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藤岡幹大のシグネチャーギターは全5機種|7弦と6弦の設計差【2026年版】

藤岡幹大の使用ギター|ESP SNAPPERシグネチャー5機種の違い【2026年版】

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サウンドマニア編集部/楽器の購入ガイドや基礎知識を発信するサウンドマニア編集部です。ピアノ・ギターをはじめとした楽器選…

藤岡幹大のシグネチャー・ギターは、ESP・EDWARDS・GrassRootsの3ブランドから合計5機種が市販されています。すべてESPの「SNAPPER」をベースにしたモデルですが、弦数もブリッジもピックアップも一様ではありません。この記事では、5機種のスペックの違いと中古で見分けるポイント、そして使用アンプであるKEMPERのリグ制作記録までを、メーカー・専門誌・関係者が公表した情報にもとづいて整理します。

藤岡幹大のシグネチャー・ギターは5機種──まず全体像から

まず一覧で押さえてください。価格は各モデルの発売時にESPが公表したものです。

モデル名

弦数

ブリッジ

ピックアップ

発売時価格

ESP SNAPPER-7 Fujioka Custom

7弦

Floyd Rose 7st

EMG 707TW / 707

450,000円(税別)

EDWARDS E-SN7-194MF

7弦

Floyd Rose 7st(FRT-1000)

EMG 707TW / 707

194,000円(税別)

ESP SNAPPER Fujioka Custom

6弦

ESP FLICKER-III

Seymour Duncan SH-1n / SSL52-1 / SH-4

420,000円(税別)

EDWARDS E-SN-190MF

6弦

ESP FLICKER-III

Seymour Duncan SH-1n / ES-1 / Seymour Duncan SH-4

190,000円(税別)

GrassRoots G-SN-62MF

6弦

BS 113

GH-1G / GS-1G / GH-1G

62,000円(税抜)

スペックは、ESPの問い合わせ先が記載されたデジマート・マガジン(2016年12月)、同(2017年2月)、ギター・マガジンWEB(2021年1月)の製品情報と、ESP公式サイトの藤岡幹大アーティストページの掲載内容に基づいています。

ESPとEDWARDSの7弦はEMGとフロイドローズ、同じくESPとEDWARDSの6弦はセイモア・ダンカンを中心としたピックアップとESP FLICKER-III。GrassRoots版はさらに別の構成です。同じ「藤岡モデル」でも、機種ごとに設計の前提が違います。

藤岡幹大とは──淡路島出身、MI JAPAN講師でBABYMETAL“神バンド”のギタリスト

プロフィールと活動

藤岡幹大は、音楽学校MI JAPANの講師を務めながら、自身のバンド「藤岡幹大 of TRICK BOX」「仮BAND」での活動と、アーティストのサポートを並行して行ったギタリストです。ギター・マガジンWEBは2021年の記事で、藤岡の肩書を「ex-仮BAND/藤岡幹大 of TRICK BOX/MI Japan講師」と記しています。

出身地について、本人はシンコーミュージックのインタビューで「兵庫県の淡路島です」と答え、実家が淡路島でスーパーマーケットを営んでいることを語っています。同じインタビューでは、小学校入学時に天体望遠鏡を買ってもらい、星をよく見ていたことにも触れています。このインタビューは、2017年秋から本人の協力のもとで制作が進められていたムックのために、2017年12月14日に収録されたもので、シンコーミュージックの特集ページで冒頭部分が公開されています。

BABYMETALのサポート・メンバーである“神バンド”のギタリストとしても活動しました。Real Soundは、神バンドがツインギター編成で、その両翼を務めたのが藤岡と大村孝佳であったこと、小柄な体格から藤岡が「小神様」の愛称で親しまれていたことを伝えています。同記事はまた、神バンドのベーシストBOH、ドラマー前田遊野とともに仮BANDを結成していたことにも触れています。仮BANDは2017年にデビュー・ミニアルバム『仮音源 -Demo-』を発表していたと、CINRAは伝えています。

2018年1月5日に逝去。享年36歳。本人のTwitterアカウントで家族から公表された内容として、前年12月30日に天体観測中に高所から落下し、療養中の1月5日夜に容態が急変したことが、激ロックやBARKSで報じられています。BABYMETALが発表した英文の追悼コメントには、藤岡がいま「his GUITAR MASTER A.Holdsworth」とのセッションを楽しんでいることを願う一文がありました。CINRAはこれを、藤岡が敬愛し前年4月に逝去していたアラン・ホールズワースの名を挙げたものと伝えています。

