
忌野清志郎の使用ギター|1963年製エスクワイアと写真集の48本【2026年版】
サウンドマニア編集部/楽器の購入ガイドや基礎知識を発信するサウンドマニア編集部です。ピアノ・ギターをはじめとした楽器選…
忌野清志郎のギター・テックを長年担当した山本キヨシ氏が「不動のメインギター」と語るのが、1963年製のフェンダー・エスクワイアです。山本氏はこのギターについて、「最後まで本人が離すことのなかったギター」とも語っています。2024年にはフェンダー・カスタムショップがこの個体を再現したKiyoshiro Imawano 1963 Esquire Journeyman Relicの受注販売を行いました。
エスクワイアのほかにも、清志郎は多くの楽器を残しています。2025年12月に新装版が出た写真集『忌野清志郎 ロッ研ギターショー 愛蔵楽器写真集』には、ギブソンのレス・ポール・スタンダードやES-340TD、ギルドのブルースバードなど、ギター・マガジンWEBの一覧で48本のギターが掲載されています。本記事では、エスクワイアの来歴と再現モデルの仕様、写真集に載るギター・アンプ・エフェクター、入手方法を、ギター・マガジンWEBとリットーミュージックの書籍情報をもとに整理します。
忌野清志郎とギター:RCサクセションのデビューから2009年まで
忌野清志郎は1951年生まれ。ギター・マガジンWEBが掲載したプロフィールによると、1968年に高校在学中にRCサクセションを結成し、1970年に「宝くじは買わない」でデビューしました。1991年のRCサクセション活動休止後もソロなどで活動を続け、2009年5月に亡くなっています。
元RCサクセションのマネジャー兼衣装係の片岡たまき氏は、日刊ゲンダイDIGITALの連載(2018年10月13日)で、清志郎は50年以上前に作られた貴重なギターも「楽器は使ってこそ」と雨の野外ステージで使うことをいとわなかったと振り返っています。
演奏の癖については、ザ・タイマーズなどで清志郎と活動した三宅伸治が、ギター・マガジンWEBのインタビュー(2022年1月17日)で話しています。三宅によると、清志郎はDmを弾くときにF6のような押さえ方をし、それをそのままDmとして弾くため、少し響きが違うといいます。清志郎の“お気に入りのコード進行”を聞かれると、Eから始まってどう展開していくかということが多く、お互いにアイディアを出し合ったとも語っています。
1963年製フェンダー・エスクワイア:ギター・テックが「不動のメインギター」と語る1本
ギター・マガジンWEBは、1963年製のフェンダー・エスクワイアを、清志郎が所有したギターの中でも最もアイコニックな1本と紹介しています。写真集『忌野清志郎 ロッ研ギターショー 愛蔵楽器写真集』でも、清志郎が愛用した1本として各部の写真と解説が載っています。
入手の経緯:春日博文がロサンゼルスで入手した個体
ギター・マガジンWEBによると、このエスクワイアはもともと春日博文(カルメン・マキ&OZ、RCサクセション、東京ビビンパクラブ)がロサンゼルスで入手したもので、その後に清志郎が譲り受けました。一時期は仲井戸“CHABO”麗市が弾いていたこともあるといいます。
清志郎のギター・テックを長年担当した山本キヨシ氏は、同じ記事で「清志郎さんのエレキギターを、その時期その時期で何本も見てきましたが、このエスクワイヤーは不動のメインギターで、最後まで本人が離すことのなかったギターです」とコメントしています。
ピンクのピックガード:清志郎が水性ペンで塗ったもの
ギター・マガジンWEBは、再現モデルの外観面での最大の特徴は「やはりピンク色のピックガードだろう」とし、これは清志郎自身が水性ペンでペイントしたものを再現していると説明しています。
Kiyoshiro Imawano 1963 Esquire Journeyman Relic:2024年に受注販売されたカスタムショップ製の再現モデル
フェンダー・カスタムショップは、清志郎のエスクワイアを再現したKiyoshiro Imawano 1963 Esquire Journeyman Relicの受注販売を2024年3月5日に始めました。ギター・マガジンWEBによると、完全受注生産品で、受注期間は2024年3月5日から9月5日まで、出荷はRCサクセションのデビュー55周年にあたる2025年から順次とされていました。2024年3月5日は、RCサクセションが1970年に「宝くじは買わない」でデビューしてから54回目の記念日です。
項目 | 仕様 |
|---|---|
ボディ | 2ピースのセレクト・アッシュ、ニトロセルロース・ラッカー、テレキャスター・シェイプ |
ネック | メイプル、’60s Oval “C”シェイプ |
指板 | 3Aローズウッド、7.25インチ(184.1mm)R、21フレット(Jescar Vintage 45085) |
スケール | 25.5インチ(64.77cm) |
ナット | 骨、幅41.15mm |
ピックアップ | ブリッジ:Custom Shop ’63 Single-Coil Telecaster/ネック:P90 Soap Bar |
コントロール | マスター・ボリューム、マスター・トーン、3ウェイ・スイッチ(ネック/ネック+ブリッジ/ブリッジ) |
ブリッジ | 6-Saddle Vintage-Style Strings-Through-Body Tele |
弦 | ニッケル・プレーテッド・スチール(.010-.046) |
付属品 | デラックス・ハードシェル・ケース、ストラップ、認定書(Certificate of Authenticity) |
