
INORANの使用ギター|Fenderシグネチャー・ジャズマスターの系譜【2026年版】
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INORANのメインギターは、フェンダーのシグネチャー・ジャズマスターです。フェンダーミュージックは2025年2月の新モデル発表で、シグネチャーのジャズマスターを「INORANのメインギターとして愛され続けてきた」と紹介しています。2011年の「INORAN JAZZMASTER #1 LTD」を皮切りに、Custom Shop製・ROAD WORN・日本製と展開が続き、2025年2月21日には「INORAN Jazzmaster Desert Sand」の受注が始まりました。フェンダー以前には、1997年と2005年にESPからシグネチャーモデルが出ています。本記事では、フェンダーとグレッチの公式インタビュー、ギター・マガジン編集の機材ページ、楽器店の商品ページをもとに、シグネチャーモデルの系譜、ジャズマスター以外の所有ギター、エフェクターボードの実機構成を整理します。
INORANの使用ギターの全体像
フェンダーとの契約について、フェンダー公式記事のプロフィール欄は「2010年にはFenderとパートナーシップ契約を締結し、翌年に日本人アーティスト初のシグネイチャーモデル「INORAN JAZZMASTER #1 LTD」を発売」と記しています。なお同じ発表の本文には「2009年にFenderアーティストとして契約して以来」という表記もあり、契約年の書き方は記事の箇所によって異なります(出典:FenderNews、2025年2月21日)。
公開情報から確認できるINORANの機材は、次のように整理できます。
ギター:フェンダーのシグネチャー・ジャズマスター群が主軸。ほかに本人所有の1959年製ジャズマスター、フェンダーのStarcasterとLa Cabronita、グレッチ4本(2022年4月時点)
アンプ:ソロ活動でメインに使う機材として、Fender Super Sonic(2017年4月のイベント時点)
エフェクター:2014年に撮影されたLUNA SEA用とソロ用のボード、アコースティック・セット用のボードで構成が異なる
フェンダーのシグネチャー・ジャズマスター──2011年から2025年までの系譜
フェンダー公式の記事は、プロフィール欄でシグネチャーモデルの発売年とモデル名を示しています。以下は、その記載と本人インタビューでの言及をまとめた年表です。公式の記述は「など多くのシグネイチャーモデルが発売されています」という形なので、この表がすべてを網羅しているとは限りません。
年 | モデル名 | ライン | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
2011年 | INORAN JAZZMASTER #1 LTD | Fender Custom Shop | ブラックの1号機。本人所有の1959年製ジャズマスターがモチーフ |
2013年 | INORAN JAZZMASTER #2 LTD, Masterbuilt by Dennis Galuszka | Fender Custom Shop | ホワイトの2号機。「初号器とは真逆のイメージ」がコンセプト |
公式プロフィールに記載なし | INORAN JAZZMASTER #3 LTD | Fender Custom Shop | ブルーの3号機。本人が「3機のシグネイチャーモデル」の1本として言及 |
2015年 | INORAN ROAD WORN JAZZMASTER | 記載なし | プロフィール欄に発売年とモデル名が記載 |
2017年 | INORAN ROAD WORN JAZZMASTER 20th anniv. Edition | 記載なし | ソロ活動20周年記念。イケベ楽器店の独占販売モデル |
2019年 | INORAN JAZZMASTER | Made in Japan | #1 LTDのスペックを基に日本製ラインで再現 |
2025年 | INORAN Jazzmaster Desert Sand | Fender Custom Shop | 1950年代後期のプロトタイプがベース。フェンダーのシグネチャーで初のハムバッカー搭載 |
出典:FenderNews(2025年2月21日・22日)の本文とプロフィール欄、Gretsch Guitars Japan(2022年4月7日)のプロフィール欄、Fender公式の製品ページ、イケベ楽器店のイベントレポート
INORAN JAZZMASTER #1 LTD──モチーフは本人所有の1959年製
