
桑原彰の使用機材|68年製レス・ポールとサイケデリズムのギター【2026年版】
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桑原彰は、2024年10月17日をもってRADWIMPSを脱退したギタリストです。在籍時のシステムは、コントロールボード2台とエフェクトラック2セットで構成された大規模なもので、オーバードライブを中心とした歪み系ペダルだけで少なくとも12台を積んでいました。この構成は、ギター・マガジン2016年12月号のRADWIMPS総力特集と連動して、デジマート・マガジンが機材名まで公開しています。本記事では、その公開情報に、バンドの公式発表とギターを製作したサイケデリズムの公開記録を加えて、桑原彰の使用機材を整理します。
桑原彰の使用機材|ギター・マガジン連動で公開されたシステム全体像
まず全体像です。以下はすべて、リットーミュージックが運営するデジマート・マガジンが2016年11月に公開した機材紹介に基づいています。2016年11月に公開されたシステムで、連動するギター・マガジンの誌面紹介には、『君の名は。』や当時の新作『人間開花』でも使用した機材を撮影したと書かれています。
システム全体の内訳
コントロールボード1
MIDIフットコントローラー
スイッチャー
チューナー
ジャンクションボックス
コントロールボード2
ボリュームペダル
ワウ2台
ピッチシフター
パワーサプライ
ノイズリダクション
ジャンクションボックス
ラック1(3段)
MIDIフットコントローラー
モジュレーション
ピッチシフト
ディレイ
オートワウ
シミュレーター系
ラック2(4段)
スイッチャー
歪み系ペダル 少なくとも12台
ルーティングボックス群
サブボード
歪み4台
ディレイ2台
モジュレーション
リバーブ
チューナー
スイッチャー2台
📌 足元に数台のペダルを並べるスタイルではなく、ラックに機材を積み上げ、スイッチャーで組み合わせを呼び出す設計とみられます。歪みペダルの台数が突出している点が、このシステムを特徴づけています。
桑原彰のプロフィールとRADWIMPS脱退
桑原彰(くわはら あきら)は、RADWIMPSのリードギターを務めていたギタリストです。デジマート掲載のバンドプロフィールによれば、RADWIMPSは2001年に結成され、翌2002年に「YHMF(YOKOHAMA HIGH SCHOOL MUSIC FESTIVAL)」でグランプリを受賞。2005年にシングル「25コ目の染色体」でメジャーデビューしています。在籍時の編成は、野田洋次郎(Vo, Gt, Pf)、桑原彰(Gt)、武田祐介(Ba)、山口智史(Dr)の4人でした。
2024年10月17日の脱退発表
RADWIMPSの公式サイトは2024年10月17日に「ご報告」を掲載し、桑原彰が同日をもってバンドを脱退したことを発表しました。理由については、20年以上活動を共にするなかでメンバー間に少しずつ考え方や想いの相違が生まれ、話し合いを重ねた結果この結論に至った、という趣旨が記されています。
同じ発表には本人のコメントも掲載されており、メンバーと20年以上共に駆け抜けた人生は自分の宝物である、という言葉を残しています。野田洋次郎は「15歳から一緒に音楽を鳴らすことができて、心から感謝です」とコメントしました。
ℹ️ 以下の内容は、「桑原彰がRADWIMPSで鳴らしていた音を、どんな機材が作っていたか」の記録として読んでください。
桑原彰の使用ギター|レスポールとサイケデリズム
ギター本体は、デジマートの機材紹介の対象に含まれていません。ここでは、ほかの一次情報で確かめられる範囲で整理します。
68年製レス・ポール──ギター・マガジン2016年12月号の見出しから
ギター・マガジン2016年12月号のRADWIMPS特集では、桑原彰のソロ・インタビューが「68年製レス・ポールを手に」という見出しで紹介されています(リットーミュージックの誌面紹介より)。
誌面紹介の見出しから確認できるのは年式までで、カラーやピックアップの仕様は明らかにされていません。
Psychederhythm──恵比寿のギターショップによるオリジナルギター
もう一つの軸がPsychederhythm(サイケデリズム)のオリジナルギターです。サイケデリズムは1999年に東京・恵比寿でオープンしたギターショップで、デジマートは「オリジナル・ギターの製作でも知られる人気の楽器店」と紹介しています。
同店のスタッフブログ(2008年1月14日付)には、桑原が来店して次の2本を受け取ったことが記録されています。
Moderncaster S "ギンギン。" — 桑原の希望を受けて同店が特別に製作した1本
T-CUSTOM — 同店の量産モデルで、5本目となる最後の1本を入手し、桑原好みの設定に変更して引き渡し
