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人時のベースはSCHECTER|シグネチャー3機種と機材遍歴【2026年版】

人時のベースはSCHECTER|シグネチャー3機種と機材遍歴【2026年版】

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サウンドマニア編集部/楽器の購入ガイドや基礎知識を発信するサウンドマニア編集部です。ピアノ・ギターをはじめとした楽器選…

黒夢のベーシスト・人時(ひとき)が近年手にしているのは、SCHECTER(シェクター)のシグネチャーモデルです。4弦モデルは前後ともプレシジョンタイプのピックアップという構成で、弦はROTOSOUND、アンプはMarkbass。この記事では、SCHECTER公式が公開している3機種のスペック、Greco製の1本目から現在にいたるベース遍歴、そして人時自身が語っている音作りの基準までを、メーカー公式ページと本人インタビューで確認できた範囲に限って整理します。

人時とは──黒夢の低音を担うベーシスト

人時は1972年7月19日生まれ、岐阜県出身。イケベ楽器が掲載している本人プロフィールでは、担当楽器はエレクトリック・ベース、アコースティック・ベース、アコースティック・ギター、プログラミングとされ、肩書はベースプレイヤー、コンポーザー、サウンドプロデューサーと記されています。

ベースを手にしたのは18歳になる頃。イケベ楽器のインタビューによれば、もともとはギタリストを志望していて、尊敬していた先輩のバンドでベースが必要になったことから転向したという経緯です。その後、黒夢の前身バンドであるGARNETに加入しています。

黒夢としての歩みは、レーベルであるヤマハミュージックコミュニケーションズのアーティストページに整理されています。2009年1月の日本武道館公演と、2011年2月の国立代々木競技場第一体育館公演は性格が異なります。武道館は一夜限りの復活と解散を兼ねた公演で、活動を再開したあとの復活ライブの会場は代々木でした。

時期

できごと

1994年2月

シングル「for dear」で東芝EMIからメジャーデビュー

1995年5月

アルバム『feminism』リリース。以降のアルバムがオリコンチャート上位を記録

1997年

人時がワーナーミュージック・ジャパンからソロデビュー

1999年1月

無期限活動休止を発表

2009年1月

日本武道館にて一夜限りの復活および解散ライブ

2010年1月

再始動を発表

2011年2月

国立代々木競技場第一体育館にて復活ライブ

2014年7月

「黒夢 DEBUT 20TH ANNIVERSARY TOUR 2014 BEFORE THE NEXT SLEEP」を開催

2025年2月

東京ガーデンシアターにて約10年ぶりに復活。同月11日に横浜ぴあアリーナMMで追加公演

2025年7月

全国Zeppツアーを開催。「SUMMER SONIC 2025」ほかフェスにも出演

2026年7月15日

初のセルフカバーアルバム『Drug TReatment 2026』『CORKSCREW 2026』を2作同時リリース

黒夢は現在も活動しており、2026年には1997年と1998年のオリジナルアルバム2作を完全にレコーディングし直したセルフカバー盤が発表されています。人時の機材を追うときは、90年代で情報が止まっていないかを確かめておきたいところです。

SCHECTERのシグネチャーモデル3機種──公式スペックで読む

SCHECTERの公式サイトにある人時のアーティストページには、3つのベースが掲載されています。4弦のAC-HK/SIG、5弦のAC-HK-5/SIG、そしてPROGAUGE ARTIST MODELSのPA-HK/PPです。人時はイケベ楽器のインタビューで、さまざまなメーカーを試したのちシェクターに落ち着いて現在にいたる、という流れを語っています。

項目

AC-HK/SIG

AC-HK-5/SIG

PA-HK/PP

ボディ

Ash

Ash

Ash

ネック

Maple

Maple

Maple

指板

Maple

Honduras Rosewood

Maple

フレット

21(Jescar Fret Wire)

21(Jescar Fret Wire)

