
今井寿の使用ギター|マイマイからGUSTAVEまで【2026年版】
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今井寿の使用ギターは「フェルナンデスのオリジナルモデル」が軸
今井寿のギターを語るうえで最初に押さえておきたいのは、自分の名を冠したシグネチャーモデルが1990年代前半から作られてきたギタリストだ、という点です。そのシグネチャーモデルを販売してきたのが、日本のエレキギターメーカーであるフェルナンデスです。1992年2月印刷のメーカー公式カタログには、すでに複数の「今井寿モデル」が並んでいます。
まずはメーカー公式カタログに実際に掲載されていたモデルを、年次で並べてみます。
カタログ | 掲載されていた今井寿モデル |
|---|---|
1992年2月印刷(1992 Vol.1) | BT-480MM/TE-80BT/BT-120MM/STJ-80BT |
1995年8月印刷(1995 Vol.2) | BT-120MM/STJ-80BT/BT-115S with Sustainer |
1992年・1995年のラインナップは、フェルナンデスの当時のメーカー公式カタログ(「楽器カタログの世界」に収録)の掲載内容によります。
ここで一点、混同されやすい型番があります。同じカタログには「TEJ-70」「TEJ-95S」といったTEJシリーズも載っていますが、これは今井寿モデルとは別のページで扱われているシリーズで、今井寿のシグネチャーモデルではありません。
カタログ以外で情報が確認できる代表的な今井寿モデルに、サスティナーを内蔵したSTABILIZERと、30周年モデルとして2018年10月に受注が始まったGUSTAVEがあります。取扱販売店の池部楽器によればGUSTAVEは2017年夏の野外イベントからライブで使われており、STABILIZERも2023年の音楽番組出演時に使われていたと、機材記録サイト「CHAP レア楽器 画像倉庫」が伝えています。どちらも後半で詳しく取り上げます。
BUCK∞TICKにおける今井寿というギタリスト
今井寿は1965年10月21日生まれ、群馬県藤岡市の出身。1987年にビクターインビテーションからメジャーデビューしたBUCK-TICKのギタリストです。バンド公式サイトのプロフィールでは、担当がVocal, Backing Vocal, Guitar, Synthesizer, Programming & Noiseと記載されています。ギタリストでありながら「Programming」と「Noise」が並ぶ表記は、このバンドにおける役割をそのまま表しています。
2023年10月19日、ボーカルの櫻井敦司が逝去。同年12月29日の日本武道館公演で、残るメンバー4人が今後もバンドを続けることを表明しました。2024年からはBUCK∞TICKという表記の新体制となり、シングル「雷神 風神 - レゾナンス」とアルバム『スブロサ SUBROSA』を発表。2026年もツアーが組まれています(バンド公式サイトのプロフィールより)。
本記事でも、2023年までの出来事は当時の表記であるBUCK-TICK、新体制以降はBUCK∞TICKと書き分けています。
中古で探す前の大前提 ── 今井寿は左用ギターを弾く
今井寿モデルを中古で探すなら、スペック以前に確認すべきことがあります。今井寿はレフトハンド(左用)のギターを弾くという点です。
今井寿はレフティ(左用のギターを弾くギタリスト)として知られており、機材記録サイト「CHAP レア楽器 画像倉庫」でも、今井寿といえばレフティだと紹介されています。一方で、今井寿モデルは左用だけが作られたわけではありません。30周年モデルのGUSTAVEは、ライトハンドモデルとレフトハンドモデルが別々に用意され、本体価格(税抜)もライトハンド720,000円、レフトハンド740,000円と分かれていました。中古市場には右用と左用の両方が出てくる可能性がある、ということです。
⚠ 中古で起こりやすい取り違え
右用か左用かは、写真の印象だけで判断しないでください。ヘッドのペグの向きとコントロールの配置を確認し、判断がつかない場合は出品者に右用・左用のどちらかを問い合わせてください。