2011年に完成した初号機のモチーフは、INORANが所有する1959年製のジャズマスターです。アルダー・ボディ、スラブ貼りローズウッド指板、ゴールドのアノダイズド・ピックガードといった1959年製の特徴的な仕様を継承しています。製作はジャガーとジャズマスターを得意とするフェンダー・カスタム・ショップのマスタービルダー、デニス・ガルスカで、ピックアップはマイケル・フランク・ブラウンが手がけたビンテージ・タイプです(出典:デジマート・マガジン掲載のギター・マガジン『INORAN』機材ページ、2015年3月20日)。
INORAN本人は「その可能性を知りたくて、ソロアルバム『Teardrop』はそのギター1本で作ったんです」と語っています(出典:FenderNews「Signature Model Interview | INORAN -前編-」、2025年2月22日)。
#2 LTDと#3 LTD──本人は「兄弟っぽい」と表現
2013年の#2 LTDは「初号器とは真逆のイメージのギター」というコンセプトで製作されました。ホワイト・フィニッシュ、パーロイド・ピックガード、ヘヴィなレリック加工が特徴です。ウッド・マテリアルとピックアップは#1と同一で、INORANが所有する1959年製ジャズマスターを計測して再現したネック・グリップ、細くて低いフレット、アールの強い指板も#1から継承されています(出典:デジマート・マガジン、2015年3月20日)。
ブルーの3号機「INORAN JAZZMASTER #3 LTD」は、本人がインタビューで1号機・2号機と並べて挙げているモデルです。INORANはこの3本の関係を「兄弟っぽい」と表現し、「長男が絶対に偉いわけでもないし、次男、三男が完成されているわけでもない」「たまに三男がボーンって飛び抜けることもある」と語っています(出典:FenderNews、2025年2月22日)。
ROAD WORN系と日本製INORAN JAZZMASTER
2015年にINORAN ROAD WORN JAZZMASTER、2017年にソロ活動20周年を記念したINORAN ROAD WORN JAZZMASTER 20th anniv. Editionが発売されています。20th anniv. Editionはイケベ楽器店の独占販売モデルで、2017年4月15日には秋葉原CLUB GOODMANで購入者限定のイベントが開かれました(出典:イケベ楽器店「INORAN Meet & Greetのイベント・レポート」)。
2019年には、#1 LTDを日本製ラインで再現した「INORAN JAZZMASTER」が登場しました(出典:Gretsch Guitars Japan、2022年4月7日のプロフィール欄)。日本製のINORAN JAZZMASTERについて、フェンダー公式の製品ページはネックシェイプを「Inoran's 1959 Jazzmaster "C"」、ピックガードを1プライのゴールド・アノダイズド・アルミニウムと記載しています。ピックアップはAmerican Vintage '65 Single-Coil Jazzmasterが2基で、テールピースにはBuzz stopが付きます(出典:Fender公式「Inoran Jazzmaster」製品ページ)。
INORAN Jazzmaster Desert Sand──2025年発表のモデル
2025年2月21日に受注を開始したDesert Sandは、フェンダーの発表では「1950年代後期に開発されたジャズマスターのプロトタイプをベースに設計」されたモデルです。インタビュー記事のリードは、ベースを1958年製のプロトタイプとしています。INORANによれば、ヴィンテージを扱う楽器店のサイトでたまたま見つけた1,000万円超の個体が原型で、「市場に出ているのはその1本ぐらいで、フェンダー社にも実機は残っていないらしい」とのことです。当時のスタッフや資料を「参考にしているらしい」ものの、当時とそっくりそのままではないとも語っています(出典:FenderNews、2025年2月22日)。
項目 | 内容 |
|---|---|
ネック | メイプル1ピースネック(フェンダーの発表では「シグネイチャーモデルとしては初めて」) |
ヘッドストック | ストラトキャスターのヘッドストック |
ボディカラー | デザート・サンド(1950年代中期のジャズマスター開発初期に用いられた色) |
ピックアップ | カーティス・ノヴァクが独自に設計したワイドレンジハムバッカー |
初号機からの継承仕様 | Buzz-Stopの標準装備/プリセットスイッチの向きを90°反転 |
受注開始日 | 2025年2月21日 |
市場想定売価 | Masterbuilt 1,430,000円(税込)/Teambuilt 968,000円(税込) |