サイケデリズムとの接点は、エフェクター側にもあります。デジマートが公開したラックには、サイケデリズムのオリジナル・エフェクター「抹茶ドライヴ」が複数台入っており、そのうち銀色の個体はプロトタイプだと明記されています。
加えて、同じラックに2台入っているOm Laboratories「Sahasrara Overdrive」は、デジマートの紹介でオフィシャルHPとしてサイケデリズムのサイトが案内されています。
まとめ: サイケデリズムとの関係は、特別製作のギターと、プロトタイプを含むオーバードライブの両方で確認できます。
桑原彰のエフェクター|2つのラックとコントロールボード
ここからが本題です。デジマートの記事は、コントロールボード2台とラック2セット、さらにサブボードまで、段ごとに機材名を挙げています。
歪み系──ラック2に少なくとも12台
ラック2は、1段目のスイッチャー(Free The Tone ARC-3)を除くと、2段目から4段目までが歪み系ペダルとルーティングボックスで埋まっています。
2段目
Ibanez TS808HW
Om Laboratories Sahasrara Overdrive ×2
JHS Pedals Moonshine Overdrive
3段目
MAD PROFESSOR Sweet Honey Overdrive ×2
JHS Pedals Charlie Brown ×2
4段目
Ibanez TS808
BOSS BD-2 Blues Driver
Psychederhythm 抹茶ドライヴ(複数台。銀色の個体はプロトタイプ)
📌 抹茶ドライヴ以外で10台、抹茶ドライヴが複数台(デジマートの表記は「いずれも」)で、歪み系は少なくとも12台。しかも同じモデルを複数台積んでいるものが4種類あります。同一モデルを複数持つ理由はデジマートの記事には書かれていませんが、設定の違う個体を用意して踏み分けたり、重ねがけしたりする使い方が考えられます。
チューブスクリーマー系だけでもTS808HWとTS808の2台があり、サブボードにはTS9も入っています。TS808HWはハンドワイヤリングで組まれたモデルで、TS808は1970年代後半に発売されたオリジナルのリイシューです。同系統を複数そろえている点は目を引きますが、使い分けはデジマートの記事には書かれていません。
ゲインの幅は機種によってさまざまです。MAD PROFESSOR Sweet Honey Overdriveはローゲインのオーバードライブと紹介されている一方、JHS Pedals Moonshine Overdriveはスイッチでクランチ〜ブーストとハイゲイン・ディストーションを切り替えられ、JHS Pedals Charlie Brown(Marshall JTM45の音色を狙ったモデル)もドライブを上げきるとハイゲインなオーバードライブになると説明されています。抹茶ドライヴも、2つのチャンネルを混ぜてよりハードな歪みを作れる仕様です。ローゲインからハイゲインまで出せる機種を、スイッチャーで組み合わせられる形で並べた構成といえます。
空間系・モジュレーション──ラック1
ラック1には、1段目のRocktron MIDI RAIDERに続いて、ディレイ、モジュレーション、そして変わり種が並びます。
ディレイ
LINE 6 DL4(伝説的なエコー&ディレイ・マシンをもとにした16のモデルを搭載)
t.c.electronic ND-1 NOVA DELAY
BOSS DD-7 Digital Delay
モジュレーション
Eventide ModFactor
BOSS BF-2 Flanger ×2
BOSS TR-2 Tremolo
ピッチ
Eventide PitchFactor
その他
BOSS AW-3 Dynamic Wah(オートワウ)
MOOER Acoustikar(アコースティックシミュレーター)
Electro-Harmonix C9 Organ Machine(オルガンシミュレーター)
注目したいのは最後の2台です。MOOER Acoustikarはエレキギターの音をアコースティックギター風に変換するペダル、C9 Organ Machineはオルガンの音に変換するペダル。どちらも「ギターらしい音」を作る機材ではありません。どの曲で使っていたかはデジマートの記事には書かれていませんが、ギターを持ち替えずにアコースティックやオルガンの音色を出すための備えとみられます。
逆に、デジマートが挙げている範囲では、メインのボードとラックにリバーブの単体機は見当たりません。リバーブはサブボードのBOSS RV-5だけです。ラック1で空間系を担っているのは、ディレイ3台とモジュレーション系ということになります。
ペダル操作系──ワウ2台・Whammy・ボリュームペダル
コントロールボード2には、足で踏んで操作する機材がまとめられています。