右利きの方が「今井寿と同じモデルが欲しい」と考えたとき、本人と同じ左用を買うと、そのままでは弾けない、という事態が起こり得ます。ここが今井寿モデルならではの注意点です。
今井寿シグネチャーモデル徹底解説 ── 代表3モデルのスペック
ここからは、スペックが公開・記録されている3モデルを個別に見ていきます。ボディシェイプの奇抜さに目が行きがちですが、中身を並べると設計の方向性がはっきり分かれていることが見えてきます。
BT-120MM「マイマイ」 ── 今井寿の代名詞とされるモデル
通称「マイマイ」と呼ばれ、楽器店の商品説明でも今井寿の代名詞と紹介されるBT-120MMは、1992年2月印刷のカタログにはすでに掲載されており、1995年8月のカタログにも引き続き載っています。赤のほか、白の個体も確認できます。
機材記録サイト「CHAP レア楽器 画像倉庫」が記録している2016年製の個体のスペックは、以下の通りです。
ネック:メイプル、628mmスケール
指板:ローズウッド、24フレット、指板R 350mm
ジョイント:ボルトオン(ボディとネックをボルトで固定する方式)
ボディ:アルダー、厚さ45mm
ピックアップ:F.G.I. TECHNOLOGY-2S
コントロール:1ボリューム、1トーン、3ウェイミニスイッチ、ミニスイッチ(ON/OFF)1基
ここで注意したいのがスケール長です。参照した2016年製個体の記録は628mm。一般的なストラトキャスタータイプ(648mm前後)より短く、同じゲージの弦を張ったときのテンションは緩くなります。長期にわたって製作されたモデルで、年式によって仕様が異なる可能性もあるため、購入前に販売店へ実寸を確認してください。指板R 350mmは比較的フラットな部類です。
ボディがアルダーでネックがボルトオンという組み合わせ自体は、ストラトキャスタータイプの標準的な構成に近いものです。外見は独特でも、構造は定番に近い作りと言えます。
スペックは2016年製個体の記録によります。BT-120MMは長期にわたって製作されたモデルで、年式やカラーによって仕様が異なる可能性があります。また中古個体ではピックアップや配線が交換されていることもあります。
STABILIZER ── サスティナーを内蔵した特殊シェイプ
「スタビライザー」は、エフェクターやアクセサリーの名前ではありません。フェルナンデス製の今井寿シグネチャーモデル(ギター本体)の名称です。メーカー公式サイトでも「BUCK-TICK 今井寿シグネチュア・モデル STABILIZER」として受注再開が告知されていました。
同じく「CHAP レア楽器 画像倉庫」に掲載されたスペックは次の通りです。
ネック:メイプル、648mmスケール、スポークナット式2ウェイトラスロッド
指板:メイプル、24フレット、指板R 350mm
ジョイント:ボルトオン
ボディ:アルダー、厚さ45mm
ペグ:GOTOH SG381-07
ピックアップ:CD-100F、FHM-3210N
コントロール:1ボリューム、3ウェイミニスイッチ、マシンガンプッシュスイッチ、サスティナーコントロール
ブリッジ:Schaller SFRT-2
搭載機能:FERNANDES SUSTAINER SYSTEM、Schaller Security Lock
カラー:DGL(ダークゴールド)、SLV(シルバー)、SW(スノーホワイト)
BT-120MMとの大きな違いは、スケールが648mmとロングスケールになっていることと、サスティナーシステムを内蔵していることです。このほか指板材がローズウッドではなくメイプルで、ピックアップとブリッジの構成も異なります。
コントロール欄も独特です。ボリュームと3ウェイミニスイッチのほかに「マシンガンプッシュスイッチ」とサスティナーコントロールが並びます。音を操作するための操作子が多い構成です。
GUSTAVE ── 30周年に登場したマイマイの最新形