製品受渡時期(発表時) | Masterbuilt 2026年9月頃/Teambuilt 2025年11月頃 |
出典:FenderNews「INORAN(LUNA SEA)の新シグネイチャーモデルがFender Custom Shopから登場。」(2025年2月21日)の本文と製品概要
大きな変化はピックアップです。INORANは発表時のコメントで「これまでのシングルコイルと異なり、ハムバッカーピックアップを搭載しているので、ステージでも、よりパワーが必要なシーンで愛用しています」と述べています(出典:FenderNews、2025年2月21日)。インタビューでは「ハムバッカーでハイゲインに対応できるJazzmasterを作りたい」という狙いを語り、カーティス・ノヴァクにピックアップを「3回ぐらい作り直してもらった」と明かしました。開発には3年ほどかかったとのことです(出典:FenderNews、2025年2月22日)。
Buzz-Stopの標準装備とプリセットスイッチの90°反転は、初号機から引き継がれた仕様です。フェンダーの発表は、これによってINORANのコードストロークやアルペジオでも「ブリッジからの弦落ちやスイッチの誤動作の問題を解消」していると説明しています(出典:FenderNews、2025年2月21日)。
発売前からステージでも使われていました。INORANは「去年、全国41ヶ所を廻ったLUNASEAの35周年ツアーでも弾いた」と語っています(出典:FenderNews、2025年2月22日)。このツアー「LUNA SEA 35th ANNIVERSARY TOUR 2024 ERA TO ERA」は全41本の公演でした(出典:Billboard JAPAN、2024年12月6日)。一方、インタビューの時点では「まだレコーディングで試していない」とも話しています。
ジャズマスター以外の使用ギター──1959年製の実器とグレッチ4本
本人所有の1959年製ジャズマスター
#1 LTDのモチーフになり、#2 LTDのネック・グリップの計測元にもなったのが、INORANが所有する1959年製のジャズマスターです。ギター・マガジンの機材ページは、ジャズマスターが1958年に発売され、1960年前後にピックガードがべっ甲製に変わった(1959年後半と言われている)と説明したうえで、INORANの実器はオリジナルのアノダイズド・アルミニウム・ピックガードを搭載していることから「ごく最初期のモデルだと推定される」と書いています(出典:デジマート・マガジン、2015年3月20日)。
Fender Starcaster Guitar/La Cabronita
同じ機材ページには、ジャズマスター以外のフェンダー製ギターも掲載されています。Fender Starcaster Guitarは1970年代モデルのリイシューで、オフセット・ウエスト・ボディのセミアコという構成です。Fender Custom Shop Limited Edition Relic La Cabronita 2 PU "BORACHA" Jazzmasterは、ジャズマスターのリバース・ボディにTVジョーンズ製パワートロン・ピックアップを組み合わせ、ライト・レリックを施した1本です(出典:デジマート・マガジン、2015年3月20日)。
グレッチ4本(2022年4月時点)
グレッチ公式のインタビュー記事は、INORANが1996年頃から使用しているグレッチを、彼のサウンドスケープを描くうえで「重要なファクター」と紹介しています。本人によれば、2022年4月の取材時点で所有しているのはGブランドとTennessean、現行品のWhite FalconとSilver Jetの計4本です。
個体 | 入手の経緯 | 使用場面 |
|---|---|---|
Tennessean | SUGIZOとよく行っていたヴィンテージギターの楽器店で、ルックスが気に入って購入。グレッチとの出会いの1本 | 使い始めたのはアルバム『STYLE』(1996年)の「RA-SE-N」だった気がする、と本人。2007年のライブ〈GOD BLESS YOU 〜One Night Dejavu〜〉の「BREATHE」で弾く映像があると聞き手が紹介 |
Gブランド(55年製) | ボディトップにGの刻印があるモデル。Tennesseanのあとに購入 | レコーディングで何度も試したものの納得のいく録音ができず、まだ1曲も弾いていないと本人 |
White Falcon(現行品) | 購入は「2010年代だと思います」と本人。最初はヴィンテージを希望していた | 「THE BEYOND」や、LUNA SEA 30th Anniversary Tour 2020-2021 -CROSS THE UNIVERSE- の「BREATHE」 |