販売価格 | 880,000円(税込) |
※ギター・マガジンWEB(2024年3月5日)掲載のスペックと販売価格をもとに編集部が整理。価格は発表時のものです。
ギター・マガジンWEBによると、メイプル・ネックはオリジナルのギターをプロファイリングして削り出されています。ブリッジ側のCustom Shop ’63 Single-Coil Telecasterとフロント側のP90 Soap Barも、オリジナルのサウンドを再現するために選ばれたパーツと説明されています。ヘッドにはFenderのロゴと“ESQUIRE”の文字が入り、ネック・プレートには“忌野清志郎”のサインが刻まれています。
レリック加工は、本人がこのギターを入手した頃の状態をイメージした“Journeyman Relic”です。ギター・マガジンWEBによると、Journeyman Relicはフェンダー・カスタムショップでは、週末のジャム・セッションなど自宅での使用をメインに、長い時間を経てオーナー・チェンジをくり返しながらも、通常のレリックに比べ大切にメインテナンスされてきたことを想定した、程度の軽い打痕や傷、塗装の剥がれなどを施したものと定義されています。
山本キヨシ氏は再現モデルについて、一番のポイントは“ネックの握り”で、握りのニュアンスの再現度がとても高く、当時の記憶がフラッシュバックするほどだとコメントしています。
写真集『ロッ研ギターショー』に掲載されたギター:48本の内訳
『忌野清志郎 ロッ研ギターショー 愛蔵楽器写真集』は2017年に刊行され、2025年12月12日に判型を大きくした新装版(菊倍判、176ページ)がリットーミュージックから出ました。リットーミュージックの紹介では、ステージで使ったテレキャスターやレス・ポールをはじめ、トランペット、フルート、法螺貝、ドラムやピアノまで総数150点以上のコレクションを収め、入手のいきさつやレコーディング、ライブでの思い出も詳しく載せたとしています。ギター・マガジンWEBによると、誌面には仲井戸“CHABO”麗市、春日博文、三宅伸治、山本キヨシ氏らが“清志郎とギター”をテーマに語ったインタビューや、清志郎のアーカイブ・インタビュー3本(うち1本は1999年のギター・マガジンからの転載)も収録されています。
書名の「ロッ研」は「ロックン・ロール研究所」の略です。ギター・マガジンWEBは、生前の清志郎のプライベート・スタジオで、今では愛用した楽器の収蔵庫になっている場所と紹介しています。リットーミュージックが掲載楽器として挙げているギターは、次の12本です。
メーカー | モデル | 年代 |
|---|---|---|
Fender | Esquire | 1963年 |
Gibson | Les Paul Standard 58 | 1970年代初期 |
Gibson | Trini Lopez Standard | 1964年 |
Gibson | ES-340TD | 1969年 |
Guild | Bluesbird M-75 | 1960年代後期 |
Gibson | Hummingbird | 1970年 |
Gibson | J-200 | 1950年 |
Martin | D-41 | 1972年 |
Martin | D-28 | 1950年 |
National | Style O | 1930年代初期 |
Gibson | Super-400 | 1949年 |
Gibson | L-7C | 1963年 |
※リットーミュージックの書籍紹介「掲載楽器」とギター・マガジンWEB(2025年12月12日)の一覧をもとに編集部が整理。モデル名の英字表記はギター・マガジンWEBの一覧に合わせています(NationalのStyle Oはリットーミュージックの「スタイルO」の表記によります)。写真集に掲載されている楽器で、個々の使用時期や使用楽曲はこの表では扱っていません。
ギター・マガジンWEBが公開した写真集の掲載ギターの一覧には48本が並びます。メーカー別ではギブソンが14本(J-200は1950年・1953年・1966年製の3本)と最も多く、フェンダーはエスクワイアのほかVintage ’52 Telecaster、American Vintage ’62 Jazzmaster、El Rio(1983年)の4本です。ほかにギルドのJF-30、リッケンバッカーの♯320と♯360、ナショナルのWestwood、サンタクルーズのD-790、テイラーの855 12弦、ダンエレクトロのU-1、テスコのK-3Lなどが載っています。
同じ記事は、清志郎のコレクションには変形ギターやビザール・ギターに分類されるものも多いと紹介しています。記事の写真で紹介されているのは、シェクターのLove Jets Model Reverse “V”とLove Jets Model “U”(2002年)、ESPのEarth Federation Space Forces Beam-Rifle TypeとPrincipality of Zeon Heat-Hawk Type(2003年)です。一覧にはほかに、フェルナンデスのZO-3やカシオのギター・シンセサイザーPG-380も含まれています。
アンプ・エフェクター:写真集に載るOrange、VOX、Colorsoundなど
写真集にはアンプ15台とエフェクター30台も掲載されています。ギター・マガジンWEBの一覧から主なものを挙げると次のとおりです。
種類 | 写真集に掲載されている主なモデル |
|---|---|