21

スケール

34インチ

35インチ

公式ページに記載なし

ジョイント

Angle 4-Bolt

Angle 4-Bolt

Angle 4-Bolt

ピックアップ

Seymour Duncan S-PB-2

Bartolini 58CBP

Seymour Duncan S-PB-2(フロント・リア)

ブリッジ

Custom Bass Bridge

Gotoh 205B-5

Custom Bass Bridge

コントロール

Volume / Balancer / Tone

Volume / Balancer / Tone

Volume / Balancer / Tone

カラー

SWH(Snow White)

3TSB(3Tone Sunburst)

SWH(Snow White)

価格

550,000円(税込)

583,000円(税込)

192,500円(税込)

備考

ソフトケース付属/完全受注生産

ソフトケース付属/完全受注生産

ソフトケース付属

AC-HK/SIG──Pピックアップを2基そなえた4弦

4弦のAC-HK/SIGは、アッシュボディにメイプルネック・メイプル指板、34インチスケールという構成です。外観はスノーホワイトの1色で、コントロールはボリューム、バランサー、トーンの3つ。SCHECTER公式では完全受注生産と案内されています。

スペック表で目を引くのはピックアップです。搭載されているのはSeymour Duncan S-PB-2。メーカーであるSeymour Duncanの製品ページでは、プレシジョンベース用のスプリットコイル・ピックアップで、ヴィンテージモデルより出力を上げ、アタックを強めた仕様と説明されています。それが2基載っている格好です。フロントにプレシジョン、リアにジャズベースタイプを配置するPJレイアウトでもなければ、ジャズベースのJJレイアウトでもありません。

AC-HK-5/SIG──5弦は別設計として組まれている

5弦のAC-HK-5/SIGは、4弦の弦数を1本増やしただけのモデルではありません。公式スペックを並べると、変更点は4箇所におよびます。

  • スケールが34インチから35インチへ

  • 指板がメイプルからホンジュラスローズウッドへ

  • ピックアップがSeymour Duncan S-PB-2からBartolini 58CBPへ

  • ブリッジがCustom Bass BridgeからGotoh 205B-5へ

同じ音程を出すとき、スケールが長いほど弦の張力は高くなります。ピックアップとブリッジまで変えている点を合わせると、4弦と5弦はそれぞれの弦数に合わせて別々に詰められた設計だと読み取れます。カラーも4弦のスノーホワイトに対して3トーンサンバーストで、見た目の性格も分かれています。

人時自身も、5弦に張る弦を選ぶ話のなかで、上から下までのバランスをとるのは難しく、いまも迷いがあると語っています。5弦を扱ううえでバランスが課題になるという認識は、本人の言葉としても残っています。

PA-HK/PP──手が届きやすい価格帯のPROGAUGEモデル

PA-HK/PPはSCHECTERのPROGAUGE ARTIST MODELSに属するモデルで、公式価格は192,500円(税込)。AC-HK/SIGと同じくアッシュボディ、メイプルネック、メイプル指板、21フレット、Angle 4-Boltジョイント、そしてSeymour Duncan S-PB-2をフロントとリアに搭載する構成です。公式のスペック表ではピックアップが「S-PB-2(F)&(R)」と前後で明記されており、Pピックアップが2基という設計思想がこのモデルにも受け継がれていることが確認できます。

ひとつ注意したいのは、公式ページにスケールの記載がないことです。同じ系譜のモデルであっても、スケール長は実機か販売店に確認するのが確実です。

Pピックアップ2基という選択について分かっていること

この配列を人時が選んだ理由を、本人が説明した公開インタビューは見当たりません。したがって「なぜ2基なのか」を断定することはできません。ただし、関連づけて読める発言は残っています。

人時はイケベ楽器のインタビューで、演奏で大事なのは弾くタイミングや両手のバランス、ピックの当て方、強弱、そしてピックアップのバランスだと語っています。ピックアップの混ぜ具合を演奏上の変数としてはっきり意識しているプレイヤーであり、シグネチャーモデルのコントロールにバランサーが備わっていることは公式スペックでも確認できます。