著書と連載

藤岡はシンコーミュージックから多数の教則本を出しています。同社の特集ページに掲載されている関連書籍では、次のタイトルが確認できます。

  • 『アドリブ・ギター虎の巻』シリーズ(ロック&ブルース編/ジャズ/フュージョン編/HR/HM編/テクニカル・フュージョン編ほか)

  • 『バカテク・ギター虎の巻[保存版](CD付)』

  • 『ギタリストなら誰でも持ってる“脳内コード・ブック”覚醒法(CD付)』

  • 『コレを知らずにプロにはなれない ギタリストのルール・ブック(CD付)』

  • 『藤岡幹大の、ヤング・ギターのレッスンめっちゃたくさん!(DVD付)』

  • 教則DVD『TRICK BOX:SP~特製:奏法玉手箱~』(2006年3月24日発売)

ヤング・ギター誌では奏法講座『TRICK BOX』を8年間にわたって連載しました。逝去後には、本人監修の予定で制作が進んでいた企画がムック『99% 藤岡幹大(仮)』(AB判160ページ)として刊行されています。同書には未公開のロング・インタビューに加え、愛用ギター・アンプ・エフェクターの撮り下ろし写真ギャラリーと詳細解説が収録されていると、シンコーミュージックが告知しています。足元のエフェクターまで含めて具体的な機種を確かめたい場合は、このムックが手がかりになります。

ESP SNAPPER-7 Fujioka Custom──最初のシグネチャーは7弦だった

藤岡幹大の「初となるシグネチャー・モデル」は、6弦ではなく7弦のSNAPPER-7 Fujioka Customでした。2016年12月26日にデジマート・マガジンが製品情報を掲載しています。

項目

内容

BODY

Alder

NECK

Hard Maple

FINGERBOARD

Rosewood, 24frets

FRETS

JESCAR FW57110-NS

INLAY

MOP Dot

SCALE

648mm

NUT

Locknut(R7S/48mm)

JOINT

Bolt-on(T-5 Ultimate Access)

TUNER

GOTOH SG360-07 MG-T

BRIDGE

Floyd Rose 7st

PICKUPS

EMG 707TW(Neck)/EMG 707(Bridge)

CONTROL

Master Volume, Master Tone, 3WAY Lever PU Selector, Neck PU Single Mode & Direct Switch

COLOR

Vintage Burgundy Mist

ESP SNAPPER-7 Fujioka Custom のスペック(デジマート・マガジン 2016年12月26日掲載の製品情報より)

ネック・ジョイントはデタッチャブル方式で、ジョイント部には新開発のT-5 Ultimate Accessを採用。ジョイント・プレートはチタン製だとデジマート・マガジンは伝えています。フロントのEMG 707TWはミニ・スイッチでシングル・モードに切り替えられる仕様で、発売時の案内では直筆認定証が付属するとされていました。

同誌は本器の位置づけについて、多くの7弦モデルがヘヴィ系サウンドに特化しているのに対し、本器はヘヴィ系はもちろん、より多様な音楽に対応できるモデルだと紹介しています。ピッチにシビアな感覚を持つ藤岡も納得する安定感を、ジェスカー製フレットやフロイドローズの採用などで確保したという説明が添えられています。

ESP公式サイトの藤岡幹大アーティストページでは、本器の紹介欄に藤岡本人のコメントが掲載されています。

僕がギターに求めることは、仕事で問題無く使えること。「問題無く使える」と言うのは、ピッチが良くてネックが丈夫で環境に左右されない。

── ESP GUITARS「藤岡 幹大」アーティストページより

コメントはこのあと、フロイドローズで起こりがちなローポジションでのピッチの甘さが、このギターでは解消されていると続きます。

なお、搭載されているEMG 707TW/707について、販売店に掲載されている製品説明では「アクティブタイプのEMG707と707TWのコンビネーション」と説明されています。アクティブ・ピックアップとロック式トレモロの組み合わせは、ESP版・EDWARDS版の6弦モデル(セイモア・ダンカンを中心としたピックアップとESP FLICKER-III)とは異なる点です。

