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アベフトシの使用機材|赤鼈甲の4号機とJCM900、アンプ直の音作り【2026年版】.webp

アベフトシの使用機材|赤鼈甲の4号機とJCM900、アンプ直の音作り【2026年版】

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サウンドマニア編集部/楽器の購入ガイドや基礎知識を発信するサウンドマニア編集部です。ピアノ・ギターをはじめとした楽器選…

THEE MICHELLE GUN ELEPHANTのギタリスト、アベフトシのメインギターは、原宿のギター工房・松下工房のブランド「seen」が製作したテレキャスター・カスタム・タイプです。なかでも黒ボディに赤鼈甲(べっこう)柄ピックガードの1本は、松下工房が「98年に登場して以来メインギターとして活躍し」たと説明する、彼の代名詞といえるギターでした。アンプはキャリア後期にMarshall JCM900をメインに据え、エフェクターはほとんど使わずにギターとアンプで音を作っていたとされます。この記事では、製作者やギター・マガジンなどの情報をもとに、アベフトシの機材と仕様のこだわりを整理します。

アベフトシとは|THEE MICHELLE GUN ELEPHANTのギタリスト

アベフトシ(本名:安部太)は1966年12月16日生まれ、広島出身のギタリストです。オリコンニュースの訃報記事によれば、1994年にTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTへ加入し、1996年にシングル「世界の終わり」でメジャーデビュー。バンドは2003年10月11日の幕張メッセ公演をもって解散しました。

解散後は、元SNAIL RAMPのAKIOによるソロ・プロジェクト「KOOLOGI」への参加や、バンド「CARRIE」の結成など、ギタリストとして活動しました。BARKSによれば、2008年12月には同じ広島出身の吉川晃司による国立代々木競技場第二体育館公演にゲスト出演しています。2009年7月22日未明、急性硬膜外血腫のため逝去。報道では42歳、所属事務所の発表では「享年43歳」とされています。

年

出来事

1966年

12月16日生まれ

1994年

THEE MICHELLE GUN ELEPHANTに加入

1996年

シングル「世界の終わり」でメジャーデビュー

1998年

4thアルバム『ギヤ・ブルーズ』リリース(11月25日)

2003年

10月11日、幕張メッセ公演をもってバンド解散

2004年〜

KOOLOGIに参加。2006年にCARRIEを結成

2008年

12月、吉川晃司の代々木第二体育館公演にゲスト出演

2009年

7月22日逝去

メインギターは松下工房「seen」のテレキャスター・カスタム・タイプ

アベフトシのテレキャスター系ギターを製作したのが、原宿の松下工房です。リットーミュージックは、2019年に復刻されたアーティスト・ムック『アベフトシ/THEE MICHELLE GUN ELEPHANT』(初版2010年)の紹介文で、彼の愛用機材を「トレードマークの松下工房製TLタイプ」と表現しています。seenは松下工房のブランド名で、アベフトシはこのブランドのテレキャスター系ギターを複数本使い分けていました。

代名詞は黒ボディ×赤鼈甲ピックガードの「4号機」

代名詞とされるのが、黒ボディに赤鼈甲柄ピックガードを組み合わせたテレキャスター・カスタム・タイプです。製作元の松下工房は、2018年製の復刻モデルの商品ページで、このギターを「アベフトシモデル 4号機は98年に登場して以来メインギターとして活躍し」と紹介しています。Wikipedia日本語版の「アベフトシ」項目でも、4thアルバム『ギヤ・ブルーズ』の頃から使われ、「スモーキン・ビリー」や「G.W.D」のPVに登場するメインギターとして記載されています。

製作元が明かす仕様のこだわり

松下工房は2017年製と2018年製の4号機「完全復刻版」を各1本限定で販売しており、その商品ページには本人仕様についての説明が残っています。記事の中核となる情報なので、商品ページの記述にそって整理します。