もうひとつの手がかりが、プレシジョンベースとの関係です。人時は佐久間正英がプレシジョンベースで弾いた音の太さに衝撃を受け、そこからプレシジョンベースの形にこだわるようになったと振り返っています。プレシジョンベースへの強い志向があること自体は、本人の言葉で確認できます。

Greco PXB-800からSCHECTERまで──人時のベース遍歴

人時のベース遍歴は、イケベ楽器のインタビューで本人がまとまった形で語っています。以下は、その証言をたどれる範囲で時系列に並べたものです。

時期・順序

ベース

本人が語っている内容

最初の1本

Greco Phoenix Bass PXB-800

ローンを組んで購入した10万円ほどの1本。ピックアップはPJで、いわゆるスペクタータイプだったと振り返っている

デビュー当時

PROCEED

ESP系列メーカーのベース。ヘッドがクワガタのような形状の既存モデルが自身のモデルとなり、色や木材を変えて複数本を使用

その後

ピックアップ3基のジャガータイプ

PROCEEDに続いて使用

活動休止前

ジャズベースタイプ

黒夢の活動休止前に製作

時期不明

NAVIGATOR

ジャズベースタイプだったと記憶をたどる形で語られている

時期不明

60年代後半のジャズベース(レンタル)

1ツアーで親指を掛ける部分がピックで削れてしまい、その後は借りられなくなったという逸話つき

1995年頃から

TOPDOG

佐久間正英のオリジナルブランド。毎年のように製作し、ジャズベースタイプやオールローズのジャズベースタイプも手がけた

活動休止後

69年頃のジャズベース

所有したものの、メンテナンスの難しさと自身の求める音の方向性を再確認して手放した

並行して

Gibson EB-IID、RD/74年製プレシジョンベースほか

ツアー先の楽器店を回って買い集めた時期があり、スティングレイやスペクターなど有名どころは当時ひと通り弾いたと語る

現在

SCHECTER

シェクターの世話になることになり現在にいたる、と締めくくっている

この遍歴で押さえておきたいのは、デビュー当時もPROCEEDを使っていたと本人が語っている点です。ESP系列のメーカーで、既存モデルをベースに人時仕様へ仕立て、色や材違いで複数本を使い分けていたと語られています。

市販された人時モデル、Edwards HEJ-100

SCHECTER以前に市販された人時シグネチャーとして、ESPのブランドであるEdwards(エドワーズ)からHEJ-100が出ていました。現在は生産終了しており、流通は中古に限られます。

平野楽器ロッキンが2025年1月に中古で扱った個体の商品ページには、実機の仕様が記載されています。オフセットシェイプのボディにシングルコイルピックアップを3基搭載し、スケールは34インチ。コントロールはボリューム1つのみという構成で、ボディからネック裏、指板面にいたるまでオールシルバーで仕上げられていました。重量は約3.985kg、製造年は1990年代とされ、同店は1990年代後半頃の製造ではないかと推定を添えています。

人時自身は、PROCEEDのあとにピックアップが3基付いたジャガータイプのベースを使っていたと語っています。HEJ-100の実機記述はこの説明と重なりますが、本人がHEJ-100という型番を挙げた発言は見当たりません。両者を同一のものと断定せず、ジャガータイプという形状の系譜として捉えておくのが実態に近い読み方です。

なお、このベースの形状は出品や記事によって「ジャガーベース」「ジャズマスタータイプ」と表記が割れています。本人の言葉は「ジャガー・タイプ」、販売店の記述は「オフセットシェイプ」です。中古で探すときは複数の呼び方で検索したほうが取りこぼしが減ります。

アンプと足元──「ライン楽器だと思っていた」という原点

アンプについて、人時は近年Markbassを使用しています。Markbassのサウンドクリニックを2014年にミュージックランドKEY京都店、2016年5月28日には同渋谷店で開催しており、告知記事でも愛用機材としてMarkbassが挙げられています。

