
押尾コータローの使用ギター|Grevenの押尾モデル【2026年版】
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押尾コータローのメインギターとして確認できるのは、Greven Guitars Japan(グレーベン・ギターズ・ジャパン)の押尾モデルです。2022年のインタビューでメインのギターを尋ねられた本人が挙げたのがこのブランドで、2024年4月のライブでも同ブランドのOshio-DC HRとOshio-DC BRの2本が使われました。
この記事では、押尾モデルのスペック、ライブで使われたピックアップ・プリアンプ・エフェクター・弦、中古で押尾モデルを探すときに確認したい点を、メーカー公式ページと専門誌の機材取材をもとに整理しました。
この記事でわかること
押尾コータローのメインギター(Greven Guitars Japanの押尾モデル)の仕様
2024年のライブで確認されたピックアップ・プリアンプ・エフェクター・弦の構成
押尾モデルを中古で探すときに確認したいポイント
シグネチャーモデル以外で押尾サウンドの方向性に近づく方法
押尾コータローのプロフィールと演奏スタイル
押尾コータローは大阪府吹田市で生まれ育ったアコースティックギタリストです。京都新聞のインタビューによれば、中学の頃にフォークに惹かれてアコースティックギターに触れ、フィンガーピッキングの草分けとされる中川イサトのギター教室でレッスンを受けました。
2002年7月10日にアルバム『STARTING POINT』でメジャーデビューし、同年10月には全米デビューも果たしています。デビュー時は34歳でした。公式サイトの経歴には、スイスの「モントルージャズフェスティバル」に2002年から3年連続で出演したことが記されています。
公式サイトは演奏スタイルを「オープンチューニングやタッピング奏法などのテクニックを駆使」したものと紹介しています。アコースティック・ギター・マガジンWEBの機材取材では、ボディ・ヒットやタッピングを駆使し、オープン・チューニングを多用するスタイルと説明されています。
押尾コータローのメインギターはGreven Guitars Japan
2022年10月公開のTHE FIRST TIMESのインタビューで、メインで使っているギターを尋ねられた押尾コータローは「“Greven Guitars Japan”ですね」と答えています。もともとは米国の“Greven Guitars”を使っており、製作者のジョン・グレーベンの設計・監修のもとで日本製作のブランドが立ち上がった経緯も本人が語っています。
2024年4月のライブで使われた2本(Oshio-DC HR/Oshio-DC BR)
アコースティック・ギター・マガジンWEBは、2024年4月29日にビルボードライブ東京で行われた同誌の通巻100号記念ライブで、押尾が使用した機材を取材しています。同記事によれば、押尾は曲ごとに違うチューニングや弦の寿命、ギターの疲労を考慮してライブでは複数のギターを持ち替えており、この日のステージには次の2本が用意されました。
項目 | Oshio-DC HR | Oshio-DC BR |
|---|---|---|
ブランド | Greven Guitars Japan | Greven Guitars Japan |
トップ材 | ルッツ・スプルース | 取材記事に記載なし |
サイド&バック材 | ホンジュラス・ローズウッド | ブラジリアン・ローズウッド |
ネック/指板 | マホガニー/エボニー | 取材記事に記載なし |
ピックアップ | SUNRISE製マグネティック+TRIAL RAPTOR SYSTEMのピエゾ | 取材記事に記載なし |
この日の使用曲 | 「オシ・オキ Time」「スペイン」「リベルタンゴ」「Together!!!」「My Way」 | 「Destiny」「ボレロ」、渡辺香津美「UNICORN」のカバー |
アコースティック・ギター・マガジンWEB「押尾コータローの壮麗なライブ・サウンドを生み出す、ギター&音響機材」をもとに編集部作成
Greven Guitars Japanの押尾モデルのラインナップと仕様
Greven Guitars Japanは、株式会社エースケー(ace-K)が企画・販売するブランドです。同社は、ジョン・グレーベン氏から認可された世界で唯一のOEMブランドだと説明しています。押尾のためにグレーベン自身が設計・監修した“New Oshio-D”は、2016年12月にリリースが告知されました。
エースケーの製品ページでは、ホンジュラス・ローズウッドとインディアン・ローズウッドの2機種に、それぞれノンカッタウェイとカッタウェイが用意されています(Oshio-D HR/Oshio-DC HR/Oshio-D IR/Oshio-DC IR)。カッタウェイモデル2機種の主な仕様は次のとおりです。
項目 | Oshio-DC HR | Oshio-DC IR |
|---|---|---|
トップ | Solid AAA Lutz Spruce | Solid AAA Lutz Spruce |