2017年にメジャーデビュー30周年を迎えたBUCK-TICK。その記念モデルとして、2018年10月10日から2019年3月31日までの期間に受注生産されたのがGUSTAVEです。メーカーはこのモデルを、今井寿のオリジナルモデルの中で代表的な「BT-MM」と「DAZZLER」の特長をブラッシュアップして集約した最新形、そして今井寿本人のイメージで造られた最新のマイマイと説明しています。取扱販売店の池部楽器によれば、2017年夏の野外イベントからライブで使われ、年末の日本武道館公演などでも使用されていたモデルです。
ネック:メイプル3ピース、14°(仕様表の表記のまま)、Uシェイプ
スケール:628mm
指板:エボニー、12フレットにオリジナルインレイ、24フレット、指板R 350mm
ジョイント:ボルトオン
ナット:牛骨、幅42mm(0フレット付き)
フレット:2.7mm(ステンレス)
ペグ:GOTOH SGS510
ボディ:トップ=メイプル2ピース(15mm)/バック=セレクテッドマホガニー2ピース(35mm)
ピックアップ:ネック/ブリッジともVooDoo HB-57's
コントロール:2ボリューム、1トーン、3ウェイミニトグルスイッチ
ブリッジ/テールピース:GOTOH GE103B-T/GOTOH GE101A
弦:.010 - .046
その他:GUSTAVE Original Circuit、オリジナルの豹柄ペイント、Schaller Security Lock、専用ハードケース
スペックを読むと、GUSTAVEがBT-120MMとは別種の楽器であることが分かります。ボディはアルダーではなくメイプルトップ+マホガニーバックのラミネート構造、指板はローズウッドではなくエボニー、フレットは摩耗に強いステンレス、0フレット付きの牛骨ナット。ピックアップもVooDoo Pickups製です。
マホガニーバックにメイプルトップを重ねるボディ構造は、レスポールタイプで長く使われてきた組み合わせです。マイマイのシルエットを保ちながら、木材とパーツの構成はBT-120MMとまったく別の方向に振られている。ここがGUSTAVEの面白いところです。
「GUSTAVE Original Circuit」は、前身モデルのDAZZLERから継承されたオリジナルの回路で、VooDoo Pickupsの性能を最大限に発揮させるものだとメーカーは説明しています。
3モデル横断スペック比較表
項目 | BT-120MM(2016年製個体) | STABILIZER | GUSTAVE |
|---|---|---|---|
スケール | 628mm(年式による差は未確認) | 648mm | 628mm |
ボディ | アルダー 45mm | アルダー 45mm | メイプル2P(15mm)+マホガニー2P(35mm) |
ネック | メイプル | メイプル | メイプル3ピース、Uシェイプ |
指板 | ローズウッド 24F/350R | メイプル 24F/350R | エボニー 24F/350R |
ジョイント | ボルトオン | ボルトオン | ボルトオン |
ピックアップ | F.G.I. TECHNOLOGY-2S | CD-100F/FHM-3210N | VooDoo HB-57's(2基) |
ブリッジ | (記録なし) | Schaller SFRT-2 | GOTOH GE103B-T+GE101A |
サスティナー | 非搭載 | 搭載 | 非搭載 |
特徴的な装備 | — | マシンガンプッシュスイッチ | GUSTAVE Original Circuit、ステンレスフレット、0フレット |
BT-120MMとSTABILIZERは機材記録サイト「CHAP レア楽器 画像倉庫」の個体記録、GUSTAVEはメーカーおよび取扱販売店が公開していた製品スペックによります。BT-120MMのブリッジは参照した記録に記載がないため空欄としています。
3モデルに共通するのは、24フレット・指板R 350mm・ボルトオンジョイントという3点。一方、指板材とピックアップは3モデルとも異なります。スケール長はBT-120MMとGUSTAVEが628mm、STABILIZERが648mm。ボディ材はBT-120MMとSTABILIZERがアルダー、GUSTAVEがメイプル+マホガニーです。同じ今井寿モデルでも、型番が変われば中身は大きく作り替えられています。