MXR MC404 CAE Wah
Morley George Lynch Dragon Wah
DigiTech Whammy DT
Shin's Music PERFECT VOLUME ORIGINAL
ワウペダルは2台です。MC404は2つのインダクターを内蔵してサウンド・キャラクターを選べるモデル、Dragon Wahは光センサーを使ったスイッチレス設計のモデルで、操作感もサウンドも異なります。用途で分けていたと考えられますが、使い分けはデジマートの記事には書かれていません。Whammy DTは、デジマートの写真説明ではワウ・ペダルと表記されていますが、製品説明によればピッチシフターで、ダウンチューニングやアップチューニングをスイッチ操作だけで得られるドロップ・チューニング機能も備えています。
ルーティングとノイズ対策
これだけの台数を扱うため、スイッチャーとルーティング機器が何重にも組み込まれています。
Free The Tone ARC-3 — 8ループ・640プリセットを備えたスイッチャー。桑原の個体はブラック(受注生産仕様)
Rocktron MIDI RAIDER — MIDIフットコントローラー。プリセットの呼び出しと、MIDIコマンドの送信
Providence PEC-04 ×2/RX-L1/PRX-3C(ラック2)、PEC-2・PEC-04(サブボード) — エフェクトループの組み合わせを選ぶルーティングボックス
Free The Tone JB-82 ×2 — ジャンクションボックス。ケーブルとプラグへの負担を減らす
iSP Technologies DECIMATOR II — ノイズリダクション
Ex-pro PS-1 — 16系統出力のパワーサプライ
KORG pitchblack — チューナー
ARC-3とMIDI RAIDERは、コントロールボード1のほか、ARC-3はラック2の1段目、MIDI RAIDERはラック1の1段目にも写っています。
一般に、ペダルを数多く直列につなぐほど、信号の劣化やノイズが問題になりやすくなります。ループスイッチャーとルーティングボックスで使うペダルだけを信号経路に入れ、ジャンクションボックスでケーブルの取り回しを整え、DECIMATOR IIでノイズを抑える構成と考えられます。
まとめ: 多数のペダルと並んで、ルーティング・電源・ノイズ対策の機材も組み込まれています。
サブボード──歪み・ディレイを中心にリバーブも加えた1枚
メインのシステムとは別に、サブのボードも公開されています。
KORG pitchblack
MAD PROFESSOR New Sweet Honey Overdrive
JHS Pedals Moonshine Overdrive
JHS Pedals Charlie Brown
Eventide ModFactor
LINE 6 DL4
Ibanez TS9
t.c.electronic ND-1 NOVA DELAY
BOSS RV-5 Digital Reverb
Providence PEC-2
Providence PEC-04
歪み4台、ディレイ2台、モジュレーション1台、リバーブ1台に、チューナーとスイッチャー2台。メインのシステムと共通する機種(Moonshine Overdrive、Charlie Brown、ModFactor、DL4、ND-1 NOVA DELAY)がある一方、TS9、New Sweet Honey Overdrive、RV-5は、デジマートが挙げるメインのボードとラックの機材には含まれていません。メインのシステムとの使い分けは、デジマートの記事には書かれていません。
桑原彰の使用アンプ|公開情報の範囲
デジマート・マガジンの機材紹介は、ボードとラックのエフェクター類を対象にしたもので、アンプは紹介されていません。本記事では、公式の資料で確かめられないアンプのモデル名は挙げません。
歪み系ペダルを多数そろえた構成であることは公開情報から分かりますが、アンプをどんな音色に設定していたか、歪みをどこまでアンプ側で作っていたかは、ボードとラックの内訳からは判断できません。
桑原彰のサウンドに近づけるための考え方
アンプの設定値やペダルのツマミの位置は、デジマートの記事には掲載されていません(同記事によれば、各ペダルの使い方はギター・マガジン2016年12月号の誌面で解説されています)。ここでは、機材構成そのものから読み取れる方針を整理します。
歪みは複数台を組み合わせる前提で並べる
歪み系は少なくとも12台あり、ローゲインのSweet Honey Overdriveから、ハイゲインまで出せるMoonshine OverdriveやCharlie Brownまでが同じラックに並んでいます。しかもスイッチャーとルーティングボックスで組み合わせを切り替えられる形です。1台で必要な歪みをすべてまかなうのではなく、複数台を組み合わせる前提の並べ方とみられます。