興味深いのは鳴らし方です。人時はインタビューで、外ではスピーカーも使うがMarkbassの2発程度しか鳴らさないと述べ、その理由をスピーカーは数が少ないほど音が滲まないからだと説明しています。大型キャビネットで押すという発想ではありません。

この考え方の背景には、デビュー当時からライン録音だったという経歴があります。佐久間正英のスタジオではドローマー1960の2チャンネルを使い、チューブコンプレッサーを通して録っていたそうで、ベースはライン楽器だと思っていたほどだった、と語られています。自宅録音でもUniversal Audioの601をDIとして使い、PC上のシミュレーターで音を作るという方法をとっているそうです。

足元については、取材時点で以下のことが語られています。

  • チューナーはPetersonのStroboStomp Classic。精度の高さを重視している

  • コンプレッサーは外している。ローディーから「手コンプ」と言われたことがきっかけだったと語る

  • SansAmpは創成期から使ってきたが、これでなければ駄目という執着はないという立場

  • 歪みは実音と半々のバランスで出し、分離させずに混ざることを重視している

  • 歪みの機種そのものへのこだわりは小さく、マルチエフェクターを使っているとされる

ここで挙げた足元の状態は、2018年秋に行われた取材時点のものです。コンプレッサーについては、それ以前のイベントで導入していると話していた時期があり、取材時には外していた、という経緯が記事中で確認できます。機材は移り変わるため、最新の状態は本人の発信を追うのが確実です。

弦とピック──ROTOSOUNDの使い分けと、薄くなっていったピック

弦は4弦がスチール、5弦がニッケル

人時が使用している弦はROTOSOUND(ロトサウンド)です。使い分けがはっきりしていて、4弦にはスチール弦、5弦にはニッケルを張っています。ニッケルのほうが指なじみが良いというのが理由です。

ROTOSOUNDを選んだ背景には、老舗であることに加えて、プレシジョンベースの音に衝撃を受けたときに佐久間正英が使っていた弦がROTOSOUNDだった、という経緯があると語られています。

弦の扱い方にも独自の視点があります。弦が「死ぬ」と表現される状態、つまり新品の輝きが落ちたあとのサウンドが独特で、それを好んであえて使う場合があるというのです。スチール弦が手汗などで詰まっていったあとの音を、昔を思い出させるサウンドとして肯定的に捉えている点は、新品の鳴りを追い続けるアプローチとは対照的です。

5弦にスチールを張らない理由については、いまも迷いがあると率直に語られています。5弦では上から下までのバランスをとろうとすると、下をまとめれば上が足りなくなり、上をまとめれば下のバランスが崩れる。必要なのは出力のバランスであり、その点でニッケルの新品のほうが扱いやすいという判断です。

ピックは厚さ2.0mmまで試したうえで薄い方向へ

人時のピックへの取り組みは、黒夢の「SICK」という曲がきっかけでした。セルに近い素材のピックでは1曲もたなかったことから、自分用のピック作りが始まったといいます。

『FAKE STAR』の頃には、0.8mmから2.0mmまでを0.2mm刻みで7種類つくって比較しています。当時は硬いほど太い音が出ると言われており、それなら厚いほうが良いのではないかという発想からの検証でした。結果として2.0mmは使えず、1.0mmと1.2mmに落ち着き、当時は1.2mmが基本だったと振り返っています。

そして取材時点では0.6mmを使用していると、取材者から紹介されています。1.2mmが基本だった時期から、厚さは半分になっている計算です。「硬く厚いピックで音圧を稼ぐ」というイメージとは逆方向に進んでいることになります。