ESP SNAPPER Fujioka Custom──6弦はロック式トレモロではない

7弦に続いて2017年2月に発表されたのが、6弦のSNAPPER Fujioka Customです。デジマート・マガジンは本器を「彼が現在愛用している6弦モデル」として紹介しました。

項目

内容

BODY

Alder

NECK

Hard Maple

FINGERBOARD

Honduras Rosewood, 22frets

FRETS

JESCAR FW57110-NS

INLAY

MOP Dot

SCALE

648mm

NUT

Unbleached Bone(42mm)

JOINT

Bolt-on(T-5 Ultimate Access)/5点止め

TUNER

GOTOH SG360-07 MG-T

BRIDGE

ESP FLICKER-III

PICKUPS

Seymour Duncan SH-1n(Neck)/Seymour Duncan SSL52-1(Middle)/Seymour Duncan SH-4(Bridge)

CONTROL

Master Volume, Master Tone, 5WAY Lever PU Selector, Neck PU Single Mode & Direct Switch

COLOR

Vintage Burgundy Mist

ESP SNAPPER Fujioka Custom のスペック(デジマート・マガジン 2017年2月18日掲載の製品情報より。5点止めは同記事本文の記述)

ここで押さえておきたいのが、6弦モデルのブリッジがロック式トレモロではないという点です。搭載されているのはESPのFLICKER-IIIで、ナットはUnbleached Bone。ロック機構はナット側ではなくペグ側(GOTOH SG360-07 MG-T)が担っています。

この設計について、藤岡自身がデジマート・マガジンに寄せたコメントでは、ESPフリッカーブリッジとロックペグの併用によってチューニングの狂いが少なく、スムーズなアーミングが可能になったと説明されています。同じコメントのなかで、スイッチひとつでフロントのシングルコイル・モードに切り替えられることを、7弦モデルと同様に「僕には必須のアイテム」と述べています。

ピックアップ構成は、フロントとリアがハムバッカー(SH-1n/SH-4)、センターがシングルコイル(SSL52-1)。ミニ・スイッチでコイル・スプリット・モードの音色へ強制的に切り替わる仕組みです。本人はこの配列について、ハムバッキングでは程よい荒々しさを、シングルコイルではクセのないシングルコイルの音までをカバーできると説明しています。

EDWARDS・GrassRoots──「廉価版」で片づけられない仕様差

EDWARDS E-SN7-194MF(7弦)

ESPの7弦モデルと同時に発売されたコスト・パフォーマンス・モデルです。ボディ(Alder)、ネック(Hard Maple)、指板(Rosewood, 24frets)、スケール(648mm)、ロックナット(R7S/48mm)、ピックアップ(EMG 707TW/707)、コントロール系は、ESP版と同じ内容がスペック表に記載されています。

スペック表で異なるのは、フレット(JESCAR FW57110-NS → #216)、インレイ(MOP Dot → Pearloid Dot)、ジョイント(T-5 Ultimate Access → Star Cut)、ペグ(GOTOH SG360-07 MG-T → GOTOH SG360-07)、ブリッジ(Floyd Rose 7st → Floyd Rose 7st(FRT-1000))の5項目です。

EDWARDS E-SN-190MF(6弦)

6弦のEDWARDS版は、7弦の場合と事情が違います。デジマート・マガジンは本器を紹介する際、24フレット仕様であること、指板にローズウッドを採用したこと、センター・ピックアップにES-1を搭載したことを、ESP版との違いとして明記しています。

項目

ESP SNAPPER Fujioka Custom

EDWARDS E-SN-190MF

指板材

Honduras Rosewood

Rosewood

フレット数

22frets

24frets(発売時)/22frets(ESP公式の現行表記)

センターPU

Seymour Duncan SSL52-1

ES-1

フレット

JESCAR FW57110-NS

#216

インレイ

MOP Dot

Pearloid Dot

ナット

Unbleached Bone(42mm)

Bone(42mm)

ジョイント

Bolt-on(T-5 Ultimate Access)

Bolt-on(Star Cut)

ブリッジ

ESP FLICKER-III(共通)

ESP FLICKER-III(共通)

ペグ

GOTOH SG360-07 MG-T(共通)