💡 手持ちのオーバードライブの前段にもう1台を置き、ブースターとして重ねてみるのは、1台追加するだけで試せる方法です。
空間系はディレイを軸にする
ラック1にはディレイが3台ある一方、デジマートが挙げている範囲では、メインのボードとラックにリバーブの単体機は見当たりません。リバーブはサブボードのBOSS RV-5だけです。メインのシステムでは、残響系の役割をディレイが中心に担っていたとみられます。
💡 リバーブを足す前に、ディレイの設定で奥行きを作れないか試す——これは1台のディレイでも実践できる考え方です。
台数を増やすなら、ルーティングと電源も同時に整える
ルーティングボックス、ジャンクションボックス、ノイズリダクション、16系統出力のパワーサプライ。桑原のシステムには、多数のペダルとともにこれらも組み込まれていました。
💡 ペダルを増やして「なんだか音が細くなった」と感じたときは、新しいペダルを買うよりループスイッチャーやパワーサプライを見直すほうが効くことがあります。
ギター以外の音もギターで出す
アコースティックシミュレーターとオルガンシミュレーターがラックに入っていた点も特徴です。ギターらしい音を鳴らすだけでなく、ギターを持ち替えずに別の楽器の音色を出す、という選択肢をラックに用意していたことになります。
同じ機材を揃えても同じ音にはならない
⚠️ デジマートの記事で公開されているのは機材の顔ぶれであって、どの曲でどれを踏んでいたかや、各ペダルの設定値ではありません。加えて音源で聴こえる音には、レコーディングとミックスの工程が乗っています。機材は出発点であって到達点ではない、という前提で取り組むのが現実的です。
まとめ: 「歪みは複数台を組み合わせる前提で並べる」「空間系はディレイを軸にする」「台数に見合ったルーティングと電源を用意する」——この3点が、機材構成から読み取れる骨格です。
桑原彰の使用機材に関するよくある質問
桑原彰は今もRADWIMPSのメンバーですか?
いいえ。RADWIMPSの公式サイトが2024年10月17日に発表したとおり、桑原彰は同日をもってバンドを脱退しています。本記事で扱っている機材は、いずれも在籍時に公開されたものです。
桑原彰のメインギターは何でしたか?
「これがメイン」と公式に規定された1本は確認できていません。ギター・マガジン2016年12月号の誌面紹介では、桑原のソロ・インタビューが「68年製レス・ポールを手に」という見出しで紹介されています。また、サイケデリズムのスタッフブログ(2008年1月14日付)には、同店のModerncaster S "ギンギン。"とT-CUSTOMを桑原が受け取った記録があります。
なぜ歪み系ペダルを12台以上も使っていたのですか?
デジマートの記事に理由は書かれていませんが、構成から読み取れることはあります。ローゲインからハイゲインまで出せる機種がそろい、歪み系だけで同一モデルを複数台持っているものが4種類あり、スイッチャーで組み合わせを切り替えられる形になっています。1台で歪みをまかなうのではなく、複数台を組み合わせる前提の設計とみられます。詳しくは「桑原彰のエフェクター|2つのラックとコントロールボード」で整理しています。
桑原彰が使っていたアンプは何ですか?
デジマート・マガジンの機材紹介はエフェクター類が対象で、アンプは紹介されていません。本記事では、公式の資料で確かめられないアンプのモデル名は挙げていません。
まとめ|桑原彰の機材から読み取れること
公開情報から確認できた要点は3つです。
システムはコントロールボード2台+ラック2セット。 これとは別に、サブボードも公開されています。
歪み系はラック2に少なくとも12台。 ローゲインからハイゲインまで出せる機種がそろい、歪み系だけで同一モデルを複数台持つものが4種類ありました。
サイケデリズムとの接点がギターとエフェクターの両方にある。 同店が特別製作したModerncaster S "ギンギン。"を受け取った記録があり、ラックには同店の抹茶ドライヴが複数台(銀色のものはプロトタイプ)入っていました。
桑原彰は2024年10月17日にRADWIMPSを脱退しており、本記事の内容は在籍時のシステムの記録です。台数の多さそのものより、「歪みは複数台を組み合わせる前提で並べる」「空間系はディレイを軸にする」「台数に見合ったルーティングと電源を用意する」という考え方のほうが、自分のボードに持ち帰りやすい部分でしょう。まずは手持ちのボードにループスイッチャーを1台足すところから試してみてください。
本記事は個人の使用経験に基づく情報です。楽器・機材の使用に際しては、取扱説明書や専門家の指示に従い、安全にご注意ください。
サウンドマニア編集部
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