サイド&バック | Solid Honduras Rosewood | Solid Indian Rosewood |
ネック | Dovetail Joint/14F | Dovetail Joint/14F |
指板 | Ebony/20F/Bird Inlay MOP | Ebony/20F/Bird Inlay MOP |
ブレーシング | Original X | Original X |
スケール | 645mm | 645mm |
ナット幅 | 44.45mm(Bone) | 44.45mm(Bone) |
ボディ厚 | 98.5mm〜121.0mm | 98.5mm〜121.0mm |
ピックアップ | None | None |
弦 | Everlast Coated Phosphor Bronze | Everlast Coated Phosphor Bronze |
株式会社エースケー「Oshio-DC HR」「Oshio-DC IR」製品ページの「主な仕様」から抜粋
2024年のライブで使われたOshio-DC HRにはマグネティックとピエゾが搭載されていましたが、エースケーの製品ページに掲載されている押尾モデルは、仕様欄のピックアップが「None」です。押尾の実機と同じ出力系統ではない点に注意してください。
デビュー前から使うGreven/Model-Jと復刻モデル「Oshio-J Tribute」
エースケーは、押尾がデビュー前から愛用しているGreven/Model-Jを、デビュー20周年を記念して「Oshio-J Tribute」として復刻しました。本人所有のギターを実測して製作したモデルで、2022年12月31日までの期間限定・完全受注生産でした。
項目 | Oshio-J Tribute |
|---|---|
価格 | 700,000円(税別) |
トップ | Solid AAA Lutz Spruce |
サイド&バック | Solid Flame Maple |
ネック | Mahogany 1P |
スケール | 630mm |
ナット幅 | 45.0mm(Bone) |
ボディ厚 | 91.0mm〜111.0mm |
ピックアップ | None |
弦 | D’Addario EJ-16 |
株式会社エースケー「Oshio-J Tribute」製品ページの「主な仕様」から抜粋
Oshio-DC系がスケール645mm・ナット幅44.45mmなのに対し、Oshio-J Tributeはスケール630mm・ナット幅45.0mmで、ボディ厚も91.0mm〜111.0mmと薄く設計されています。同じ押尾モデルでも基本仕様が異なる点は押さえておきましょう。
押尾コータローのライブ機材|ピックアップ・プリアンプ・エフェクター・弦
ここからは、アコースティック・ギター・マガジンWEBが2024年4月29日のビルボードライブ東京公演で取材した機材構成を紹介します。会場や時期によって構成が変わる可能性がある点はご留意ください。
ピックアップ:SUNRISEのマグネティックとTRIAL RAPTOR SYSTEMのピエゾ
Oshio-DC HRには、SUNRISE製のマグネティック・ピックアップと、TRIALのRAPTOR SYSTEMのピエゾが搭載されています。ギターからはピエゾ信号とマグネティック信号の2系統が出力されます。
RAPTOR SYSTEMを扱うエースケーのサイトには、押尾本人のコメントが掲載されています。押尾は“RAPTOR SYSTEM”について音の再現力を評価し、低域に加えて高域のタッピングハーモニクスが美しいと述べたうえで、「押尾コータローの曲を弾くのであればこのピックアップシステムはおススメですね」とコメントしています。
ステージ上のシステム:DI/A/Bスイッチャーと2chプリアンプ
押尾の立ち位置後方に置かれたシステムは次の4点です。ギターからの2系統の信号はDI/A/Bスイッチャーに入り、2チャンネルのプリアンプを経由してPA卓へ送られます。
機材 | 種類 | 取材記事での説明 |
|---|---|---|
TRIAL/RAPTOR & New Old-D.I. | DI/A/Bスイッチャー | ピエゾとマグネティックの2系統を受ける。ギター交換時などに使うミュート機能を搭載し、ギター・テックがステージ袖から外部スイッチで操作できる |
Rupert Neve Designs/5012 Duo Mic Pre | プリアンプ | 2チャンネルのプリアンプとして信号をPA卓側へ送る |
KORG/Pitchblack Portable | チューナー | — |
Vital Audio/VA-05 Mk-II | パワーサプライ | 持ち回りやすい小型モデル。ユニバーサル電源のため海外でも使用 |
アコースティック・ギター・マガジンWEB(2024年4月29日公演の取材)をもとに編集部作成
同記事によれば、通常のソロ・ライブでは、パワーサプライとしてエバ電子による特別仕様のマルチ電源ユニットを使用しています。
エフェクター:PA卓の脇でエンジニアが操作
ディレイやリバーブなどのエフェクターは、PA卓の脇に設置され、楽曲に応じてエンジニアが操作しています。
機材 | 種類 | 使い方 |
|---|---|---|
