする場合は、本記事の仕様表が手がかりになります。
Bill Lawrence BM-1M CRは期間限定の受注生産だったとされるモデルで、2026年9月25日にデジマートで検索した時点の掲載は1件(売却済みを含む)で、相場を示せる件数に届かないため、本記事では実測にもとづく相場レンジを掲載していません。購入を検討する場合は、発売時の仕様に記載のあるハードケースの有無と、ピックアップが発売時の仕様(John Suhr製シングルコイル/Tom Holmes 450)のままかを、出品情報で確認してください。
よくある質問
草野マサムネのメインギターは何ですか?
公式に「メイン」と規定されたギターは確認できません。Sagoの公式ブログは、Charm Custom製作以前は同社のClassic Style Sを中心に使っていたと書いており、同社のアーティストページにはClassic Style S Custom 4本とCharm Customの仕様が掲載されています。
Charm Customのピックアップは何ですか?
Sagoによれば、フロントにBare Knuckle P.U. SuperMassive、リアにL(x)のハムバッカーを載せて完成し、その後フロントをBare Knuckle Pickups SuperMassive Humbucker sized P-90に交換しています。
ライブではどんなアンプを使っていますか?
Free The Toneが公開した2023〜24年ツアーの機材写真では、ラックにKEMPER Profiling Amplifierが収められています。ほかのツアーの構成は、公開情報からは確認できていません。
最初に買ったギターは何ですか?
スピッツ公式サイトのプロフィールには、初めて買った楽器として「トーカイのストラトキャスター」と記載されています。
まとめ
草野マサムネのギターで仕様まで公式に確認できるのは、Sago製のClassic Style S Custom 4本とCharm Customです。Charm Customについては、木材だけでサンバーストを表現したトップが本人の提案から生まれたことや、ホロウボディで製作されたことを、Sagoが特集記事で詳しく紹介しています。
一方で、SG、グレッチ、リッケンバッカーやマーチンの12弦ギターは本人の発言から存在が分かるものの、型番までは公表されていません。2023〜24年ツアーの公開写真には、KEMPER、Free The Toneのスイッチャーとインプットセレクター、SHUREのワイヤレスレシーバーなどが写っています。
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サウンドマニア編集部
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