Silver Jet(現行品) | 昔のグレッチのラメ塗装への憧れから購入 | LUNA SEAのツアーや2014〜2015年の「A WILL」ツアー。レコーディングでは未使用 |
出典:Gretsch Guitars Japan「INORAN(LUNA SEA) Special Interview -前編-」(2022年4月7日)
現行品を選んだ理由について、INORANは「フェンダーでエンドースしてもらってからは、ヴィンテージではない現行品でもいい音がするという概念が自分の中に生まれた」と語っています。フェンダーとの関係が、グレッチの選び方にも影響したことになります(出典:Gretsch Guitars Japan、2022年4月7日)。
ESP時代のシグネチャーモデル──ILP-IVとILP-00 流転
フェンダー以前のシグネチャーモデルとして、ESPのILP-IV(1997年)とILP-00 流転(2005年)があります。以下は、楽器店の商品ページに記載された情報です。
ESP ILP-IV(1997年)──SSH構成のレスポール・シェイプ
MUSIC PLANTの商品ページによれば、ILP-IVは1997年にMarrone(マローネ)、Rosso(ロッソ)、Viola(ヴィオラ)の3色が各色限定99本で生産されたモデルです。「少し小振りなレスポールシェイプ」にキルトメイプルトップ、メイプルネック、エボニー指板を組み合わせ、ピックアップはSSHレイアウトです(出典:MUSIC PLANT「ESP ILP-IV SIGNATURE ROSSO」、売却済み)。
同じ店の商品ページには、2本の個体のスペックが掲載されていました。リア・ピックアップの記載が個体によって異なります。
項目 | VIOLAの個体 | ROSSOの個体 |
|---|---|---|
ボディ | キルテッドメイプルトップ/マホガニーバック | キルテッドメイプルトップ/マホガニーバック |
ネック/指板 | メイプル/エボニー | メイプル/エボニー |
フレット数 | 22 | 22 |
スケール | Medium | 628mm |
フロントPU | SCHECTER Monster Tone | Schecter Monster Tone |
センターPU | Seymour Duncan SSL-4T | Seymour Duncan SSL-4T |
リアPU | Seymour Duncan APH-2 | Seymour Duncan APH-1b |
新品定価 | 記載なし | 495,000円 |
出典:MUSIC PLANT「ESP ILP-IV VIOLA LUNA SEA INORAN SIGNATURE MODEL」、同「ESP ILP-IV SIGNATURE ROSSO」(いずれも売却済み)
VIOLAの商品ページには、限定モデルの証としてサイン入りのシリアルナンバー入り認定証とボディ裏の認定プレートがあることも記されています(出典:MUSIC PLANT「ESP ILP-IV VIOLA LUNA SEA INORAN SIGNATURE MODEL」、売却済み)。
ESP ILP-00 流転(2005年)
ILP-00 流転は2005年に発売された限定50本のモデルで、新品定価は654,500円と記載されています。古代壁画を思わせるデザインはデザイナーのサカグチ ケン氏のアイデアによるもので、販売店はソロライヴ「ANOTHER ROOM」で使用されていたと記しています。基本スペックは歴代のILP-00を受け継いだものとされ、スペック欄はメイプルトップ/マホガニーバック、メイプルネック、エボニー指板、22フレット、624mmスケール、セットネック、ピックアップはSeymour DuncanのSP90-1n(フロント)とSP90-1b(リア)です(出典:MUSIC PLANT「ESP ILP-00 流転 INORAN SIGNATURE」、売却済み)。
アンプとエフェクター──ボードの実機構成
アンプ:Fender Super Sonic(2017年4月時点)
2017年4月15日のイケベ楽器店のイベントでは、ソロ活動でメインに使用している機材が用意され、アンプはFender Super Sonicでした。レポートはこのアンプを「エグい歪みをアウトプットする」と紹介しています(出典:イケベ楽器店「INORAN Meet & Greetのイベント・レポート」)。
LUNA SEA用のエフェクターボード(2014年5月29日 代々木競技場第一体育館公演時)
デジマート・マガジンは、ギター・マガジン編集のアーティストブック『INORAN』に掲載された所有機材を中心に紹介しており、その中に公演日が記されたボードが2枚(LUNA SEA用・ソロ用)と、アコースティック・セット用のボードがあります。以下の分類は、掲載ページで機材に付いている見出しを参考に本記事で整理したもので、その機材に見出しがない場合は、もう一方のボードで同じ機材に付いている見出しに合わせ、どちらにもないものは「その他」にまとめています。