項目

松下工房の復刻版商品ページの記述

ボディ

センター2ピースのアッシュ。2017年版は「アベフトシと同じ重さ」のアッシュを使用

ネック/指板

メイプルネック、ローズウッド指板

ピックアップ

フロントにフェンダーのハムバッキング、リアにフェンダーのオリジナルビンテージ

コントロール

2ボリューム・1トーン

セレクター

ミニ・トグルスイッチを、通常のリアトーンの位置に配置

ブリッジ

フェンダーの6WAY。1弦側のサイドプレートからネジでサドルを固定する加工

ペグ/ナット/フレット

ゴトー製ペグ、牛骨ナット、スリムフレット

ピックガード

赤鼈甲。トーンノブにはスカルノブ

ノイズ対策

ピックガード裏とボディキャビティ内をアルミシートでシールディング

仕様のなかでまず目を引くのが、ピックアップセレクターの位置です。70年代型のテレキャスター・カスタムでは、セレクターは通常フロント・ピックアップ近くのボディ上側(いわゆる「肩」)にありますが、4号機ではリアトーンの位置にトグルスイッチが移されています。松下工房は2018年版の説明で、この変更を「アベフトシの醍醐味であるカッティング奏法の邪魔にならないよう」行ったものとしています。また2017年版では、ミニトグルスイッチを選んだ理由を「ツアーケースに入れても上蓋と干渉しない」ためと説明しています。

ブリッジにも手が入っています。松下工房によれば、6WAYブリッジは構造上サドルが不安定になりやすく、サイドプレートからネジで固定する加工は「アベフトシモデルで最も特徴的な仕様」とされています。ピッキング時にサドルが動かないようにするための加工です。

そのほかのseen製テレキャスター

4号機以外のseen製ギターは、Wikipedia日本語版「アベフトシ」項目と、2013年のイベント「TMGE SHIBUYA RIOT!」で展示を取材した個人ブログ(plutoculture)の記述が一致する範囲でまとめます。

ギター

外観・仕様

使われた時期・場面とされるもの

テレキャスター・タイプ

黒ボディ(仕様違いで複数本)

カスタム・タイプ製作以前の初期

テレキャスター・カスタム・タイプ

ナチュラルボディ×黒ピックガード

初期のメイン。「ゲット・アップ・ルーシー」のPV

テレキャスター・カスタム・タイプ(4号機)

黒ボディ×赤鼈甲柄ピックガード

1998年以降のメイン。「スモーキン・ビリー」「G.W.D」のPV

テレキャスター・カスタム・タイプ

黒ボディ×ホワイトパール柄ピックガード

後期に使用

テレキャスター・デラックス・タイプ

ハムバッカー2基

2001年頃に製作

Wikipediaは、カスタム・タイプの共通仕様として、アッシュボディ、メイプルネックにローズ指板、ネックの4点止め、6セクションのブリッジ、リアトーンの位置へ移設したセレクターを挙げ、「これらの仕様は彼の所有する他のテレキャスター・カスタム タイプのギターにもおおよそ共通である」としています。いずれのギターにも重めの木材を選び、三角シェイプのネックを好んだとも記されています。

テレキャスター以外のギター|Gretsch Silver JetとBurns Split Sonic

メインのseen製テレキャスター系のほかに、次のギターも所有していました。

  • Burns Split Sonic:英国Burns社のギター。ギター・マガジン2016年9月号のビザール・ギター特集「My Dear Bizarre Guitar」で、アベフトシの1本として取り上げられています(誌面目次の表記は「Burns Sprit Sonic」)

  • Gretsch Silver Jet:Wikipediaが「グレッチ・シルバージェット」を所有ギターとして挙げています

アンプはFender The Twin、Sunn Model T、Marshall JCM900

アンプは時期によって変わっています。後期のメインについては、ギター・マガジン2019年3月号のマーシャル特集が「アベフトシ(THEE MICHELLE GUN ELEPHANT)とマーシャルJCM900の物語」というコラムを掲載し、告知文で「彼はキャリア後期にマーシャルJCM900をメインに据え」たと紹介しています。

アンプ

位置づけ

根拠

Fender The Twin

初期のアンプ

Wikipediaは「赤ノブ期」のThe Twinを初期のアンプとして記載。plutocultureも初期からの使用を記述

Sunn Model T

使用アンプの1つ

Wikipediaとplutocultureの両方が記載

Marshall JCM900

後期のメイン

ギター・マガジン2019年3月号の告知文

エフェクターはほぼ使わず「アンプ直」が基本とされる

アベフトシの音作りは、ギターをアンプに直接つなぐスタイルだったとされます。Wikipediaは「エフェクターはほとんど使わず、基本的にギターとアンプのみで音作りをしている」と記しており、plutocultureも「基本的にアンプ直結スタイル」と説明しています。

アベフトシの音に近づくための機材の考え方

同じ構成を組むなら、ここまでの情報から押さえるべき要素は次の4つです。

  • ボディ:アッシュのテレキャスター・カスタム系(フロントにハムバッカー、リアにシングルコイル)