アンプ | Orange OR120(4×12インチ・キャビネット)、Orange OTR80 Combo、Orange AD15 Combo、Vox AC30、Fender Princeton、Marshall Lead 12、Trace Elliot TA200S、Pignose 7-100R |
歪み・ファズ | Colorsound Overdriver、Colorsound Supa Tonebender、Roger Mayer Rocket Fuzz、Electro-Harmonix/Sovtek Big Muff π、Proco RAT2、Marshall The Guv’nor Overdrive |
モジュレーション・空間系 | Binson Echorec B2、Boss Chorus Ensemble CE-1、Roger Mayer Voodoo-Vibe、MXR Phase 90、Electro-Harmonix Deluxe Electric Mistress、Maxon Flanger FL-302 |
ワウ・その他 | Thomas Organ Wah Model 9-3704、Colorsound Wah Fuzz Straight、MXR Dynacomp、Boss Guitar Volume FV-10、Line6 POD |
※ギター・マガジンWEB(2025年12月12日)の「『忌野清志郎 ロッ研ギターショー 愛蔵楽器写真集』で紹介されているギター、アンプ、エフェクターの一覧」をもとに編集部が整理。種類の分け方は編集部によるもので、一覧の一部を抜粋しています。写真集に掲載されている機材で、ライブやレコーディングでの使われ方は一覧に書かれていないため扱っていません。
価格と入手方法
新品:再現モデルは2024年9月5日で受注を締め切り
Kiyoshiro Imawano 1963 Esquire Journeyman Relicは完全受注生産で、受注期間は2024年3月5日から9月5日まででした。発表時の販売価格は880,000円(税込)、販売はFender Flagship Tokyo、FENDER SHOP in MIKI GAKKI AMERICAMURA、全国のFender Custom Shop正規取扱店と案内されていました。
中古:2026年10月2日時点でデジマートの掲載は0件
2026年10月2日にデジマートでKiyoshiro Imawano 1963 Esquire Journeyman Relicを検索したところ、掲載は0件でした。本記事では実測にもとづく相場レンジを掲載していません。中古で探す場合は、次の点を確認しましょう。
ヘッドのFenderロゴと“ESQUIRE”の文字、ネック・プレートの“忌野清志郎”のサイン
ピックアップ構成。ブリッジがCustom Shop ’63 Single-Coil Telecaster、ネックがP90 Soap Barか
ピンクのピックガードとアッシュのナチュラル・カラー
認定書(Certificate of Authenticity)とデラックス・ハードシェル・ケースの有無
レリック加工による傷と、使用でついた傷の区別(購入前に販売店へ確認する)
よくある質問
忌野清志郎のメインギターは何ですか?
長年ギター・テックを担当した山本キヨシ氏によると、1963年製のフェンダー・エスクワイアです。山本氏はギター・マガジンWEB(2024年3月5日)で、このギターを「不動のメインギターで、最後まで本人が離すことのなかったギター」とコメントしています。
清志郎のエスクワイアはどこから来たギターですか?
ギター・マガジンWEBによると、春日博文がロサンゼルスで入手した個体を清志郎が譲り受けたものです。同じ記事によると、一時期は仲井戸“CHABO”麗市が弾いていたこともあるといいます。
忌野清志郎モデルのギターは買えますか?
フェンダー・カスタムショップのKiyoshiro Imawano 1963 Esquire Journeyman Relicは、2024年3月5日から9月5日までの受注生産でした。新品の受注はすでに終わっており、2026年10月2日時点ではデジマートにも掲載はありませんでした。
清志郎はエスクワイア以外にどんなギターを持っていましたか?
ギター・マガジンWEBの一覧によると、写真集『忌野清志郎 ロッ研ギターショー 愛蔵楽器写真集』には48本のギターが掲載されています。リットーミュージックは、ギブソンのレス・ポール・スタンダード58、トリニ・ロペス、ES-340、ギルドのブルースバードM-75、マーティンのD-28とD-41、ギブソンのスーパー400などを掲載楽器として挙げています。
まとめ:ギター・テックが「不動のメインギター」と語る1963年製エスクワイア
忌野清志郎のギターについて、ギター・テックの山本キヨシ氏は、春日博文から譲り受けた1963年製のフェンダー・エスクワイアを「不動のメインギター」で最後まで本人が離すことのなかったギターと語っています。2024年にはピンクのピックガードやネックの握りまで再現したカスタムショップ製モデルが受注販売されました。
エスクワイア以外の楽器は、写真集『忌野清志郎 ロッ研ギターショー 愛蔵楽器写真集』で見ることができます。ギター・マガジンWEBの一覧で48本(うちギブソン14本)のギターに加え、Orangeのアンプ、Colorsoundなどのエフェクターまで載っており、個々の楽器の入手のいきさつや思い出は誌面で紹介されています。
サウンドマニア編集部
楽器の購入ガイドや基礎知識を発信するサウンドマニア編集部です。ピアノ・ギターをはじめとした楽器選びや、メンテナンス・演奏に関する実用的な情報をわかりやすくお届けします。