フェルナンデス・サスティナーとは何か ── STABILIZERの心臓部
STABILIZERを理解するうえで欠かせないのが、フェルナンデスのサスティナーです。メーカーはこのシステムを、「弦振動」を自由にコントロールするために開発されたサスティーン・コントロール・システムと説明していました。スイッチをONにして普通に演奏するだけで弦振動が持続し、ロングサスティーンが得られる仕組みです。
メーカーの説明で重要なのは、これがエフェクターとは別物だと明言している点です。電気信号を加工して効果を出すのではなく、弦振動そのものを持続させるため、サウンドはナチュラルなギターの音のままだとメーカーは説明しています。加えて、ハーモニクスの成分が異なる弦振動を切り替える「モード・セレクター」が標準装備されていました。
本記事で取り上げたカタログと公開スペックのうち、サスティナーを搭載した今井寿モデルは、1995年のカタログに載るBT-115S with Sustainerと、STABILIZERの2つです。「楽器カタログの世界」の掲載一覧を見ると、1992年2月版の今井寿モデルには「with Sustainer」の付く型番がなく、1995年8月版で加わっています。
サスティナー搭載機を中古で買うときに変わること
サスティナー搭載機は、ピックアップとスイッチしか電装がない通常のギターとは、中古でのチェック項目が変わります。
電源と駆動:サスティナーは電池で回路を動かす仕組みとされます。新しい電池を入れた状態でスイッチをONにし、実際に音が持続するかを確認してください。メーカーの説明では、サスティナーをONにすると自動的にリア・ピックアップだけが選ばれます
モードの切り替え:モードセレクターを操作して、音色が実際に変化するかを見ます
ドライバー側の状態:STABILIZERのピックアップ欄にあるCD-100Fは、フロント側に置かれるサスティナーのドライバーで、ピックアップとしても働くタイプとされます。通常のピックアップに交換されていないかを確認してください
修理の見通し:純正パーツの入手が難しくなっているため、故障したときにどこで直せるかを、購入前に販売店へ確認しておいてください
この最後の項目には理由があります。次のセクションで見ていきます。
メーカー破産後に今井寿モデルを中古で探すということ
今井寿モデルを検討するなら、知っておきたい事実があります。メーカーのフェルナンデスは、すでに事業を停止しています。
時期 | 出来事 |
|---|---|
1969年 | 前身の斉藤楽器として設立。1972年に商号を株式会社フェルナンデスへ変更 |
1999年1月期 | 年間売上高が40億円台に到達 |
2022年1月期 | 売上高1億6608万円、最終赤字2414万円 |
2024年7月11日までに | 事業を停止 |
2024年7月13日 | 自己破産手続きの申し立てを行うと発表 |
2025年7月9日 | 東京地方裁判所より破産手続開始決定。負債総額は債権者約60名に対して約7億3000万円 |
日本経済新聞、日経ビジネス、東京商工リサーチおよびSkream!の報道によります。フェルナンデスは一度破産申請を取り下げたのち、改めて申し立てを行っています。日本経済新聞は、FERNANDESの商標の一部が他社に譲渡されたとみられる旨も伝えています。
フェルナンデスは、hide、HEATH、今井寿、星野英彦、CIPHER、NAOKIといった多くのアーティストのオリジナルモデルを手がけてきたメーカーでした。アンプ内蔵ミニギター「ZO-3」でも広く知られています。
買い手にとって具体的に何が変わるのか
メーカーが事業を停止したことで、今井寿モデルの購入判断には次の変化が生じています。
新品を注文する窓口がない:GUSTAVEの受注は2019年3月31日で締め切られていました。受注生産とされるSTABILIZERも、メーカーの事業停止によって新規に注文する先がなくなっています
メーカー保証・メーカー修理という選択肢がない:故障時は独立系のリペアショップか、販売店の保証に頼ることになります