  • ネック:メイプルネックにローズ指板

  • アンプ:後期ならMarshall JCM900、初期ならFender The Twin

  • 接続:エフェクターを挟まないアンプ直

製作元による復刻モデル

松下工房は2017年製と2018年製の「アベフトシモデル 4号機 完全復刻版」をそれぞれ1本限定で販売しました。どちらも商品ページ上の価格は398,000円(税込)で、確認時点ではいずれも在庫切れとなっています。製作元自身が本人仕様を再現したモデルで、上で紹介した仕様はこの商品ページの記述です。

市販のテレキャスター・カスタム系モデル

イケベ楽器がフェンダーに別注した「Fender Made in Japan IKEBE FSR 70s Telecaster Custom Tortoise Shell Pickguard (Black)」は、アッシュボディ、ローズ指板、フロントにFender “Wide Range” Humbucking、赤べっ甲のピックガードという仕様です。同社の商品紹介記事(2019年9月公開、2021年10月更新)での掲載時の販売価格は119,900円(税込)でした。商品紹介ではスイッチを「ヴォリューム側に取り付ける」と説明しており、本人仕様との関係には触れていません。アベフトシの名前も記されていないため、4号機の仕様表と見比べたうえで検討してください。

なおWikipediaは、フェンダージャパンの「アベフトシモデル」とされるギターについて、通常ラインのテレキャスター・カスタムをショップ等が別注でカスタムしたもので「正式な『アベフトシモデル』ではない」と記しています。

中古で探すときの判断材料

本記事では実測にもとづく相場レンジを掲載していません。価格の目安より先に、次の点を確認してください。

  • ボディ材がアッシュかどうか(商品説明のスペック欄で確認)

  • ピックアップ構成がフロント・ハムバッカー、リア・シングルコイルか

  • セレクターの位置(標準の「肩」の位置か、移設されているか)

  • ブリッジが6サドルか3サドルか

  • ピックガードやノブが交換されている場合、元のパーツが付属するか

アベフトシの機材をさらに知るための資料

  • 『アベフトシ/THEE MICHELLE GUN ELEPHANT』(リットーミュージック、GUITAR MAGAZINE SPECIAL FEATURE SERIES):2010年12月の初版を、2019年7月22日に復刻。ギター・マガジン掲載インタビューの集成と「ギター&機材コレクション」を収録

  • ギター・マガジン2019年3月号:コラム「アベフトシ(THEE MICHELLE GUN ELEPHANT)とマーシャルJCM900の物語」を掲載

  • ギター・マガジン2016年9月号:ビザール・ギター特集でBurns Split Sonicを掲載

よくある質問

アベフトシのメインギターは何ですか?

松下工房のブランド「seen」が製作したテレキャスター・カスタム・タイプです。黒ボディに赤鼈甲柄ピックガードの「4号機」は、製作元が「98年に登場して以来メインギターとして活躍し」と紹介しています。

セレクターの位置が普通のテレキャスターと違うのはなぜですか?

松下工房は、カッティング奏法の邪魔にならないようにトグルスイッチをリアトーンの位置へ移したと説明しています。

アベフトシが使っていたアンプは?

後期のメインはMarshall JCM900です(ギター・マガジン2019年3月号)。ほかにFender The Twin(初期)やSunn Model Tを使ったとされます。

エフェクターは使っていましたか?

ほとんど使わず、ギターとアンプを直接つないで音を作るスタイルだったとされます。

Burns製のギターは使っていましたか?

Burns Split Sonicを所有していました。ギター・マガジン2016年9月号のビザール・ギター特集で、アベフトシのギターとして掲載されています。

まとめ

アベフトシの機材の中心は、松下工房「seen」のテレキャスター・カスタム・タイプです。音作りはエフェクターをほとんど使わないアンプ直だったとされます。代名詞の4号機は、アッシュボディにフロント・ハムバッカーとリア・シングルコイルを組み合わせ、カッティングの妨げにならないようセレクターをリアトーンの位置へ移した1本でした。アンプは後期にMarshall JCM900をメインに据え、ほかにFender The Twin(初期)やSunn Model Tを使ったとされます。同じ方向の音を目指すなら、まずギター本体の仕様とアンプ直の接続を揃え、そこから自分の手でカッティングを詰めていくのが、本人の機材構成にそった進め方です。

※本記事の情報は2026年9月24日に各出典を確認した内容にもとづきます。

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