ルーティング・システム:FREE THE TONE ARC-53M、FREE THE TONE ARC-3
ディレイ:Electro-Harmonix Deluxe Memory Man(アナログ・ディレイ)
モジュレーション:BOSS CE-2(コーラス)、MXR Phase100(フェイズ)、MXR M117(フランジャー)
歪み系:Prescription Electronics Experience Fuzz、LASTGASP ART LABORATORIES 四五式毛羽立歪機(ファズ)、Lovepedal Kalamazoo(オーバードライブ)、MXR M77(オーバードライブ)、Bogner Uberschall(ディストーション)
ジャンクション・ボックス:FREE THE TONE JB-41
その他:ROSS D/P COMBINATION、ESP Custom Auto Wah、FREE THE TONE FC-279、FREE THE TONE PT-1D
ソロ・ステージ用のエフェクターボード(2014年9月28日 渋谷公会堂公演時)
ルーティング・システム:FREE THE TONE ARC-3
歪み系:WEED modified BOSS BD-2(オーバードライブ)、GNI Pedals XD-1 X-TREME DISTORTION(ディストーション)、Prescription Electronics Experience Fuzz(ファズ)
オクターブ・コーラス:electro-harmonix POG2(ポリフォニック・オクターブ・ジェネレーター)、electro-harmonix POLY CHORUS、electro-harmonix SMALL CLONE
ディレイ:LINE 6 DL4
その他:FREE THE TONE FC-260、FREE THE TONE FC-259、FREE THE TONE PT-1D
アコースティック・セット用のボード
t.c. electronic G-NATURAL(マルチ・エフェクター)
Providence PEC-2(ルーティング・システム)
L.R.Baggs Para Acoustic D.I.(2台)
PHANTOM BOX
KORG pitchblack(チューナー)
BSS AUDIO AR-133(3台)
出典:デジマート・マガジン「『INORAN』[LUNA SEA] 機材情報も満載!」(2015年3月20日)。掲載元はリットーミュージック刊 GUITAR MAGAZINE SPECIAL ARTIST SERIES『INORAN』で、撮影は星野俊(ギター、ソロ・ステージ用ボード)、八島崇(LUNA SEA用ボード)です。
2017年のソロ用ボード──Free The Tone林氏の製作
2017年4月のイケベ楽器店のイベントに持ち込まれたソロ用のボードは、Free The Tone代表の林氏が製作したものです。レポートによれば「LUNA SEAで使用する機材よりも、歪み系FXが多め」とのことで、当日は林氏の解説のもと、実際にギターで音を出しながら歪みの違いが一つずつ紹介されました。ただしレポートには、このボードの個別の機材名は記載されていません(出典:イケベ楽器店「INORAN Meet & Greetのイベント・レポート」)。
2014年の2つのボードに共通する要素
2014年のLUNA SEA用とソロ用のボードを並べると、共通しているのは次の機材です。
FREE THE TONE ARC-3(ルーティング・システム)とFREE THE TONE PT-1D
Prescription Electronics Experience Fuzz
コーラス(LUNA SEA用はBOSS CE-2、ソロ用はelectro-harmonixのPOLY CHORUSとSMALL CLONE)
一方、ディレイはLUNA SEA用がアナログ・ディレイのDeluxe Memory Man、ソロ用がLINE 6 DL4と分かれています。歪みもファズのExperience Fuzz以外はボードごとに違う機種が並んでいます。
機材からINORANのサウンドに近づきたい場合、ギターはメインのジャズマスター、ペダルは2つのボードに共通していたコーラスとExperience Fuzzが手がかりになります。フェンダーのシグネチャー・ジャズマスターにハムバッカーが加わったのは2025年のDesert Sandからで、本人も「これまでのシングルコイルと異なり」と語っています。ただし、これは確認できた機材構成から読み取れる範囲の整理であり、同じ機材を揃えれば同じ音になるという意味ではありません。