T.C. Electronic/D-TWO | ディレイ | 3Uラックにマウント。曲ごとに細かく設定 |
Lexicon/MPX 500 | マルチ・エフェクター | 3Uラックにマウント。リバーブとして使用し、曲ごとに細かく設定 |
ZOOM/9200 | リバーブ | 3Uラックにマウント。曲ごとに細かく設定 |
Eventide/H9 | マルチ・エフェクター | 普段はオクターバーやコーラスとして使用。この日は「Together!!!」でマグネティックの信号にコーラスをかけた |
アコースティック・ギター・マガジンWEB(2024年4月29日公演の取材)をもとに編集部作成
PAでの音作り:ピエゾの信号を2つに分ける
アコースティック・ギター・マガジンWEBの記事が注目点として挙げているのが、ピエゾからの信号を分岐してPAに送っている点です。ボディ・ヒットの音にフォーカスする系統と、弦のサウンドにフォーカスする系統とで、EQを変えています。
ボディ・ヒット用の系統:バス・ドラムのようなサウンドにするため低域にフォーカスしたEQ。リバーブはかけていない
もう一方の系統:ボディ・ヒットの低音部をカットし、ギターらしい帯域にフォーカス
テンポの速い曲などで高音弦がピーキーに鳴るときだけ高音域を圧縮するため、ボーカルの歯擦音に使うプラグイン(DeEsser)をかける
この日の押尾のライブサウンドは、ボディ・ヒットの音をバス・ドラムのような音として聴かせる処理も含め、ピックアップとPA側の処理を組み合わせて作られていたことがわかります。
弦:Ernie Ball Everlast Medium Light(.12〜.54)
2024年4月のライブで使われた2本は、どちらもErnie BallのEverlastが張られており、ゲージはMedium Light(.12〜.54)でした。エースケーの製品ページでも、Oshio-DC系の仕様欄の弦は「Everlast Coated Phosphor Bronze」と記載されています。
押尾モデルを中古で探すときの確認ポイント
押尾に関連するGrevenのギターには、Greven Guitars Japanの押尾モデル(Oshio-D/Oshio-DCのHR・IR、Oshio-DC BR、Oshio-J Tribute)があります。中古楽器店の在庫には、販売店が米国のGreven Guitars製と説明している個体も見られます。モデル名が似ていても仕様が違うため、次の点を確認してから比較してください。
① ブランド(Greven GuitarsかGreven Guitars Japanか)
Greven Guitars Japanは、グレーベンの設計・監修のもと日本で製作されるブランドです。米国のGreven Guitarsはグレーベン本人の工房製で、押尾本人も「自宅の工房で1本1本作っている」ため本数が足りないと語っています。出品表記にどちらのブランドかが明記されているかを確認しましょう。
② モデル名とサイド&バック材の組み合わせ
Greven Guitars JapanのOshio-D系は、末尾の「HR」がホンジュラス・ローズウッド、「IR」がインディアン・ローズウッドを示し、「DC」はカッタウェイ仕様です。2024年のライブで使われたOshio-DC BRは、サイド&バックにブラジリアン・ローズウッドを採用したモデルです。出品のモデル名と、記載されている材が公式仕様と一致しているかを照合してください。
③ ピックアップの有無と種類
エースケーの製品ページに掲載されている押尾モデルは、仕様欄のピックアップが「None」です。ピックアップが付いている個体では、搭載品のメーカーと方式、取り付けた店舗の記録があるかを確認しましょう。押尾と同じ構成を目指すなら、マグネティックとピエゾの2系統かどうかも確認ポイントです。
④ 製造年
Greven Guitars Japanの“New Oshio-D”は2016年12月にリリースが告知されました。Oshio-J Tributeは2022年12月31日までに受けた予約分だけを製作し、2023年8月頃から予約順に届ける予定とされていたモデルです。出品の製造年がこの時期と矛盾していないかも確かめてください。
中古価格について
2026年9月28日に楽器検索サイトのJ-Guitarで「Greven Oshio」を検索したところ、表示は11件で、販売店が米国製と説明する個体と日本製の個体、受注生産の新品が混在していました。比較できる件数が少ないため、本記事では実測にもとづく相場レンジを掲載していません。参考になる公式価格としては、Oshio-J Tributeが700,000円(税別)で受注されていました。購入を検討する際は、上記の①〜④で仕様をそろえたうえで、複数の店舗の掲載価格を比べてください。
シグネチャーモデル以外で押尾サウンドに近づくには
手持ちのギターで押尾の音作りに近づけたい場合は、押尾本人が使っている周辺機材から取り入れる方法があります。
ピックアップをRAPTOR SYSTEMにする