GOTOH SG360-07 MG-T(共通)

6弦モデルにおけるESP版とEDWARDS版のスペック差(デジマート・マガジン 2017年2月18日掲載の製品情報、およびESP公式サイトより)

指板材とセンター・ピックアップが違う以上、6弦のEDWARDS版はESP版の価格違いとは言えません。発売時の案内ではフレット数も24(ESP版は22)とされていましたが、現行のESP公式スペックではEDWARDS版も22フレットと記載されており、生産時期によって異なる可能性があります。実機か個体ごとの仕様表で確認してください。

GrassRoots G-SN-62MF(6弦・89%サイズ)

藤岡の逝去から3年後の2021年、GrassRootsブランドから登場したモデルです。ギター・マガジンWEBは、ESPとEDWARDSの2モデルの流れを汲みつつ、全体が89%に縮小されたサイズになっており、手が小さい人や握力が弱い人でも弾きやすいギターだと紹介しています。発表日は2021年1月19日で、同誌はこれを彼の40歳の誕生日にあたる日だと記しています。

項目

内容

BODY

Alder

NECK

Hard Maple

FINGERBOARD

Pau Ferro, 22frets

SCALE

577mm

NUT

Bone(42mm)

INLAY

Dot

CONSTRUCTION

Bolt-on(STAR CUT)

TUNER

Rotomatic Type

BRIDGE

BS 113

PICKUPS

GH-1G(Neck)/GS-1G(Middle)/GH-1G(Bridge)

CONTROLS

Master Volume, Master Tone, 5WAY Lever PU Selector, Neck PU Single Mode Switch

COLOR

Vintage Burgundy Mist

GrassRoots G-SN-62MF のスペック(ギター・マガジンWEB 2021年1月25日掲載の製品情報より)

スケールは577mm。ESP版・EDWARDS版の648mmに対して約89%にあたり、ESP公式サイトは648mmスケールの2フレットカットと同じスケールだと説明しています。初回ロットの出荷は2021年5月の予定と告知されていました。

全5機種スペック横断比較表

項目

ESP SNAPPER-7 Fujioka Custom

EDWARDS E-SN7-194MF

ESP SNAPPER Fujioka Custom

EDWARDS E-SN-190MF

GrassRoots G-SN-62MF

弦数

7弦

7弦

6弦

6弦

6弦

ボディ

Alder

Alder

Alder

Alder

Alder

ネック

Hard Maple

Hard Maple

Hard Maple

Hard Maple

Hard Maple

指板

Rosewood

Rosewood

Honduras Rosewood

Rosewood

Pau Ferro

フレット数

24F

24F

22F

24F(発売時)/22F(現行表記)

22F

スケール

648mm

648mm

648mm

648mm

577mm

ジョイント

Bolt-on(T-5 Ultimate Access)

Bolt-on(Star Cut)

Bolt-on(T-5 Ultimate Access)

Bolt-on(Star Cut)

Bolt-on(STAR CUT)

ナット

Locknut(R7S/48mm)

Locknut(R7S/48mm)

Unbleached Bone(42mm)

Bone(42mm)

Bone(42mm)

ブリッジ

Floyd Rose 7st

Floyd Rose 7st(FRT-1000)

ESP FLICKER-III

ESP FLICKER-III

BS 113

ペグ

GOTOH SG360-07 MG-T

GOTOH SG360-07

GOTOH SG360-07 MG-T

GOTOH SG360-07 MG-T

Rotomatic Type

ピックアップ

EMG 707TW / 707

EMG 707TW / 707

SH-1n / SSL52-1 / SH-4

SH-1n / ES-1 / SH-4

GH-1G / GS-1G / GH-1G

PUセレクター

3WAY

3WAY

5WAY

5WAY

5WAY

ネックPUシングル化

あり

あり

あり

あり

あり

カラー

Vintage Burgundy Mist

Vintage Burgundy Mist

Vintage Burgundy Mist

Vintage Burgundy Mist

Vintage Burgundy Mist

出典:デジマート・マガジン(2016年12月・2017年2月)、ギター・マガジンWEB(2021年1月)の製品情報、ESP公式サイト

5機種を横に並べると、共通しているのはアルダー・ボディ、ハードメイプル・ネック、ボルトオン構造、Vintage Burgundy Mistのカラー、そしてネック・ピックアップをシングルコイル・モードへ切り替えるスイッチの5点です。逆に、指板材・フレット数・スケール・ナット・ブリッジ・ペグ・ピックアップは機種ごとに変わります。