検証は厚さだけにとどまりません。ピックは顔料の色によって音が変わり、黄色は黄色の音、黒は黒の音がすると語られています。素材そのものの音が出るのはプレーン、つまり白だという結論に至り、当時は20色ほどをつくって比べたそうです。素材についても、ジム・ダンロップと同じ材質が特許で使えないと言われ、近い材質としてポリアセタールを提案されたことが始まりで、ESPでポリアセタールのピックが作られるようになったのは自分が最初ではないかと本人は述べています。

人時が語る音作りの基準──音圧ではなく「音階として聴こえるか」

ここまで見てきた機材の選び方は、ばらばらの好みの集積ではありません。イケベ楽器のインタビューには、それらを貫く基準がはっきり語られています。

人時はステージで必ずセンターに立つといいます。自分の音がセンターでどう聴こえるか、とりわけ歌う人にとってベースが音階として聴こえているか、それとも低音として聴こえているかを確認するためです。そして**「低音として聴こえてたら駄目なんです」**と述べています。

その理屈も具体的です。ピアノは88鍵あり、下の音も音階として鳴っているが、ロー成分そのものはそれほど多くない。ベースも同じで、アンサンブルを担う低音は必要でも、低音としての周波数が必要なのではなく、音程の低い音階が必要なのだ、という整理です。そのうえで、いかに歌い手が気持ちよく歌えるかが大事だと語っています。

この基準に照らすと、これまでの選択が一本の線でつながります。

選択

語られている考え方

スピーカーは2発程度

数が少ないほど音が滲まない

コンプレッサーを外す

右手の強弱で音量をコントロールする

ピックは1.2mmから0.6mmへ

厚さと太さは比例しないことを実地で検証済み

歪みは実音と半々

分離させず、歪んでいてもゴツい音が出ている状態を理想とする

ライン主体の録音

デビュー当時からラインで、ベースはライン楽器だと思っていたほど

音を足して大きくするのではなく、要らない成分を削って輪郭を残す。人時はこの点について、日本人は削ることが苦手でフラットな状態から何を減らすかを恐れる傾向がある、という趣旨の話もしています。ベースの肝はミッドとローミッドの山をどう作るかにあり、楽器の特性を知ることが重要だ、というのが語られている結論です。

人時が語っているのは機材の型番ではなく、判断の基準です。自分のベースがバンドの中で低音の塊として鳴っているのか、それとも音程として聴こえているのか。人時がステージのセンターで確認しているのは、この一点です。

中古で人時モデルを探すときの確認ポイント

SCHECTERのAC-HK/SIGとAC-HK-5/SIGは、公式ページで完全受注生産と案内されています。新品は注文してから製作される形になるため、中古で探す選択肢も現実的です。Edwards HEJ-100はすでに生産終了しており、入手経路は中古に限られます。

なお本記事では、実測にもとづく相場レンジを掲載していません。シグネチャーモデルは受注生産で流通量が限られ、価格を語るのに足りるだけの取引件数を確認できなかったためです。かわりに、個体を見るときの判断材料を挙げます。

探す際に確認しておきたい点は次のとおりです。

  • 型番の一致。AC-HK/SIG、AC-HK-5/SIG、PA-HK/PPは価格帯も仕様も異なるため、出品タイトルの型番を公式スペックと突き合わせる

  • ピックアップとブリッジがオリジナルかどうか。AC-HK/SIGはSeymour Duncan S-PB-2、AC-HK-5/SIGはBartolini 58CBPとGotoh 205B-5が公式仕様

  • 受注生産品は仕様変更や個体ごとのオーダー差がありうるため、写真で現物を確認する

  • ネックの反りとトラスロッドの余裕、フレットの残量。中古の実機記述でも重点的に触れられる項目

  • Edwards HEJ-100は1990年代の個体とされるため、電装系の経年劣化と塗装の状態を確認する。オールシルバー仕上げは打痕や剥がれが目立ちやすい

  • ケースや付属品の有無。SCHECTER公式はソフトケース付属としているが、販売店によって記載が異なる場合がある

楽器専門店の中古では、商品ページに実機の状態が書き込まれていることがあります。前述の平野楽器ロッキンのHEJ-100のページでも、ネックのコンディション、フレットの残量、トラスロッドの余裕、重量までが記載されていました。出品情報にこうした記述があるかどうかは、判断材料の量を左右します。