純正パーツの供給が止まっている:とくにサスティナーの部品など、フェルナンデス独自の部品は、代替品での対応可否を事前に確認する必要があります
裏を返せば、調整済み・保証付きで販売している楽器店の価値が相対的に上がっているということでもあります。個人間取引との価格差は、そのまま「動作確認とアフター対応を誰が負うか」の差だと考えると判断しやすくなります。
相場について、本記事のスタンス
今井寿モデルの中古価格について、本記事では実測にもとづく相場レンジを掲載していません。推定の数値を並べるより、価格を自分で読むための材料を示すほうが役に立つと考えるためです。
価格を比較するときは、次の順で情報を揃えてください。
同一品番・同一年式で比べる:BT-120MMは長期に製作されたモデルです。年式の異なる個体を横並びにすると価格の意味が変わります
右用と左用を分けて比べる:GUSTAVEのように、新品時点で価格が分かれていたモデルもあります。中古でも同列には扱えません
販売価格と落札価格を混ぜない:楽器店の販売価格、フリマの出品価格、オークションの落札価格はそれぞれ意味が違います。とくに出品価格は「売れた価格」ではありません
買取価格は別軸で見る:買取価格は事業者が仕入れる側の価格です。販売価格と直接比較しても、手放すときの目安にはなりません
改造の有無を価格に織り込む:ピックアップや配線が交換された個体は、オリジナル状態の個体と同じ相場では評価されません
なお新品時の本体価格(税抜)は、GUSTAVEのライトハンドモデルが720,000円、レフトハンドモデルが740,000円でした。中古価格を見るときの目安のひとつになります。
中古で今井寿モデルを選ぶときのチェックリスト
ここまでの内容を、購入前に確認する順番に並べ直します。
右用か左用か:最優先です。ペグの向きとコントロールの配置で判断し、分からなければ出品者に確認してください
品番と年式:BT-120MM、BT-115S、STJ-80BT、TE-80BT、BT-480MM、STABILIZER、GUSTAVE。まず品番を確定させます
スケール長:BT-120MMの2016年製個体は628mm、STABILIZERは648mmと、モデルによって異なります。年式による差もありうるため、ナットからブリッジまでの実寸を販売店に確認してください
ピックアップと配線がオリジナルか:中古個体では交換されていることがあります。裏蓋を開けて確認できるのが理想です
サスティナー搭載機なら動作確認:電池を入れた状態でONにして、実際に音が持続するかを見ます
ネックの状態:順反り・逆反り・ねじれの有無。1フレットと最終フレットを押さえた状態で、12フレット付近の弦と指板の隙間を見るのが基本です
フレットの残量:頂点が平らに摩耗していないかを目視と指先で確認します。GUSTAVEはステンレスフレットのため摩耗しにくい仕様です
電装系のガリ:ボリューム・トーン・セレクターを操作してノイズが出ないかを確認します
ボディとネックジョイント周辺のクラック:塗装面だけでなく、構造的な割れがないかを見てください
配送時の梱包:ハードケース収納を条件にし、ネック周辺に緩衝材が入っているかを出品者に確認しましょう
⚠ 改造品の扱いについて
中古個体では、ピックアップや配線が交換されていることがあります。改造そのものが悪いわけではありませんが、出品説明の記載だけでオリジナル仕様だと決めないでください。上記4番の確認を省略しないでください。
よくある質問(FAQ)
今井寿のギターはどのメーカーのものですか?
フェルナンデス製のオリジナルモデルが軸です。1992年2月のメーカー公式カタログには今井寿モデルとしてBT-480MM・TE-80BT・BT-120MM・STJ-80BTが、1995年8月のカタログにはBT-120MM・STJ-80BT・BT-115S with Sustainerが掲載されています。このほか、メジャーデビュー30周年モデルのGUSTAVEが2018年10月から2019年3月まで受注生産されました。
「スタビライザー」とは何のことですか?