本人コメントとスペックから読み取れる、藤岡幹大がギターに求めたもの

本記事で参照した資料のうち、本人のコメントが掲載されているのはESP版の2機種です。7弦の紹介欄には、ギターに求めることとして「ピッチが良くてネックが丈夫で環境に左右されない」ことが、6弦のコメントには「様々なジャンルに対応できる幅の広さ」をこのギターに求めたことが、藤岡自身の言葉で書かれています。

そのうえで、5機種すべてに共通する装備が、ネック・ピックアップをシングルコイル・モードへ切り替えるスイッチです。ESPとEDWARDSの4機種ではこれが「Neck PU Single Mode & Direct Switch」としてコントロール欄に記載され、GrassRoots版でも「Neck PU Single Mode Switch」として残されています。藤岡本人がこれを必須と語っていたことは前述のとおりで、逝去後に登場した89%サイズのモデルにもこの機能は受け継がれています。

チューニングの安定性については、ESPとEDWARDSの7弦ではロックナットとフロイドローズ、同6弦ではロックペグとFLICKER-IIIという別々の構成が採られています。デジマート・マガジンは6弦モデルについて、細部に至るまでチューニングの狂いを最小限に抑えるための藤岡のこだわりが貫かれていると記しています。

ピックアップの選び方も、ESPとEDWARDSでは弦数によって分かれます。7弦はEMGのアクティブ2基、6弦はセイモア・ダンカンを中心とした3基。7弦モデルについてデジマート・マガジンは、多くの7弦がヘヴィ系に特化するなかで本器はより多様な音楽に対応できると評しており、6弦モデルについては本人が、ハムバッキングとシングルコイルの双方をオールマイティにカバーする配列だと説明しています。

ESP公式サイトの現行掲載状況──製品名・価格・生産ステータス

ここまでのスペックと価格は、各モデルの発売時にESPが公表したものです。一方、ESP公式サイトの藤岡幹大アーティストページには、現在の製品名と価格が掲載されています。EDWARDS版とGrassRoots版は、発表時の型番と現行の掲載名が異なります。中古・新品を問わず、新旧どちらの名称でも検索してください。

ESP公式の現行表記

発表・発売時の型番

現行価格(税込)

JANコード

生産ステータス表示

ESP SNAPPER-7 Fujioka Custom

同左

748,000円

4515303290219

SUSPENDED(一時生産停止)

ESP SNAPPER Fujioka Custom

同左

649,000円

4515303290202

表示なし

EDWARDS E-SNAPPER-7 Fujioka Custom

E-SN7-194MF

319,000円

4515303286540

表示なし

EDWARDS E-SNAPPER Fujioka Custom

E-SN-190MF

291,500円

4515303286533

表示なし

GRASSROOTS G-SNAPPER-MF

G-SN-62MF

68,200円

4515303532401

表示なし

出典:ESP GUITARS公式サイト「藤岡 幹大」アーティストページ(2026年9月24日確認)。ESP製2機種には認定証が付属する旨の記載があります

ESP公式ページで「SUSPENDED」の表示があるのはSNAPPER-7 Fujioka Customの1機種のみで、「諸事情により一時生産を停止しております。」と記されています。掲載内容は更新される可能性があるため、購入前にはESP公式ページと販売店で最新の状況を確認してください。

なお、ESPは2021年のGrassRoots版の発売告知で、発売にあたり遺族の快諾を得たことに触れたうえで、「すべての藤岡幹大モデル売り上げの一部は、藤岡氏のご遺族に贈られています」と記しています。新品で購入する場合は、この点も判断材料のひとつになります。

認定証のサインは、ある時期を境に直筆から印刷に変わった

ESPは藤岡の逝去直後、2018年1月10日付の公式告知で次のように表明しています。

現在、ESPとEDWARDSから発売中のシグネチュアモデルですが、故人の遺志を尊重し引き続き製造販売させていただきます。また、ESPに付属する直筆サイン入り認定証は、次回出荷分よりサインは印刷となりますので、予めご了承ください。