INORANモデルを中古で探すときの見方
本記事では、実測にもとづく中古相場レンジを掲載していません。代わりに、個体を見るときの判断材料を挙げます。
状態の見方
フレットの残量:弦が当たる部分が平らに摩耗していないか。減りが大きい場合はフレット交換の費用を見込む
ネックの状態:反りの有無と、トラスロッドに調整の余裕が残っているか
電装系:ポットのガリ、ジャックの接触不良、各ピックアップからの出音
オリジナル状態かどうか:ピックアップ、ペグ、ブリッジが純正のままか
付属品:ハードケース、保証書、認定証の有無。ESP ILP-IVでは、サイン入りのシリアルナンバー入り認定証が付属する個体が販売されていました
モデルごとの確認ポイント
Desert Sandの発表では、Buzz-Stopの標準装備は初号機から引き継がれた仕様と説明されています(出典:FenderNews、2025年2月21日)。日本製のINORAN JAZZMASTERも、製品ページにBuzz stop付きのテールピースが記載されています(出典:Fender公式製品ページ)。試奏の際は、強めのストロークで弦がブリッジから外れないかを確かめておくと安心です。ESP ILP-IVは、前掲の2個体でリア・ピックアップの記載が異なっていました。搭載されているピックアップが出品ページの記載どおりかを確認しておくと、判断材料になります。
比較するときは、複数の販売チャネルで同じモデルの出品を並べ、状態と付属品の差が価格にどう反映されているかを見ると、判断の基準が作れます。
よくある質問(FAQ)
INORANのメインギターは結局どれですか?
フェンダーのシグネチャー・ジャズマスターです。フェンダーミュージックは2025年の新モデル発表で、シグネチャーのジャズマスターがINORANのメインギターとして愛され続けてきたと説明しています。2025年2月に受注を開始した「INORAN Jazzmaster Desert Sand」について、本人は2024年のLUNA SEA 35周年ツアーでも弾いたと語っています。
ESPのINORANモデルはジャズマスター型ですか?今でも買えますか?
ジャズマスター型ではありません。ILP-IVは楽器店の商品ページで「少し小振りなレスポールシェイプ」と紹介されています。ILP-IVは1997年の各色限定99本、ILP-00 流転は2005年の限定50本という限定生産で、前掲の商品ページはいずれも中古品として扱っていました。VIOLAの商品ページには、フェンダーのエンドースとなった今となっては入手不可能になったという販売店の記述もあります。探す場合は中古市場が中心になります。
INORAN Jazzmaster Desert Sandの価格はいくらですか?
フェンダーミュージックの発表では、Masterbuiltが1,430,000円(税込)、Teambuiltが968,000円(税込)です。いずれも2025年2月21日の受注開始時点の市場想定売価で、製品仕様と販売価格は予告なく変更となる場合があるとされています。最新の情報はフェンダーの正規取扱店にご確認ください。
INORANのシグネチャーモデルは日本人初なのですか?
フェンダー公式のインタビュー記事は、「INORAN JAZZMASTER #1 LTD」を日本人アーティスト初のJazzmasterのシグネイチャーモデルとしています。同社の記事のプロフィール欄では「日本人アーティスト初のシグネイチャーモデル」とも表記されており、対象範囲の書き方に幅があります。
まとめ
INORANのメインギターは、フェンダーのシグネチャー・ジャズマスターです。2011年の#1 LTDから2025年のDesert Sandまで、フェンダー公式の記載と本人の言及から7つのモデルが確認でき、Desert Sandではフェンダーのシグネチャーとして初めてハムバッカーが搭載されました。フェンダー以前には、ESPのILP-IV(1997年)とILP-00 流転(2005年)があり、ILP-IVはSSH構成のレスポール・シェイプです。グレッチは2022年4月時点で4本を所有しています。エフェクターは、2014年のLUNA SEA用とソロ用でディレイや歪みの構成が分かれる一方、Free The ToneのARC-3とPT-1D、Experience Fuzz、コーラスが共通していました。中古で探すなら、フレット残量とネックの状態、そしてピックアップを含めてオリジナル状態かどうかを軸に個体を見ていくと判断しやすくなります。
サウンドマニア編集部
楽器の購入ガイドや基礎知識を発信するサウンドマニア編集部です。ピアノ・ギターをはじめとした楽器選びや、メンテナンス・演奏に関する実用的な情報をわかりやすくお届けします。