人時のベースに関するよくある質問

人時が使っているベースはどこのメーカーですか

SCHECTER(シェクター)です。公式アーティストページには、4弦のAC-HK/SIG、5弦のAC-HK-5/SIG、PROGAUGE ARTIST MODELSのPA-HK/PPの3機種が掲載されています。人時自身も、さまざまなメーカーを経てシェクターに落ち着き現在にいたると語っています。

シグネチャーモデルは一般でも買えますか

AC-HK/SIGとAC-HK-5/SIGは完全受注生産としてSCHECTER公式に掲載されており、価格はそれぞれ550,000円と583,000円(いずれも税込)です。PA-HK/PPは192,500円(税込)で、受注生産の表記はありません。納期や受注状況は変動するため、購入前にSCHECTERまたは取扱店に確認してください。

4弦と5弦では何が違いますか

スケール、指板材、ピックアップ、ブリッジの4点が異なります。4弦は34インチ・メイプル指板・Seymour Duncan S-PB-2・Custom Bass Bridge、5弦は35インチ・ホンジュラスローズウッド指板・Bartolini 58CBP・Gotoh 205B-5です。弦数だけの違いではなく、それぞれ別に設計されています。

なぜプレシジョンタイプのピックアップが2基なのですか

理由を人時本人が説明した公開情報は見当たりません。分かっているのは、公式スペックでフロントとリアの両方にSeymour Duncan S-PB-2が指定されていること、そして人時がピックアップのバランスを演奏上の重要な要素として挙げていることです。断定できるのはここまでです。

弦とピックは何を使っていますか

弦はROTOSOUNDで、4弦にはスチール弦、5弦にはニッケルを張っています。ピックは取材時点で0.6mmが使用されていると紹介されています。かつては1.0mmから1.2mmが基本で、『FAKE STAR』の頃に2.0mmまで試した経緯があります。

Edwards HEJ-100はどんなベースですか

ESPのブランドであるEdwardsから出ていた人時モデルで、現在は生産終了しています。オフセットシェイプのボディにシングルコイルピックアップを3基、34インチスケール、コントロールはボリューム1つ。ボディからネック裏、指板面までオールシルバーで仕上げられた個体が中古市場で確認されています。

まとめ

人時の機材は、SCHECTERのシグネチャーモデル、ROTOSOUNDの弦、Markbassのアンプという組み合わせで成り立っています。4弦のAC-HK/SIGと5弦のAC-HK-5/SIGはスケールもピックアップも異なる別設計で、前後ともプレシジョンタイプという構成は、4弦のAC-HK/SIGとPROGAUGEのPA-HK/PPで公式スペックに明記されています。

遍歴をたどると、最初の1本はGrecoのPhoenix Bass PXB-800、デビュー当時も使っていたのがESP系列のPROCEED、その後にジャガータイプやジャズベースタイプ、佐久間正英のブランドTOPDOGを経て、現在のSCHECTERに至ります。市販された人時モデルとしては、Edwards HEJ-100が中古で見つかることがあります。

そして機材以上に手がかりになるのが、本人が語っている基準です。ベースが低音の塊として聴こえてはいけない、音階として聴こえなければならない。スピーカーを減らし、コンプレッサーを外し、ピックを薄くしていった選択は、いずれもこの一点に向かっています。人時の機材を追いかけるとき、型番のリストと同じだけ手がかりになるのが、この基準そのものです。

サウンドマニア編集部

楽器の購入ガイドや基礎知識を発信するサウンドマニア編集部です。ピアノ・ギターをはじめとした楽器選びや、メンテナンス・演奏に関する実用的な情報をわかりやすくお届けします。

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