── ESP GUITARS「藤岡幹大シグネチュアモデルについて」2018年1月10日

7弦モデルの発売時(2016年12月)には直筆認定証の付属が案内されていましたから、この告知以降に出荷された個体はサインが印刷に切り替わったことになります。中古個体を検討するときは、認定証が付属しているか、サインが直筆か印刷かを出品者に確認しておくと、個体の素性を判断する材料が一つ増えます。

スペック表記が発売時と現在で変わっている3点

出品情報を読むときに混乱しやすい箇所があります。いずれも発売時の製品情報とESP公式サイトの現行スペックで記載が異なる項目です。生産時期による違いの可能性があるため、一方だけを正解と考えないでください。

  • ESP製2機種のフレット:発売時の製品情報ではJESCAR FW57110-NS、ESP公式サイトの現行スペックではEXJ-NSと表記されています

  • EDWARDS 6弦のフレット数:2017年発売時のE-SN-190MFは24フレットと案内されていましたが、現行のE-SNAPPER Fujioka CustomはESP公式サイトで22フレットと記載されています。フレット数はESP版とEDWARDS版を見分ける決め手ではなく、生産時期を推測する手がかりとして見てください

  • ESP 6弦のネック:発売時の製品情報ではHard Maple、ESP公式サイトの現行スペックではHard Maple(CT System)と表記されています

アンプはKEMPER──プロファイリングの記録と、製品化されたリグの中身

ギター以外の機材については、逝去後にメイン機材のほぼ全てを引き継いだギタリストの大村孝佳が公式サイトに掲載した文章(2018年1月14日)が手がかりになります。そこには「藤岡さんのESPギターやKemperアンプ、メインで使用されていた機材は今後必ずステージ等で自分のメイン機材と同等の扱いで使用すること」と書かれています。同じ文章は、引き継ぎ方の例として、藤岡のMarshallキャビを引き継ぐ場合には自身の改造Bognerキャビをチャリティー・オークションに出品する、という形でMarshallキャビにも触れています。

KEMPERとリグの仕組み

KEMPER Profiling Amplifierは、実機のアンプを鳴らしてマイクで収音した音色を記憶する「プロファイリング」方式の機材です。デジマート・マガジンに寄稿したViViXの青木征洋は、KEMPERの登場によって「あらゆるアンプ、キャビネット、マイクの音をわずか5kg程度のデジタル機材に入れて持ち運ぶことが出来るようになりました」と説明しています。アンプの音色に加えて、コンプ、EQ、リバーブ、ディレイ、モジュレーションといったエフェクトをまとめて「リグ」という単位で保存・呼び出しできる点も、この機材の特徴です。

2度のプロファイリング・セッションの記録

藤岡本人のKEMPERリグは、後に『Mikio Fujioka Preset Rig Pack』として商品化されました。青木による制作記録には、収録の日付・場所・内容が具体的に残されています。

回

日付

場所

記録されている内容

第1回

2017年10月16日

サウンドスタジオノア高田馬場

瑞々しいクリーン/7弦で使うことを重視したヘヴィな歪み/「アランホールズワージーな音で!」というオーダーで作った中域に特徴のあるリードトーン(2時間ほど収録)

第2回

2017年12月29日

サウンドスタジオノア初台

新しく入手したリボンマイク等も活用。汎用性・クオリティとも第1回を上回り、数としても十分なバリエーションが得られた

(未実施)

2018年に持ち越し

―

ブラウン・サウンドのリグを追加収録する予定だったが、機会は訪れなかった

出典:デジマート・マガジン「【Mikio Fujioka Preset Rig Pack】藤岡幹大氏のKEMPERリグ、デジマートで100本限定発売」(2018年9月3日)に掲載されたViViX 青木征洋による制作記録

ここで注目したいのが、第1回のリードトーンのオーダーにアラン・ホールズワースの名が挙がっている点です。ホールズワースは2017年4月に逝去しており、第1回のプロファイリングはその半年後にあたります。BABYMETALが藤岡を送る際にホールズワースの名を挙げたことは前述のとおりで、敬愛したギタリストの名を出して作られたリードトーンが、制作記録に残っていることになります。