押尾がライブで使うTRIALのRAPTOR SYSTEMは、エースケーの製品ページで現在2モデルに販売価格が掲載されています(2026年9月28日確認)。どちらも“ボディーマイク”と名付けられた圧電式ピックアップ、内蔵プリアンプ、外部プリアンプを基本構成とするデュアルピックアップシステムで、RAPTOR SYSTEM-EQは外部プリアンプにイコライザーを搭載したモデルです。
モデル・タイプ | 販売価格(税別) | 組み合わせ |
|---|---|---|
RAPTOR SYSTEM-2 Type Mg | 175,000円 | マグネットPUと組み合わせるモデル(マグネットPUは別売) |
RAPTOR SYSTEM-2 Type Sp | 190,000円 | アンダーサドルピエゾとのデュアル仕様 |
RAPTOR SYSTEM-EQ Type Mg | 205,000円 | マグネットPUと組み合わせるモデル(マグネットPUは別売) |
RAPTOR SYSTEM-EQ Type Sp | 220,000円 | アンダーサドルピエゾとのデュアル仕様 |
株式会社エースケー「RAPTOR SYSTEM-2」「RAPTOR SYSTEM-EQ」製品ページより
いずれもシステムでの販売のみで、注文時にギターを預け、セットアップした状態で届く仕組みです。マグネティックとピエゾの2系統で出力する押尾と同じ考え方の構成にするなら、マグネットPUと組み合わせるType Mgが該当します。なお、エースケーによれば初代のRAPTOR SYSTEMは2023年10月18日にRAPTOR SYSTEM-2へモデルチェンジしており、押尾がライブで使う個体がどのモデルかは、取材記事には書かれていません。
弦をEverlastのMedium Lightにする
ギター本体を替えずに取り入れられるのが、押尾がライブで使っているErnie Ball EverlastのMedium Light(.12〜.54)です。ただし、同じ機材をそろえても奏者のタッチで音は大きく変わります。機材は方向性を近づける手段と考え、奏法の練習と並行して取り入れてください。
押尾本人が講師を務めたNHKのテキストで練習する
2013年4月1日から、NHK教育テレビの『趣味Do楽』で、押尾が講師を務める講座「押尾コータローのギターを弾きまくロー!」の放送が始まりました。テキストはNHK出版から2013年3月29日に発売されています。
テキストの編集者のブログによれば、講座のメインテーマは映画『戦場のメリークリスマス』のテーマ曲「Merry Christmas Mr.Lawrence」を弾けるようになることでした。テキストには押尾監修のもと再構成されたショートバージョンが掲載され、ギターを始めたばかりの人でも最終的にたどり着けるよう構成が工夫されたとしています。
よくある質問(FAQ)
Q. 押尾コータローがメインで使っているギターは?
2022年のインタビューで、本人はメインのギターとしてGreven Guitars Japanを挙げています。2024年4月のビルボードライブ東京公演では、同ブランドのOshio-DC HRとOshio-DC BRの2本が使われました。
Q. 押尾コータローが使っている弦は?
2024年4月のライブでは、2本ともErnie Ball EverlastのMedium Light(.12〜.54)でした。
Q. 「押尾コータローのギターを弾きまくロー」とは?
2013年4月1日からNHK教育テレビの『趣味Do楽』で放送された、押尾本人が講師を務めるギター講座のタイトルです。NHK出版からテキストも発売されました。
Q. ボディを叩く音はどうやってスピーカーから出している?
2024年のライブでは、ピエゾの信号を分岐させ、片方をボディ・ヒット用として低域中心のEQでバス・ドラムのような音に整えていました。もう一方はボディ・ヒットの低音部をカットし、ギターらしい帯域に絞っています。
まとめ|押尾コータローのギターと機材の要点
メインギター:Greven Guitars Japanの押尾モデル。2024年4月のライブではOshio-DC HRとOshio-DC BRの2本を使用
ピックアップ:SUNRISE製マグネティック+TRIAL RAPTOR SYSTEMのピエゾの2系統。エースケーの製品ページに掲載の押尾モデルはピックアップなしの仕様
ステージ上:RAPTOR & New Old-D.I.とRupert Neve Designs 5012 Duo Mic Pre。ディレイやリバーブはPA卓脇でエンジニアが操作
弦:Ernie Ball Everlast Medium Light(.12〜.54)
中古で探すなら:ブランド、モデル名と材、ピックアップの有無、製造年を公式仕様と照合する
押尾のサウンドは、ギター本体、2系統のピックアップ、PA側の処理、そして奏法の組み合わせで成り立っています。自分の予算に合わせて、弦やピックアップなど取り入れやすいところから試してみてください。
本記事は個人の使用経験に基づく情報です。楽器・機材の使用に際しては、取扱説明書や専門家の指示に従い、安全にご注意ください。
サウンドマニア編集部
楽器の購入ガイドや基礎知識を発信するサウンドマニア編集部です。ピアノ・ギターをはじめとした楽器選びや、メンテナンス・演奏に関する実用的な情報をわかりやすくお届けします。