フェルナンデス製の今井寿シグネチャーモデル、つまりギター本体の名称で、エフェクターやアクセサリーではありません。フェルナンデス・サスティナーを内蔵した特殊形状のモデルで、ダークゴールド・シルバー・スノーホワイトのカラーが用意されていました。
右利きでも今井寿モデルは買えますか?
買えます。たとえばGUSTAVEは、ライトハンドモデルとレフトハンドモデルの両方が用意されていました。ただし今井寿本人は左用のギターを弾きます。「本人と同じ仕様」を求めると右利きの方にはそのままでは弾けないものになるため、購入前にペグの向きとコントロールの配置で必ず確認してください。
今井寿モデルは今でも新品で買えますか?
新規の受注窓口はありません。メーカーのフェルナンデスは2024年7月に事業を停止し、2025年7月9日に東京地方裁判所から破産手続開始決定を受けています。入手する手段は中古市場が中心になります。
今井寿のギターシステムはどこが製作したのですか?
2017年のライブで使われたシステムは、エフェクターやルーティングシステムの設計・製作を行うフリーザトーンが製作しています。同社の公式ニュース(2017年10月23日)によれば、「BUCK-TICK 2017 “THE PARADE” 〜30th anniversary〜」で今井寿が使ったギターシステムは、同社が約半年かけて製作したものです。20Uの特注ショックマウントケース2台の上にワイヤレスシステムとアンプヘッドを置き、右側のラックでペダルエフェクターと使用するアンプを選び、左側のラックでそのサウンドをさらに加工する構成でした。同社の公式アーティスト一覧には、今井寿と星野英彦の名前が掲載されています。
BUCK-TICKとBUCK∞TICK、どちらが正しいのですか?
どちらも正しく、時期が異なります。2023年10月に櫻井敦司が逝去したのち、2024年からの新体制で公式表記がBUCK∞TICKになりました。公式サイトのタイトル、ツアー名、リリース情報はいずれもこの表記です。過去のリリースやデビュー当時の話題ではBUCK-TICKが使われます。
まとめ ── 今井寿モデルを探す前に押さえる3点
今井寿の使用ギターは、フェルナンデス製のシグネチャーモデルが軸です。1992年2月のメーカー公式カタログにはBT-480MM・TE-80BT・BT-120MM・STJ-80BT、1995年8月のカタログにはBT-120MM・STJ-80BT・BT-115S with Sustainerが掲載され、このほかにサスティナー内蔵のSTABILIZERや、2018年10月に受注が始まった30周年モデルのGUSTAVEがあります。同じ今井寿モデルでも、指板材とピックアップは3モデルとも異なり、スケール長やボディ材もモデルによって違います。
中古で探すなら、押さえるべきは3点に絞られます。
右用か左用かを最初に確定させる。GUSTAVEでは新品時点で価格も分かれていたほど、明確に別物です
品番と年式を特定してから相場を見る。同じ「マイマイ」でも中身が違います
メーカーがすでに事業を停止していることを前提に、修理とパーツの見通しを購入前に確認する
フェルナンデスの事業は止まりましたが、市場に出回っている個体そのものが消えるわけではありません。むしろ供給が止まった今こそ、状態の良い個体を見極める目が価値を持ちます。品番を確定させ、右用・左用を確認し、電装の動作を見る。この3つを守れば、大きな失敗は避けられます。
本記事は個人の使用経験に基づく情報です。楽器・機材の使用に際しては、取扱説明書や専門家の指示に従い、安全にご注意ください。
サウンドマニア編集部
楽器の購入ガイドや基礎知識を発信するサウンドマニア編集部です。ピアノ・ギターをはじめとした楽器選びや、メンテナンス・演奏に関する実用的な情報をわかりやすくお届けします。