最終的な細かいEQや空間系の付与といった微調整は青木の判断で行われ、一部のリードトーンには藤岡の教え子でもあるギタリストの岡聡志が協力しています。

製品版に収録された14のリグ

制作記録で音色の種類が具体的に挙がっているのは第1回だけで、第2回の収録内容は内訳まで書かれていません。製品版の中身は、ViViX公式サイトのRigsページと、そこからリンクされた販売ページで確認できます。ViViXは本パックを、藤岡の多岐にわたる活動をカバーできるプリセットとしてHughes & Kettner、ENGL、Fender等を収録した、収録リグ数14のリグパックだと説明しています。

アンプ

チャンネル/音色

リグ数

Hughes & Kettner TriAmp MkIII

Clean(2)/Crunch(2)/Rhythm(1)/Lead(3)

8

ENGL Fireball

Rhythm(4)

4

Fender TwinReverb '65

Clean(2)

2

出典:ViViX「Mikio Fujioka Preset Rig Pack」販売ページの収録リグ一覧(2026年9月24日確認)。リグ名にはマイク(SM57、R-121、R-10)やキャビネットの違いが併記されています

どのリグがどちらのセッションで収録されたかは、制作記録と販売ページには示されていません。確実に言えるのは、クリーンからクランチ、リズム、リードまでが、3機種のアンプの音で用意されているということです。

リグ・パックはチャリティー企画として販売されたもので、デジマート・セレクトショップでのUSBメモリ版(100本限定、3,000円税別)は完売しています。デジマート・マガジンの告知ではダウンロード版を2018年11月30日まで購入可能としていましたが、ViViX公式サイトのRigsページは現在も販売ページにリンクしており、販売ページには収益の一部が藤岡の遺族へ贈られる旨が記されています(2026年9月24日確認)。

中古で探すときの見方

まず「どの藤岡モデルか」を型番で確定する

5機種はすべてカラーがVintage Burgundy Mistで統一されているため、写真だけでは見分けにくくなっています。出品タイトルが「藤岡幹大モデル」としか書かれていない場合、次の順で絞り込めます。

  1. 弦数を数える──7弦ならSNAPPER-7 Fujioka CustomかE-SN7-194MF(現行名E-SNAPPER-7 Fujioka Custom)

  2. ナットを見る──ロックナットなら7弦系、骨材(Bone)のナットなら6弦系

  3. 指板とスケールを見る──6弦で指板がパーフェローかつスケールが短ければGrassRoots版。ローズウッド系ならESP版かEDWARDS版

  4. ジョイント部とペグを見る──ジョイントがT-5 Ultimate AccessならESP版、Star CutならEDWARDS版。7弦のペグはESP版がGOTOH SG360-07 MG-T、EDWARDS版がGOTOH SG360-07

  5. 型番の記載を求める──保証書などで型番の確認を出品者に依頼する。EDWARDS版とGrassRoots版は発売時と現行で表記が異なるため、両方の名称で確認する

フレット数を判別の決め手にしないでください。6弦のEDWARDS版は、2017年発売時の案内が24フレット、ESP公式サイトの現行スペックが22フレットで、生産時期によって異なる可能性があります。フレット数を数えること自体は有効ですが、それ単独ではなく指板材・ジョイント加工・型番と組み合わせて確認するのが確実です。

状態確認は、機種ごとにチェック項目が変わる

  • 7弦モデルのブリッジまわり──ロック式トレモロのナイフエッジ摩耗、ロックナットの状態、スプリングのへたり、アーミング後のチューニング復帰を確認します

  • 7弦モデルの電装──搭載されているEMGは前述のとおりアクティブ・タイプで、電池で駆動します。電池ボックスの接点と配線の状態、シールドを挿したときのノイズを確認します

  • 6弦のESP版・EDWARDS版──ロックナットがないぶん、ペグ側のロック機構が生きているかが重要です。ペグの動作と、ブリッジ・サドルの状態を見ます

  • 全機種共通──ネック・ピックアップのシングル・モード切替スイッチが正常に動作するかを試奏で確かめてください。5機種すべてに備わる装備です

  • 木部とネック──ネックの反り、フレットの減り、ジョイント部のガタつきを確認します。判断が難しい場合は、実機を扱う専門店に相談してください

価格の判断材料

本記事では、実測にもとづく中古相場レンジを掲載していません。代わりに、判断の起点として発売時の価格を並べておきます。ESP SNAPPER-7 Fujioka Customが450,000円(税別)、ESP SNAPPER Fujioka Customが420,000円(税別)、EDWARDS E-SN7-194MFが194,000円(税別)、EDWARDS E-SN-190MFが190,000円(税別)、GrassRoots G-SN-62MFが62,000円(税抜)。いずれも各モデルの発売時にESPが公表した価格です。

もう一つの目安として、前掲したESP公式サイトの現行価格(2026年9月24日確認)が使えます。実際の売買では、この2つの価格を出発点に、機種の同定・付属品の有無・状態を見て判断することになります。ESP版は認定証が付属するため、その有無と、サインが直筆か印刷かも確認しておきたい点です。

よくある質問

藤岡幹大のシグネチャー・モデルは何機種ありますか?

ESPから2機種(SNAPPER-7 Fujioka Custom/SNAPPER Fujioka Custom)、EDWARDSから2機種(E-SN7-194MF/E-SN-190MF)、GrassRootsから1機種(G-SN-62MF)の計5機種が市販されました。EDWARDSとGrassRootsは、ESP公式サイトの現行掲載名がそれぞれE-SNAPPER-7 Fujioka Custom、E-SNAPPER Fujioka Custom、G-SNAPPER-MFです。最初に登場したのは7弦のSNAPPER-7 Fujioka Customです。

6弦と7弦、どちらがメインだったのですか?

本記事で参照したESPの公式情報と専門誌の製品記事には、どちらかをメインと位置づける記述はありません。分かっているのは、7弦のほうが先にシグネチャー化されたこと、そして2017年の発表時に、デジマート・マガジンが6弦モデルを「彼が現在愛用している6弦モデル」と紹介していることです。

EDWARDS版はESP版の廉価コピーですか?

7弦については、フレット・インレイ・ジョイント・ペグ・ブリッジの5項目を除いてESP版と同じスペックが記載されています。一方6弦は、指板材とセンター・ピックアップが異なり、同一設計の価格違いとは言えません。フレット数についても、発売時の製品情報ではESP版が22フレット・EDWARDS版が24フレットとされていましたが、ESP公式サイトの現行スペックではどちらも22フレットと記載されています。

使用していたアンプやエフェクターは分かりますか?

アンプはKEMPER Profiling Amplifierです。機材を引き継いだ大村孝佳が公式サイトの文章でKemperアンプに触れているほか、本人のKEMPERリグが『Mikio Fujioka Preset Rig Pack』として商品化され、制作記録と収録リグの一覧が公開されています。個々のエフェクター・ペダルまで確かめたい場合は、シンコーミュージックが刊行したムック『99% 藤岡幹大(仮)』に、愛用ギター・アンプ・エフェクターの撮り下ろし写真ギャラリーと詳細解説が収録されていると告知されているので、細部まで確認したい方はそちらを参照してください。

まとめ

藤岡幹大のシグネチャー・ギターは、ESP・EDWARDS・GrassRootsの3ブランドから5機種。すべてSNAPPERをベースにしたアルダー・ボディ/ハードメイプル・ネックのボルトオン構造で、カラーはVintage Burgundy Mistに統一されています。ESPとEDWARDSの7弦はEMG 707TW/707とフロイドローズ、同じく6弦はセイモア・ダンカンを中心とした3基のピックアップとESP FLICKER-III、GrassRoots版はGH-1G/GS-1GとBS 113という構成です。5機種すべてに残されたネック・ピックアップのシングル・モード切替は、本人が必須と語った機能でした。

アンプはKEMPERで、2017年10月と12月の2度のプロファイリングを経て、Hughes & Kettner TriAmp MkIII・ENGL Fireball・Fender TwinReverb '65による14のリグが製品化されています。中古で探す際は、弦数・ナット・指板材・ジョイント加工を順に見て候補を絞り、最後は型番の記載で確定させる流れになります。ESP版は認定証の有無とサインの種類も判断材料になります。

サウンドマニア編集部

楽器の購入ガイドや基礎知識を発信するサウンドマニア編集部です。ピアノ・ギターをはじめとした楽器選びや、メンテナンス・演奏に関する実用的な情報をわかりやすくお届けします。

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